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第10章 旅立ちの塔
第242話 穿つ
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第242話 穿つ
**********
ジャンヌ:騎士団長
フィスト:近衛兵長
サリー:魔法使い
マリン:海の冒険者
ブラド:吸血鬼の姫
ローズ:貴族令嬢
キャッツ:トレジャーハンター
マリア:シスター
リーフ:エルフ
**********
ジャンヌ「各階層にみんながいるって言ってたよね?」
サリー「う、うん……」
マリン「ほんじゃ、やることはひとつね」
リーフ「え?どうするの?」
フィスト「決まってるじゃん。全部の床ぶっ壊してみんな合流!そのあと脱出!」
ローズ「あ、やっぱりそうなんだ(笑)」
マリア「天蓋とか外壁は、頑丈に作ってるかも知れないけど、床はどうなのかしら?」
キャッツがしゃがみこんで床をコンコンと叩いています。
キャッツ「んー、普通の石とはちょっと違うみたいね。だけど、一枚の板になってるわけだから、強い衝撃を一点に与えれば、破れると思う」
ブラド「んー、強い衝撃を一点に、かぁ……」
フィスト「まっかせなさい!」
フィストはそう言うと腰に差したレイピアを抜きました。
細い剣は日の光を浴びて輝きます。
フィストの目つきが変わりました。
リーフ「こ、こわい……」
フィスト「……相手がいてもいなくても……殺す気でやるのよ、こういうのは」
フィストは右手に持ったレイピアを地面に向かって構えました。
左手を前に出し、弓を引くような動作です。
マリン「改めて見ると、細くて、きれいな剣だね……」
サリー「あの剣で、ここの床を……破るなんて……」
フィスト(この子とは……ここでお別れかもしれないね……ごめんね、今まで、ありがとう!)
フィストは目を閉じ、次に開いた時には、いっそう鋭い眼光で一点を見つめました。
そして、レイピアを一気に突きました。
フィスト「呀ァァァァァァァァァ!!」
ガギンッ!
鈍い音を上げ、レイピアは塔の床を突き破りました。
キャッツ「やった!」
ローズ「す、すごい!」
リーフ「!待って!でも……」
リーフが戸惑いの声を上げたのは、レイピアが床に対して、あまりにもきれいに穴を開けたからでした。
レイピアはその刀身をすべて床に埋めました。
ただ、それだけで、床そのものを破壊できなかったのです。
ブラド「あかんの!?」
ジャンヌ「ううん!フィストの目、死んでない!」
8人の視線がフィストの顔に集まる前に、ジャンヌの言葉が終わるより早く、フィストはもう一度左手を前に出し、右手を後ろに引きました。
フィスト「もういっちょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
フィストは地面から「生えている」レイピアの柄に向かって、拳を振り下ろしました。
掌底が柄を床に押し込み、レイピアは完全にその姿を消しました。
直後、レイピアが打ち込まれた箇所から、床に放射状にヒビが入りました。
ビシビシという大きな音を立てたとき慌ててジャンヌが言います。
ジャンヌ「みんな!手を繋いで!」
床はなくなり、9人が落下します。
『射出エネルギー充填、20パーセント』
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ジャンヌ:騎士団長
フィスト:近衛兵長
サリー:魔法使い
マリン:海の冒険者
ブラド:吸血鬼の姫
ローズ:貴族令嬢
キャッツ:トレジャーハンター
マリア:シスター
リーフ:エルフ
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ジャンヌ「各階層にみんながいるって言ってたよね?」
サリー「う、うん……」
マリン「ほんじゃ、やることはひとつね」
リーフ「え?どうするの?」
フィスト「決まってるじゃん。全部の床ぶっ壊してみんな合流!そのあと脱出!」
ローズ「あ、やっぱりそうなんだ(笑)」
マリア「天蓋とか外壁は、頑丈に作ってるかも知れないけど、床はどうなのかしら?」
キャッツがしゃがみこんで床をコンコンと叩いています。
キャッツ「んー、普通の石とはちょっと違うみたいね。だけど、一枚の板になってるわけだから、強い衝撃を一点に与えれば、破れると思う」
ブラド「んー、強い衝撃を一点に、かぁ……」
フィスト「まっかせなさい!」
フィストはそう言うと腰に差したレイピアを抜きました。
細い剣は日の光を浴びて輝きます。
フィストの目つきが変わりました。
リーフ「こ、こわい……」
フィスト「……相手がいてもいなくても……殺す気でやるのよ、こういうのは」
フィストは右手に持ったレイピアを地面に向かって構えました。
左手を前に出し、弓を引くような動作です。
マリン「改めて見ると、細くて、きれいな剣だね……」
サリー「あの剣で、ここの床を……破るなんて……」
フィスト(この子とは……ここでお別れかもしれないね……ごめんね、今まで、ありがとう!)
フィストは目を閉じ、次に開いた時には、いっそう鋭い眼光で一点を見つめました。
そして、レイピアを一気に突きました。
フィスト「呀ァァァァァァァァァ!!」
ガギンッ!
鈍い音を上げ、レイピアは塔の床を突き破りました。
キャッツ「やった!」
ローズ「す、すごい!」
リーフ「!待って!でも……」
リーフが戸惑いの声を上げたのは、レイピアが床に対して、あまりにもきれいに穴を開けたからでした。
レイピアはその刀身をすべて床に埋めました。
ただ、それだけで、床そのものを破壊できなかったのです。
ブラド「あかんの!?」
ジャンヌ「ううん!フィストの目、死んでない!」
8人の視線がフィストの顔に集まる前に、ジャンヌの言葉が終わるより早く、フィストはもう一度左手を前に出し、右手を後ろに引きました。
フィスト「もういっちょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
フィストは地面から「生えている」レイピアの柄に向かって、拳を振り下ろしました。
掌底が柄を床に押し込み、レイピアは完全にその姿を消しました。
直後、レイピアが打ち込まれた箇所から、床に放射状にヒビが入りました。
ビシビシという大きな音を立てたとき慌ててジャンヌが言います。
ジャンヌ「みんな!手を繋いで!」
床はなくなり、9人が落下します。
『射出エネルギー充填、20パーセント』
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