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「っ……⁉」
「なぜ……そう思いましたの?」
カズの言葉にペナが動揺し、ルディはあからさまな反応はしないものの表情が硬くなる。
「目と魔力。魔族は魔力の多さと黒目が特徴、獣人は魔力の少なさと耳や尻尾の身体的な特徴がある。一部の獣人は魔力を持つのもあるみたいだが、ソイツはそのどちらの特徴も持ってないからそう思ったんだが……」
「もしそうだとして、あなたはその事実を知ってどうするの?」
「どうするってほどでもないんだが、ただ気になっただけだ。人間を良く思っていない魔族や獣人が人間を仲間だとか家族って呼ぶのか……ってな」
カズがそこまで言ってもルディたちは警戒の色を見せたままだったため、彼は溜め息を吐いて仮面を外す。
「ま、あとは俺が人間だからって理由もあるけどな。魔族や獣人しかいない中で仲間的な人間がいたら気になるだろ?」
「あなたも人間……そうでしたか!でしたら隠すことでもありませんわね!えぇ、あなたの仰る通りペナは人間。昔奴隷として売られていたところをワタクシが一目惚れしてお父様におねだりして買っていただきましたの!」
「なるほど、奴隷商でな……ん?一目惚れ?」
カズがルディの言葉に違和感を覚えて聞き返す。
「えぇ、奴隷商で見た彼女は半裸で、その筋肉美に魅了されてしまったのです……」
(あぁ、コイツの癖が歪んだのはペナの……いや、なるべくしてなったのかもな)
恍惚としたルディの表情を見たカズはやれやれと苦笑いをして肩をすくめる。
「……私からも少しいいか?」
するとペナが彼らの話に割り込み、彼女の神妙な表情はカズに向けられていた。
「今一度、私と殺し合ってほしい」
「ペナ……?」
突然の申し出にルディは困惑し、カズは眉間にシワを寄せて不快そうにする。
「『手合わせ』じゃなく『殺し合い』?言い間違えじゃなく本気で言ってるのか」
「もちろんだ。そもそも今回の競走の結果にもまだ納得していないし、さっきは油断していた。今度は本気で」
ペナはそう言うと腰に携えた短剣に手を添えて強い殺気を放つ。ルディはそれを止められるほどの勇気はなく、ただたじろいで見守ることしかできなかった。
「まぁ、俺はこんなバカらしいことに本気は出さないがな」
「あとで後悔するなよっ!」
ペナ自身の言葉を合図とし、消えるように動き始めた。
彼女は人間ができるとは思えないほど縦横無尽に飛び回り、カズを切り付けようとする。
カズはそれを避けようとはせず、敢えて手刀にした手で迎え打った。
「バカな……素手で刃物と渡り合うだと!? この化け物め……だがそれは悪手だ!この短剣には触っただけで相手を死に至らしめる猛毒が塗られているんだ、もうお前の体は手遅れ――」
「そういうのは一々説明するもんじゃない。せめて相手が死んでからにするもんだ」
一瞬だった。
カズが短剣に触れて猛毒に犯されたと勝ちを確信したペナは油断し、そして彼女の腹部に強烈な衝撃が加わり吹き飛ぶ。
ペナはその勢いで背中を壁に叩き付けるが、構わずに再びカズに向かって飛びかかる。しかし短剣が届く前に彼女はなぜかカズの横を通り過ぎて反対の壁に衝突してしまう。
「……っ!?」
なぜそうなったか、ペナ本人も理解できずに困惑してしまっていた。
そんな彼女にカズは考える暇も与えようとせず、蹴りを入れる。
ペナが僅かに体を逸らして避けたその蹴りは壁をハリボテのように丸ごとくり抜いて吹き飛ばしてしまう。
廃屋とはいえ、家の壁を突き破るどころか壁一面を丸々外してしまったその光景にルディとペナは唖然としてしまっていた。
「か、壁……家の壁が……丸ごと……」
「どんな脚力をしてるんだ!それに――」
ペナは戦意喪失することはなく立ち上がりつつナイフを投げ付け、カズはその刃先を指で摘まんで止めた。
「なぜ平然としてるんだ!毒は⁉」
触れただけで毒に蝕まれるはずの短剣やナイフを平然と素手で受け止め、さらには毒で弱った様子も見受けられないカズにペナはその身体能力よりも驚きを隠せずにいた。
「解毒しながら動いてるだけだ」
「解毒……魔法⁉ 詠唱もなくそんな簡単にっ……!」
「それで?まさか毒が効かなかったらもう終わり、なんて言うつもりじゃないだろうな?」
挑発的な言葉を口にするカズにペナが表情を歪ませて魔法を発動させる。
彼女の体からカズに向かって放たれた複数のかまいたち。その威力は地面を鋭く抉り取り、大木を軽々と切り倒してしまうほどだった。
それをカズはアクロバティックな動きで全て避けてしまう。だがペナはそれを予想していたかのように浮いた彼の地面が鋭く尖り貫こうとする。
それがカズの眼球を貫く直前、それを指二本で挟み止めていた。
「危ない危ない。今のは流石にヒヤッとしたぞ」
「そんな余裕そうなくせに……とことん人をイラつかせる奴!」
命を狙った一撃を喰らっても余裕を見せるカズにペナが怒りを見せ、さらに魔法と短剣で猛攻を仕掛ける。
自信を狙ったかまいたちと地面からは人間台の鋭い突起。どれも一つでも当たれば致命傷になりかねないものだが、カズはそれらを掠ることすらなく避け続けた。
その中でカズは地面から拾った小石を親指で弾き飛ばし、ペナの目の少し上に当たって怯ませる。そしてペナが一瞬だけ瞬きし、開いた目の前には上機嫌に笑うカズが立っていた。
「まぁな、家族からもよく一言多いって言われてたよ」
カズはそう言ってそのまま頭突きをする。
「ぐっ……⁉」
怯みつつも体勢を立て直し反撃しようとするペナの腕を掴み、地面へ叩き付けるように押さえ付けた。
「なぜ……そう思いましたの?」
カズの言葉にペナが動揺し、ルディはあからさまな反応はしないものの表情が硬くなる。
「目と魔力。魔族は魔力の多さと黒目が特徴、獣人は魔力の少なさと耳や尻尾の身体的な特徴がある。一部の獣人は魔力を持つのもあるみたいだが、ソイツはそのどちらの特徴も持ってないからそう思ったんだが……」
「もしそうだとして、あなたはその事実を知ってどうするの?」
「どうするってほどでもないんだが、ただ気になっただけだ。人間を良く思っていない魔族や獣人が人間を仲間だとか家族って呼ぶのか……ってな」
カズがそこまで言ってもルディたちは警戒の色を見せたままだったため、彼は溜め息を吐いて仮面を外す。
「ま、あとは俺が人間だからって理由もあるけどな。魔族や獣人しかいない中で仲間的な人間がいたら気になるだろ?」
「あなたも人間……そうでしたか!でしたら隠すことでもありませんわね!えぇ、あなたの仰る通りペナは人間。昔奴隷として売られていたところをワタクシが一目惚れしてお父様におねだりして買っていただきましたの!」
「なるほど、奴隷商でな……ん?一目惚れ?」
カズがルディの言葉に違和感を覚えて聞き返す。
「えぇ、奴隷商で見た彼女は半裸で、その筋肉美に魅了されてしまったのです……」
(あぁ、コイツの癖が歪んだのはペナの……いや、なるべくしてなったのかもな)
恍惚としたルディの表情を見たカズはやれやれと苦笑いをして肩をすくめる。
「……私からも少しいいか?」
するとペナが彼らの話に割り込み、彼女の神妙な表情はカズに向けられていた。
「今一度、私と殺し合ってほしい」
「ペナ……?」
突然の申し出にルディは困惑し、カズは眉間にシワを寄せて不快そうにする。
「『手合わせ』じゃなく『殺し合い』?言い間違えじゃなく本気で言ってるのか」
「もちろんだ。そもそも今回の競走の結果にもまだ納得していないし、さっきは油断していた。今度は本気で」
ペナはそう言うと腰に携えた短剣に手を添えて強い殺気を放つ。ルディはそれを止められるほどの勇気はなく、ただたじろいで見守ることしかできなかった。
「まぁ、俺はこんなバカらしいことに本気は出さないがな」
「あとで後悔するなよっ!」
ペナ自身の言葉を合図とし、消えるように動き始めた。
彼女は人間ができるとは思えないほど縦横無尽に飛び回り、カズを切り付けようとする。
カズはそれを避けようとはせず、敢えて手刀にした手で迎え打った。
「バカな……素手で刃物と渡り合うだと!? この化け物め……だがそれは悪手だ!この短剣には触っただけで相手を死に至らしめる猛毒が塗られているんだ、もうお前の体は手遅れ――」
「そういうのは一々説明するもんじゃない。せめて相手が死んでからにするもんだ」
一瞬だった。
カズが短剣に触れて猛毒に犯されたと勝ちを確信したペナは油断し、そして彼女の腹部に強烈な衝撃が加わり吹き飛ぶ。
ペナはその勢いで背中を壁に叩き付けるが、構わずに再びカズに向かって飛びかかる。しかし短剣が届く前に彼女はなぜかカズの横を通り過ぎて反対の壁に衝突してしまう。
「……っ!?」
なぜそうなったか、ペナ本人も理解できずに困惑してしまっていた。
そんな彼女にカズは考える暇も与えようとせず、蹴りを入れる。
ペナが僅かに体を逸らして避けたその蹴りは壁をハリボテのように丸ごとくり抜いて吹き飛ばしてしまう。
廃屋とはいえ、家の壁を突き破るどころか壁一面を丸々外してしまったその光景にルディとペナは唖然としてしまっていた。
「か、壁……家の壁が……丸ごと……」
「どんな脚力をしてるんだ!それに――」
ペナは戦意喪失することはなく立ち上がりつつナイフを投げ付け、カズはその刃先を指で摘まんで止めた。
「なぜ平然としてるんだ!毒は⁉」
触れただけで毒に蝕まれるはずの短剣やナイフを平然と素手で受け止め、さらには毒で弱った様子も見受けられないカズにペナはその身体能力よりも驚きを隠せずにいた。
「解毒しながら動いてるだけだ」
「解毒……魔法⁉ 詠唱もなくそんな簡単にっ……!」
「それで?まさか毒が効かなかったらもう終わり、なんて言うつもりじゃないだろうな?」
挑発的な言葉を口にするカズにペナが表情を歪ませて魔法を発動させる。
彼女の体からカズに向かって放たれた複数のかまいたち。その威力は地面を鋭く抉り取り、大木を軽々と切り倒してしまうほどだった。
それをカズはアクロバティックな動きで全て避けてしまう。だがペナはそれを予想していたかのように浮いた彼の地面が鋭く尖り貫こうとする。
それがカズの眼球を貫く直前、それを指二本で挟み止めていた。
「危ない危ない。今のは流石にヒヤッとしたぞ」
「そんな余裕そうなくせに……とことん人をイラつかせる奴!」
命を狙った一撃を喰らっても余裕を見せるカズにペナが怒りを見せ、さらに魔法と短剣で猛攻を仕掛ける。
自信を狙ったかまいたちと地面からは人間台の鋭い突起。どれも一つでも当たれば致命傷になりかねないものだが、カズはそれらを掠ることすらなく避け続けた。
その中でカズは地面から拾った小石を親指で弾き飛ばし、ペナの目の少し上に当たって怯ませる。そしてペナが一瞬だけ瞬きし、開いた目の前には上機嫌に笑うカズが立っていた。
「まぁな、家族からもよく一言多いって言われてたよ」
カズはそう言ってそのまま頭突きをする。
「ぐっ……⁉」
怯みつつも体勢を立て直し反撃しようとするペナの腕を掴み、地面へ叩き付けるように押さえ付けた。
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