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第8章 地の果て
第207話 夢の国の出会い
しおりを挟む第207話 夢の国の出会い
**********
ジャンヌ:騎士団長
フィスト:近衛兵長
サリー:魔法使い
マリン:海の冒険者
ブラド:吸血鬼の姫
ローズ:貴族令嬢
キャッツ:トレジャーハンター
マリア:シスター
リーフ:エルフ
**********
モモ「とりあえず、あんたたち、宿でも取る?森で倒れてたって言ってたからだと思うけど、結構汚れてるわよ」
マリン「あー!確かに!そうしない?なんか今日はいろいろあって疲れちゃったよ」
リーフ「さんせー!砂漠の国をロック鳥に運んでもらったのも、今日だもんねー」
マリア「そうね、体感はそうだけど、実際はどうなのかしらね」
キャッツ「異次元に迷い込んだようなものなら、時間なんて意味ないかもしれないしねー」
ブラド「まーまー、それこそ考えてもわかんないやん。とりあえず疲れてるねんから、休めるとこ行こ」
フィスト「良いこと言うやん!」
モモ「それじゃ、決まりね?」
ジャンヌ「えっと……ごめんなさい、宿の場所って……」
モモ「ん?もちろん知ってるわよ!ほら、ついといで!可愛い宿屋にびっくりしちゃうわよー」
妖精のモモはそう言うと、9人を先導するように、9人の目線の高さをゆっくりと飛び、通りを進んでいきました。
9人は遅れないように、フィストを先頭にすぐに歩きだしました。
ローズ「可愛い宿屋だってー!どんなのかなー?」
マリア「楽しみね」
フィスト「夢の国の宿屋やもんね!どんなんかな?冒険者が集う酒場が1階にあるとか?」
ブラド「独特な夢やね……それ」
マリン「ふかふかの雲のベッドとかもいいよねー」
モモ「あー、泊まる部屋によってはそういうのもあるかもね」
マリン「ほんと!?」
モモ「たぶんよ、たぶん。私も全部の部屋を知ってるわけじゃないから」
フィスト「いい部屋に当たるといいね……った!」
???「いってぇ!」
9人のうち、先頭を歩くフィストに、ひとりの少年がぶつかったのです。
少年もフィストも、その場に尻もちをついてしまいました。
フィスト「いたたたた……ちょっと、キミ、大丈夫?」
リーフ「ちょっと!フィストちゃん!違うよ!そこは『ちょっとあんたー!どこ見て歩いてんのよ!』だよ!そしたら向こうが『いってぇなぁ!そっちこそボサッとしてんじゃねえよ!』って言ってきて恋が」
キャッツ「なんであんたそんなこと知ってんのよ」
ローズ「そういうのも夢の一種かもね!」
フィスト「……い、いや、あのさ、なんで私がこんな子ども怒鳴りつけなきゃなんないのよ……あ、ねぇ、ほんと、大丈夫?キミ」
少年はフィストの言葉を聞くなり慌てて立ち上がりました。
少年「あ、こっちこそごめんなさい!急いでて、前を見てなかったです……」
ジャンヌ「なんだ……素直な子じゃん」
マリア「つまんないわね」
ローズ「あははははははは!」
モモ「あんたらつくづく変わった子たちねー。ん?あんた、ジャックじゃない」
名を呼ばれた少年は、名を呼んだ妖精に気付き、いっそう慌てました。
ジャック「げっ!モモ!さん……」
モモ「ほほぉ、そんなリアクション取るなんて、いい度胸してるじゃない……あんたの家の鍵どこかに隠したり、寝てる間に部屋散らかしたりしてもいいのよ?」
ジャック「うっ……やめてください……」
フィスト「なに?知り合いなの?」
ジャック「う、うん……有名な妖精だから……その……厄介で……」
モモ「褒め言葉として受け取っとくわね。いたずら好きの妖精としては名誉なことよ」
ブラド「めっちゃ迷惑な妖精なんやね」
マリン「まぁ、怪我がないならよかったじゃない。でも、なんでそんなに慌ててたの?」
ジャック「それは、えっとね……あ、あれ!?ない!?」
少年はズボンのポケットに手を入れましたが、あるはずの何かが見つからず、再び慌てはじめました。
すべてのポケットを何度も確かめています。
ジャック「ない!ない!ない!」
サリー「?……ねぇ、なにを探してるの?」
ジャック「……魔法の、豆」
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