虹の騎士団物語

舞子坂のぼる

文字の大きさ
上 下
136 / 189
第8章 地の果て

第204話 サンタクロース

しおりを挟む
第204話 サンタクロース
**********
ジャンヌ:騎士団長
フィスト:近衛兵長
サリー:魔法使い
マリン:海の冒険者
ブラド:吸血鬼の姫
ローズ:貴族令嬢
キャッツ:トレジャーハンター
マリア:シスター
リーフ:エルフ
**********


サンタクロース「ふぉっふぉっふぉっ、お困りのようじゃな。子どもたちへのプレゼントを配り終えたから、ソリにスペースはある。乗るかね?」

「「「「乗ります!」」」」

9人は返事をするなり、サンタクロースのソリに近づき、ソリやサンタやトナカイを見たり触ったりしました。

リーフ「すっごい……ほんものだぁ」

キャッツ「ね、ね、ひげ触っていい?」

サンタクロース「ふぉふぉ、構わんよ」

キャッツ「おぉ~!もじゃもじゃ!」

サリー「見て見て!ほんとにトナカイの鼻、真っ赤だよ!」

ブラド「なんか……感動しちゃうね」

マリン「エルフも吸血鬼も、サンタクロースは知ってるのね」

ブラド「もちろんよ!やっぱり種族とか関係ないんじゃない?子どもの夢って」

フィスト「そっか……ここ、夢の国だ!」

ローズ「夢の国?」

フィスト「そう!夢が現実になってるのよ!小人とか、お菓子の家とか、王子様と囚われのお姫様とドラゴンとか……夢が現実になって力を持ってるから、現実にあるサリーやブラドやリーフの力が追いやられて、なくなってるんじゃない?」

マリン「……おぉ」

マリア「なるほど……漠然とはしているけど、筋は通ってるわね」

サンタクロース「……乗らないのかね?」

ジャンヌ「あ!ごめんなさい!乗ります!」

9人はサンタクロースのソリに乗りました。
サンタが手綱を振り、ぴしゃりとトナカイの体を打って合図を出すと、トナカイは走り出しました。
すぐにトナカイは、地面ではなく、宙を蹴って駆け始めます。
次にソリが宙に浮き、空高くへと滑り出しました。

サリー「すごーい!飛んでる!」

サンタクロース「喜んでもらえて光栄じゃがな、あっという間についちまうぞ」

キャッツ「えぇー!やだー!どっか行こうよ!」

ジャンヌ「無茶言うんじゃないわよ」

ローズ「どっか行こうよって(笑)」

サンタクロース「お嬢さんがた、ほかの世界から迷い込んだんじゃな。だったら、空よりも町の方が楽しいんじゃないかね?」

マリア「町には、何があるんですか?」

サンタクロース「何が、と言われてもなぁ……お菓子でできた家、おもちゃの兵隊、女神の住む泉、と、まぁ、お嬢さんがたが大体知ってるものじゃな」

リーフ「すごい……私たち、ほんとに夢の国に来ちゃったんだ」

サンタクロース「ふぉっふぉっ、何を見ても喜びそうじゃな。それなら、町の入り口で降りるかね?」

ジャンヌ「ありがとうございます。みんな、それでいい?」

「「「「うん!」」」」

10分と経たないうちに、サンタクロースのソリは徐々に高度を下げ、町の入り口の前で止まりました。

マリア「ありがとうございました!サンタさん」

サンタクロース「なぁに、構わんよ。いい子にしておれば次に会うときはプレゼントを用意しておくからの」

ローズ「ほんとですかー!?ありがとう!」

マリン「ところでさ、ここって今、クリスマスなわけ?」

ジャンヌ「そうよね、サンタさんがここにいるってことは」

サンタクロース「いやいや、そういうわけではないよ。ワシはもうこの夢の国から出ることはなくなったんじゃ。これからは年中この夢の国におる」

フィスト「?どういうことですか?」

サンタクロース「世界中の子どもたちにプレゼントを配るのは、もう終わりじゃよ」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました

下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。 ご都合主義のSS。 お父様、キャラチェンジが激しくないですか。 小説家になろう様でも投稿しています。 突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!

放逐された転生貴族は、自由にやらせてもらいます

長尾 隆生
ファンタジー
旧題:放逐された転生貴族は冒険者として生きることにしました ★第2回次世代ファンタジーカップ『痛快大逆転賞』受賞★ ★現在三巻まで絶賛発売中!★ 「穀潰しをこのまま養う気は無い。お前には家名も名乗らせるつもりはない。とっとと出て行け!」 苦労の末、突然死の果てに異世界の貴族家に転生した山崎翔亜は、そこでも危険な辺境へ幼くして送られてしまう。それから十年。久しぶりに会った兄に貴族家を放逐されたトーアだったが、十年間の命をかけた修行によって誰にも負けない最強の力を手に入れていた。 トーアは貴族家に自分から三行半を突きつけると憧れの冒険者になるためギルドへ向かう。しかしそこで待ち受けていたのはギルドに潜む暗殺者たちだった。かるく暗殺者を一蹴したトーアは、その裏事情を知り更に貴族社会への失望を覚えることになる。そんな彼の前に冒険者ギルド会員試験の前に出会った少女ニッカが現れ、成り行きで彼女の親友を助けに新しく発見されたというダンジョンに向かうことになったのだが―― 俺に暗殺者なんて送っても意味ないよ? ※22/02/21 ファンタジーランキング1位 HOTランキング1位 ありがとうございます!

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは

竹井ゴールド
ライト文芸
 日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。  その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。  青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。  その後がよろしくない。  青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。  妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。  長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。  次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。  三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。  四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。  この5人とも青夜は家族となり、  ・・・何これ? 少し想定外なんだけど。  【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】 【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】 【2023/6/5、お気に入り数2130突破】 【アルファポリスのみの投稿です】 【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】 【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】 【未完】

うちの冷蔵庫がダンジョンになった

空志戸レミ
ファンタジー
一二三大賞3:コミカライズ賞受賞 ある日の事、突然世界中にモンスターの跋扈するダンジョンが現れたことで人々は戦慄。 そんななかしがないサラリーマンの住むアパートに置かれた古びた2ドア冷蔵庫もまた、なぜかダンジョンと繋がってしまう。部屋の借主である男は酷く困惑しつつもその魔性に惹かれ、このひとりしか知らないダンジョンの攻略に乗り出すのだった…。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

転生無双なんて大層なこと、できるわけないでしょう!〜公爵令息が家族、友達、精霊と送る仲良しスローライフ〜

西園寺わかば
ファンタジー
転生したラインハルトはその際に超説明が適当な女神から、訳も分からず、チートスキルをもらう。 どこに転生するか、どんなスキルを貰ったのか、どんな身分に転生したのか全てを分からず転生したラインハルトが平和な?日常生活を送る話。 - カクヨム様にて、週間総合ランキングにランクインしました! - アルファポリス様にて、人気ランキング、HOTランキングにランクインしました! - この話はフィクションです。

【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】  最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。  戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。  目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。  ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!  彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中

処理中です...