32 / 331
やり過ぎると一周回って変態扱いされる
しおりを挟む
「でもどうするの?」
いざ教えるとなるとどうすればいいかわからないルルア。
むしろその言葉は俺が言わなきゃならないセリフなんだが……と言ってもわかっててルルアを人選したのは俺なのだからそんなことは言えないな。
「何でもいいさ。ルルアが魔法を使った時にどんなことを感じたのか、素直な感覚を教えてくれればいい」
教え方を教えるって斬新な状況なんですけど。
「うーん……《敵を切り裂く太古の超剣――レーヴァテイン》」
ルルアは昨日の感覚を思い出すために呪文を唱えて剣の形をした炎を手に出現させる。
「なんだかね、お胸のところがギュルギュルって熱くなって、それがギューンって手のところまで移動していくんだ……そしたらドーンッていつの間にか出てたの」
擬音のオンパレード説明である。でも全くわからないわけじゃない。
呪文を口にすれば魔法が発動し、天才は頭に呪文が勝手に浮かび上がるんだったな。
それらと今まで聞いてきたことを合わせつつ別の考え方をしてみよう。
まずヴェルネは呪文の詠唱を省いて魔法を放つことができる。つまり呪文は必ずしも必要ではないということ。
ジークフリートは空気中にある魔素が体の中で魔力に変換されて魔法になると言った。
そしてルルアは胸が熱くなって、それが腕から手にかけて移動していたと……
それらをまとめて自分なりに考えるとしたら――
「魔素を吸収してすぐに魔力へ、そして魔法に変換っていう手順になるわけか。だがいくら理論を立てたところで肉体的なものならまだしも魔力なんて曖昧なものを実行できるわけがないしな……」
進んだようで行き詰まっているのには変わらない現状。
……そういえば魔道具に魔力を注げてるんだよな、俺。
だとしたらその工程はもうクリアしてね?
勝手に空気中の魔素を取り込んで魔力にして、その魔力を無意識に使ってるわけだ。
あとはそれを魔法として放出することができれば……
手から魔法を……例えば火を出すイメージ――
――ボッ
「おっ?」
「あっ!」
一瞬だけだったが……今手からライターくらいの火が出た気がする。
いや、ルルアも気付いて声を出してたから気のせいじゃないだろう。
ようやく俺もお前も魔法が使えた……使えることが証明できたんだ。
ならもっと強くイメージすれば……!
――ボッ、ボッ……ボウッ!
……出た。
花火のように放出した火が空へと打ち上がり、盛大に弾け飛ぶ。
と言っても弾け飛んだ後はすぐに霧散して消えてしまったので周囲の草木に燃え移る心配はない。
あれ、できちゃった?俺やれちゃった?
もしかしてもしかして擬音で理解できちゃう系男子でした?
「凄い凄い!詠唱もしてないのに炎を出したよ!カズ兄様はやっぱり凄いよ!」
今一番喜ぶべき困惑している俺よりもルルアがピョンピョンと跳ねて心から喜んでいた。
当人よりも喜ぶとか……兄ちゃん嬉し過ぎてもう一回別の意味で炎が出てきそうよ?
「ありがとうルルア、お前のおかげでこの先も楽しくなりそうだ!」
「わっ!?」
俺もようやく実感が湧いてきて思わず彼女を抱き上げてしまい、グルグルと振り回す感じで回り始める。
最初は驚いていたルルアも笑顔になって笑い始めた。
「アハハハハハハハッ、グルグルグルグル……お兄様と一緒に踊るって楽しい!もっともっと踊りましょう!」
ルルアも嬉しそうに、そして楽しそうに笑って羽根を大きく広げて羽ばたかせて俺ごと空へ飛んだ。
そして踊ると言うよりはただ手を掴まれて振り回わされている状態だが、それさえも楽しく感じていた。
そんな時、下で何やら騒いでいるのが聞こえてきた。
「カズゥゥゥッ!あんた一体何したの!っていうかどこにいんの!?」
ヴェルネだった。
ジークフリートとマヤルも連れて俺を探しているようだった。
「あっ、お姉様だわ!」
ルルアも彼女たちに気付き、「お姉様ー!」と叫んで呼ぶ。
何やら可愛らしく憤った様子のヴェルネが「降りてきなさーい!」と大声を出しているのが聞こえる。
「……降りるか」
「はーい♪」
俺は水を差されたように落ち着いていたが、ルルアはまだ楽しそうにしていた。
ルルアにはその場で手を離してもらい、ヴェルネのいる下まで高速落下する。
「ちょ――」
何か言葉にしようとしたヴェルネの目前に勢いよく着地。普通なら骨が折れてるか死ぬ高さから落ちたが、俺はそれほどヤワじゃない。
周囲の地面が小さく窪み、砂煙が舞い上がってしまう中で立ち上がり、ヴェルネと目を合わせる。
「待たせたな!」
「――じゃないわ!」
直後にヴェルネがツッコミと同時に俺の顔面を横から殴ってきた。
「いきなり何をする?」
「いきなり殴られたのに平然としてる辺り流石ですね……」
後ろで苦笑いをするマヤルを他所にヴェルネは怒りをぶつけてくる。
「『何をする』じゃないわよ!さっき変な爆発があったけどアレ絶対あんたの仕業でしょ!?」
「おう!」
「おう!じゃないっての!」
再びビンタしてくるヴェルネ。だけどそれは……
「っ~~~~いったぁ!? なんで殴ってるあたしの方が痛いのよ!」
「そりゃ殴る方も殴り方が悪ければ拳を痛めるし、硬いものを叩けば自分が痛いだけだろ?」
「あんたの頭は岩か!」
誰が石頭だ。
全くコイツは……俺が少し非常識だからって好き勝手していいと勘違いしてないか?
そう思いながら痛がっている彼女の手を取る。
「なっ、何!?」
「……こんなに柔らかい手で殴れば痛いに決まってるじゃねえか。武器を握ったことはおろか、人一人さえ叩いたことさえない綺麗な手なんだし」
見てわかる率直な感想を口にするとヴェルネの顔が真っ赤になる。
「なっ、何言ってんの!? バカにしてんの!?」
「バカにはしてない。ただ普通に綺麗だと思っただけだ」
「だからっ、だからそれが……!ああもうっ!もういいから手を離しなさい!」
もどかしさというのか、文句を言いたいけど何に対して言っていいのかわからなくなってしまっていた様子のヴェルネが手を引っ込ませる。
「ホホホ、ダメですよカズ様。あまりヴェルネ様をからかわれますと拗ねてしまわれますので」
「そうです、冗談でもとことんやりませんと!ちなみにあっち的には本気で告白とかしてくれますと面白いのでオネアシャッス!」
「あんたら……特にマヤルは覚えておきなさいよ!」
ヴェルネの怒りにマヤルは「うひー」とそこまで驚いてない様子でおどけてみせる。
ジークフリートたちもこの状況を中々楽しんでるな?
「んで、さっきの爆発なんだったのよ?」
マヤルたちの態度はいつものことらしく、ヴェルネは諦めたように軽く溜め息を吐いて改めて聞いてきた。
「ああ、魔法を使ったんだ」
「魔法?ルルアが?」
「いや、俺が」
そう答えるとヴェルネはしばらく俺を見たまま固まり、哀れんだ笑みを向けてくる。
「そう……あんた思い詰めて……」
「違うから、思い込みとか妄想じゃないから。だからそういう可哀想なものを見る目で見るのをやめなさい?」
見下されたり軽蔑されたりすることはよくあることだが、そういう目で見られたのは初めてだ。
意外と心にクるものがあるな……
「嘘とか妄想じゃなくて本当に使えるようになったんだよ。ほら……」
証明するために火を、そしてそれ以外の水や風、雷に土と他の属性を玉の形にして周囲に浮かばせた。
「……えっ」
「なんと……!」
「マジですか……」
魔法の発動を見たヴェルネたちが全員が驚く。
一度感覚を掴んでしまえばこっちのものというやつで、他の属性のイメージも並行して思い浮かべて作り出しているわけだが……
「嘘でしょ……魔法を合成させたものならまだしも、無詠唱で同時発動なんて……そんなバカげた話あるの……?」
「ありえない」と言いたげに驚くヴェルネの真意が理解できず、ジークフリートたちに視線を向ける。
「簡単に言いますと、物事の二つや三つのことを並行して同時に行動へ移そうとしているのと同じことです。あなたがやっていることを例えるなら……音楽を聴き口ずさみながら右手で料理をして左手で勉学などの書き物をし、片足で玉遊びをしている状態なのです」
「何そのカオスな状態」
「つまりそういうことです」
俺がやったことがそんなにカオスな状態だと?だとしてももうちょっとマシな例えがあっただろうに……
そうだな……俺の経験で言うなら四方八方から達人が攻撃してくるのを捌いた時と似た状態か?
まぁ、いくつもの行動を同時にこなすっていうのは中々難しい話ではあるが、不可能ではないはずだ。
ただそういう奴は大体良い意味で変態的だと言われるのを知ってる。
だから多分、今酷く顔を歪めて俺を見てるヴェルネが思ってることは予想がつく。ついてしまう。
「もうそこまでいくと変態よね……」
……くそぅ。
いざ教えるとなるとどうすればいいかわからないルルア。
むしろその言葉は俺が言わなきゃならないセリフなんだが……と言ってもわかっててルルアを人選したのは俺なのだからそんなことは言えないな。
「何でもいいさ。ルルアが魔法を使った時にどんなことを感じたのか、素直な感覚を教えてくれればいい」
教え方を教えるって斬新な状況なんですけど。
「うーん……《敵を切り裂く太古の超剣――レーヴァテイン》」
ルルアは昨日の感覚を思い出すために呪文を唱えて剣の形をした炎を手に出現させる。
「なんだかね、お胸のところがギュルギュルって熱くなって、それがギューンって手のところまで移動していくんだ……そしたらドーンッていつの間にか出てたの」
擬音のオンパレード説明である。でも全くわからないわけじゃない。
呪文を口にすれば魔法が発動し、天才は頭に呪文が勝手に浮かび上がるんだったな。
それらと今まで聞いてきたことを合わせつつ別の考え方をしてみよう。
まずヴェルネは呪文の詠唱を省いて魔法を放つことができる。つまり呪文は必ずしも必要ではないということ。
ジークフリートは空気中にある魔素が体の中で魔力に変換されて魔法になると言った。
そしてルルアは胸が熱くなって、それが腕から手にかけて移動していたと……
それらをまとめて自分なりに考えるとしたら――
「魔素を吸収してすぐに魔力へ、そして魔法に変換っていう手順になるわけか。だがいくら理論を立てたところで肉体的なものならまだしも魔力なんて曖昧なものを実行できるわけがないしな……」
進んだようで行き詰まっているのには変わらない現状。
……そういえば魔道具に魔力を注げてるんだよな、俺。
だとしたらその工程はもうクリアしてね?
勝手に空気中の魔素を取り込んで魔力にして、その魔力を無意識に使ってるわけだ。
あとはそれを魔法として放出することができれば……
手から魔法を……例えば火を出すイメージ――
――ボッ
「おっ?」
「あっ!」
一瞬だけだったが……今手からライターくらいの火が出た気がする。
いや、ルルアも気付いて声を出してたから気のせいじゃないだろう。
ようやく俺もお前も魔法が使えた……使えることが証明できたんだ。
ならもっと強くイメージすれば……!
――ボッ、ボッ……ボウッ!
……出た。
花火のように放出した火が空へと打ち上がり、盛大に弾け飛ぶ。
と言っても弾け飛んだ後はすぐに霧散して消えてしまったので周囲の草木に燃え移る心配はない。
あれ、できちゃった?俺やれちゃった?
もしかしてもしかして擬音で理解できちゃう系男子でした?
「凄い凄い!詠唱もしてないのに炎を出したよ!カズ兄様はやっぱり凄いよ!」
今一番喜ぶべき困惑している俺よりもルルアがピョンピョンと跳ねて心から喜んでいた。
当人よりも喜ぶとか……兄ちゃん嬉し過ぎてもう一回別の意味で炎が出てきそうよ?
「ありがとうルルア、お前のおかげでこの先も楽しくなりそうだ!」
「わっ!?」
俺もようやく実感が湧いてきて思わず彼女を抱き上げてしまい、グルグルと振り回す感じで回り始める。
最初は驚いていたルルアも笑顔になって笑い始めた。
「アハハハハハハハッ、グルグルグルグル……お兄様と一緒に踊るって楽しい!もっともっと踊りましょう!」
ルルアも嬉しそうに、そして楽しそうに笑って羽根を大きく広げて羽ばたかせて俺ごと空へ飛んだ。
そして踊ると言うよりはただ手を掴まれて振り回わされている状態だが、それさえも楽しく感じていた。
そんな時、下で何やら騒いでいるのが聞こえてきた。
「カズゥゥゥッ!あんた一体何したの!っていうかどこにいんの!?」
ヴェルネだった。
ジークフリートとマヤルも連れて俺を探しているようだった。
「あっ、お姉様だわ!」
ルルアも彼女たちに気付き、「お姉様ー!」と叫んで呼ぶ。
何やら可愛らしく憤った様子のヴェルネが「降りてきなさーい!」と大声を出しているのが聞こえる。
「……降りるか」
「はーい♪」
俺は水を差されたように落ち着いていたが、ルルアはまだ楽しそうにしていた。
ルルアにはその場で手を離してもらい、ヴェルネのいる下まで高速落下する。
「ちょ――」
何か言葉にしようとしたヴェルネの目前に勢いよく着地。普通なら骨が折れてるか死ぬ高さから落ちたが、俺はそれほどヤワじゃない。
周囲の地面が小さく窪み、砂煙が舞い上がってしまう中で立ち上がり、ヴェルネと目を合わせる。
「待たせたな!」
「――じゃないわ!」
直後にヴェルネがツッコミと同時に俺の顔面を横から殴ってきた。
「いきなり何をする?」
「いきなり殴られたのに平然としてる辺り流石ですね……」
後ろで苦笑いをするマヤルを他所にヴェルネは怒りをぶつけてくる。
「『何をする』じゃないわよ!さっき変な爆発があったけどアレ絶対あんたの仕業でしょ!?」
「おう!」
「おう!じゃないっての!」
再びビンタしてくるヴェルネ。だけどそれは……
「っ~~~~いったぁ!? なんで殴ってるあたしの方が痛いのよ!」
「そりゃ殴る方も殴り方が悪ければ拳を痛めるし、硬いものを叩けば自分が痛いだけだろ?」
「あんたの頭は岩か!」
誰が石頭だ。
全くコイツは……俺が少し非常識だからって好き勝手していいと勘違いしてないか?
そう思いながら痛がっている彼女の手を取る。
「なっ、何!?」
「……こんなに柔らかい手で殴れば痛いに決まってるじゃねえか。武器を握ったことはおろか、人一人さえ叩いたことさえない綺麗な手なんだし」
見てわかる率直な感想を口にするとヴェルネの顔が真っ赤になる。
「なっ、何言ってんの!? バカにしてんの!?」
「バカにはしてない。ただ普通に綺麗だと思っただけだ」
「だからっ、だからそれが……!ああもうっ!もういいから手を離しなさい!」
もどかしさというのか、文句を言いたいけど何に対して言っていいのかわからなくなってしまっていた様子のヴェルネが手を引っ込ませる。
「ホホホ、ダメですよカズ様。あまりヴェルネ様をからかわれますと拗ねてしまわれますので」
「そうです、冗談でもとことんやりませんと!ちなみにあっち的には本気で告白とかしてくれますと面白いのでオネアシャッス!」
「あんたら……特にマヤルは覚えておきなさいよ!」
ヴェルネの怒りにマヤルは「うひー」とそこまで驚いてない様子でおどけてみせる。
ジークフリートたちもこの状況を中々楽しんでるな?
「んで、さっきの爆発なんだったのよ?」
マヤルたちの態度はいつものことらしく、ヴェルネは諦めたように軽く溜め息を吐いて改めて聞いてきた。
「ああ、魔法を使ったんだ」
「魔法?ルルアが?」
「いや、俺が」
そう答えるとヴェルネはしばらく俺を見たまま固まり、哀れんだ笑みを向けてくる。
「そう……あんた思い詰めて……」
「違うから、思い込みとか妄想じゃないから。だからそういう可哀想なものを見る目で見るのをやめなさい?」
見下されたり軽蔑されたりすることはよくあることだが、そういう目で見られたのは初めてだ。
意外と心にクるものがあるな……
「嘘とか妄想じゃなくて本当に使えるようになったんだよ。ほら……」
証明するために火を、そしてそれ以外の水や風、雷に土と他の属性を玉の形にして周囲に浮かばせた。
「……えっ」
「なんと……!」
「マジですか……」
魔法の発動を見たヴェルネたちが全員が驚く。
一度感覚を掴んでしまえばこっちのものというやつで、他の属性のイメージも並行して思い浮かべて作り出しているわけだが……
「嘘でしょ……魔法を合成させたものならまだしも、無詠唱で同時発動なんて……そんなバカげた話あるの……?」
「ありえない」と言いたげに驚くヴェルネの真意が理解できず、ジークフリートたちに視線を向ける。
「簡単に言いますと、物事の二つや三つのことを並行して同時に行動へ移そうとしているのと同じことです。あなたがやっていることを例えるなら……音楽を聴き口ずさみながら右手で料理をして左手で勉学などの書き物をし、片足で玉遊びをしている状態なのです」
「何そのカオスな状態」
「つまりそういうことです」
俺がやったことがそんなにカオスな状態だと?だとしてももうちょっとマシな例えがあっただろうに……
そうだな……俺の経験で言うなら四方八方から達人が攻撃してくるのを捌いた時と似た状態か?
まぁ、いくつもの行動を同時にこなすっていうのは中々難しい話ではあるが、不可能ではないはずだ。
ただそういう奴は大体良い意味で変態的だと言われるのを知ってる。
だから多分、今酷く顔を歪めて俺を見てるヴェルネが思ってることは予想がつく。ついてしまう。
「もうそこまでいくと変態よね……」
……くそぅ。
12
お気に入りに追加
396
あなたにおすすめの小説
追放したんでしょ?楽しく暮らしてるのでほっといて
だましだまし
ファンタジー
私たちの未来の王子妃を影なり日向なりと支える為に存在している。
敬愛する侯爵令嬢ディボラ様の為に切磋琢磨し、鼓舞し合い、己を磨いてきた。
決して追放に備えていた訳では無いのよ?
もういらないと言われたので隣国で聖女やります。
ゆーぞー
ファンタジー
孤児院出身のアリスは5歳の時に天女様の加護があることがわかり、王都で聖女をしていた。
しかし国王が崩御したため、国外追放されてしまう。
しかし隣国で聖女をやることになり、アリスは幸せを掴んでいく。
最強の異世界やりすぎ旅行記
萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。
そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。
「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」
バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!?
最強が無双する異世界ファンタジー開幕!
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
「君を愛せない」と言った旦那様の様子がおかしい
白羽鳥(扇つくも)
恋愛
「すまない、僕はもう君の事を愛してあげられないんだ」
初夜にそう言われた私はカッとなって旦那様を部屋から叩き出した。
そっちがその気なら、私だって嫌いになってやるわ! 家の事情で二年は離婚できないけれど、後からどれだけ謝って優しくしてくれたって許してあげないんだから!
そうして二年後に白い結婚が認められ、以前からアプローチしてくれた王子様と再婚した私だったが、まさかその後、旦那様と二度と会えなくなるなんて――
※「君を愛せない」系のアンチテーゼ。バッドエンドですがこういうケースもあり得るかなと。
婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな
カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界
魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた
「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね?
それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」
小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く
塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう
一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが……
◇◇◇
親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります
(『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です)
◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる