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夢の内容を元に書いたイオ視点の話

第8話:765名の異世界転移

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「カジュちゃん、いつからここに?」
「来たのは2人と多分同時だよ」

 聞いてみたら、カジュちゃんもここに来て間もないらしい。

「っていうか、ATP事業部の人たち、みんな異世界こっち来てるよ」
「「マジっスか」」

 何度目かのハモり。
 まさかの、765名の異世界転生?!
 テーマパーク業務は大丈夫???

「みんなそれぞれ部屋にいるよ。ついて来て」

 と言って駈け出すカジュちゃん。
 廊下、走っていいのか?
 とりあえずモチと俺も後に続いた。

 カジュちゃんは軽やかな足取りで階段を駆け上がる。
 元々小柄だったのが子供になったから更に身軽になったんだろう。
 モチと俺も元の姿より体が軽い。
 俺は元々足は速い方で、終電ダッシュで他のリーマンぶっちぎりで先頭を走り、座席を確保するくらいは出来る。
 今はもっと走れそう。
 モチはそこまで速くはなかったけど、今はかなり速く走れるっぽい。

 2階へ駆け上がったカジュちゃん。
 何をするかと思えば、廊下を駆け抜けながら両側のドアをコンコン叩いてゆく。
 ピンポンダッシュならぬコンコンダッシュだ。

 扉が次々に開いて、どっかで見たような顔ぶれが姿を現す。
 モチと俺がいた部屋もあるこの階は、男子部屋が並ぶエリアか。
 部屋から出て来るのは男子ばっかりだ。
 カジュちゃん、男子エリアに乱入していいのか?

「じゃ、後は男の子同士でお話してね」

 そう言って、カジュちゃんは廊下の向こう側にある別の階段を上がって3階へ去って行った。

「お、モチとイオも目が覚めたのか」
「これで全員起きたな」

 廊下に出て来た見覚えある顔の男の子たちが言う。
 どうやら同時に異世界に来て、目覚めた時間に差があるっぽい。
 他の人々の姿を見て、ふと気付く。

 …あれ? みんな黒髪?

 赤やら青やらピンクやら、元の姿とは違う髪色になってるのはモチと俺とカジュちゃんだけ?
 顔立ちの変化の仕方も違う。
 他の人は元の姿から若返っただけみたいな顔。
 俺たち3人だけ美化200%洋風な顔の子供になっている。

「お前ら、なんでステージ用の髪色なんだ?」
「なんで外人顔になってんの?」
「「知らないよ、転生させたヤツに聞いてくれ」」

 聞かれたけど、むしろこっちが聞きたいくらいだ。
 この集団異世界転生、誰の仕業?
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