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ゲームがしたいっ!
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☆★☆★
~カズ視点~
「ゲームがしたい!」
寝起きに、しかもいつの間にか俺の寝室のベッドで寝ていたレトナが開口一番にそう言い放った。
なぜ突然そんなことを言い出したのか……少なくともその原因の一つは一緒に寝ていたフウリのやつにあるのだろう。
「あ……アハハハハ!……うん、正解」
俺の心を読んだフウリが若干申し訳なさそうな笑みを浮かべて白状する。
どうやらフウリは能力を使って俺との接触でちょくちょく俺自身の記憶を保存、ここにいる奴らに見せていたようだった。
しかし一体何を見たのか……レトナがここまでやりたがるようなことをしてるとしたら、父さんとゲームした時くらいか?
……まさかだけど変なこと言ったりおかしなことしてるとことか見られてないよな?
なんせ俺だって一人の人間だ。一人の時に暇だからって変な踊りを踊ったり、一昔前の電球に繋がっている紐でシャドウボクシングみたいなことして遊んでたわけで……そんな人に見られたら黒歴史になりかねない記憶を見られていたらどうしようかとヒヤヒヤしてしまうわけで……
「あ、大丈夫。そんなよくわからないことをしてる君は記憶には出てきてないカラ。……まぁ、ちょ~っと残酷な場面は見せちゃったけどネ」
フウリが平然とした態度でそう言う。あ、しまった……コイツに心読まれたら普通にバレるじゃ――ん?今なんて言った?
「俺の……何を見せたって?」
「君が元のいた世界で……君自身が何をしていたかなんて、君自身が一番よくわかってるんじゃないカ?」
フウリの言葉、そして俺たちの会話を横で聞いてたレトナがさっきとは打って変わり、気まずそうにしてるのを見て「まさか」という考えが浮かぶ。
「……全部見たのか?」
「いや、断片的なところだけサ……一応先に言っておくと、君がしたことを見た彼女たちは驚いたり引いたりはしても失望や拒絶はしなかったから安心してクレ」
「そっか……って、その記憶を見せた主犯にフォローされても腹立つだけなんだけどな」
話してる隙に段々と近付いて来ていたフウリの頬を思いっ切り掴んで止めるが、フウリは悪びれるわけでもなく「アハッ☆」とふざけた笑いを浮かべる。記憶を読まれるのはともかく、こうやってふざけられるとぶん殴りたくなるんだよな……
「とか思いつつビンタしようとするなんて流石カズぐふぁっ⁉」
俺はフウリに最後まで言わせまいとビンタを食らわせる。俺がそんな行動を取ることを事前に知ったフウリはすぐに避けようと頭を傾けるが、俺の手の平は彼女の頭部を追いかけて当てる。
心を読んだ程度で避けられると思うなよ?
「うぶぅ……心を読む相手に直接語り掛けるなんてネ……怖い怖イ」
「はぁ……で、ゲームがしたいって?」
「そう、そうだよ!カズの記憶見てたらめっちゃ楽しそうだったから俺もアレやってみたい!あの……なんだ?大きな箱に映った動く絵!絶対やってみたい!」
思い出したようにそう言って駄々をこね始めるレトナ。
そんなこと言ったってなぁ……今あるのはスマホだけでパソコンやテレビゲームなんてものはない。
でもスマホか……
「一応コレでも遊べるけど、試してみるか?」
「え、マジで?どうやって……?」
レトナの問いに俺も疑問を持つ。今まで調べるだけなら問題なかったけれど、ゲームをやるとなると「ソフトをダウンロード」する必要があったはずだ。だとすると検索じゃダメなんじゃ……
いや待て、そもそもダウンロードするために必要なゲームはあるのか?
そっちの知識が無い俺でも一応わかっているのは、必要なのがアプリを作る「誰か」がいなきゃいけないってこと。
そうじゃなきゃアプリが勝手に出現することなんて……
「勝手に出現することなんて……ってアレ?そういや俺が普段使ってるのもアプリ……うん?」
そうだった、この世界に来てから俺のスマホはもう普通じゃない。それにレトナたちが持ってるスマホ自体が突然出現した異物だ。常識が通じない。
「だとすれば普通にできるのか、ゲーム?」
すると俺のスマホからピロンと音が鳴り、画面を見てみると「ダウンロードしています」と表示されていた。え、ちょっと待って、何を勝手にダウンロードしてんの?
俺が呆けている間に何かのダウンロードは終わり、早速その何かを確認してみる。
「……アンダーワールド?」
そんな名前のアプリがスマホに入っていた。その名称だけでは何のアプリかはわからないが……もしこのスマホが俺たちの会話を聞いてダウンロードしたのだとしたらこれがゲームの名前ってことになるけど、さてさて……
「それがゲーム?いいな、俺もそれやる――ってあれ?」
そのタイミングでレトナのスマホからもピロンと音が鳴り、さらにはヴェルネ、ルルアのスマホも鳴って「ダウンロードしています」の文字が表示されていた。
それぞれが捜査して画面を開くと、その全てに「アンダーワールド」のアプリがあった。
「……何これ、なんか怖いんだけど」
全員のスマホに起こった現象にヴェルネが少し怯えた様子を見せる。たしかに、全員が同時のタイミングでっていうのはまるでホラー展開だ。そう考えるとゾッとする気がするな。
「いやま、そんなホラーな内容じゃないだろうけどさ」
あってもゾンピから逃げたり撃ったりするだけだろうしな。そう思いつつアンダーワールドを起動する。
すると画面にはいきなり「同行者も起動してください」と表示された。同行者……どういう意味だ?
「……レトナ、ちょっとそのアプリ触ってくれるか?」
「うん、わかった」
レトナが二つ返事でアンダーワールドを起動する。すると彼女のスマホも同じ画面になり、加えて俺のスマホにレトナの名前が表示される。
ああ、なるほどな。
「ヴェルネ、ルルアも触って起動してくれるか?」
「はーい♪」
「呪われないわよね、コレ?」
ルルアは嬉々として、ヴェルネは恐る恐るアプリを起動する。それで同じように彼女たちの名前が表示され、「play」ともう一つの表示が出てくる。
「これは……押せば『ゲーム』が始まるのか。しかも多分協力プレイってやつ」
「じゃあやってみようぜ!すぐ!すぐに!」
「あ、ちょっ――」
今すぐやりたくてたまらないレトナが俺の手を強引に使って「play」を押させられる。同時に俺の意識は暗闇に沈んだ。
~カズ視点~
「ゲームがしたい!」
寝起きに、しかもいつの間にか俺の寝室のベッドで寝ていたレトナが開口一番にそう言い放った。
なぜ突然そんなことを言い出したのか……少なくともその原因の一つは一緒に寝ていたフウリのやつにあるのだろう。
「あ……アハハハハ!……うん、正解」
俺の心を読んだフウリが若干申し訳なさそうな笑みを浮かべて白状する。
どうやらフウリは能力を使って俺との接触でちょくちょく俺自身の記憶を保存、ここにいる奴らに見せていたようだった。
しかし一体何を見たのか……レトナがここまでやりたがるようなことをしてるとしたら、父さんとゲームした時くらいか?
……まさかだけど変なこと言ったりおかしなことしてるとことか見られてないよな?
なんせ俺だって一人の人間だ。一人の時に暇だからって変な踊りを踊ったり、一昔前の電球に繋がっている紐でシャドウボクシングみたいなことして遊んでたわけで……そんな人に見られたら黒歴史になりかねない記憶を見られていたらどうしようかとヒヤヒヤしてしまうわけで……
「あ、大丈夫。そんなよくわからないことをしてる君は記憶には出てきてないカラ。……まぁ、ちょ~っと残酷な場面は見せちゃったけどネ」
フウリが平然とした態度でそう言う。あ、しまった……コイツに心読まれたら普通にバレるじゃ――ん?今なんて言った?
「俺の……何を見せたって?」
「君が元のいた世界で……君自身が何をしていたかなんて、君自身が一番よくわかってるんじゃないカ?」
フウリの言葉、そして俺たちの会話を横で聞いてたレトナがさっきとは打って変わり、気まずそうにしてるのを見て「まさか」という考えが浮かぶ。
「……全部見たのか?」
「いや、断片的なところだけサ……一応先に言っておくと、君がしたことを見た彼女たちは驚いたり引いたりはしても失望や拒絶はしなかったから安心してクレ」
「そっか……って、その記憶を見せた主犯にフォローされても腹立つだけなんだけどな」
話してる隙に段々と近付いて来ていたフウリの頬を思いっ切り掴んで止めるが、フウリは悪びれるわけでもなく「アハッ☆」とふざけた笑いを浮かべる。記憶を読まれるのはともかく、こうやってふざけられるとぶん殴りたくなるんだよな……
「とか思いつつビンタしようとするなんて流石カズぐふぁっ⁉」
俺はフウリに最後まで言わせまいとビンタを食らわせる。俺がそんな行動を取ることを事前に知ったフウリはすぐに避けようと頭を傾けるが、俺の手の平は彼女の頭部を追いかけて当てる。
心を読んだ程度で避けられると思うなよ?
「うぶぅ……心を読む相手に直接語り掛けるなんてネ……怖い怖イ」
「はぁ……で、ゲームがしたいって?」
「そう、そうだよ!カズの記憶見てたらめっちゃ楽しそうだったから俺もアレやってみたい!あの……なんだ?大きな箱に映った動く絵!絶対やってみたい!」
思い出したようにそう言って駄々をこね始めるレトナ。
そんなこと言ったってなぁ……今あるのはスマホだけでパソコンやテレビゲームなんてものはない。
でもスマホか……
「一応コレでも遊べるけど、試してみるか?」
「え、マジで?どうやって……?」
レトナの問いに俺も疑問を持つ。今まで調べるだけなら問題なかったけれど、ゲームをやるとなると「ソフトをダウンロード」する必要があったはずだ。だとすると検索じゃダメなんじゃ……
いや待て、そもそもダウンロードするために必要なゲームはあるのか?
そっちの知識が無い俺でも一応わかっているのは、必要なのがアプリを作る「誰か」がいなきゃいけないってこと。
そうじゃなきゃアプリが勝手に出現することなんて……
「勝手に出現することなんて……ってアレ?そういや俺が普段使ってるのもアプリ……うん?」
そうだった、この世界に来てから俺のスマホはもう普通じゃない。それにレトナたちが持ってるスマホ自体が突然出現した異物だ。常識が通じない。
「だとすれば普通にできるのか、ゲーム?」
すると俺のスマホからピロンと音が鳴り、画面を見てみると「ダウンロードしています」と表示されていた。え、ちょっと待って、何を勝手にダウンロードしてんの?
俺が呆けている間に何かのダウンロードは終わり、早速その何かを確認してみる。
「……アンダーワールド?」
そんな名前のアプリがスマホに入っていた。その名称だけでは何のアプリかはわからないが……もしこのスマホが俺たちの会話を聞いてダウンロードしたのだとしたらこれがゲームの名前ってことになるけど、さてさて……
「それがゲーム?いいな、俺もそれやる――ってあれ?」
そのタイミングでレトナのスマホからもピロンと音が鳴り、さらにはヴェルネ、ルルアのスマホも鳴って「ダウンロードしています」の文字が表示されていた。
それぞれが捜査して画面を開くと、その全てに「アンダーワールド」のアプリがあった。
「……何これ、なんか怖いんだけど」
全員のスマホに起こった現象にヴェルネが少し怯えた様子を見せる。たしかに、全員が同時のタイミングでっていうのはまるでホラー展開だ。そう考えるとゾッとする気がするな。
「いやま、そんなホラーな内容じゃないだろうけどさ」
あってもゾンピから逃げたり撃ったりするだけだろうしな。そう思いつつアンダーワールドを起動する。
すると画面にはいきなり「同行者も起動してください」と表示された。同行者……どういう意味だ?
「……レトナ、ちょっとそのアプリ触ってくれるか?」
「うん、わかった」
レトナが二つ返事でアンダーワールドを起動する。すると彼女のスマホも同じ画面になり、加えて俺のスマホにレトナの名前が表示される。
ああ、なるほどな。
「ヴェルネ、ルルアも触って起動してくれるか?」
「はーい♪」
「呪われないわよね、コレ?」
ルルアは嬉々として、ヴェルネは恐る恐るアプリを起動する。それで同じように彼女たちの名前が表示され、「play」ともう一つの表示が出てくる。
「これは……押せば『ゲーム』が始まるのか。しかも多分協力プレイってやつ」
「じゃあやってみようぜ!すぐ!すぐに!」
「あ、ちょっ――」
今すぐやりたくてたまらないレトナが俺の手を強引に使って「play」を押させられる。同時に俺の意識は暗闇に沈んだ。
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