ジョージと讓治の情事

把ナコ

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「出ちゃった?」

「ごめんなさい」

「良いよ。たくさん気持ちよくなって、たくさん出して」

 ジョージに突かれる度に出ているんじゃないかと思うほど、僕の前は締まりなく垂れ流した。
 いつ止まるんだ。僕の蛇口コックは。

 どうしてジョージにされるといつもこんなにゆるゆる、ふにゃふにゃになっちゃうんだろう?
 自分でしてもこんなふうにならないし、最近は前だけではイき辛くなってきてるのに。

 ああ、だめだ。どんどん頭が馬鹿になっていく。
 気持ちいいことばかり求めてしまう。

 ジョージに何度も突き上げられて、僕の蛇口も出すものが無くなってくる。
 出す度に色が薄くなって、量も減ってきた。
 もう硬くもならない。

 だけど、やめてほしくない。
 もっと、動いて欲しい。
 もっとジョージを感じたい。

 ジョージが僕の身体を抱き起こして振り向かせると、甘い口付けをくれた。
 それだけでまた気持ちよくなって、萎えていた僕の蛇口に芯が戻る。
 
「ああっ、ジョージさん、あ、んんっ」

 身体が反ると中で当たる場所が変わって、ちがう気持ち良さが押し寄せてくる。
 腰にも膝にも力が入らなくなって、身体を起こしているのも辛くなる。
 
 ジョージの支えがなくなると膝で立っていられなくて、前のめりに倒れ込むと、ジョージが腰を掴んで後ろに引っ張りあげた。
 僕はジョージに乗っかる形で後ろに倒れ込むと、脚を大きく広げられて、下から深く突き上げられた。
 衝撃に目の裏に星が舞う。

「ひあっ、ああっ」

「讓治、可愛いよ。もっと感じて」

「ひゃあっ、あっあっ、あんっにゃぁっ」

 バウンドするように何度も下から突き上げられて、激しい行為に追いつくのがやっとだった。
 
 こ、壊れ……

 僕をぎゅぅっと抱きしめたジョージが低い声を出すと、中に熱いものが放たれるのがわかった。
 その刺激で僕の蛇口からは、どこに残っていたのか大量の白濁が飛び出た。
 
 大きく弧を描いて飛んだそれは、ベッドの外まで飛んで絨毯を汚した。
 すごく悪いことをしてしまった気がする。

 出した後の中を堪能するように楽しんだジョージは、しばらくしてゆっくりと出て行った。

 長い間異物の侵入を許していたそこは、あったことが当然のようにぽっかりと口を開けてヒクヒクと痙攣していた。

 自由にならない体を投げ出し、今日は直ぐに入れちゃったから、ジョージの身体を堪能する時間がなかったなぁ、なんてぼんやりと考えていた。
 今日はもうこのまま眠ってしまいたい。
 
 そんなことを思いながらぐったりしてベッドに横たわっていると、ジョージが僕を抱き上げた。

「はえ? どこに行くんですか?」

「お風呂。私はまだ入ってないし、今日は中に出しちゃったから、君も綺麗にしないと」

「へ!? ひ、一人でできますからっ」

「立てないのに?」

「ちょっと休めば……」

「その間にお腹を壊したら大変だ。私が手伝うから一緒に入ろう」

 お姫様抱っこで連れて行かれて、降ろされたのは浴槽の縁だった。



 ジョージに中まで洗われたのは恥ずかしくて仕方なかったけど、代わりにジョージの身体を洗わせて貰った。
 何度見てもかっこいい身体だなぁ。
 硬い胸の谷間に顔を埋めるの、気持ち良すぎる。
 こういうクッション売ってないかな……。

「君は……、讓治は、私の体が好き?」

「好きです。凄くかっこいいし、あったかいし、憧れます。それに(気持ちいいし)」

「私のことは?」

「へ?」

 同じことじゃないの?

「私のことも好きになってもらえる?」

 どういうことだろ?
 ジョージは何を聞きたいの?
 ジョージは優しいし、かっこいいし、仕事できるし、いい匂いだし、かっこいいし(あ)。
 この胸板もすごくかっこいい。すべすべの肌を邪魔するけど、それも男らしくてかっこいい。
 正直に答えたらいいのかな。
 

「ジョージさんは凄くかっこいいです!」

「ありがとう」

 ジョージは少し難しい顔をして僕を胸に抱いた。
 

────


「お前、課長に何か言ったのか?」

 週明け、午後になってから能勢さんが聞いて来た。

「何かとは?」

「仕事のことだよ」

「スケジュール調整して貰えないかお願いしました」

「へぇ? お前、何様なわけ?」

 先輩達みんな、スケジュールがきつそうだったから、調整をお願いしただけなのに、どうして怒られたんだろう?
 
 ジョージに説教されなくて済むから喜んでもらえると思ったのに。

 その後、ジョージからの説教の回数は明らかに減ったはずなのに、先輩達との仲は改善されないどころか、さらに悪化していった。
 どうしてこんなに嫌われちゃうんだろう。
 最初は優しかった能勢さんも、今では僕を蔑むような目で見るようになった。
 見慣れた視線だったけど、社会人になれば少しマシになると思ったのに。
 僕は人付き合いに必要な大切な何かを持ち合わせていないんだろうか。
 でも今はもういいんだ。僕にはジョージがいる。

 ジョージとは、やっと連絡先を交換して、たまに会うようになった。

 呼び出されるのは週末が多い。
 次の日が休みなら、ホテルに泊まっても問題ないし、ちょっと無茶しちゃっても大丈夫だしね。

 週末に呼び出されることが習慣になって、僕はジョージに呼び出されるのが、楽しみになった。
 いつも決まってお洒落なお店に連れて行ってくれるけど、実は僕はあまり得意じゃない。
 味も作法もよくわからないから、いつも教えてもらってる。

 こうやって声をかけてくれるってことは、ジョージも僕といるの楽しいと思ってくれているんだと思っていた。
 

 半年後、突然の終わりを迎えるまでは。


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