虹の騎士団物語

舞子坂のぼる

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第6章 海底神殿

第157話 海の総意

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第157話 海の総意
**********
ジャンヌ:騎士団長
フィスト:近衛兵長
サリー:魔法使い
マリン:海の冒険者
ブラド:吸血鬼の姫
ローズ:貴族令嬢
キャッツ:トレジャーハンター
マリア:シスター
リーフ:エルフ
**********

 
キャッツ「こんなにあっさりもらえるのも怖いよね」

海神『怖い、とは?』

リーフ「えっと、私たち、今まで3つのオーブを託されてきました……でも、どこもあまり歓迎はされなかったというか、簡単にオーブを託してもらえたわけじゃないんです」

海神『そうですか……それは、大変な苦労をしてきましたね。まだお若いのに』

マリア「そ、そうですね……えっと、海神さまからは、私たちのこと、見えてます?こっちからは姿が見えなくて……」

海神『ええ、見えていますよ。でも残念ながら、私の姿をあなたたちには見せられないんです。ごめんなさい』

ローズ「信用されてないのかな?」

フィスト「私に聞かないでよ」

海神『見せないのではなく、見せられないのですよ……私には特定の姿形がありません。私は言うなれば、この海、そのものなのです』

サリー「海、そのもの……」

海神『周りを見てごらんなさい……』

9人が周りを、神殿に立ち並ぶ柱の奥の奥まで目を凝らすと、なにやら動く影がいくつも見えました。
目の良いリーフが気づきます。

リーフ「え?あれ、おさかな?」

動く影のいくつかが、9人に近づいてきました。
不思議な光景です。
魚たちが宙を泳いでいるのです。

ブラド「な、なんで?空気あるのに……」

海神『この神殿ははるか昔に、人間が建て、海底に沈めたと言い伝えられています。海を敬う人たちの心が、海と人、どちらも共存できる空間を作った……そして海の意志である私と、心を通わせることもできる。それがこの神殿です』

マリア「そうか、そうよね……神との対話のための場所が、神殿なのよね」

海神『ですから、オーブをあなたたちに託したいという意志は、この海に住む生き物たちの総意なのです』

マリン「海が、私たちを認めてくれてるってこと?」

ジャンヌ「なんかそれって、オーブ集めが順調に進むってこと以上に、嬉しいね」

海神『……私たちは、あなたたちにオーブを……この海の未来を託します……』

???「待ってください!」

声は頭に直接届くような、海神のものとは違いました。
口から発せられ、音になり、9人の耳に入って聞こえてきたのです。

9人は声が聞こえてきた方を見ました。
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