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第7章 青い空
青い空
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翌朝。
この日も、とても澄んだ青空が広がっていた。
みんなで朝食を済ませ、お父さんの運転する車で、お寺へと向かった。
お寺の住職さんに挨拶を済ませ、みんなでお墓の掃除をしていると、おばあちゃんが悠太を呼んだ。
「悠太ぁ、こっちおいでぇ。」
「・・・・・・・・・・うん」
おばあちゃんがいたのは、一つのお墓の前だった。
『山田家の墓』ときざまれている。
悠太は、ギュッと手をにぎりしめた。
そんな悠太を見て、おばあちゃんは、ゆっくりと話し始めた。
「仁は、病気のくせにとっても明るくてなぁ。体も楽じゃないだろうに、何だかんだとおちゃらけたこといっては、いっつもみんなを笑わせてたんだぁ」
「そんな子だったから。お盆で帰ってきたら。悠太がひとりぼっちでいたから。ついつい一緒に遊んでみたくなったんだろうよ」
「楽しそうだ!ってな」
と、パチン!と、おばあちゃんはウインクした。
「ふふっ」
悠太は笑った。
悠太は、一生懸命、仁のお墓を掃除した。
セミが鳴いている。
今日もとっても暑い。
まぶしいほどに澄んだ青空が、なんだか目にしみて。
ちょっとだけ涙があふれてきた。
「仁、またくるね」
そう言って、悠太は、仁のお墓を後にした。
この日も、とても澄んだ青空が広がっていた。
みんなで朝食を済ませ、お父さんの運転する車で、お寺へと向かった。
お寺の住職さんに挨拶を済ませ、みんなでお墓の掃除をしていると、おばあちゃんが悠太を呼んだ。
「悠太ぁ、こっちおいでぇ。」
「・・・・・・・・・・うん」
おばあちゃんがいたのは、一つのお墓の前だった。
『山田家の墓』ときざまれている。
悠太は、ギュッと手をにぎりしめた。
そんな悠太を見て、おばあちゃんは、ゆっくりと話し始めた。
「仁は、病気のくせにとっても明るくてなぁ。体も楽じゃないだろうに、何だかんだとおちゃらけたこといっては、いっつもみんなを笑わせてたんだぁ」
「そんな子だったから。お盆で帰ってきたら。悠太がひとりぼっちでいたから。ついつい一緒に遊んでみたくなったんだろうよ」
「楽しそうだ!ってな」
と、パチン!と、おばあちゃんはウインクした。
「ふふっ」
悠太は笑った。
悠太は、一生懸命、仁のお墓を掃除した。
セミが鳴いている。
今日もとっても暑い。
まぶしいほどに澄んだ青空が、なんだか目にしみて。
ちょっとだけ涙があふれてきた。
「仁、またくるね」
そう言って、悠太は、仁のお墓を後にした。
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