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第8章 地の果て
第210話 夢の力
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第210話 夢の力
**********
ジャンヌ:騎士団長
フィスト:近衛兵長
サリー:魔法使い
マリン:海の冒険者
ブラド:吸血鬼の姫
ローズ:貴族令嬢
キャッツ:トレジャーハンター
マリア:シスター
リーフ:エルフ
**********
サリー「見て、星……なんかカラフルだね」
マリン「うん、ピンクとかブルーとか金色とか……こんぺいとうみたい」
ローズ「お腹減ってるの?(笑)」
マリン「違うわよ!」
モモ「あ、でもあれはこんぺいとうよ」
ジャンヌ「ほ、ほんと!?」
キャッツ「で、でも、どういうこと?星がこんぺいとうって……」
モモ「そのまんまよ。この国は星がこんぺいとうでできてるのよ。いいわ、あんたたちのおかげで素敵な部屋に入れたんだから、取ってきてあげるわ。ちょっと待ってて」
妖精はそう言うと9人の返事も待たずに夜空に飛んでいきました。
ジャンヌ「……取ってくる、って」
ブラド「ど、どういうことなんかな?」
9人の戸惑いがおさまらない内に、妖精は戻ってきました。
両の脇にひとつずつ、こんぺいとうを抱えています。
モモ「いやぁー!ごめんね!2個しか運べなかったよ!」
ジャンヌ「い、いえ……ど、どうも、ありがとう」
ジャンヌが礼を言ったのでモモはジャンヌの手にこんぺいとうを乗せました。
ジャンヌ「えっと……い、いる人?」
リーフとサリーが遠慮しながら手を挙げたので、ジャンヌはふたりに渡しました。
リーフ「ンー!」
サリー「あまーい!」
キャッツ「ほんとにこんぺいとうなんだね」
マリア「…………食べても大丈夫みたいね」
フィスト「毒味させたのね……」
ローズ「あははははははは!(笑)」
ジャンヌ「ね、ねぇ、あれって、私たちにも取れますか?」
ブラド「飛べないと届かないんちゃう?」
ジャンヌ「そ、そっか……そうだよね……」
モモ「あー、まぁ、できるっちゃできるわよ。というか、できる子にはできるって感じかな」
サリー「?どういうことですか?」
モモ「やってみなさいよ」
ジャンヌ「い、いや、届かない……」
フィスト「とう!」
フィストが空に向かって手を伸ばし、叫んで少しジャンプしました。
フィストは指先に当たった星を摘まんで、着地しました。
フィスト「で……できた……!?」
リーフ「すごーい!フィスト!」
ジャンヌ「え!?と、届くの!?じゃあ私も……えいっ!」
ジャンヌが空に伸ばした手は虚空を切り、何も掴めませんでした。
ジャンヌ「え?あれ?」
モモ「ま、こういうことよ。信じてる子はできるし、届くかどうかなんて気にしてる現実的な子には無理ってこと」
フィスト「し、信じるから、叶う?」
ジャンヌ「そ、そか……………………ぅ…………ひっく…………ぐすん」
キャッツ「あー!もう!泣かないの!」
マリア「そ!そうだよ!ジャンヌが現実を見てくれてるから、私たちはこれまで旅できたんじゃん!」
リーフ「うん!そう!間違いない!」
フィスト「そうだよ!ジャンヌ!えーっと……こんぺいとう、いる?」
ローズ「あははははははは!(笑)」
ジャンヌ「ぅ…………ありがと……あまい……」
ジャンヌが泣き止むのを待って、マリンが口を開きました。
マリン「しかしすごいわねー!空の星がこんぺいとうだなんて」
モモ「バカ言ってんじゃないわよ。すごいのは、人の夢でしょ」
マリン「そ、そうですね……すみません」
ブラド「怒られてない怒られてない」
フィスト「私……やっぱり嫌!世界から夢がなくなるなんて!」
ジャンヌ「フィスト……」
フィスト「だって……こんなに素敵なのに!楽しくって、嬉しくって、幸せな気持ちにさせてくれるじゃん!」
マリア「うん、そうね……わかるわ」
リーフ「世界中の子どもたちが、夢を描くことなく育つって……想像もできないけど……きっと、すごく悲しい……」
ローズ「そうだよね……世界中の子どもたちを笑顔にするっていう考えだって、そもそもサンタクロースっていう夢がなかったら、そんな考え自体、生まれなかったのかもしれないし」
サリー「夢は……世界を変える力を持ってるんだね」
ブラド「じゃあやっぱり!なんとしても夢がなくなっていくことを食い止めて、この国でオーブを見つけなあかんよね!」
キャッツ「だねー……でも、それなのに、手がかりなーんもないよねー」
短い沈黙が降りました。
フィスト「あの……それもあるんだけどね、明日私、やってみたいことがあるの」
**********
ジャンヌ:騎士団長
フィスト:近衛兵長
サリー:魔法使い
マリン:海の冒険者
ブラド:吸血鬼の姫
ローズ:貴族令嬢
キャッツ:トレジャーハンター
マリア:シスター
リーフ:エルフ
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サリー「見て、星……なんかカラフルだね」
マリン「うん、ピンクとかブルーとか金色とか……こんぺいとうみたい」
ローズ「お腹減ってるの?(笑)」
マリン「違うわよ!」
モモ「あ、でもあれはこんぺいとうよ」
ジャンヌ「ほ、ほんと!?」
キャッツ「で、でも、どういうこと?星がこんぺいとうって……」
モモ「そのまんまよ。この国は星がこんぺいとうでできてるのよ。いいわ、あんたたちのおかげで素敵な部屋に入れたんだから、取ってきてあげるわ。ちょっと待ってて」
妖精はそう言うと9人の返事も待たずに夜空に飛んでいきました。
ジャンヌ「……取ってくる、って」
ブラド「ど、どういうことなんかな?」
9人の戸惑いがおさまらない内に、妖精は戻ってきました。
両の脇にひとつずつ、こんぺいとうを抱えています。
モモ「いやぁー!ごめんね!2個しか運べなかったよ!」
ジャンヌ「い、いえ……ど、どうも、ありがとう」
ジャンヌが礼を言ったのでモモはジャンヌの手にこんぺいとうを乗せました。
ジャンヌ「えっと……い、いる人?」
リーフとサリーが遠慮しながら手を挙げたので、ジャンヌはふたりに渡しました。
リーフ「ンー!」
サリー「あまーい!」
キャッツ「ほんとにこんぺいとうなんだね」
マリア「…………食べても大丈夫みたいね」
フィスト「毒味させたのね……」
ローズ「あははははははは!(笑)」
ジャンヌ「ね、ねぇ、あれって、私たちにも取れますか?」
ブラド「飛べないと届かないんちゃう?」
ジャンヌ「そ、そっか……そうだよね……」
モモ「あー、まぁ、できるっちゃできるわよ。というか、できる子にはできるって感じかな」
サリー「?どういうことですか?」
モモ「やってみなさいよ」
ジャンヌ「い、いや、届かない……」
フィスト「とう!」
フィストが空に向かって手を伸ばし、叫んで少しジャンプしました。
フィストは指先に当たった星を摘まんで、着地しました。
フィスト「で……できた……!?」
リーフ「すごーい!フィスト!」
ジャンヌ「え!?と、届くの!?じゃあ私も……えいっ!」
ジャンヌが空に伸ばした手は虚空を切り、何も掴めませんでした。
ジャンヌ「え?あれ?」
モモ「ま、こういうことよ。信じてる子はできるし、届くかどうかなんて気にしてる現実的な子には無理ってこと」
フィスト「し、信じるから、叶う?」
ジャンヌ「そ、そか……………………ぅ…………ひっく…………ぐすん」
キャッツ「あー!もう!泣かないの!」
マリア「そ!そうだよ!ジャンヌが現実を見てくれてるから、私たちはこれまで旅できたんじゃん!」
リーフ「うん!そう!間違いない!」
フィスト「そうだよ!ジャンヌ!えーっと……こんぺいとう、いる?」
ローズ「あははははははは!(笑)」
ジャンヌ「ぅ…………ありがと……あまい……」
ジャンヌが泣き止むのを待って、マリンが口を開きました。
マリン「しかしすごいわねー!空の星がこんぺいとうだなんて」
モモ「バカ言ってんじゃないわよ。すごいのは、人の夢でしょ」
マリン「そ、そうですね……すみません」
ブラド「怒られてない怒られてない」
フィスト「私……やっぱり嫌!世界から夢がなくなるなんて!」
ジャンヌ「フィスト……」
フィスト「だって……こんなに素敵なのに!楽しくって、嬉しくって、幸せな気持ちにさせてくれるじゃん!」
マリア「うん、そうね……わかるわ」
リーフ「世界中の子どもたちが、夢を描くことなく育つって……想像もできないけど……きっと、すごく悲しい……」
ローズ「そうだよね……世界中の子どもたちを笑顔にするっていう考えだって、そもそもサンタクロースっていう夢がなかったら、そんな考え自体、生まれなかったのかもしれないし」
サリー「夢は……世界を変える力を持ってるんだね」
ブラド「じゃあやっぱり!なんとしても夢がなくなっていくことを食い止めて、この国でオーブを見つけなあかんよね!」
キャッツ「だねー……でも、それなのに、手がかりなーんもないよねー」
短い沈黙が降りました。
フィスト「あの……それもあるんだけどね、明日私、やってみたいことがあるの」
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