127 / 189
第8章 地の果て
第195話 地の果て
しおりを挟む
第195話 ロック鳥
**********
ジャンヌ:騎士団長
フィスト:近衛兵長
サリー:魔法使い
マリン:海の冒険者
ブラド:吸血鬼の姫
ローズ:貴族令嬢
キャッツ:トレジャーハンター
マリア:シスター
リーフ:エルフ
**********
衛兵がロープの端をロック鳥の背に投げつけると、ロープはピンと張り、9人を引っ張っていきました。
ジャンヌ「お……きたきた……」
キャッツ「みんな!しっかり握ってて!」
ロック鳥は巨大なトカゲの尻尾を掴んだまま、空へと飛び立っていきました。
そしてすぐに頭を北に向け、羽ばたいていきました。
9人は「きゃぁぁーーー!」だの「わーーー!」だの歓声のような悲鳴のようなものを上げて、見送る女王と衛兵たちに目を向ける余裕もなく、砂漠を滑っていきました。
女王「行ったか」
ハカー「行っちゃったね……母様」
いつの間にか3人の子どもが女王の側にいました。
アラー「大丈夫かな?あの人たち」
女王「そう信じていますよ、母は」
シイー「じゃあ、ご先祖様にお願いしましょ!彼女たちを見守っていてくださいって」
女王「そうね、そうしましょう」
女王は北の空を見上げました。
近くにいる十数人の衛兵たちは、その方角に向かって敬礼をしています。
その頃、9人は砂地を勢いよく滑っていました。
ジャンヌ「みんなー!ぶじー?問題ないー?」
ローズ「大丈夫だよー!」
フィスト「意外ね、そんなにしんどくない」
マリア「微かにかかっている浮遊術のおかげよ。力を入れなくても持ち手の輪を掴んでいられるのね。ありがとう」
サリー「ううん、ほんとによわーくかけてるだけだから、楽だよ。風、気持ちいいね!」
マリン「ィヤッホーーーゥ!!!」
マリンは砂地になだらかな盛り上りを見つけては、それをジャンプ台に見立てて飛び上がっています。
リーフ「わぁ!マリン上手!」
キャッツ「やるわねー!波乗りで慣れてるの?」
マリン「波読む必要ないから簡単だよー!」
ブラド「よ、よし……わたしも……」
ジャンヌ「こらぁー!吸血鬼!無理しないの!日陰ないんだからしんどいんでしょ!」
ブラド「……うぅ……あそびたいよぉ……」
キャッツ「命がけで遊ばないでよ……」
ローズ「出発する前に、ブラドだけ何かでくるんでもらったらよかったね」
リーフ「そっか!布とかでぐるぐる巻きにすれば日差しも直接当たらないもんね」
ブラド「え?それで引っ張ってもらうん?ぶつかりまくるやん」
マリア「そうねぇ……それじゃあ箱に入る?」
ブラド「棺桶やん」
マリン「あー、いいじゃん、棺桶。持ち歩きなよこれから」
ブラド「なんであんな高いの買わなあかんのよ。家にあるので十分よ」
サリー「た、高いの?知らなかった……」
マリア「自分のは実家に置いてるの?」
ブラド「実家って言うんかな……まぁ、そうね、家にあるよ」
キャッツ「ん?ねえ!みんな!あれ見て!」
キャッツが指し示す先に、8人が視線を向けます。
ロック鳥が飛ぶ進行方向のずっと先に、岩山が見えてきました。
フィスト「そろそろロック鳥の巣が近いのかな?……あ!岩山に住むからロック鳥?」
ローズ「え、ごめん、わかんない」
ジャンヌ「みんな!岩石地帯に入ると多分このまま進めなくなるよ!岩にぶつかる前に、各自『危ない!』と思ったらロープから手を放して!誰かひとりが抜けたら、全員そこで手を放して!で、いったん集まる!それでいい!?」
「「「「はーい!!!」」」」
マリン「んー……とは言え、やっぱりギリギリまで進みたいよねー」
ジャンヌ「まあねー」
砂漠の国で「地の果て」と呼ばれる岩石地帯が近づいてきました。
**********
ジャンヌ:騎士団長
フィスト:近衛兵長
サリー:魔法使い
マリン:海の冒険者
ブラド:吸血鬼の姫
ローズ:貴族令嬢
キャッツ:トレジャーハンター
マリア:シスター
リーフ:エルフ
**********
衛兵がロープの端をロック鳥の背に投げつけると、ロープはピンと張り、9人を引っ張っていきました。
ジャンヌ「お……きたきた……」
キャッツ「みんな!しっかり握ってて!」
ロック鳥は巨大なトカゲの尻尾を掴んだまま、空へと飛び立っていきました。
そしてすぐに頭を北に向け、羽ばたいていきました。
9人は「きゃぁぁーーー!」だの「わーーー!」だの歓声のような悲鳴のようなものを上げて、見送る女王と衛兵たちに目を向ける余裕もなく、砂漠を滑っていきました。
女王「行ったか」
ハカー「行っちゃったね……母様」
いつの間にか3人の子どもが女王の側にいました。
アラー「大丈夫かな?あの人たち」
女王「そう信じていますよ、母は」
シイー「じゃあ、ご先祖様にお願いしましょ!彼女たちを見守っていてくださいって」
女王「そうね、そうしましょう」
女王は北の空を見上げました。
近くにいる十数人の衛兵たちは、その方角に向かって敬礼をしています。
その頃、9人は砂地を勢いよく滑っていました。
ジャンヌ「みんなー!ぶじー?問題ないー?」
ローズ「大丈夫だよー!」
フィスト「意外ね、そんなにしんどくない」
マリア「微かにかかっている浮遊術のおかげよ。力を入れなくても持ち手の輪を掴んでいられるのね。ありがとう」
サリー「ううん、ほんとによわーくかけてるだけだから、楽だよ。風、気持ちいいね!」
マリン「ィヤッホーーーゥ!!!」
マリンは砂地になだらかな盛り上りを見つけては、それをジャンプ台に見立てて飛び上がっています。
リーフ「わぁ!マリン上手!」
キャッツ「やるわねー!波乗りで慣れてるの?」
マリン「波読む必要ないから簡単だよー!」
ブラド「よ、よし……わたしも……」
ジャンヌ「こらぁー!吸血鬼!無理しないの!日陰ないんだからしんどいんでしょ!」
ブラド「……うぅ……あそびたいよぉ……」
キャッツ「命がけで遊ばないでよ……」
ローズ「出発する前に、ブラドだけ何かでくるんでもらったらよかったね」
リーフ「そっか!布とかでぐるぐる巻きにすれば日差しも直接当たらないもんね」
ブラド「え?それで引っ張ってもらうん?ぶつかりまくるやん」
マリア「そうねぇ……それじゃあ箱に入る?」
ブラド「棺桶やん」
マリン「あー、いいじゃん、棺桶。持ち歩きなよこれから」
ブラド「なんであんな高いの買わなあかんのよ。家にあるので十分よ」
サリー「た、高いの?知らなかった……」
マリア「自分のは実家に置いてるの?」
ブラド「実家って言うんかな……まぁ、そうね、家にあるよ」
キャッツ「ん?ねえ!みんな!あれ見て!」
キャッツが指し示す先に、8人が視線を向けます。
ロック鳥が飛ぶ進行方向のずっと先に、岩山が見えてきました。
フィスト「そろそろロック鳥の巣が近いのかな?……あ!岩山に住むからロック鳥?」
ローズ「え、ごめん、わかんない」
ジャンヌ「みんな!岩石地帯に入ると多分このまま進めなくなるよ!岩にぶつかる前に、各自『危ない!』と思ったらロープから手を放して!誰かひとりが抜けたら、全員そこで手を放して!で、いったん集まる!それでいい!?」
「「「「はーい!!!」」」」
マリン「んー……とは言え、やっぱりギリギリまで進みたいよねー」
ジャンヌ「まあねー」
砂漠の国で「地の果て」と呼ばれる岩石地帯が近づいてきました。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
完結【進】ご都合主義で生きてます。-通販サイトで異世界スローライフのはずが?!-
ジェルミ
ファンタジー
32歳でこの世を去った相川涼香は、異世界の女神ゼクシーにより転移を誘われる。
断ると今度生まれ変わる時は、虫やダニかもしれないと脅され転移を選んだ。
彼女は女神に不便を感じない様に通販サイトの能力と、しばらく暮らせるだけのお金が欲しい、と願った。
通販サイトなんて知らない女神は、知っている振りをして安易に了承する。そして授かったのは、町のスーパーレベルの能力だった。
お惣菜お安いですよ?いかがです?
物語はまったり、のんびりと進みます。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
百合ハーレムが大好きです!〜全ルート攻略開始〜
M・A・J・O
大衆娯楽
【大衆娯楽小説ランキング、最高第7位達成!】
黒髪赤目の、女の子に囲まれたい願望を持つ朱美。
そんな彼女には、美少女の妹、美少女の幼なじみ、美少女の先輩、美少女のクラスメイトがいた。
そんな美少女な彼女たちは、朱美のことが好きらしく――?
「私は“百合ハーレム”が好きなのぉぉぉぉぉぉ!!」
誰か一人に絞りこめなかった朱美は、彼女たちから逃げ出した。
……
ここから朱美の全ルート攻略が始まる!
・表紙絵はTwitterのフォロワー様より。
八十神天従は魔法学園の異端児~神社の息子は異世界に行ったら特待生で特異だった
根上真気
ファンタジー
高校生活初日。神社の息子の八十神は異世界に転移してしまい危機的状況に陥るが、神使の白兎と凄腕美人魔術師に救われ、あれよあれよという間にリュケイオン魔法学園へ入学することに。期待に胸を膨らますも、彼を待ち受ける「特異クラス」は厄介な問題児だらけだった...!?日本の神様の力を魔法として行使する主人公、八十神。彼はその異質な能力で様々な苦難を乗り越えながら、新たに出会う仲間とともに成長していく。学園×魔法の青春バトルファンタジーここに開幕!
魔法少女になれたなら【完結済み】
M・A・J・O
ファンタジー
【第5回カクヨムWeb小説コンテスト、中間選考突破!】
【第2回ファミ通文庫大賞、中間選考突破!】
【第9回ネット小説大賞、一次選考突破!】
とある普通の女子小学生――“椎名結衣”はある日一冊の本と出会う。
そこから少女の生活は一変する。
なんとその本は魔法のステッキで?
魔法のステッキにより、強引に魔法少女にされてしまった結衣。
異能力の戦いに戸惑いながらも、何とか着実に勝利を重ねて行く。
これは人間の願いの物語。
愉快痛快なステッキに振り回される憐れな少女の“願い”やいかに――
謎に包まれた魔法少女劇が今――始まる。
・表紙絵はTwitterのフォロワー様より。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる