蒼のタチカゼ

しゃか

文字の大きさ
上 下
8 / 32

第6章 -蒼と橙と迷いの森の姫

しおりを挟む
く!!」


タチカゼはカタナの柄を握り直す。

一方の橙の瞳は大剣を肩に担ぎ足を大きく広げ、腰を落とした。まるで全身のエネルギーを一つに凝縮しているかのようだ。特大の一撃を繰り出すつもりだ。

それに対しタチカゼは完全に脱力し、構えすらとっていない。

次の瞬間、橙の瞳は目をカッと見開き大地が抉れるほど地面を蹴った。

そのまま突進力に加え大剣の重さを乗せ特大の一撃が振り下ろされる。

だがタチカゼはそれを体を捻り、ギリギリの間合いで躱してた。


「利き腕は残してやる!だから勘弁な!!」


タチカゼはそのままカタナを振り上げた。

そのするどい太刀筋は綺麗に相手の肘から下を斬り落とした。滑らかな綺麗な斬り口だ。


「があああああああああああああああああああああああああ!!!」


静寂の森林地帯に断末魔がこだまする。

その隙をついて瞬時に背後に回り込み、カプセル型の注射針を首元に刺す。慣れた手付きだ。


「ク・・・ソ・・・」


橙の瞳の男はそのまま前のめりに倒れた。

タチカゼはハァ、とため息をついた。


「とりあえず止血しないとな。それで・・・オッサン呼んできて担いでいってもらうか。」


タチカゼはセツナと少女の方を見た。


「そっちは大丈夫か?」

「うん、大丈夫!だいぶ落ち着いたみたい。立てる?」


セツナは少女に問いかけた。

少女はよろめきながら何とか木に捕まり立ち上がり、フードを取って満面の笑みを見せた。


「危ないところを・・・本当にもうダメかと思いました。」

「・・・え?・・・はあああああああああああああああああああああああああああ!!!?」


セツナは今まで見せた事もないような驚愕の表情を浮かべ、一歩二歩と後ずさった。

タチカゼが二人に近付いていく。


「おお!綺麗な顔してんなぁ、何かこう高貴つーか・・・」


セツナはおもいっきりタチカゼの頭をどついた。


「バカ!アホ!死ね!この人は・・・イド帝国の王妃だよ!!!!」

「・・・うん?」


二人は固まったままだった。王妃の顔だけが満面の笑みを浮かべていた

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

【R-18】クリしつけ

蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

孕ませねばならん ~イケメン執事の監禁セックス~

あさとよる
恋愛
傷モノになれば、この婚約は無くなるはずだ。 最愛のお嬢様が嫁ぐのを阻止? 過保護イケメン執事の執着H♡

処理中です...