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第7章:双子星
端末アイオの記録⑦
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アルビレオの端末アイオです。
ドミナートル国のクーデターは、王の死によって終わりました。
お城の地下道へ向かったトオヤが、ラティオ殿下をお姫様抱っこして戻ってきました。
城内を占拠したレジスタンスメンバーが、トオヤに抱かれたラティオ殿下を囲んで歓声を上げる様子は、そのシーンだけ見たら何か違う方向に誤解されそうです。
抱っこされているのは王子様だから、王子様抱っこと言うんじゃないの? とカールに聞かれました。
お姫様や令嬢を運ぶ時の抱き方だから、お姫様抱っこと言うんですよ、と教えておきましたよ。
あの人はトオヤの子にならないの? とチアルムに聞かれました。
ラティオ殿下は大人だから、トオヤの子にはなりませんよ、と答えておくことにします。
もしも、対決後のラティオ殿下が王になる事を拒否して死を選ぼうとし続けたら、トオヤは移民団に勧誘するつもりだったようですが。
殿下は父王が壊した生態系を修復する事を決意して、王位を継ぎました。
逃げた王を追ってラティオ殿下とトオヤが地下道へ入ってから出てくるまでの様子は、全て監視カメラで撮影され、管理コンピューターに保存されています。
王とラティオ殿下の対決の様子は、セラフィが管理コンピューターに指示して報道機関に流し、民衆に告知されました。
対決後のラティオ殿下の様子も、安否を報せるために流したのですが、一緒に映っている異星人の青年は何者なのかという問い合わせが、事情を知らない民衆から寄せられていました。
今回はアルビレオはずっとソロル星に停泊していて、フラテル星へ行ったトオヤは瞬間移動を使っています。
なのでドミナートルの一般市民には、トオヤがアエテルヌムの使者だとは知られていません。
民衆や報道陣には、交易か観光に来ていた異星人がラティオ殿下と親しくなり、政治犯収容所から救出してクーデターに協力したのではないか? と推測されているようです。
ラティオ殿下を直接救出したのはボクですが、映像は公開していないですし、目撃者もいないので報道陣には知られずに済んでいます。
代わりにトオヤが正面入り口から堂々と収容施設に入って建物内を歩いている映像が公開されていて、あの時にサイキックを使って殿下を逃がしていたのでは? と思われています。
移民団は異星の政治には介入しない主義なので、今回はトオヤ1人が関わった事にしておこう、という風に話はまとまっています。
クーデターに協力する際にトオヤが着ていた黒い護衛官服と剣は、ドミナートル歴史資料館に保管される事になったそうですよ。
またいつかフラテル星を訪れる事があれば、見に行ってみたいですね。
普段はアルビレオのイメージカラーの白い艦長服を着ているトオヤですが、黒服も似合っていました。
トオヤがフラテル星へ行っている間、他のメンバーは万が一またソロル星が襲撃された時に備えて待機していましたが、幸いそんな事は無く、1回目の襲撃を撃退した後は平和です。
王がラティオ殿下に変わりましたから、今後は襲撃されるような事は無さそうです。
殿下とロギア博士たちが、人々に森林の大切さを知識として伝えてゆくと言っていました。
ラティオ殿下の手伝いを終えて戻ってきたトオヤは、癒しが欲しいと言ってボクを抱き締めてくれました。
クーデターで多くの敵兵を躊躇わずに斬ったトオヤですが、人の命を軽んじているわけではありません。
ボクはそれが分かるので、お疲れ様でしたとだけ言って、抱き締め返してあげました。
トオヤがボクに癒しを感じてくれるのは嬉しいですね。
ドミナートル国のクーデターは、王の死によって終わりました。
お城の地下道へ向かったトオヤが、ラティオ殿下をお姫様抱っこして戻ってきました。
城内を占拠したレジスタンスメンバーが、トオヤに抱かれたラティオ殿下を囲んで歓声を上げる様子は、そのシーンだけ見たら何か違う方向に誤解されそうです。
抱っこされているのは王子様だから、王子様抱っこと言うんじゃないの? とカールに聞かれました。
お姫様や令嬢を運ぶ時の抱き方だから、お姫様抱っこと言うんですよ、と教えておきましたよ。
あの人はトオヤの子にならないの? とチアルムに聞かれました。
ラティオ殿下は大人だから、トオヤの子にはなりませんよ、と答えておくことにします。
もしも、対決後のラティオ殿下が王になる事を拒否して死を選ぼうとし続けたら、トオヤは移民団に勧誘するつもりだったようですが。
殿下は父王が壊した生態系を修復する事を決意して、王位を継ぎました。
逃げた王を追ってラティオ殿下とトオヤが地下道へ入ってから出てくるまでの様子は、全て監視カメラで撮影され、管理コンピューターに保存されています。
王とラティオ殿下の対決の様子は、セラフィが管理コンピューターに指示して報道機関に流し、民衆に告知されました。
対決後のラティオ殿下の様子も、安否を報せるために流したのですが、一緒に映っている異星人の青年は何者なのかという問い合わせが、事情を知らない民衆から寄せられていました。
今回はアルビレオはずっとソロル星に停泊していて、フラテル星へ行ったトオヤは瞬間移動を使っています。
なのでドミナートルの一般市民には、トオヤがアエテルヌムの使者だとは知られていません。
民衆や報道陣には、交易か観光に来ていた異星人がラティオ殿下と親しくなり、政治犯収容所から救出してクーデターに協力したのではないか? と推測されているようです。
ラティオ殿下を直接救出したのはボクですが、映像は公開していないですし、目撃者もいないので報道陣には知られずに済んでいます。
代わりにトオヤが正面入り口から堂々と収容施設に入って建物内を歩いている映像が公開されていて、あの時にサイキックを使って殿下を逃がしていたのでは? と思われています。
移民団は異星の政治には介入しない主義なので、今回はトオヤ1人が関わった事にしておこう、という風に話はまとまっています。
クーデターに協力する際にトオヤが着ていた黒い護衛官服と剣は、ドミナートル歴史資料館に保管される事になったそうですよ。
またいつかフラテル星を訪れる事があれば、見に行ってみたいですね。
普段はアルビレオのイメージカラーの白い艦長服を着ているトオヤですが、黒服も似合っていました。
トオヤがフラテル星へ行っている間、他のメンバーは万が一またソロル星が襲撃された時に備えて待機していましたが、幸いそんな事は無く、1回目の襲撃を撃退した後は平和です。
王がラティオ殿下に変わりましたから、今後は襲撃されるような事は無さそうです。
殿下とロギア博士たちが、人々に森林の大切さを知識として伝えてゆくと言っていました。
ラティオ殿下の手伝いを終えて戻ってきたトオヤは、癒しが欲しいと言ってボクを抱き締めてくれました。
クーデターで多くの敵兵を躊躇わずに斬ったトオヤですが、人の命を軽んじているわけではありません。
ボクはそれが分かるので、お疲れ様でしたとだけ言って、抱き締め返してあげました。
トオヤがボクに癒しを感じてくれるのは嬉しいですね。
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