目立たないでと言われても

みつば

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叫んだ途端、体育館内は静かになり一気に視線が集まるのを感じた。その視線を受けながら、ステージの前まで歩いていく。

「あなた、なんですか?」
「「でしゃばってくるな!」」
副会長たちが憎々しげに睨んでくる。
「なんだよ湊人!!!」
一宮は突然の出来事についていけてないようだ。

「あなた方の主張は全くの誤りです。」

そう言った途端、近くにいた生徒の何人かが、生徒会の皆様になんてことを言うんだ!と怒って掴みかかってきた。
「遥。」
「お前は、もっと普通に登場できないのか。」
そうため息まじりに呟いて、ステージ脇に待機していた五条遥が俺に掴みかかってきた生徒をとりおさえた。その周りでも、風紀委員たちが生徒たちが俺の方に来られないようにとどめている。
「手を出すなってこういうことか」
ジトっとした視線を送られた。


「あなた方は七瀬会長と市村会計が仕事をしていないと言いましたね。本当に仕事をしていないのは自分たちだと言うのに。」

「なっ」
「何いってるんだよ湊人!嘘言うなよ!!!」
副会長たちは絶句し、一宮は暴れながら騒いでいる。優秀な風紀委員たちがしっかりと抑えているが。
「そうです。何を証拠にそんなことを言うんですか!」
「こっちには」「証拠だってあるんだよ!」
「そ……だよ…!」

「はっ、そんなお粗末なものを証拠だなんて、ばかばかしいですね。
鏑木副会長、桃井庶務、笹野書記。各委員会からあなた方の管轄の仕事が遅れがちだと報告が上がっている。」
「っ、それは生徒会室が使えていないからでっ」
「実は知らないとは思うが、生徒会の各役職が使う判子は微妙に異なるデザインにしてある。ここ2週間提出された書類全てが会長か会計の判子が押されてあった。おまえら4人の判子使われた書類は一つもなかった。」
冷静にしているつもりが、かなり怒っているのでついつい口調が乱れてしまう。
「また、学校中の監視カメラでおまえらの行動を追った記録がここにあるが」
そういって分厚い書類の束を取り出す。
「生徒会の仕事をやらないばかりが、授業にも出席せずに遊び呆けているようだな。」

「じゃ、じゃあこっちの証拠は!」

「まず生徒会室の入室記録だが、生徒会室で仕事をしているんだから何の証拠になるんだ。あと生徒会室に入る生徒だが、あれは俺だ。生徒会顧問の来栖から、生徒会の援助をしてほしいと正式に依頼があって手伝っていた。誰かさんが仕事をサボっているせいで人手が足りてなくてな。」
こんなこともあろうかと来栖に書かせていた書類を取り出す。こんなふうにあいつらが出した証拠とやらを一つずつ潰していった。


「これで終わりか?」
副会長たちは悔しそうに顔を歪める。
「あなたは一体……。」

「では、ここに、として、七瀬響也、市村のぞみの2名のリコール要求を却下する!」
宣言し、風紀委員長と書かれた腕章に腕を通した。
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