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第7章:双子星
第69話:権力と反抗
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アルビレオ艦内で、ラティオ殿下とロギア博士、レジスタンスメンバーはドミナートル王が強引に進める巨大建造物の建築と森林の大規模な伐採について意見を交わした。
国王を最も間近で見ているラティオ殿下の話では、ドミナートル王は独裁者で、軍事力の強化と自らの威光を示す事を重視しており、逆らえばたとえ血縁者であろうとも、容赦無く制裁を加えたり投獄したりするらしい。
広大な森の木々を次々に切り倒して作らせているのは、なんと自分の墓だという。
地球の古代文明に当てはめると、ピラミッドや古墳のようなものだろうね。
それらはみんな、地球文明が滅びた世界大戦で瓦礫と化してしまった。
権力の証は、それを超える力に壊される。
宇宙船を飛ばせるほどの文明を持ちながら、何故そんな愚かな事をするのだろうか?
それはまるで、過去の地球にあったという、東洋の閉鎖的な国のようだった。
宇宙船アルビレオ号
艦長トオヤ・ユージアライトの日記より
「反逆者と言われようとも、父殺しと言われようとも、私は父を止めたい」
ラティオ王子は、強い意志をもってレジスタンスメンバーに告げる。
レジスタンスメンバーは艦内に来ている人々以外にも、他の拠点にいるメンバーがおり、情報は脳波通信で共有された。
「このまま伐採が続けば、森の動物たちは住処を失い、地下水脈は枯渇してしまう。フラテルが砂漠の星にならぬように、私は国家に反旗を翻す!」
その言葉に、艦内にいる全ての大人たちが賛同し、子供たちはよく分からないけど何か大きな事が起きると感じていた。
レジスタンスは複数拠点に潜みながら、密かにクーデターの準備を進めていたという。
ラティオ王子は、その旗頭に最適な人物だった。
「ドミナートルの管理コンピューターはアルビレオが掌握しています。軍の機械兵器はほぼ無力化するでしょう」
話すトオヤの隣で、今も管理コンピューターを操り続けるセラフィが微笑む。
レジスタンスメンバーは後に、その美しい少女が重戦機メイテオを自爆させたと知り驚いていた。
「僕たちは本来は政治には介入しませんが、今回はサポートします」
「ありがとうございます。アエテルヌムの使者様から支援を頂けるならとても助かります」
レジスタンス側の犠牲者を減らすため、トオヤたちは協力する事を告げる。
セラフィの管理コンピューター掌握による敵戦力抑制に加えて、レジスタンスの戦闘支援をする事が決まった。
ドミナートル王城。
警備兵たちはパニックに陥った。
門は彼等の意に反して勝手に開き、反乱軍をたやすく突入させる。
セキュリティは全く作動せず、レジスタンスメンバーは無傷で城内になだれ込んだ。
「こ、この! 反逆者どもめ!」
警備兵たちが手にした銃を発砲するが、それは全て撃った本人に返された。
自らの銃弾に斃れる仲間を見て警戒した残りの兵が、銃を納めて剣を構えて襲い掛かるが、見えない壁に阻まれて近付けない。
(怪我したくなかったら、大人しくしときな)
アルビレオ艦内、セラフィからの精神感応で状況を明確に把握しながら、反射防壁のサイキック能力者ベガが心の中で呟く。
以前は現場にいて目視していなければ使えなかった防壁能力は、長旅の中で進化して遠隔操作が出来るレベルになっていた。
その遠隔操作を可能にしているのは、城内の全カメラ映像を読み取り、必要な映像のみベガに流し続けるセラフィあればこそだ。
同じ頃、ドミナートル軍基地。
そこでは、自爆機能が勝手に作動し、戦車や戦闘機が次々に爆発している。
軍の格納庫は火の海と化していた。
火災に備えた消火設備は全く作動せず、兵士たちが消火器を手に走り回っているが、火の勢いが強く全く役に立たなかった。
国王を最も間近で見ているラティオ殿下の話では、ドミナートル王は独裁者で、軍事力の強化と自らの威光を示す事を重視しており、逆らえばたとえ血縁者であろうとも、容赦無く制裁を加えたり投獄したりするらしい。
広大な森の木々を次々に切り倒して作らせているのは、なんと自分の墓だという。
地球の古代文明に当てはめると、ピラミッドや古墳のようなものだろうね。
それらはみんな、地球文明が滅びた世界大戦で瓦礫と化してしまった。
権力の証は、それを超える力に壊される。
宇宙船を飛ばせるほどの文明を持ちながら、何故そんな愚かな事をするのだろうか?
それはまるで、過去の地球にあったという、東洋の閉鎖的な国のようだった。
宇宙船アルビレオ号
艦長トオヤ・ユージアライトの日記より
「反逆者と言われようとも、父殺しと言われようとも、私は父を止めたい」
ラティオ王子は、強い意志をもってレジスタンスメンバーに告げる。
レジスタンスメンバーは艦内に来ている人々以外にも、他の拠点にいるメンバーがおり、情報は脳波通信で共有された。
「このまま伐採が続けば、森の動物たちは住処を失い、地下水脈は枯渇してしまう。フラテルが砂漠の星にならぬように、私は国家に反旗を翻す!」
その言葉に、艦内にいる全ての大人たちが賛同し、子供たちはよく分からないけど何か大きな事が起きると感じていた。
レジスタンスは複数拠点に潜みながら、密かにクーデターの準備を進めていたという。
ラティオ王子は、その旗頭に最適な人物だった。
「ドミナートルの管理コンピューターはアルビレオが掌握しています。軍の機械兵器はほぼ無力化するでしょう」
話すトオヤの隣で、今も管理コンピューターを操り続けるセラフィが微笑む。
レジスタンスメンバーは後に、その美しい少女が重戦機メイテオを自爆させたと知り驚いていた。
「僕たちは本来は政治には介入しませんが、今回はサポートします」
「ありがとうございます。アエテルヌムの使者様から支援を頂けるならとても助かります」
レジスタンス側の犠牲者を減らすため、トオヤたちは協力する事を告げる。
セラフィの管理コンピューター掌握による敵戦力抑制に加えて、レジスタンスの戦闘支援をする事が決まった。
ドミナートル王城。
警備兵たちはパニックに陥った。
門は彼等の意に反して勝手に開き、反乱軍をたやすく突入させる。
セキュリティは全く作動せず、レジスタンスメンバーは無傷で城内になだれ込んだ。
「こ、この! 反逆者どもめ!」
警備兵たちが手にした銃を発砲するが、それは全て撃った本人に返された。
自らの銃弾に斃れる仲間を見て警戒した残りの兵が、銃を納めて剣を構えて襲い掛かるが、見えない壁に阻まれて近付けない。
(怪我したくなかったら、大人しくしときな)
アルビレオ艦内、セラフィからの精神感応で状況を明確に把握しながら、反射防壁のサイキック能力者ベガが心の中で呟く。
以前は現場にいて目視していなければ使えなかった防壁能力は、長旅の中で進化して遠隔操作が出来るレベルになっていた。
その遠隔操作を可能にしているのは、城内の全カメラ映像を読み取り、必要な映像のみベガに流し続けるセラフィあればこそだ。
同じ頃、ドミナートル軍基地。
そこでは、自爆機能が勝手に作動し、戦車や戦闘機が次々に爆発している。
軍の格納庫は火の海と化していた。
火災に備えた消火設備は全く作動せず、兵士たちが消火器を手に走り回っているが、火の勢いが強く全く役に立たなかった。
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