18 / 18
そう言えば引いたっけ?~忘れた頃にやって来る、ささやかな祝福~
しおりを挟む
ともあれ、少なくとも今は家族と共に穏やかに暮らしている。
幸運にも息子と娘をそれぞれ一人ずつ授かった。
彼らは伝説級の祝福は持たない。
当代は僕なので、恐らく祝福が継がれるのは僕が死んで以降になる。
ともあれ、少なくとも今は家族と共に穏やかに暮らしている。
幸運にも息子と娘をそれぞれ一人ずつ授かった。
彼らは伝説級の祝福は持たない。
当代は僕なので、恐らく祝福が継がれるのは僕が死んで以降になる。
長男は鳥を指先に呼ぶことが出来、長女は探し物が得意だ。
どちらも現時点では「それなりに有用」で便利。
ただ、状況によっては化ける予感もした。
生きるために身を助ける程度が、本来は一番良いのだろう。
しかし世の情勢は常に読めない。
勉強もさせるべきだし、身体も鍛えるべきだ。
常日頃から備えだけは大事だと良く教えていた。
「思えば全ては女神の思し召しだったのかもしれない。僕は今の国を作る歯車としてあそこに置かれていたと言えるかも。紙一重の奇跡があそこまで上手くつながったのも、誰かの意思を感じるよ」
あの牢屋に呼ばれた者はいずれも立場が弱く、多少の性格の差はあれど普通の人間ばかりだったと思う。気の良い者も多かったが、必ずしも善良さで選ばれたわけではないだろう。
どんな理由はあれど、誰かを牢屋へと導くような者たちが真の意味で善良とは言えない。当然、それは僕にしても言えることだ。一方で、誰もがしっかりと己の役割を果たして次へと繋いだ。なまじ変な正義感を振りかざすようなこともなく、実に正しく求められる動きをした。
嘆いてばかりであったメアリですらも牢に入ると言う役割をちゃんと果たしていたと言える、最悪彼女が自害するなどしていたら、事態はより混迷に陥っていただろう。つまるところは、最低限の有用さがあった。
運命の橋渡しを行えるだけの何か。
他人の話を聞くだけの賢明さや、極限での判断力。
忍耐力。適応性の高さ。人柄。様々な点が挙げられる。
だからこそ女神の慈悲が彼ら全員を救う方向に導いたとも言えるかもしれない。
同時に国を傾けかけた王太子殿下への冷酷な裁き。
それもまた、祝福と言えるのかもしれない。
呪いと紙一重の、女神の与えし恩寵である。
「でも、それだと私の愚かさも女神様に利用されていたということかしら。嫌だわ。一度は死んだらしいし、本当に危ないところだった」
繰り返しの一人目であるアンナ。
僕にとっては彼女の生還だけが目的だったと言える。
あらゆる全体像を考えれば、彼女こそが出発点。
犠牲になることを前提とした、無慈悲で残酷な立場。
「全く恐ろしい話だ。思えばお互いに最善の行動を取れたとは言えなかったよね」
まだ若かった時分の二人での計画は振り返れば穴も多かった。
「本当にそうよね。断罪の現場に飛び込むなんて無茶だった。とは言えあの状況では他の手段も思い浮かびませんけど」
「何事も結果論ではあるよね。打開に至るにはその道筋も必要だったし。若さゆえの勢いと言うのは怖くもあるし、愛しくもあるし、愚かでもある」
年齢を重ねて、さすがに僕も多少は賢明になった。
一方で失われたものもあるだろう。若さがその一つ。
あの当時のような勢いを再び出せと言われても難しいだろう。
「若い頃ってそういうものよね。私も殿下に見出されて浮かれていた部分もあるとはいえ、そこまで間違っていたとも本当は思えないの。貧しい暮らしをしてきたから贅沢がしたい、辛い思いをしたから良い暮らしがしたい、って普通のことだと今でも思いますもの」
「僕もそう思うよ。君は悪くない。ただ世の中が甘くないだけだよね」
「でもやはり、もっとうまく立ち回るべきでした、本当にね。もう貴人相手の色恋沙汰はごめんです。子ども達にもちゃんと言っておかなくてはね。甘く蕩けそうな美味しい話には裏があるんですよって」
アンナは疲れたように微笑む。
年を重ねて淑やかな美しさが増す彼女。
若さが薄れた分だけ得られるものもある。
「ただ、僕は君に会えて本当に良かった」
これまでも、これからも何度だって言い続ける。
あらゆる不幸も奇跡も、この出会いのためにあったのだ。
世界のためではなく、僕と彼女のために。
「また会えて、とても嬉しかった。あらゆる運命に感謝するほどに」
「私もです。本当にね、地獄で天使に会えたみたいでしたね」
互いに手を重ね合わせる。
もはや懐かしくもあり、良く馴染んだ手の温もりが愛しい。
「そうだね。君はとても強く、光輝いて見えたよ。僕の天使」
牢獄の中での出会い。
二度と会えないと何度も折れそうになった、彼女との再会。
牢番から解き放たれての第二の人生。
苦労はたくさんあるけれど、かけがえのない喜びを手に入れた。
あのとき、彼女の正しさを見て本当に良かった。
あらゆる祝福に、ただ感謝を捧げる。
一方で、小さなわだかまりは残っていた。
それは出会ったばかりにアンナに対してしてしまった冷たい態度への罪悪感だ。今思い出しても、あの対応に、何故か自分でも許せないものを感じてしまっていた。
どれだけ日々を重ねても泥のようにこびりつく。
一体何をそれほどまでに悔いているのだろう、と自分でも思う。
過去の記憶がすっかり遠のいていた頃にある男性が訪れる。
レイラからの紹介状を持っていた。侯爵家からもお墨付きを得ているようだ。
「やっとお会いできました。絵を描かせていただくと言う約束です」
「誰だっけ? まぁ描いてもらえるならどうぞ」
うろ覚えであるが、牢屋に呼んだ誰からしい。
タンポポを手渡されて、記憶の蓋が開く。
しかし名前も顔も浮かばない。
その祝福だけをかろうじて思い出せた。
そうそう、木炭は残り、タンポポは消えた。
やはり使える物の方がいいよねと言う意識だけが何故か浮かび上がる。
何だか年を取って少し思考が独特になっているなと感じた。
当時未来から過去へ飛んだ者の一人。
彼は人伝えに僕との対面を求めていたそうだ。
しかし、侯爵家管理の者と、身分のない者を迂闊に引き合わせるわけにはいかないと言われたそうだ。長い年月をかけて芸術家としての実力を磨き、名声と信頼を得て、ようやくこの場に辿り着いたらしい。
記憶にはないが、知らないところで誰かの戦いもあるものだ。
ともあれ、家族そろって絵を描いてもらうことになる。
ちなみに僕一人の絵も描きたいそうだ。
こんなおじさんの顔の何が良いのかはよくわからない。
彼が木炭を切らしたと言うので、アンナが祝福を使い木炭を差し出す。
アンナは特に思い出すことはないが、不意に何かの記憶がよぎる。
あぁ、そうだ。
よりにもよって「遺書なら紙を渡す」はなかった。
彼女と出会ったときに交わしたやり取りだ。
困り果てていた彼女の訴えを軽く流した。
その冷たい態度が後になってから己を苛んだのだ。
母親が亡くなった際の遺言だ。「あなたの力はとても強くて恐ろしいものだけれど、心まで恐ろしくなってはいけません。正しい優しさと愛だけはどこかで覚えておいて」と。僕の祝福についてそんなことを言われたのだ。
とても大切だった母の言葉を忘れていた。
心を閉ざして、ただ罪人を見送る日々に埋没した。
母の気持ちに背く生き方をしていた自分。
お約束の婚約破棄での死罪と言われ、そうなんだと流した。
真実を見抜く力を持っていたのにも関わらず。
アンナだけではなく、多くの者達を見捨てて来たかもしれない。
なんと言う、無慈悲な己だったか。
複雑に絡まった想いで、息が少し詰まる。
あぁ、僕はちゃんと正しく在れているだろうか。
アンナはあの言葉に深く傷ついては居なかっただろうか。
気が重くなっていると、男性は木炭を見て大げさに反応する。
「おぉ。これほど素晴らしい祝福は初めて見ました。タンポポも愛しいですが、これもとても素敵。天使様の奥方様は、まるで芸術の女神様のようです。いやぁ、若い頃にお会いしていたら求婚していたかもしれません。これは本当に得難い才能です」
そんな風に高名な芸術家のダニエルはアンナを讃えた。
天使か、ずいぶん昔にそんな与太話もしたなぁと思う。
「まぁ。そんな褒め方をされたのは初めてです。木炭がご入用でしたら、お安くしておきますよ」
彼女は冗談めかして朗らかに笑い、僕も笑った。
何気ない、普段通りの日常。
だけど、そのやり取りが酷く心に染み入った。
仄暗い記憶が跡形もなく消え失せるようだ。
せつなさも後悔よりも、今はこの笑顔を讃えたい。
美しい何かで上書きされたことを、心から有難く思う。
タンポポの芸術家に酷く感謝した。
何かとても良いものを引けたような、そんな心地だった。
日の光の下で、永遠に輝くような昼下がりだった。
幸運にも息子と娘をそれぞれ一人ずつ授かった。
彼らは伝説級の祝福は持たない。
当代は僕なので、恐らく祝福が継がれるのは僕が死んで以降になる。
ともあれ、少なくとも今は家族と共に穏やかに暮らしている。
幸運にも息子と娘をそれぞれ一人ずつ授かった。
彼らは伝説級の祝福は持たない。
当代は僕なので、恐らく祝福が継がれるのは僕が死んで以降になる。
長男は鳥を指先に呼ぶことが出来、長女は探し物が得意だ。
どちらも現時点では「それなりに有用」で便利。
ただ、状況によっては化ける予感もした。
生きるために身を助ける程度が、本来は一番良いのだろう。
しかし世の情勢は常に読めない。
勉強もさせるべきだし、身体も鍛えるべきだ。
常日頃から備えだけは大事だと良く教えていた。
「思えば全ては女神の思し召しだったのかもしれない。僕は今の国を作る歯車としてあそこに置かれていたと言えるかも。紙一重の奇跡があそこまで上手くつながったのも、誰かの意思を感じるよ」
あの牢屋に呼ばれた者はいずれも立場が弱く、多少の性格の差はあれど普通の人間ばかりだったと思う。気の良い者も多かったが、必ずしも善良さで選ばれたわけではないだろう。
どんな理由はあれど、誰かを牢屋へと導くような者たちが真の意味で善良とは言えない。当然、それは僕にしても言えることだ。一方で、誰もがしっかりと己の役割を果たして次へと繋いだ。なまじ変な正義感を振りかざすようなこともなく、実に正しく求められる動きをした。
嘆いてばかりであったメアリですらも牢に入ると言う役割をちゃんと果たしていたと言える、最悪彼女が自害するなどしていたら、事態はより混迷に陥っていただろう。つまるところは、最低限の有用さがあった。
運命の橋渡しを行えるだけの何か。
他人の話を聞くだけの賢明さや、極限での判断力。
忍耐力。適応性の高さ。人柄。様々な点が挙げられる。
だからこそ女神の慈悲が彼ら全員を救う方向に導いたとも言えるかもしれない。
同時に国を傾けかけた王太子殿下への冷酷な裁き。
それもまた、祝福と言えるのかもしれない。
呪いと紙一重の、女神の与えし恩寵である。
「でも、それだと私の愚かさも女神様に利用されていたということかしら。嫌だわ。一度は死んだらしいし、本当に危ないところだった」
繰り返しの一人目であるアンナ。
僕にとっては彼女の生還だけが目的だったと言える。
あらゆる全体像を考えれば、彼女こそが出発点。
犠牲になることを前提とした、無慈悲で残酷な立場。
「全く恐ろしい話だ。思えばお互いに最善の行動を取れたとは言えなかったよね」
まだ若かった時分の二人での計画は振り返れば穴も多かった。
「本当にそうよね。断罪の現場に飛び込むなんて無茶だった。とは言えあの状況では他の手段も思い浮かびませんけど」
「何事も結果論ではあるよね。打開に至るにはその道筋も必要だったし。若さゆえの勢いと言うのは怖くもあるし、愛しくもあるし、愚かでもある」
年齢を重ねて、さすがに僕も多少は賢明になった。
一方で失われたものもあるだろう。若さがその一つ。
あの当時のような勢いを再び出せと言われても難しいだろう。
「若い頃ってそういうものよね。私も殿下に見出されて浮かれていた部分もあるとはいえ、そこまで間違っていたとも本当は思えないの。貧しい暮らしをしてきたから贅沢がしたい、辛い思いをしたから良い暮らしがしたい、って普通のことだと今でも思いますもの」
「僕もそう思うよ。君は悪くない。ただ世の中が甘くないだけだよね」
「でもやはり、もっとうまく立ち回るべきでした、本当にね。もう貴人相手の色恋沙汰はごめんです。子ども達にもちゃんと言っておかなくてはね。甘く蕩けそうな美味しい話には裏があるんですよって」
アンナは疲れたように微笑む。
年を重ねて淑やかな美しさが増す彼女。
若さが薄れた分だけ得られるものもある。
「ただ、僕は君に会えて本当に良かった」
これまでも、これからも何度だって言い続ける。
あらゆる不幸も奇跡も、この出会いのためにあったのだ。
世界のためではなく、僕と彼女のために。
「また会えて、とても嬉しかった。あらゆる運命に感謝するほどに」
「私もです。本当にね、地獄で天使に会えたみたいでしたね」
互いに手を重ね合わせる。
もはや懐かしくもあり、良く馴染んだ手の温もりが愛しい。
「そうだね。君はとても強く、光輝いて見えたよ。僕の天使」
牢獄の中での出会い。
二度と会えないと何度も折れそうになった、彼女との再会。
牢番から解き放たれての第二の人生。
苦労はたくさんあるけれど、かけがえのない喜びを手に入れた。
あのとき、彼女の正しさを見て本当に良かった。
あらゆる祝福に、ただ感謝を捧げる。
一方で、小さなわだかまりは残っていた。
それは出会ったばかりにアンナに対してしてしまった冷たい態度への罪悪感だ。今思い出しても、あの対応に、何故か自分でも許せないものを感じてしまっていた。
どれだけ日々を重ねても泥のようにこびりつく。
一体何をそれほどまでに悔いているのだろう、と自分でも思う。
過去の記憶がすっかり遠のいていた頃にある男性が訪れる。
レイラからの紹介状を持っていた。侯爵家からもお墨付きを得ているようだ。
「やっとお会いできました。絵を描かせていただくと言う約束です」
「誰だっけ? まぁ描いてもらえるならどうぞ」
うろ覚えであるが、牢屋に呼んだ誰からしい。
タンポポを手渡されて、記憶の蓋が開く。
しかし名前も顔も浮かばない。
その祝福だけをかろうじて思い出せた。
そうそう、木炭は残り、タンポポは消えた。
やはり使える物の方がいいよねと言う意識だけが何故か浮かび上がる。
何だか年を取って少し思考が独特になっているなと感じた。
当時未来から過去へ飛んだ者の一人。
彼は人伝えに僕との対面を求めていたそうだ。
しかし、侯爵家管理の者と、身分のない者を迂闊に引き合わせるわけにはいかないと言われたそうだ。長い年月をかけて芸術家としての実力を磨き、名声と信頼を得て、ようやくこの場に辿り着いたらしい。
記憶にはないが、知らないところで誰かの戦いもあるものだ。
ともあれ、家族そろって絵を描いてもらうことになる。
ちなみに僕一人の絵も描きたいそうだ。
こんなおじさんの顔の何が良いのかはよくわからない。
彼が木炭を切らしたと言うので、アンナが祝福を使い木炭を差し出す。
アンナは特に思い出すことはないが、不意に何かの記憶がよぎる。
あぁ、そうだ。
よりにもよって「遺書なら紙を渡す」はなかった。
彼女と出会ったときに交わしたやり取りだ。
困り果てていた彼女の訴えを軽く流した。
その冷たい態度が後になってから己を苛んだのだ。
母親が亡くなった際の遺言だ。「あなたの力はとても強くて恐ろしいものだけれど、心まで恐ろしくなってはいけません。正しい優しさと愛だけはどこかで覚えておいて」と。僕の祝福についてそんなことを言われたのだ。
とても大切だった母の言葉を忘れていた。
心を閉ざして、ただ罪人を見送る日々に埋没した。
母の気持ちに背く生き方をしていた自分。
お約束の婚約破棄での死罪と言われ、そうなんだと流した。
真実を見抜く力を持っていたのにも関わらず。
アンナだけではなく、多くの者達を見捨てて来たかもしれない。
なんと言う、無慈悲な己だったか。
複雑に絡まった想いで、息が少し詰まる。
あぁ、僕はちゃんと正しく在れているだろうか。
アンナはあの言葉に深く傷ついては居なかっただろうか。
気が重くなっていると、男性は木炭を見て大げさに反応する。
「おぉ。これほど素晴らしい祝福は初めて見ました。タンポポも愛しいですが、これもとても素敵。天使様の奥方様は、まるで芸術の女神様のようです。いやぁ、若い頃にお会いしていたら求婚していたかもしれません。これは本当に得難い才能です」
そんな風に高名な芸術家のダニエルはアンナを讃えた。
天使か、ずいぶん昔にそんな与太話もしたなぁと思う。
「まぁ。そんな褒め方をされたのは初めてです。木炭がご入用でしたら、お安くしておきますよ」
彼女は冗談めかして朗らかに笑い、僕も笑った。
何気ない、普段通りの日常。
だけど、そのやり取りが酷く心に染み入った。
仄暗い記憶が跡形もなく消え失せるようだ。
せつなさも後悔よりも、今はこの笑顔を讃えたい。
美しい何かで上書きされたことを、心から有難く思う。
タンポポの芸術家に酷く感謝した。
何かとても良いものを引けたような、そんな心地だった。
日の光の下で、永遠に輝くような昼下がりだった。
10
お気に入りに追加
16
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
レベル“0”ですが、最強です。
勇崎シュー
ファンタジー
突如勇者として転移された鹿羽琢真。
ステータスを確認したところ、何と彼のレベルは1ではなく“0”だった!
それ故戦力外と判断され王国から追放されるが……。
琢真はレベルが一切上がらない代わりに、本来習得出来ない強力な“剣召喚”スキルを手に入れていた!
追放されたのなら好き勝手に生きます。
どんな相手も最強の剣でやりたい放題!
広大な世界を旅するソードファンタジー。
その科学は魔法をも凌駕する。
神部 大
ファンタジー
科学が進みすぎた日本の荒廃。
そんな中最後の希望として作られた時空転移プログラムを用い歴史を変える為に一人敵陣に乗り込んだフォースハッカーの戦闘要員、真。
だが転移した先は過去ではなく、とても地球上とは思えない魔物や魔法が蔓延る世界だった。
返る術もないまま真が選んだ道は、科学の力を持ちながらその世界でただ生き、死ぬ事。
持ちうる全ての超科学技術を駆使してそんな世界で魔法を凌駕しろ。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
オタク姫 ~100年の恋~
菱沼あゆ
ファンタジー
間違った方向に高校デビューを果たしてしまい、みんなから、姫と崇められるようになってしまった朝霞(あさか)。
朝霞は実は、ゲームオタクなのだが。
眠るたび、まだやっていない乙女ゲームの世界に入り込むようになってしまう。
その夢の中では、高校の先輩で、朝霞とはあまり接点のないイケメン、十文字晴(じゅうもんじ はる)が、何故か王子様として登場するのだが。
朝霞が王子の呪いを解くと、王子は文句を言い出した。
「どうしてくれるっ。
お前が呪いを解いたせいで、お前を100年愛する呪いがかかってしまったじゃないかっ」
「いや~。
どうしてくれるって言ってる時点で、なんにもかかってないですよね~……?」
(「小説になろう」などにも掲載しています)
僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~
SHIN
ファンタジー
それは、ある少年の物語。
ある日、前世の記憶を取り戻した少年が大切な人と再会したり周りのチートぷりに感嘆したりするけど、実は少年の方が凄かった話し。
『僕の兄上はチート過ぎて人なのに魔王です。』
『そういうお前は、愛され過ぎてチートだよな。』
そんな感じ。
『悪役令嬢はもらい受けます』の彼らが織り成すファンタジー作品です。良かったら見ていってね。
隔週日曜日に更新予定。
ドラゴネット興隆記
椎井瑛弥
ファンタジー
ある世界、ある時代、ある国で、一人の若者が領地を取り上げられ、誰も人が住まない僻地に新しい領地を与えられた。その領地をいかに発展させるか。周囲を巻き込みつつ、周囲に巻き込まれつつ、それなりに領地を大きくしていく。
ざまぁっぽく見えて、意外とほのぼのです。『新米エルフとぶらり旅』と世界観は共通していますが、違う時代、違う場所でのお話です。
求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。
待鳥園子
恋愛
グレンジャー伯爵令嬢ウェンディは父が友人に裏切られ、社交界デビューを目前にして無一文になってしまった。
父は異国へと一人出稼ぎに行ってしまい、行く宛てのない姉を心配する弟を安心させるために、以前邸で働いていた竜騎士を頼ることに。
彼が働くアレイスター竜騎士団は『恋愛禁止』という厳格な規則があり、そのため若い女性は働いていない。しかし、ウェンディは竜力を持つ貴族の血を引く女性にしかなれないという『子竜守』として特別に採用されることになり……。
子竜守として働くことになった没落貴族令嬢が、不器用だけどとても優しい団長と恋愛禁止な竜騎士団で働くために秘密の契約結婚をすることなってしまう、ほのぼの子竜育てありな可愛い恋物語。
※完結まで毎日更新です。
【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
秋月一花
恋愛
公爵令嬢のカミラ・リンディ・ベネット。
彼女は階段から降ってきた誰かとぶつかってしまう。
その『誰か』とはマーセルという少女だ。
マーセルはカミラの婚約者である第一王子のマティスと、とても仲の良い男爵家の令嬢。
いつに間にか二人は入れ替わっていた!
空いている教室で互いのことを確認し合うことに。
「貴女、マーセルね?」
「はい。……では、あなたはカミラさま? これはどういうことですか? 私が憎いから……マティスさまを奪ったから、こんな嫌がらせを⁉︎」
婚約者の恋人と入れ替わった公爵令嬢、カミラの決断とは……?
そしてなぜ二人が入れ替わったのか?
公爵家の令嬢として生きていたカミラと、男爵家の令嬢として生きていたマーセルの物語。
※いじめ描写有り
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる