【完結】声優憑依〜隠し攻略対象とのエンディングを目指せ〜

BIRD

文字の大きさ
上 下
22 / 51
第2章:天使長と四大天使たち

第19話:勉強はベッドの上で(R-18)

しおりを挟む
 ヴォロス戦は、ディアモ戦みたいに強烈な攻撃は飛んでこない代わりに、相手の防御力と体力がめちゃくちゃ高いのが難点だ。

 ディアモは反射+反撃スキルで倒すことができた。
 それはディアモの防御力が、攻撃力の半分にも満たなかったから。
 体力も少なく、2人分のダメージだったとはいえ反撃1発で消滅したほど。

 ヴォロスの防御力は攻撃力よりも圧倒的に高く、体力もかなりあるので一撃では沈まない。
 オマケに回復スキルも優れているので、しぶとさでは四天王の中で一番だと思う。

 ウリもヴォロスと同じ防御型で、能力値はほぼ同じ。
 ミカのようにウッカリ倒されるなんてことも無い。
 タイマン勝負で殴り合ったら百年経っても決着がつかないとまで言われている。

 ヴォロスは正規ルートならウリの好感度が3になってから出現する中ボスで、絆スキルを使って倒すんだけど。
 ディアモと同じく、ヴォロスも気の早い登場となった。

 ヴォロス戦でも絆スキルは使えない気がする。
 そんな予感がしていた僕は、ヴォロス討伐に備えて、水の大天使サキから水属性攻撃スキルを学んでおいた。
 サキからスキルを教わると、ベッドに連れ込まれるのが悩みどころだ。
 絆スキル無しでヴォロスを倒す為には、サキが得意とする水の力が必要だと言ったら、こっちで教えると言って連れて行かれたのは予想通り寝室だった。

「はい、服を脱いで~」
「いや、なんで脱がなきゃならないんですか」
「脱いだ方が力の流れが分かりやすいのよ~」
「それ、本当ですか?」
「あら? 疑うなら教えないわよ」
「う、それは困る……」
「じゃ、この手指の動きを追うように意識を集中して」

 ……こんな感じで、服を脱がされた後、全身を触り放題な感じで撫で回されるという……

 もしもし? CV:コージさん?
 貴方、こんなキャラでしたっけ?

 サキの思考パターンは、神崎コージさんべースで組まれた筈だけど。
 なんだろう、このオネエ全開キャラは……

 困ったことに主人公の身体は全攻略対象との相性抜群だ。
 サキに「嫌がってた割に気持ちよさそうじゃない」などと言われてしまった。

「ヴォロスを攻めるイメージは……こうね。こういう感じ」
「せ……攻めるの意味違い……ませんか?」

 僕が嫌悪や苦痛を感じていない様子を見て、サキはどんどん大胆になってくる。
 今までケイとルウ以外に侵入を許したことがない領域に入られてしまった。
 指だけで済んだのは幸いだ。

「残念。あんたの体内は天使長の力で満たされてるから、アタシが入る余地は無いわ」
「は、入る余地が無いなら……、入れないで……くだ……さい……」
「しょうがないわね」

 サキは少し寂しそうな様子で言う。
 僕はもう息も絶え絶えだ。

 頑丈な岩のような魔族を倒したいのなら、水の力がいいと思う。
 それもサキのように、精密で正確な水の攻撃ができるようにならなければ。

 でも、その感覚を掴む為に、こんなコトする必要あるんだろうか?
 この辺りはさすがBLゲームといったところだ。

 僕は、ケイを助け出す為なら何でもする覚悟はある。
 だけど、こんなことされてるのをルウに知られたら、闇堕ちするんじゃないか?
 サキに触られることよりも、そっちの方が不安だったりする。

「水の矢で、敵を射貫いてやりなさい」

 最後にそんな言葉をかけられ、水の力で身体を清めてもらった後、僕はサキの家を出た。


 ルウは訓練を終えて帰った僕を見て、すぐ気付いたみたいだけど。
 幸い、彼が闇堕ちすることは無かった。

「お疲れ様。中途半端に止めたら落ち着かないだろう? おいで。続きをしてあげる」

 と言いながら浴室へ連行されたよ。

 浴室にウォーターベッドのような物が置いてあるのは、最近はベッドよりも浴室ですることが多いからだ。
 抵抗なく全裸になれる場所でもあり、ルウも僕も脱衣所に服を置いて、隠す物は何もない身体で抱き合う。

 ルウの肌は滑らかで吸い付くような手触り。
 白くて綺麗なその肌に、僕は隅々までキスをした。
 こうしている時間は、現実世界の時は進まないので落ち着いて過ごせる。

「来て……」

 艶めかしく誘うルウに導かれて、僕はそこへ進む。
 初めてではなく、これまで毎晩繰り返していることだから、2人とも何も抵抗は無かった。

 ルウが声を上げて仰け反り、僕が解放したものがルウの体内に吸収された後は、ケイの出番。
 女の子みたいに小柄で華奢な身体が、背の高い細身の青年に変わった。

 天使長ルウの容姿と声は、ケイにそっくり。
 特に今みたいに翼を出していない姿は、ケイそのものだ。
 今その身体を動かしているのは、ケイ本人。

「ヴォロスへの攻撃は、こうして…こう、だな」
「ちょっ! 今それ言う?」

 ケイは何を思ったか、変なことを言い出したぞ。
 せっかくケイの愛撫に蕩けてたのに、雰囲気台無しだよ……。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました

美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!

【完結】試練の塔最上階で待ち構えるの飽きたので下階に降りたら騎士見習いに惚れちゃいました

むらびっと
BL
塔のラスボスであるイミルは毎日自堕落な生活を送ることに飽き飽きしていた。暇つぶしに下階に降りてみるとそこには騎士見習いがいた。騎士見習いのナーシンに取り入るために奮闘するバトルコメディ。

君に望むは僕の弔辞

爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。 全9話 匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意 表紙はあいえだ様!! 小説家になろうにも投稿

今世はメシウマ召喚獣

片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。 最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。 ※女の子もゴリゴリ出てきます。 ※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。 ※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。 ※なるべくさくさく更新したい。

【完結】悪役令息の従者に転職しました

  *  
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。 依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。 皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ! 本編完結しました! 『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく、舞踏会編、はじめましたー! 他のお話を読まなくても大丈夫なようにお書きするので、気軽に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

【完結】竜を愛する悪役令嬢と、転生従者の謀りゴト

しゃもじ
BL
貴族の間で婚約破棄が流行し、歪みに歪んだサンドレア王国。 飛竜騎士団率いる悪役令嬢のもとに従者として転生した主人公グレイの目的は、前世で成し遂げられなかったゲームクリア=大陸統治を目指すこと、そして敬愛するメルロロッティ嬢の幸せを成就すること。 前世の記憶『予知』のもと、目的達成のためグレイは奔走するが、メルロロッティ嬢の婚約破棄後、少しずつ歴史は歪曲しグレイの予知からズレはじめる…… *主人公の股緩め、登場キャラ貞操観念低め、性癖尖り目、ピュア成分低めです。苦手な方はご注意ください。 *他サイト様にも投稿している作品です。

処理中です...