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第8章 地の果て
第195話 地の果て
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第195話 ロック鳥
**********
ジャンヌ:騎士団長
フィスト:近衛兵長
サリー:魔法使い
マリン:海の冒険者
ブラド:吸血鬼の姫
ローズ:貴族令嬢
キャッツ:トレジャーハンター
マリア:シスター
リーフ:エルフ
**********
衛兵がロープの端をロック鳥の背に投げつけると、ロープはピンと張り、9人を引っ張っていきました。
ジャンヌ「お……きたきた……」
キャッツ「みんな!しっかり握ってて!」
ロック鳥は巨大なトカゲの尻尾を掴んだまま、空へと飛び立っていきました。
そしてすぐに頭を北に向け、羽ばたいていきました。
9人は「きゃぁぁーーー!」だの「わーーー!」だの歓声のような悲鳴のようなものを上げて、見送る女王と衛兵たちに目を向ける余裕もなく、砂漠を滑っていきました。
女王「行ったか」
ハカー「行っちゃったね……母様」
いつの間にか3人の子どもが女王の側にいました。
アラー「大丈夫かな?あの人たち」
女王「そう信じていますよ、母は」
シイー「じゃあ、ご先祖様にお願いしましょ!彼女たちを見守っていてくださいって」
女王「そうね、そうしましょう」
女王は北の空を見上げました。
近くにいる十数人の衛兵たちは、その方角に向かって敬礼をしています。
その頃、9人は砂地を勢いよく滑っていました。
ジャンヌ「みんなー!ぶじー?問題ないー?」
ローズ「大丈夫だよー!」
フィスト「意外ね、そんなにしんどくない」
マリア「微かにかかっている浮遊術のおかげよ。力を入れなくても持ち手の輪を掴んでいられるのね。ありがとう」
サリー「ううん、ほんとによわーくかけてるだけだから、楽だよ。風、気持ちいいね!」
マリン「ィヤッホーーーゥ!!!」
マリンは砂地になだらかな盛り上りを見つけては、それをジャンプ台に見立てて飛び上がっています。
リーフ「わぁ!マリン上手!」
キャッツ「やるわねー!波乗りで慣れてるの?」
マリン「波読む必要ないから簡単だよー!」
ブラド「よ、よし……わたしも……」
ジャンヌ「こらぁー!吸血鬼!無理しないの!日陰ないんだからしんどいんでしょ!」
ブラド「……うぅ……あそびたいよぉ……」
キャッツ「命がけで遊ばないでよ……」
ローズ「出発する前に、ブラドだけ何かでくるんでもらったらよかったね」
リーフ「そっか!布とかでぐるぐる巻きにすれば日差しも直接当たらないもんね」
ブラド「え?それで引っ張ってもらうん?ぶつかりまくるやん」
マリア「そうねぇ……それじゃあ箱に入る?」
ブラド「棺桶やん」
マリン「あー、いいじゃん、棺桶。持ち歩きなよこれから」
ブラド「なんであんな高いの買わなあかんのよ。家にあるので十分よ」
サリー「た、高いの?知らなかった……」
マリア「自分のは実家に置いてるの?」
ブラド「実家って言うんかな……まぁ、そうね、家にあるよ」
キャッツ「ん?ねえ!みんな!あれ見て!」
キャッツが指し示す先に、8人が視線を向けます。
ロック鳥が飛ぶ進行方向のずっと先に、岩山が見えてきました。
フィスト「そろそろロック鳥の巣が近いのかな?……あ!岩山に住むからロック鳥?」
ローズ「え、ごめん、わかんない」
ジャンヌ「みんな!岩石地帯に入ると多分このまま進めなくなるよ!岩にぶつかる前に、各自『危ない!』と思ったらロープから手を放して!誰かひとりが抜けたら、全員そこで手を放して!で、いったん集まる!それでいい!?」
「「「「はーい!!!」」」」
マリン「んー……とは言え、やっぱりギリギリまで進みたいよねー」
ジャンヌ「まあねー」
砂漠の国で「地の果て」と呼ばれる岩石地帯が近づいてきました。
**********
ジャンヌ:騎士団長
フィスト:近衛兵長
サリー:魔法使い
マリン:海の冒険者
ブラド:吸血鬼の姫
ローズ:貴族令嬢
キャッツ:トレジャーハンター
マリア:シスター
リーフ:エルフ
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衛兵がロープの端をロック鳥の背に投げつけると、ロープはピンと張り、9人を引っ張っていきました。
ジャンヌ「お……きたきた……」
キャッツ「みんな!しっかり握ってて!」
ロック鳥は巨大なトカゲの尻尾を掴んだまま、空へと飛び立っていきました。
そしてすぐに頭を北に向け、羽ばたいていきました。
9人は「きゃぁぁーーー!」だの「わーーー!」だの歓声のような悲鳴のようなものを上げて、見送る女王と衛兵たちに目を向ける余裕もなく、砂漠を滑っていきました。
女王「行ったか」
ハカー「行っちゃったね……母様」
いつの間にか3人の子どもが女王の側にいました。
アラー「大丈夫かな?あの人たち」
女王「そう信じていますよ、母は」
シイー「じゃあ、ご先祖様にお願いしましょ!彼女たちを見守っていてくださいって」
女王「そうね、そうしましょう」
女王は北の空を見上げました。
近くにいる十数人の衛兵たちは、その方角に向かって敬礼をしています。
その頃、9人は砂地を勢いよく滑っていました。
ジャンヌ「みんなー!ぶじー?問題ないー?」
ローズ「大丈夫だよー!」
フィスト「意外ね、そんなにしんどくない」
マリア「微かにかかっている浮遊術のおかげよ。力を入れなくても持ち手の輪を掴んでいられるのね。ありがとう」
サリー「ううん、ほんとによわーくかけてるだけだから、楽だよ。風、気持ちいいね!」
マリン「ィヤッホーーーゥ!!!」
マリンは砂地になだらかな盛り上りを見つけては、それをジャンプ台に見立てて飛び上がっています。
リーフ「わぁ!マリン上手!」
キャッツ「やるわねー!波乗りで慣れてるの?」
マリン「波読む必要ないから簡単だよー!」
ブラド「よ、よし……わたしも……」
ジャンヌ「こらぁー!吸血鬼!無理しないの!日陰ないんだからしんどいんでしょ!」
ブラド「……うぅ……あそびたいよぉ……」
キャッツ「命がけで遊ばないでよ……」
ローズ「出発する前に、ブラドだけ何かでくるんでもらったらよかったね」
リーフ「そっか!布とかでぐるぐる巻きにすれば日差しも直接当たらないもんね」
ブラド「え?それで引っ張ってもらうん?ぶつかりまくるやん」
マリア「そうねぇ……それじゃあ箱に入る?」
ブラド「棺桶やん」
マリン「あー、いいじゃん、棺桶。持ち歩きなよこれから」
ブラド「なんであんな高いの買わなあかんのよ。家にあるので十分よ」
サリー「た、高いの?知らなかった……」
マリア「自分のは実家に置いてるの?」
ブラド「実家って言うんかな……まぁ、そうね、家にあるよ」
キャッツ「ん?ねえ!みんな!あれ見て!」
キャッツが指し示す先に、8人が視線を向けます。
ロック鳥が飛ぶ進行方向のずっと先に、岩山が見えてきました。
フィスト「そろそろロック鳥の巣が近いのかな?……あ!岩山に住むからロック鳥?」
ローズ「え、ごめん、わかんない」
ジャンヌ「みんな!岩石地帯に入ると多分このまま進めなくなるよ!岩にぶつかる前に、各自『危ない!』と思ったらロープから手を放して!誰かひとりが抜けたら、全員そこで手を放して!で、いったん集まる!それでいい!?」
「「「「はーい!!!」」」」
マリン「んー……とは言え、やっぱりギリギリまで進みたいよねー」
ジャンヌ「まあねー」
砂漠の国で「地の果て」と呼ばれる岩石地帯が近づいてきました。
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