悠太と仁と、夏の空

もちもち

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第4章 龍神の泉

龍神の泉

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翌日。

この日も、とても暑いけど、まぶしいほどの青空だった。







悠太は、お昼ご飯もそこそこにして。

「いってきまーす!」

と、神社の鳥居に向かって走った。









「仁ーーーー!」
「お!悠太ーーー!」



「今日も暑いから、昨日の滝に行こうぜ!」
「おう!」



ふたりは会うなり、競走するように、龍神の滝に向かった。





相変わらず、軽やかに階段をあがる仁に、悠太も必死についていった。









滝について、悠太が「はあはあ」息をきらしていると。


「今日は、悠太にとっておきのとこ教えてやるよ。ついてきて!」

と言って、仁は、滝の裏の方に、走って行ってしまった。






「えー・・・待てってー・・・はぁはぁ・・・」





悠太が、なんとか仁に追いつくと、そこには洞窟があった。
悠太は、洞窟を見るのは初めて。



「うわぁ・・・すっげぇ・・・」
「だろ~?奥がすんごいキレイなんだ。行こうぜ!」
「うん!」




ひんやりとした洞窟の中、悠太は仁の背中にはりつくように、オズオズ進む。


「おひょーーー!中は結構冷えるんだな。」
「悠太、声が反響してる~。」
「ほんとだ!アッハッハ!」
「アハアハアハ!」




ふざけて、ふたりで笑い声を出し合っていると



ピチョーーーーン・・・

「うぎゃぁ!」
「悠太~!変な声出すなよ(笑)」
「仕方ないだろ~!いきなり首んとこに水がたれてきたんだから~」



悠太は、恥ずかしさを誤魔化すようにプリプリした口調で言った。
でも、たえきれず・・・。



「「ギャッハッハッハ!」」


悠太と仁。
ふたりの爆笑が、洞窟内でこだました。






散々笑ってから、さらに先に進むと、向こうの方がだんだん、ボンヤリと明るくなってきた。







そして、暗く、細い道をぬけた先。
そこは、一面の青だった。

龍神の滝や、池のように、とても澄みきった泉の底が、不思議と青く光っている。





「なに?!スゴ!・・・仁、ここすげーよ!」
「だろ~?ここが龍神の泉!」

「これがそうなんだ。なんかカッコいいな。」
「えへへ」


仁は、自慢気に笑う。








「なあなあ悠太、良いものやるよ。」
「ん?」




そう言って、仁は泉に手を入れると、青く光る小石を拾いあげた。

「はい!あげる」
「え?いいの?」

「大丈夫。オレも持ってるもん!オレは姉ちゃんにもらったんだ。お守りみたいなものだってさ。」
「ふーんそうなんだ。ありがとう!大事にする!」




悠太は、青く光る小石をハンカチに包んで、ポケットにしまった。







しばらく、泉の青い光を眺めてから、ふたりは、来た道をもどった。
騒ぎながら洞窟を出ると、また、むわぁ・・・とうだるような暑さにつつまれる。




みーーーーーーーーんみんみんみんみん・・・・・・


セミの鳴き声も変わらず響き渡っていた。






「やっぱ、外は暑いなぁ」
「ホントほんと」

「よし!一息ついたら、オオクワガタがゴロゴロ潜んでるとこ連れてってやるよ!」
「マジで?!すぐ行こーぜ!」
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