虹の騎士団物語

舞子坂のぼる

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第7章 砂漠の国

第186話 墓荒らし

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第186話 墓荒らし
**********
ジャンヌ:騎士団長
フィスト:近衛兵長
サリー:魔法使い
マリン:海の冒険者
ブラド:吸血鬼の姫
ローズ:貴族令嬢
キャッツ:トレジャーハンター
マリア:シスター
リーフ:エルフ
**********


マリン「そんじゃあ、方針も決まったところで、ちょろまかす財宝を選ぼっか」

ローズ「ち、ちがうよ!借りるだけだよ!」

???「聞いたぞ!墓荒らしの泥棒たちめ!」

キャッツ「だ、誰!?子ども?」

9人は声の主を探して辺りを見渡しました。
マリアが、9人が入ってきた扉とは反対側にある扉を指しました。

マリア「みんな!あそこ!」

マリアが指した先には、小さな人影が3つありました。
人影のうち、最も大きなものが声を上げました。

シイー「誰かと問われれば答えなければならないわ!それが地位ある者の義務!砂漠の国の未来を守る!第一子にして長女!シイー・エジプシャン!」

ローズ「お、女の子?」

リーフ「かわいいー!10歳くらいかな?」

アラー「同じく!第二子長男!アラー・エジプシャン!」

ハカー「…………」

シイー「あ、この子は次男で末っ子のハカーよ。ご挨拶は勘弁してちょうだい。人見知りだから」

ハカー「…………」

ジャンヌ「わ、わかったわ」

シイー「天知る地知る砂が知る!」

キャッツ「人には知られてないわけね」 

シイー「うるさい!3人揃って……」

ブラド「墓荒らしなんでしょ。よくわかったわ」

サリー「かわいい名前だね」

シイー「し、失礼ね!誰が墓荒らしよ!私たちはこの王家の墓を秘密基地にして、財宝の研究や、墓荒らしと戦うための訓練をしている、この国の未来を担う勇者の卵よ!」

ジャンヌ「要するにここを遊び場にして姉弟仲良く毎日楽しんでるわけね」

シイー「要するな!」

フィスト「懐かしいなぁ、そんな遊びしたねー」

サリー「え?した?」

フィスト「しなかった?そっか、うちお兄ちゃんがいたから」

ローズ「でもこの子たちの場合、率先してるのはお姉ちゃんみたいだけど」

アラー「へー!いいなぁ、お兄ちゃん」

マリア「長男はそういう気持ちになるわよね」

アラー「そうなの?」

シイ―「こら!懐くな!」

アラー「いいじゃん姉ちゃん、この人たちどう見ても墓荒らしじゃないって。あっち側の扉から来たってことは、母様に落とされたんだよ」

マリン「ん?あんたたち、もしかして、女王様の子ども!?」

シイー「そうよ!王女と王子よ!わかったら平伏しなさい!」

キャッツ「嫌よ、何言ってんのよ」

ブラド「王女と王子がこんなとこで遊んでていいわけ?家来とかが止めに来ないの?」

アラー「うん、止められるよ。だから、ここにはこっそり来てるんだ」

シイー「骨が折れるわよ。侵入した形跡は完全には消せないから、どんどんガードが固くなるのよ」

ジャンヌ「ん?ちょっと待って……じゃあ、私たちが勘違いされた、墓を荒らす盗賊団って、もしかしてあなたたち?」
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