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第10章 旅立ちの塔
第235話 旅立ちの塔 その2
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第235話 旅立ちの塔 その2
**********
ジャンヌ:騎士団長
フィスト:近衛兵長
サリー:魔法使い
マリン:海の冒険者
ブラド:吸血鬼の姫
ローズ:貴族令嬢
キャッツ:トレジャーハンター
マリア:シスター
リーフ:エルフ
**********
9人の少女はほぼ同時に目を開けました。
風が吹き抜け、9人の髪や服を揺らします。
視界に入ったのは仲間の顔と、どこまでも広がる青空でした。
足元はレンガ造りの床。
何も遮るものがない、塔の頂上。
視界いっぱいに広がる青空に、飲み込まれそうな錯覚に陥ります。
リーフ「……ここ」
ジャンヌ「帰って、きた……」
9人は円形に手をつないだまま、「旅立ちの塔」に戻ってきたのです。
サリー「……で、できた。空間転移」
マリン「すっごい……ほんとに、一瞬で戻ってきちゃった」
マリア「さすがサリーね」
サリー「え、違う!私の術じゃないよ。あの、『声』の人に渡された術だから……」
9人は塔の頂上で手をつないだままでいます。
風が強いので、その方が安全でした。
そして9人の周りには、7つの台座があります。
この塔の頂上から飛び立ったときと、まったく同じ景色。
フィスト「それでも、サリーがいなかったら使えてないでしょ?」
ローズ「だよねー!」
キャッツ「私たち……本当に戻ってきたんだね……戻ってきたってことは、世界をひとつにするための旅が、終わるんだね」
サリー「……ちょっと寂しいね」
マリン「そんなことないよ!これからも一緒にいればいいじゃん!」
ブラド「うん……そうやね。まずは私たちが、やり切ったことを喜ぼうよ。だって……本当にやり切ったんやから!」
リーフ「そうだよね!私たち、世界をひとつにするっていう使命を、果たしたのよね!」
ローズ「お疲れ様でしたー!」
フィスト「ひとごとなの?」
ローズ「あはははは(笑)」
『よく戻ってきた』
声が響きました。
キャッツ「!?この声……」
サリー「前来たときと一緒だ……頭の中に、響いてる……」
マリア「確か、『塔を守る者』だったかしら?」
『その通り。よく覚えていたな』
ブラド「ほんまよね。よく覚えてたね、顔も見えないのに」
リーフ「マリアちゃんすごーい!」
マリア「みんな、覚えてなかったの?」
マリン「忘れてたわねー。わりとどうでもいいことだし」
ローズ「ひどい(笑)」
フィスト「ちょっとみんな!かわいそうでしょ!」
9人が話していると、ジャンヌのオーブから魔法の地図が飛び出しました。
ジャンヌ「な、なに!?」
魔法の地図は宙に浮くと、突然9人の目の前で燃え上がったのです。
ジャンヌ「え?なにが起こったの?」
サリー「地図が、燃えちゃった……」
キャッツ「ほらー、あんたたちが『忘れてた』とか『どうでもいい』とか言うから、怒って地図燃やしちゃったじゃない」
『違う。地図はその使命を果たし、地上から姿を消したのだ。私じゃない』
キャッツ「あら、ごめんなさい」
ブラド「そっか、サリーのキューブの中に入ってた魔法も、さっきの地図も、もう使わないんやね」
マリン「で、あとは7つのキューブに入ったオーブの出番ね」
ローズ「そうだね!オーブを……どうするんだっけ?」
ジャンヌ「あの台座に置くんでしょ。覚えてなくても見れば思い出すでしょうが」
ジャンヌの言葉に呼応するように、9人の周りにある台座が、ぼんやりと光りはじめました。
7つの台座が、7色に光ります。
赤、橙、黄、緑、青、藍、紫。
リーフ「そうだったねー!」
ブラド「リーフも忘れてるやん」
『では、オーブを台座に』
**********
ジャンヌ:騎士団長
フィスト:近衛兵長
サリー:魔法使い
マリン:海の冒険者
ブラド:吸血鬼の姫
ローズ:貴族令嬢
キャッツ:トレジャーハンター
マリア:シスター
リーフ:エルフ
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9人の少女はほぼ同時に目を開けました。
風が吹き抜け、9人の髪や服を揺らします。
視界に入ったのは仲間の顔と、どこまでも広がる青空でした。
足元はレンガ造りの床。
何も遮るものがない、塔の頂上。
視界いっぱいに広がる青空に、飲み込まれそうな錯覚に陥ります。
リーフ「……ここ」
ジャンヌ「帰って、きた……」
9人は円形に手をつないだまま、「旅立ちの塔」に戻ってきたのです。
サリー「……で、できた。空間転移」
マリン「すっごい……ほんとに、一瞬で戻ってきちゃった」
マリア「さすがサリーね」
サリー「え、違う!私の術じゃないよ。あの、『声』の人に渡された術だから……」
9人は塔の頂上で手をつないだままでいます。
風が強いので、その方が安全でした。
そして9人の周りには、7つの台座があります。
この塔の頂上から飛び立ったときと、まったく同じ景色。
フィスト「それでも、サリーがいなかったら使えてないでしょ?」
ローズ「だよねー!」
キャッツ「私たち……本当に戻ってきたんだね……戻ってきたってことは、世界をひとつにするための旅が、終わるんだね」
サリー「……ちょっと寂しいね」
マリン「そんなことないよ!これからも一緒にいればいいじゃん!」
ブラド「うん……そうやね。まずは私たちが、やり切ったことを喜ぼうよ。だって……本当にやり切ったんやから!」
リーフ「そうだよね!私たち、世界をひとつにするっていう使命を、果たしたのよね!」
ローズ「お疲れ様でしたー!」
フィスト「ひとごとなの?」
ローズ「あはははは(笑)」
『よく戻ってきた』
声が響きました。
キャッツ「!?この声……」
サリー「前来たときと一緒だ……頭の中に、響いてる……」
マリア「確か、『塔を守る者』だったかしら?」
『その通り。よく覚えていたな』
ブラド「ほんまよね。よく覚えてたね、顔も見えないのに」
リーフ「マリアちゃんすごーい!」
マリア「みんな、覚えてなかったの?」
マリン「忘れてたわねー。わりとどうでもいいことだし」
ローズ「ひどい(笑)」
フィスト「ちょっとみんな!かわいそうでしょ!」
9人が話していると、ジャンヌのオーブから魔法の地図が飛び出しました。
ジャンヌ「な、なに!?」
魔法の地図は宙に浮くと、突然9人の目の前で燃え上がったのです。
ジャンヌ「え?なにが起こったの?」
サリー「地図が、燃えちゃった……」
キャッツ「ほらー、あんたたちが『忘れてた』とか『どうでもいい』とか言うから、怒って地図燃やしちゃったじゃない」
『違う。地図はその使命を果たし、地上から姿を消したのだ。私じゃない』
キャッツ「あら、ごめんなさい」
ブラド「そっか、サリーのキューブの中に入ってた魔法も、さっきの地図も、もう使わないんやね」
マリン「で、あとは7つのキューブに入ったオーブの出番ね」
ローズ「そうだね!オーブを……どうするんだっけ?」
ジャンヌ「あの台座に置くんでしょ。覚えてなくても見れば思い出すでしょうが」
ジャンヌの言葉に呼応するように、9人の周りにある台座が、ぼんやりと光りはじめました。
7つの台座が、7色に光ります。
赤、橙、黄、緑、青、藍、紫。
リーフ「そうだったねー!」
ブラド「リーフも忘れてるやん」
『では、オーブを台座に』
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