虹の騎士団物語

舞子坂のぼる

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第5章 大森林

第147話 次のヌシ

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第147話 次のヌシ
**********
ジャンヌ:騎士団長
フィスト:近衛兵長
サリー:魔法使い
マリン:海の冒険者
ブラド:吸血鬼の姫
ローズ:貴族令嬢
キャッツ:トレジャーハンター
マリア:シスター
リーフ:エルフ
**********


ヌシ『では次のヌシを決めるわけだが』

キャッツ「あ、今それやるのね」

ブラド「まぁいいけどね」

マリア「次のヌシは、前任者が指名するんですか?」

ヌシ『ああ、それに加えて、森の住人の過半数の同意が必要だ。指名されたものは森中を回って、意見をもらわなければならない』

サリー「時間、かかりそう」

マリン「オーブ探しも、木を切るのも時間かかるから、ちょうどいいんじゃない?見届けられるかもよ」

ジャンヌ「そうかもね」

リーフ「次のヌシの候補はいるんですか?」

ヌシ『ああ、ひとりだけだがな』

フィスト「へー!そうなんだ」

ヌシ『蛇のミイだ』

9人の少女と、周りで見ていた動物たち、例外なく全員が驚きました。

ローズ「ほ、ほんとに?!」

ヌシ『あぁ……切り捨てられるものの気持ちを誰よりもわかる、ミイこそ次のヌシにふさわしい』

キャッツ「切り捨てた張本人が何言ってんのよ」

サリー「美談にする気なのかな……」

フィスト「こういうところが嫌われてたんじゃないの?」

マリア「ま、まあそれは親子の問題だから、別にいいとして……ミイ、いるんでしょ?」

マリアの声に呼ばれて、小さな白い蛇が姿を現しました。
と言っても、日差しの届かない木陰からは出ることができません。

ヌシがミイをまっすぐに見つめて、言います。

ヌシ『お前の父親を名乗る資格など私にはないが、ヌシとして、次のヌシにはお前を指名する。つつがなく、森の民の声を聞いて回りなさい』

ミイ『……はい』

ジャンヌ「それじゃ、私たちはしばらく、森の中でキャンプ生活ね」

9人の森の中での生活は1ヶ月で終わりました。
幸い、灰皮病はまだ大森林全体に広がっていませんでした。
ごく一部の範囲の木を切るだけで、終えることができました。

そして9人は再び、世界樹の前に来ました。
巨大な蛇が9人を迎えます。
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