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寝るのも一苦労
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「そういえばヴェルネお姉ちゃんとレトナちゃんは?」
ただ単純な疑問だったのにルルアちゃんは何を思ったのか意地の悪い笑い方をする。
「一緒に寝るのルルアだけじゃ足りなかった?女の子に囲まれて寝たいなんてやっぱり男の子なんだね~♪」
そしてその笑い通りにからかうことを言うルルアちゃん。どうしよう、可愛いけど段々面倒臭くなってきたな……
すると僕の顔が相当わかりやすかったらしく、ルルアちゃんが「あっ」と気付いた声を漏らす。
「ごめんごめん、からかい過ぎちゃった?いつものお兄ちゃんだったら軽く受け流すか逆に反撃してくるからその調子でつい……そう思うと今のお兄ちゃんって結構人間っぽいよね」
「もしかして大人の僕、貶されてる?」
「バカにしてるわけじゃないよ。ただ……あっちのお兄ちゃんって他の人と比べて女性に対する耐性が高いというか、スケベって意味じゃない方で動じないんだよね」
一瞬「彼にとっては子供っぽい彼女は魅力がないんじゃないか」と思ったけれど……
「レトナが自慢のおっぱい押し付けたり、ヴェルネお姉様がエッチな服着て一緒に寝ても手を出す素振りすらなかったし……」
「……結構凄いことしてるんだね、みんな」
「そうでもしないと相手してもらえない……というかそうしてもあんまり相手してもらえてないんだよね。キスだってやっと最近してもらえたくらいだもん」
どうやら彼女もその幼い見た目で結構真剣に悩んでるようだ。僕と同じくらいの女の子なのに……やっぱり恋をすると変わるってくらいだから、彼女も大人びようとしてるんだろうか?
「あっ、ヴェルネお姉様は今のぼせて倒れたレトナの看病してるよ!」
「え、のぼせたって……なんで?」
僕と三人は一緒に入ったのだけれど、彼女がそんな我慢してるようには見えなかった。ただ僕の体をチラチラと気にした様子で見てきたくらいで……
「お兄ちゃんの逞しい体を見て恥ずかしさで倒れちゃったらしいよ?」
……むしろ聞いた僕の方が恥ずかしくなるような理由だった。
「僕が見て恥ずかしくなるとかならわかるけど、なんでレトナちゃんの方が僕なんかの体を見ただけで……」
「レトナちゃんってサキュバスなだけあってエッチなこととか男の子の体に結構興味深々なんだよ?特に好きな相手なら尚更に決まってるじゃない♪」
ルルアちゃんがそう言って僕の腕を撫でるように触ってくる。うわぁ……
「……ルルアちゃんって――」
そうやって喋ろうとした僕の口をルルアちゃんが塞ぐ。
「お兄ちゃんからしたら初対面かもしれないけど、『ちゃん』付けはやめない?普通にルルアって呼んでくれたら嬉しいんだけど」
「えっ……」
そう言われてハッとした。
僕の大人の状態の時と恋人って言われても実感が湧かなくて、彼女たちとどう接していいのかわからなくてクラスの女子と話す時みたいな話し方をしていたけどダメだったらしい。
とはいえ僕だってそんな図々しい性格をしてないのだから仕方ないと言ってしまえばそれまでなんだけど……
「えっと、じゃあ……ルルア」
「うん♪」
ただ呼び捨てにしただけで恥ずかしさを感じてしまうけれど、代わりに彼女も満足そうに笑う。その笑顔が眩いほど可愛らしくて……大人でもこんな表情を見てしまえば惚れてロリコンに堕ちてしまうかもしれない。
「じゃあルルアも僕のことをカズって呼んでくれない?同い年の女の子に『お兄ちゃん』って言われるのがなんだか変な感じで……」
「……んぇっ?」
するとルルアは変な声を出して間の抜けた表情をする。……なんだ?
「僕、なんか変なこと言った?そもそも恋人同士なのに『お兄ちゃん』呼びって変だなーって思ったんだけど……」
「んー……元のカズお兄ちゃんだったらルルアたちを守ってくれる『お兄ちゃん』って感じだったからずっとそう呼んでたけど……ルルアが呼び捨てかぁ」
ルルアはそう言いながら照れるように頬を赤くする。
「か……カズ?」
そんな恥ずかしそうに呼ばれたらこっちまで恥ずかしく感じるんだけど?
「はぁ……」
「あれ、嬉しくなかった?」
僕がつい口から漏らしてしまった溜め息にルルアが不安そうに見てくる。
「いや、そうじゃない。ただ一日でこれだけ疲れたのは初めてだなって思っただけだよ。今までどんな鍛錬してもここまで疲れることなんてなかったのになって」
「そんなに疲れることあった?……って、元のお兄ちゃんだったとしても色々あった一日ではあったっけ。こっちに攻めてきた人間を返り討ちにして、その人間の場所を特定して逆に潰しに行ったとか……そしたら今の君になっちゃったみたいなんだけど」
大人の僕、一体何があったんだ……
だけどそんなことより、僕には今は別の懸念があった。
「……これからどうなるんだろ」
大人だった僕が今の僕になって、今までどう生活をしていたのかもわからなくて元に戻れるのかもわからないこの状態に不安を抱いていた。
もうすでに恋人がいて魔法なんてものも存在する不思議な世界にいきなり放り込まれて……もう元の世界には戻れないのかな?
漫画でよく聞く別の世界に転生した話っていうのはたしかにワクワクするかもしれないけれど、同時にもう家族と会えないのかもしれないなんて考えが浮かんできて寂しくなってくる。
「とりあえず寝る?寝れば治るかもしれないよ!」
「そんな現実逃避みたいな……あぁでもそうするしかないよね。魔法なんてものがあってもそんな便利な魔法があったりするわけじゃないだろうし……」
魔法がなんでもできるわけでもないっていうのは割と早めの段階で知ったことだ。
怪我や病気は治せるけれど死んだ人間を蘇らせたりはできないとか時間を巻き戻せたりもできないとか……火や水を攻撃として放ったり日常生活に応用したりする程度が基本だという。
だから大人が子供の姿になるなんて誰も聞いたことがないらしい。
つまり少なくとも今はお手上げ。寝るしかないということ。
「……寝るか」
「うん、寝よっ!」
僕が諦めてベッドに横になるとルルアも一緒に横になった挙句に抱き着いてくる。え、これ襲われてる?
「ちょっとルルア――」
さっきと同じようにからかっているのだろうと思い、振り返って離れるよう言おうとしたところで言葉が詰まった。
……彼女は寝ていた。
悪戯とか冗談で寝たフリをしてるわけでもなく、気持ち良さそうに寝息を立てて寝てしまっていた。
マジで言ってる?というか本当に寝てるの?
のび〇かよとツッコミをしたくなるほどの寝つきの良さに僕は思わず言葉を失い、完全に眠ってしまったルルアを起こすこともできずにいた。
……このままじゃまともに寝ることもできやしない。だから僕は前にお婆ちゃんから教えてもらった方法で強引に寝ることにしたのだった。
ただ単純な疑問だったのにルルアちゃんは何を思ったのか意地の悪い笑い方をする。
「一緒に寝るのルルアだけじゃ足りなかった?女の子に囲まれて寝たいなんてやっぱり男の子なんだね~♪」
そしてその笑い通りにからかうことを言うルルアちゃん。どうしよう、可愛いけど段々面倒臭くなってきたな……
すると僕の顔が相当わかりやすかったらしく、ルルアちゃんが「あっ」と気付いた声を漏らす。
「ごめんごめん、からかい過ぎちゃった?いつものお兄ちゃんだったら軽く受け流すか逆に反撃してくるからその調子でつい……そう思うと今のお兄ちゃんって結構人間っぽいよね」
「もしかして大人の僕、貶されてる?」
「バカにしてるわけじゃないよ。ただ……あっちのお兄ちゃんって他の人と比べて女性に対する耐性が高いというか、スケベって意味じゃない方で動じないんだよね」
一瞬「彼にとっては子供っぽい彼女は魅力がないんじゃないか」と思ったけれど……
「レトナが自慢のおっぱい押し付けたり、ヴェルネお姉様がエッチな服着て一緒に寝ても手を出す素振りすらなかったし……」
「……結構凄いことしてるんだね、みんな」
「そうでもしないと相手してもらえない……というかそうしてもあんまり相手してもらえてないんだよね。キスだってやっと最近してもらえたくらいだもん」
どうやら彼女もその幼い見た目で結構真剣に悩んでるようだ。僕と同じくらいの女の子なのに……やっぱり恋をすると変わるってくらいだから、彼女も大人びようとしてるんだろうか?
「あっ、ヴェルネお姉様は今のぼせて倒れたレトナの看病してるよ!」
「え、のぼせたって……なんで?」
僕と三人は一緒に入ったのだけれど、彼女がそんな我慢してるようには見えなかった。ただ僕の体をチラチラと気にした様子で見てきたくらいで……
「お兄ちゃんの逞しい体を見て恥ずかしさで倒れちゃったらしいよ?」
……むしろ聞いた僕の方が恥ずかしくなるような理由だった。
「僕が見て恥ずかしくなるとかならわかるけど、なんでレトナちゃんの方が僕なんかの体を見ただけで……」
「レトナちゃんってサキュバスなだけあってエッチなこととか男の子の体に結構興味深々なんだよ?特に好きな相手なら尚更に決まってるじゃない♪」
ルルアちゃんがそう言って僕の腕を撫でるように触ってくる。うわぁ……
「……ルルアちゃんって――」
そうやって喋ろうとした僕の口をルルアちゃんが塞ぐ。
「お兄ちゃんからしたら初対面かもしれないけど、『ちゃん』付けはやめない?普通にルルアって呼んでくれたら嬉しいんだけど」
「えっ……」
そう言われてハッとした。
僕の大人の状態の時と恋人って言われても実感が湧かなくて、彼女たちとどう接していいのかわからなくてクラスの女子と話す時みたいな話し方をしていたけどダメだったらしい。
とはいえ僕だってそんな図々しい性格をしてないのだから仕方ないと言ってしまえばそれまでなんだけど……
「えっと、じゃあ……ルルア」
「うん♪」
ただ呼び捨てにしただけで恥ずかしさを感じてしまうけれど、代わりに彼女も満足そうに笑う。その笑顔が眩いほど可愛らしくて……大人でもこんな表情を見てしまえば惚れてロリコンに堕ちてしまうかもしれない。
「じゃあルルアも僕のことをカズって呼んでくれない?同い年の女の子に『お兄ちゃん』って言われるのがなんだか変な感じで……」
「……んぇっ?」
するとルルアは変な声を出して間の抜けた表情をする。……なんだ?
「僕、なんか変なこと言った?そもそも恋人同士なのに『お兄ちゃん』呼びって変だなーって思ったんだけど……」
「んー……元のカズお兄ちゃんだったらルルアたちを守ってくれる『お兄ちゃん』って感じだったからずっとそう呼んでたけど……ルルアが呼び捨てかぁ」
ルルアはそう言いながら照れるように頬を赤くする。
「か……カズ?」
そんな恥ずかしそうに呼ばれたらこっちまで恥ずかしく感じるんだけど?
「はぁ……」
「あれ、嬉しくなかった?」
僕がつい口から漏らしてしまった溜め息にルルアが不安そうに見てくる。
「いや、そうじゃない。ただ一日でこれだけ疲れたのは初めてだなって思っただけだよ。今までどんな鍛錬してもここまで疲れることなんてなかったのになって」
「そんなに疲れることあった?……って、元のお兄ちゃんだったとしても色々あった一日ではあったっけ。こっちに攻めてきた人間を返り討ちにして、その人間の場所を特定して逆に潰しに行ったとか……そしたら今の君になっちゃったみたいなんだけど」
大人の僕、一体何があったんだ……
だけどそんなことより、僕には今は別の懸念があった。
「……これからどうなるんだろ」
大人だった僕が今の僕になって、今までどう生活をしていたのかもわからなくて元に戻れるのかもわからないこの状態に不安を抱いていた。
もうすでに恋人がいて魔法なんてものも存在する不思議な世界にいきなり放り込まれて……もう元の世界には戻れないのかな?
漫画でよく聞く別の世界に転生した話っていうのはたしかにワクワクするかもしれないけれど、同時にもう家族と会えないのかもしれないなんて考えが浮かんできて寂しくなってくる。
「とりあえず寝る?寝れば治るかもしれないよ!」
「そんな現実逃避みたいな……あぁでもそうするしかないよね。魔法なんてものがあってもそんな便利な魔法があったりするわけじゃないだろうし……」
魔法がなんでもできるわけでもないっていうのは割と早めの段階で知ったことだ。
怪我や病気は治せるけれど死んだ人間を蘇らせたりはできないとか時間を巻き戻せたりもできないとか……火や水を攻撃として放ったり日常生活に応用したりする程度が基本だという。
だから大人が子供の姿になるなんて誰も聞いたことがないらしい。
つまり少なくとも今はお手上げ。寝るしかないということ。
「……寝るか」
「うん、寝よっ!」
僕が諦めてベッドに横になるとルルアも一緒に横になった挙句に抱き着いてくる。え、これ襲われてる?
「ちょっとルルア――」
さっきと同じようにからかっているのだろうと思い、振り返って離れるよう言おうとしたところで言葉が詰まった。
……彼女は寝ていた。
悪戯とか冗談で寝たフリをしてるわけでもなく、気持ち良さそうに寝息を立てて寝てしまっていた。
マジで言ってる?というか本当に寝てるの?
のび〇かよとツッコミをしたくなるほどの寝つきの良さに僕は思わず言葉を失い、完全に眠ってしまったルルアを起こすこともできずにいた。
……このままじゃまともに寝ることもできやしない。だから僕は前にお婆ちゃんから教えてもらった方法で強引に寝ることにしたのだった。
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