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血の気の多さ
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☆★☆★
~他視点~
とある学校内の一室にて。
「カーズ―!」
「あ゛?」
黒い学生服を着たカズが頬杖をしているところにもう一人同じ服を着た男子生徒に声をかけられ、不機嫌な返事をする。
「いや怖ーよ……なんかあったん?」
「いや別に?俺が体育の授業に参加できないからってその先生から勝手な文句を言われた挙句、勝手に成績を下げられたからって腹を立ててたわけじゃねぇよ」
「あー、あの性格の悪くて有名な先生様ね。まぁ、俺だって真面目に授業受けてたはずなのに『真面目にやれ!』だの『ふざけてるのか⁉』なんて言われるくらいだかんな。そのくせ自分は体育館の隅っこで女子をニヤニヤしながら気持ち悪い顔で見てやがる。女子たちからもキモがられて嫌われてるんだぜ?……ったく、なんで学校はあんな奴を先生にしてるんだろうなー」
カズの学友であろう少年が愚痴を零し、カズ自身は特に返事をするわけでもなく窓の外を呆然とした表情で眺めていた。
そしてさらにそれを目の前で眺めている少女たちが数人……
「はぁ~、やっぱりお兄ちゃんはこの頃からお兄ちゃんだったんだね~♪」
両方の手で頬杖をしただらしないニヤケ顔のルルアがカズを至近距離で眺めていた。そしてそんな彼女の周囲にはフウリ、ヴェルネ、レトナの三人の姿も。
「ここがカズの記憶……なんだか夢みたいな世界ね」
「事実、僕たちが体験してるのは夢みたいなものだけどネ。条件がまた整ったから連れて来たわけだけど、」
周囲を見渡して感想を口にするヴェルネにフウリが答え、レトナは学校の机や椅子を興味深そうに眺めていた。
「カズが通ってた学び舎ってスゲーのな。こんなヴェル姉ちゃんの家みたいなところにめちゃくちゃ人間がいっぱいいて、ここで色々習ってるんだな。さっきの……すうがく?って授業なんて何やってるのか全くわからなかったし!」
「というかそもそも文字がわからないでしょ。喋ってる言葉はわかるのに文字がわからないって面白いんだけどね」
眉間にシワを寄せるレトナに対し、ルルアがカズが座っている机に腰を下ろしてそう言いながら彼に向かって手を伸ばす。しかし彼女たちがいるのはあくまで「記憶の中」であり、その手はカズを貫通して通り過ぎる。
触れなかったことに不服そうな表情を浮かべるルルア。すると何を思ったのか机から降りて立ち上がり、回り込んでカズが座っている椅子に重なって座り、カズの胸から顔をぬっと出して見せる。
「……何がしたいの?」
「意味はないけど、やってみたいという本能に従ってみた!」
キリッとした真面目な顔で答えるルルアにヴェルネが顔を引きつらせた笑いを見せる。
「……で、何か用か?」
「え、用?無いけど」
「無いのに呼んだのか」
「別にいーだろ!友達のとこ来るのに用が無きゃ来ちゃいけないとか悲しいこと言うなよ?」
それほど仲が良いのか、カズと話す相手はそう言って陽気に言って笑う。しかしカズは呆けた表情を窓の外に向けたままだった。
「……和ってなんかいつもボーッとしてるよな。でもその割に――」
男子生徒が喋ってる途中でそれを遮るようにカズに向かって野球ボールが飛んできた。
カズはそれをピースサインにした指二本でキャッチする。
「――隙が無いよな。よく今の球を見ずに取れるよな……にしてもまたアイツらかよ」
男子生徒がそう言ってボールが飛んで来た方向に視線を向けるとわざとボールを投げたであろう少年たちがニヤニヤと嫌味な笑みを浮かべていた。
「うわー、嫌な奴ら。ああいうのはお兄ちゃんからあのボールを剛速球で思いっ切り返されて吹き飛ばされればいいのに」
ルルアがそう言うとカズはボールをデコピンで弾き飛ばし、ボールを投げて来た者の一人の顔面へ凄まじい勢いで当たって吹き飛んでしまった。
「あ、ルルアの言う通りになった」
「しかも凄い回転して飛んでった!人ってあんな風に飛ばせるの⁉」
「無理じゃなイ?普通は飛ばないし、そんな威力の玉を受けたら頭が弾けるでショ……」
「流石お兄ちゃん、記憶の中でもルルアと以心伝心♪」
ヴェルネたちがそれぞれ感想を口にし、男子生徒が「ヒュウッ♪」と口笛を吹く。
「相変わらず見ててスカッとするよな。やっぱなんで運動部に入らないのかって疑問に思うよ」
「家の手伝いが忙しいからって言ってんだろ。家族からも部活には入るなって言われてるし」
「普通逆じゃね?いいけどさ」
「おいコラ!人のことぶっ飛ばしといて無視してんじゃねぇぞ⁉」
カズと男子生徒が話してるところにボールを投げた生徒が声を荒げて絡む。
髪を金髪にして如何にも不良っぽい外見をした少年がカズの襟首を掴んでグッと持ち上げようとするが、カズは微動だにしなかった。
「っ……」
「おい、先にボール投げてきたのはお前だろうが。被害者面して絡んで来てんじゃねえよ」
「あ?関係無ぇ奴は引っ込んでろよ。つか、俺がやったって証拠はあんの?」
男子生徒たちはカズを挟んで睨み合いとなり、どちらかが手を出し始めてもおかしくない険悪な空気となっていた。
それを見ていたレトナがオロオロしたり、さらにそんな彼女の様子をフウリは愉快そうな笑みを浮かべて眺めていたりと、まるで映画鑑賞でもしているかのようだった。
「だったらお前も証拠があんの?」
「……なんだと?」
すると襟首を掴まれていたカズが立ち上がり、不良生徒と顔を合わせる。
「俺がボールを投げた証拠はあるのかって聞いてるんだよ。動画でも撮ったのか?」
カズの返しに不良生徒は言い返す言葉が見つからず、怒りで体を震わせる。
「ガキが大人の真似して『証拠だ証拠だ』って……自分のこと棚に上げて騒ぐしか能の無いのかよ?」
「ンだとテメ――」
我を忘れてカズに殴りかかる不良生徒。しかし気付くと彼は元の自分の席に姿勢正しく座っていた。
「「「……え?」」」
「「おー……!」」
その異様な光景に今まで会話に関わってこなかった生徒たちが揃って声を漏らす。
まさに今、二人の男子生徒が喧嘩しようとしていた。だから悲鳴を上げようとしていた者、野次を飛ばそうとしていた者、それぞれが「そうしよう」と心の準備は一瞬にして消えてしまっていた。
あるのは重なる疑問によって生じた唖然。
そしてそれを見ていたルルアとレトナが感心の声を口にする。
「……え、今アイツがやったの?立ってた状態の人間を無理矢理椅子に座らせたの?あんな綺麗に?相変わらず滅茶苦茶ね……」
「ちなみに今の見えなかった人ー」
遊ぶようにそんな質問をしたルルアにルルア本人とレトナ、フウリが「はーい」と答えて楽しんでいる様子だった。
しかし楽観的な彼女たちとは反対にクラスの空気は静まり返っている。
異様な光景、体験をした生徒たちはそのまま固まってしまっていた。
そしてその「体験」をした不良生徒はゆっくりと視線を移動させる。先程までカズが立っていた彼の席に。
だがそこにいたのはカズに話しかけていた男子生徒のみ。カズはいつの間にか座っている不良生徒の机の上に座っていた。
「な」
カズが発した何の意味があったのかはわからない一言。それよりも不良生徒にとって、机の上に乗ったカズと目を合わせたことで先程までの威勢はすでに消え失せ、代わりに次第に怯えた表情になっていった。
「あんまり本気にするなよ、滑稽だから」
そう言ってフッと笑い、カズは机から降りて自分の席に戻った。
「ひゅーひゅー、カズかっくいー!」
「ルルアは少し物足りないかな……もっとバッキバキのグッチャグチャにしちゃえばいいのに!」
レトナは黄色い声援を上げ、ルルアは残るイラつきを少しでも発散させようと不良生徒の幻影を叩こうとする。だがやはりそれに触れることはできず、彼女の手はただ凄まじい音を出して空を切るだけだった。
そんな彼女の様子をヴェルネは呆れた様子で眺めていた。
「……よかったわね、アイツ。現実でルルアと鉢合わせてたら絶対ミンチになってたわよ」
「少なくともこのメンバーと出会っていれば無事じゃ済まないとは思ってるけどネ。氷漬けにされるか恥ずかしい記憶を覗かれて暴露されるか魅了されてその場で辱められるカ……少なくとも多くの敵を作ることにはなるカナ?」
そう言うフウリもまた、ケラケラと笑いつつもどこか不良生徒に向けて敵意を向けていたのだった。
~他視点~
とある学校内の一室にて。
「カーズ―!」
「あ゛?」
黒い学生服を着たカズが頬杖をしているところにもう一人同じ服を着た男子生徒に声をかけられ、不機嫌な返事をする。
「いや怖ーよ……なんかあったん?」
「いや別に?俺が体育の授業に参加できないからってその先生から勝手な文句を言われた挙句、勝手に成績を下げられたからって腹を立ててたわけじゃねぇよ」
「あー、あの性格の悪くて有名な先生様ね。まぁ、俺だって真面目に授業受けてたはずなのに『真面目にやれ!』だの『ふざけてるのか⁉』なんて言われるくらいだかんな。そのくせ自分は体育館の隅っこで女子をニヤニヤしながら気持ち悪い顔で見てやがる。女子たちからもキモがられて嫌われてるんだぜ?……ったく、なんで学校はあんな奴を先生にしてるんだろうなー」
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そしてさらにそれを目の前で眺めている少女たちが数人……
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「ここがカズの記憶……なんだか夢みたいな世界ね」
「事実、僕たちが体験してるのは夢みたいなものだけどネ。条件がまた整ったから連れて来たわけだけど、」
周囲を見渡して感想を口にするヴェルネにフウリが答え、レトナは学校の机や椅子を興味深そうに眺めていた。
「カズが通ってた学び舎ってスゲーのな。こんなヴェル姉ちゃんの家みたいなところにめちゃくちゃ人間がいっぱいいて、ここで色々習ってるんだな。さっきの……すうがく?って授業なんて何やってるのか全くわからなかったし!」
「というかそもそも文字がわからないでしょ。喋ってる言葉はわかるのに文字がわからないって面白いんだけどね」
眉間にシワを寄せるレトナに対し、ルルアがカズが座っている机に腰を下ろしてそう言いながら彼に向かって手を伸ばす。しかし彼女たちがいるのはあくまで「記憶の中」であり、その手はカズを貫通して通り過ぎる。
触れなかったことに不服そうな表情を浮かべるルルア。すると何を思ったのか机から降りて立ち上がり、回り込んでカズが座っている椅子に重なって座り、カズの胸から顔をぬっと出して見せる。
「……何がしたいの?」
「意味はないけど、やってみたいという本能に従ってみた!」
キリッとした真面目な顔で答えるルルアにヴェルネが顔を引きつらせた笑いを見せる。
「……で、何か用か?」
「え、用?無いけど」
「無いのに呼んだのか」
「別にいーだろ!友達のとこ来るのに用が無きゃ来ちゃいけないとか悲しいこと言うなよ?」
それほど仲が良いのか、カズと話す相手はそう言って陽気に言って笑う。しかしカズは呆けた表情を窓の外に向けたままだった。
「……和ってなんかいつもボーッとしてるよな。でもその割に――」
男子生徒が喋ってる途中でそれを遮るようにカズに向かって野球ボールが飛んできた。
カズはそれをピースサインにした指二本でキャッチする。
「――隙が無いよな。よく今の球を見ずに取れるよな……にしてもまたアイツらかよ」
男子生徒がそう言ってボールが飛んで来た方向に視線を向けるとわざとボールを投げたであろう少年たちがニヤニヤと嫌味な笑みを浮かべていた。
「うわー、嫌な奴ら。ああいうのはお兄ちゃんからあのボールを剛速球で思いっ切り返されて吹き飛ばされればいいのに」
ルルアがそう言うとカズはボールをデコピンで弾き飛ばし、ボールを投げて来た者の一人の顔面へ凄まじい勢いで当たって吹き飛んでしまった。
「あ、ルルアの言う通りになった」
「しかも凄い回転して飛んでった!人ってあんな風に飛ばせるの⁉」
「無理じゃなイ?普通は飛ばないし、そんな威力の玉を受けたら頭が弾けるでショ……」
「流石お兄ちゃん、記憶の中でもルルアと以心伝心♪」
ヴェルネたちがそれぞれ感想を口にし、男子生徒が「ヒュウッ♪」と口笛を吹く。
「相変わらず見ててスカッとするよな。やっぱなんで運動部に入らないのかって疑問に思うよ」
「家の手伝いが忙しいからって言ってんだろ。家族からも部活には入るなって言われてるし」
「普通逆じゃね?いいけどさ」
「おいコラ!人のことぶっ飛ばしといて無視してんじゃねぇぞ⁉」
カズと男子生徒が話してるところにボールを投げた生徒が声を荒げて絡む。
髪を金髪にして如何にも不良っぽい外見をした少年がカズの襟首を掴んでグッと持ち上げようとするが、カズは微動だにしなかった。
「っ……」
「おい、先にボール投げてきたのはお前だろうが。被害者面して絡んで来てんじゃねえよ」
「あ?関係無ぇ奴は引っ込んでろよ。つか、俺がやったって証拠はあんの?」
男子生徒たちはカズを挟んで睨み合いとなり、どちらかが手を出し始めてもおかしくない険悪な空気となっていた。
それを見ていたレトナがオロオロしたり、さらにそんな彼女の様子をフウリは愉快そうな笑みを浮かべて眺めていたりと、まるで映画鑑賞でもしているかのようだった。
「だったらお前も証拠があんの?」
「……なんだと?」
すると襟首を掴まれていたカズが立ち上がり、不良生徒と顔を合わせる。
「俺がボールを投げた証拠はあるのかって聞いてるんだよ。動画でも撮ったのか?」
カズの返しに不良生徒は言い返す言葉が見つからず、怒りで体を震わせる。
「ガキが大人の真似して『証拠だ証拠だ』って……自分のこと棚に上げて騒ぐしか能の無いのかよ?」
「ンだとテメ――」
我を忘れてカズに殴りかかる不良生徒。しかし気付くと彼は元の自分の席に姿勢正しく座っていた。
「「「……え?」」」
「「おー……!」」
その異様な光景に今まで会話に関わってこなかった生徒たちが揃って声を漏らす。
まさに今、二人の男子生徒が喧嘩しようとしていた。だから悲鳴を上げようとしていた者、野次を飛ばそうとしていた者、それぞれが「そうしよう」と心の準備は一瞬にして消えてしまっていた。
あるのは重なる疑問によって生じた唖然。
そしてそれを見ていたルルアとレトナが感心の声を口にする。
「……え、今アイツがやったの?立ってた状態の人間を無理矢理椅子に座らせたの?あんな綺麗に?相変わらず滅茶苦茶ね……」
「ちなみに今の見えなかった人ー」
遊ぶようにそんな質問をしたルルアにルルア本人とレトナ、フウリが「はーい」と答えて楽しんでいる様子だった。
しかし楽観的な彼女たちとは反対にクラスの空気は静まり返っている。
異様な光景、体験をした生徒たちはそのまま固まってしまっていた。
そしてその「体験」をした不良生徒はゆっくりと視線を移動させる。先程までカズが立っていた彼の席に。
だがそこにいたのはカズに話しかけていた男子生徒のみ。カズはいつの間にか座っている不良生徒の机の上に座っていた。
「な」
カズが発した何の意味があったのかはわからない一言。それよりも不良生徒にとって、机の上に乗ったカズと目を合わせたことで先程までの威勢はすでに消え失せ、代わりに次第に怯えた表情になっていった。
「あんまり本気にするなよ、滑稽だから」
そう言ってフッと笑い、カズは机から降りて自分の席に戻った。
「ひゅーひゅー、カズかっくいー!」
「ルルアは少し物足りないかな……もっとバッキバキのグッチャグチャにしちゃえばいいのに!」
レトナは黄色い声援を上げ、ルルアは残るイラつきを少しでも発散させようと不良生徒の幻影を叩こうとする。だがやはりそれに触れることはできず、彼女の手はただ凄まじい音を出して空を切るだけだった。
そんな彼女の様子をヴェルネは呆れた様子で眺めていた。
「……よかったわね、アイツ。現実でルルアと鉢合わせてたら絶対ミンチになってたわよ」
「少なくともこのメンバーと出会っていれば無事じゃ済まないとは思ってるけどネ。氷漬けにされるか恥ずかしい記憶を覗かれて暴露されるか魅了されてその場で辱められるカ……少なくとも多くの敵を作ることにはなるカナ?」
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