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第8章 地の果て
第203話 白馬の王子様
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第203話 白馬の王子様
**********
ジャンヌ:騎士団長
フィスト:近衛兵長
サリー:魔法使い
マリン:海の冒険者
ブラド:吸血鬼の姫
ローズ:貴族令嬢
キャッツ:トレジャーハンター
マリア:シスター
リーフ:エルフ
**********
王子「この森に迷って?……それはいけない!今すぐ出なさい!」
ブラド「だから出口わからへんのよ」
キャッツ「話聞きなさいよね」
ローズ「辛辣(笑)」
マリア「えっと……王子様、この森は危険なんですか?」
王子「うむ、この森の奥深くには竜が住んでいる。大空を飛び、火を吹く恐ろしい竜だ……私はその竜がさらった姫君を助けに、これからその住み処へ行くのだ!」
フィスト「おぉー!かっこいい!お姫様を救う王子様じゃん!」
サリー「…………小人とお菓子の家の次は、火吹き竜と姫と王子……?」
王子「わかったかね?乙女たちよ……ここは危険だ。ここからなら、太陽が出ている方に向かって進みたまえ。じきに森を抜けて、町が見えてくる」
マリン「あの、危険なのはわかったんですけど、今からその竜を退治しに行くんですよね?」
王子「?そうだが?」
マリン「王子様なんですよね?」
王子「そうだ!アールベル王国の王子としては隣国の囚われの姫君を見捨てるわけにはいかない!地位あるものこそ、大きな責務を果たさなければならない!ノブレス・オブリージュ!貴族の義務というやつだ!」
マリン「いや、貴族はいいんだけどさ、王子ならせめて軍隊でも連れて行けばいいじゃん。その方が確実でしょ?」
王子「フッ…………お嬢さん」
マリン「なによ」
王子「…………そういうものではないのだよ」
マリン「わけわかんないことをカッコつけて言ってんじゃないわよ」
王子「とにかく!君たちは一刻も早くこの森から立ち去りなさい!竜が怒りに任せてこの森を焼き尽くす前に!行くぞ!我が愛馬!エリクシオンよ!駆けろ!風よりも速く!」
白馬は「ヒヒーン!」といななくと、王子を乗せたまま森の奥へと消えて行きました。
9人はお菓子の家の前に取り残されました。
サリー「……行っちゃったね」
リーフ「どうしよっか」
ジャンヌ「ま、お菓子の家は惜しいけど、家主の許しもなく食べたりできないもんね。王子が教えてくれた方に行こう」
「「「「はーい!」」」」
ブラド「えっと、確か太陽の方角やんね」
9人は森の中を歩き始めました。
マリア「今さらだけど、私たち砂漠の岩山から穴に落ちたのに、ここは外なんだね」
フィスト「なんか、不思議の国に迷い込んだみたい」
ローズ「術とかも使えなくなってるもんね……あれ?そういえば、ブラド、大丈夫なの?」
キャッツ「あ、ほんとよ!太陽!サリーは今、日差しよけの術使えないんでしょ?」
サリー「う、うん……ごめん」
ブラド「いや謝ることちゃうよ。それに、なんか、平気みたい」
リーフ「平気なの?すごい!」
ジャンヌ「不思議だけど、ここで考えててもわかんないね……町でなにかわかればいいけど」
1時間ほど歩くと、森を抜けて、草原の向こうに町が見えました。
マリン「抜けたー!」
ジャンヌ「あれが町かぁ……結構遠いね」
ローズ「うん……かなり、しんどい……」
リーフ「休憩……しよ」
マリア「こう、パッと町まで行けたらいいのにね」
ブラド「そうそう。むしろ誰かに運んでもらいたい」
フィスト「んな都合よく……」
フィストが言い終えるより早く、9人の目の前に動物が現れました。
大きなソリをひいた、大きな2頭のトナカイです。
キャッツ「……マジ?」
サンタクロース「ふぉっふぉっふぉっ、お困りのようじゃな。子どもたちへのプレゼントを配り終えたから、ソリにスペースはある。乗るかね?」
「「「「乗ります!」」」」
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ジャンヌ:騎士団長
フィスト:近衛兵長
サリー:魔法使い
マリン:海の冒険者
ブラド:吸血鬼の姫
ローズ:貴族令嬢
キャッツ:トレジャーハンター
マリア:シスター
リーフ:エルフ
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王子「この森に迷って?……それはいけない!今すぐ出なさい!」
ブラド「だから出口わからへんのよ」
キャッツ「話聞きなさいよね」
ローズ「辛辣(笑)」
マリア「えっと……王子様、この森は危険なんですか?」
王子「うむ、この森の奥深くには竜が住んでいる。大空を飛び、火を吹く恐ろしい竜だ……私はその竜がさらった姫君を助けに、これからその住み処へ行くのだ!」
フィスト「おぉー!かっこいい!お姫様を救う王子様じゃん!」
サリー「…………小人とお菓子の家の次は、火吹き竜と姫と王子……?」
王子「わかったかね?乙女たちよ……ここは危険だ。ここからなら、太陽が出ている方に向かって進みたまえ。じきに森を抜けて、町が見えてくる」
マリン「あの、危険なのはわかったんですけど、今からその竜を退治しに行くんですよね?」
王子「?そうだが?」
マリン「王子様なんですよね?」
王子「そうだ!アールベル王国の王子としては隣国の囚われの姫君を見捨てるわけにはいかない!地位あるものこそ、大きな責務を果たさなければならない!ノブレス・オブリージュ!貴族の義務というやつだ!」
マリン「いや、貴族はいいんだけどさ、王子ならせめて軍隊でも連れて行けばいいじゃん。その方が確実でしょ?」
王子「フッ…………お嬢さん」
マリン「なによ」
王子「…………そういうものではないのだよ」
マリン「わけわかんないことをカッコつけて言ってんじゃないわよ」
王子「とにかく!君たちは一刻も早くこの森から立ち去りなさい!竜が怒りに任せてこの森を焼き尽くす前に!行くぞ!我が愛馬!エリクシオンよ!駆けろ!風よりも速く!」
白馬は「ヒヒーン!」といななくと、王子を乗せたまま森の奥へと消えて行きました。
9人はお菓子の家の前に取り残されました。
サリー「……行っちゃったね」
リーフ「どうしよっか」
ジャンヌ「ま、お菓子の家は惜しいけど、家主の許しもなく食べたりできないもんね。王子が教えてくれた方に行こう」
「「「「はーい!」」」」
ブラド「えっと、確か太陽の方角やんね」
9人は森の中を歩き始めました。
マリア「今さらだけど、私たち砂漠の岩山から穴に落ちたのに、ここは外なんだね」
フィスト「なんか、不思議の国に迷い込んだみたい」
ローズ「術とかも使えなくなってるもんね……あれ?そういえば、ブラド、大丈夫なの?」
キャッツ「あ、ほんとよ!太陽!サリーは今、日差しよけの術使えないんでしょ?」
サリー「う、うん……ごめん」
ブラド「いや謝ることちゃうよ。それに、なんか、平気みたい」
リーフ「平気なの?すごい!」
ジャンヌ「不思議だけど、ここで考えててもわかんないね……町でなにかわかればいいけど」
1時間ほど歩くと、森を抜けて、草原の向こうに町が見えました。
マリン「抜けたー!」
ジャンヌ「あれが町かぁ……結構遠いね」
ローズ「うん……かなり、しんどい……」
リーフ「休憩……しよ」
マリア「こう、パッと町まで行けたらいいのにね」
ブラド「そうそう。むしろ誰かに運んでもらいたい」
フィスト「んな都合よく……」
フィストが言い終えるより早く、9人の目の前に動物が現れました。
大きなソリをひいた、大きな2頭のトナカイです。
キャッツ「……マジ?」
サンタクロース「ふぉっふぉっふぉっ、お困りのようじゃな。子どもたちへのプレゼントを配り終えたから、ソリにスペースはある。乗るかね?」
「「「「乗ります!」」」」
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