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第5章 六凶編 VS ブラッディマリア・ブルードラグーン
第211話 道頓堀の戦い
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翌朝、新聞では大きな見出しで、東と西で起きた惨劇を報じた。
「横浜・千葉 教会が全焼 信者全員死亡」
「大阪 西成 あいりん地区で殺し合い 10人死亡」
ブラッディマリアとブルードラグーンの蛮行が、日本全国に知れ渡り、衝撃が走った。
「あいりん地区で、殺し合い?!一体何が起きたんや?」
大阪を拠点とするレジスタンスチーム KANSAI BLACK PANTHERのボス 松本孝一は驚きを隠せなかった。グリ下キッズのことを気にかけ、支援活動を行なっていたので、心配が募る。
「大丈夫なんか、あの子達…。」
昨年の夏に、百鬼夜行之衆と猛毒獣大陸との三つ巴の戦いに、雅文達の助っ人達として参戦した西園寺薫・穂香も、このニュースを見ていた。
「お母様、これは大規模なテロや。」
高校生になった三女の詩織は、警察官を目指しており、今回の一件はテロではないか、と予想。次女の恵は、芸術家気質で、この一件に終末思想を感じている。穂香は、雅文達の身を案じていた。
「お母様、ご主人様達が心配です。」
黒いカッターシャツを着て、下は黒Tバックにガーターベルトという出で立ちの薫。紅茶の入ったカップを持つ右手が、ガタガタ震える。両目が黒く光り、紅茶がグツグツと煮えて溢れ出す。
「恐ろしき、血で血を洗う戦乱…。狂気の邪神が蘇り、世界に復讐を果たす…。」
「お母様、「「HUNTER×HUNTER」」みたいになってる!!」
怯える穂香。ゴスロリ調の服に身を包んでおり、ミニスカートの下のピンクのパンティがじわりと湿る。
「六凶のブラッディマリアとブルードラグーン、そして、ひかりの会と世界T教会、恐ろしい奴ら!!血祭り、復讐、制裁、あぁ、恐ろしい…。地獄の始まり、一体何人、人が死ぬんや?!」
黒く光った目は、赤く染まり、血の涙がポタポタと流れる。薫自身、超能力探偵として、活動し始めた時に遭遇した事件の、恐ろしい光景が脳裏をよぎる。
「ハァハァ…。ハァハァ…。」
煮えたぎる紅茶、神通力でクッキーとカップは粉々に砕け散った。
「きゃあ!!!!」
穂香も、薫の戦慄した様子に慄然とし、パンティから生暖かい液体が、太ももに滴る。
「ハァハァ…。とんでもないデスゲームやで。」
「お母様…。穂香、オシッコ漏らしちゃった🖤」
支部を潰され、皆殺しにされたことに憤慨する世界T教会教祖 白木勤。
「クソォ!!!!やってくれたな!!!」
大元のひかりの会も、台湾と香港で雅文達の仲間である王白竜とウォン達に敗れ、撤退を余儀なくされたことで、より一層悔しさと怒りが募る。支部は全滅し、残るは東京の本部のみ。元を辿れば、発端は昨年のこと。神戸市部が雅文達に潰されたことからである。そこから、猛毒獣大陸に関西の支部を全て壊滅させられた。怒りを全て雅文達に向ける。
「確か、あの雅文とか言う探偵は、神戸にいたな?神戸支部にいた聖女 ひかりは、将来有望な娘だった。だが、あの戦いで死んでしまった。奴らが殺したも同然だ!!よし、神戸のポートアイランドに拠点を移すぞ!!」
一方、難波にいたブラッディマリアの3人は高笑いしていた。
「アハハハハ!!!!!私達のことニュースになってるわ!!!」
「まぁ、犯人が誰かなんて分かる訳ねぇ。俺達が手を下した訳じゃねぇからな。」
朝食を済ませ、警察の包囲網が敷かれる前に東京へ帰還する。グリ下キッズと路上生活者、あいりん地区の殺し合いで生き残った3人の労働者、彼ら全員には、既に東京行きの特急券は渡しており、恭也とマリノは先に彼らを引率して、大阪駅へ向かう。里帆と成美、マッチョ軍団は、探偵達に気付かれた場合は戦う。
「探偵達が、向かって来ても、私の武器で倒す…。」
「私達に立ち向かうなんて、身の程知らずね。」
その日の午後、先にマリノ・恭也は彼らを連れて、新大阪から東京へ行き、包囲網が敷かれる前に脱出成功。雅文達が、難波で聞き込み調査をしていた時には、もう逃げられていた。それを知り、雅文達は急いで、なんば駅に戻ろうとしていた。
「ハァハァ、何てこった!!奴らの狙いが今分かったのに!!」
「雅文さん、奴らが大阪から逃げ出す前に、何とかせんと!!」
道頓堀橋に来た時、昨夜のマッチョ軍団と里帆・成美を目撃した。そこに美鈴達も来た。
「あ、美鈴ちゃん!!久しぶりやな!!」
「玲奈ちゃん!!もしかして、貴方達もこの一件を?」
「あぁ、昨夜、道頓堀橋周辺で奴らを目撃した。そして、今、奴らはいた!!!」
雅文が、道頓堀橋にいた奴らを見つけて、宣戦布告をする。
「そこまでや!!」
雅文に気付き、里帆が振り返る。
「何よアンタ?」
「俺は、神田雅文。探偵や。」
「探偵、もしかして、昨夜私達をつけていたのは、アンタ達ね?」
「里帆、アイツら、百鬼夜行之衆と猛毒獣大陸倒した探偵達。」
里帆は、臆することなく、啖呵を切る。
「私達は、六凶ブラッディマリアのメンバー。いわば、裏社会の列強よ!あんなバケモノと殺し屋集団潰したぐらいで、私達に勝てると思ってるの?」
「奴ら、ここで橋ごと沈めて皆殺し…。」
合流した健介と労働者の生き残りが現れ、真相を話す。ボロキレを着た40代のオジサン。彼は真剣な面持ちで、全てを語る。
「皆!!今から俺が話すことを拡散してくれ!!アソコにおる小娘達が、あいりん地区での大虐殺の首謀者や!!!自分からは手を下さんと、俺達をけしかけてやらせたんや!!!そこの赤いリボンの小娘が、こう言ったんや!!!「「この底辺の地獄から抜け出したいのなら、今からここで殺し合いをしない?生き残ったら連れ出してやる。」」ってな!!!コイツらはとんでもない悪魔…。」
遮るように、里帆は彼を銃撃した。
「お黙り!!!」
「ぐわぁ!!!」
辺りは騒然とし、人々が逃げ出す。
「やるよ。」
成美は、辺りに油を撒き、火炎瓶を投げる。瞬く間に橋は炎上し、雅文達は炎の中に閉じ込められた。
奴らが犯人だと確信した雅文。里帆と成美は、マッチョ軍団を前線に送り、自分達は撤退する作戦を取る。
「グリ下キッズと労働者達の生き残りは、どこへやったんや?」
「フフフ、今頃、東京よ。ブラッディマリアの本拠地。歌舞伎町。フフフ、ちゃんと面倒見るから安心しなさい。」
救急車と消防車が駆けつけ、消火と救助活動が行われる。銃撃された証人は、担架に乗せられる前に、里帆に毒づいた。
「何が面倒見るや!!!殺し合いさせといて!!ゲホッ!!ハァハァ…。お前のやってることはな…。」
里帆は威嚇で、空に向かって発砲した。
「黙れ…。殺すわよ…。」
マッチョ軍団が襲いかかり、雅文と健介が応戦する。その隙に、里帆と成美は御堂筋を駆け抜け、包囲網が敷かれる前に、大阪から東京へ逃げ切った。回収された者達は取り戻せず、凄惨な殺人事件が起きてしまい、依頼は失敗。道頓堀の戦いは、雅文達の敗北に終わった。
「横浜・千葉 教会が全焼 信者全員死亡」
「大阪 西成 あいりん地区で殺し合い 10人死亡」
ブラッディマリアとブルードラグーンの蛮行が、日本全国に知れ渡り、衝撃が走った。
「あいりん地区で、殺し合い?!一体何が起きたんや?」
大阪を拠点とするレジスタンスチーム KANSAI BLACK PANTHERのボス 松本孝一は驚きを隠せなかった。グリ下キッズのことを気にかけ、支援活動を行なっていたので、心配が募る。
「大丈夫なんか、あの子達…。」
昨年の夏に、百鬼夜行之衆と猛毒獣大陸との三つ巴の戦いに、雅文達の助っ人達として参戦した西園寺薫・穂香も、このニュースを見ていた。
「お母様、これは大規模なテロや。」
高校生になった三女の詩織は、警察官を目指しており、今回の一件はテロではないか、と予想。次女の恵は、芸術家気質で、この一件に終末思想を感じている。穂香は、雅文達の身を案じていた。
「お母様、ご主人様達が心配です。」
黒いカッターシャツを着て、下は黒Tバックにガーターベルトという出で立ちの薫。紅茶の入ったカップを持つ右手が、ガタガタ震える。両目が黒く光り、紅茶がグツグツと煮えて溢れ出す。
「恐ろしき、血で血を洗う戦乱…。狂気の邪神が蘇り、世界に復讐を果たす…。」
「お母様、「「HUNTER×HUNTER」」みたいになってる!!」
怯える穂香。ゴスロリ調の服に身を包んでおり、ミニスカートの下のピンクのパンティがじわりと湿る。
「六凶のブラッディマリアとブルードラグーン、そして、ひかりの会と世界T教会、恐ろしい奴ら!!血祭り、復讐、制裁、あぁ、恐ろしい…。地獄の始まり、一体何人、人が死ぬんや?!」
黒く光った目は、赤く染まり、血の涙がポタポタと流れる。薫自身、超能力探偵として、活動し始めた時に遭遇した事件の、恐ろしい光景が脳裏をよぎる。
「ハァハァ…。ハァハァ…。」
煮えたぎる紅茶、神通力でクッキーとカップは粉々に砕け散った。
「きゃあ!!!!」
穂香も、薫の戦慄した様子に慄然とし、パンティから生暖かい液体が、太ももに滴る。
「ハァハァ…。とんでもないデスゲームやで。」
「お母様…。穂香、オシッコ漏らしちゃった🖤」
支部を潰され、皆殺しにされたことに憤慨する世界T教会教祖 白木勤。
「クソォ!!!!やってくれたな!!!」
大元のひかりの会も、台湾と香港で雅文達の仲間である王白竜とウォン達に敗れ、撤退を余儀なくされたことで、より一層悔しさと怒りが募る。支部は全滅し、残るは東京の本部のみ。元を辿れば、発端は昨年のこと。神戸市部が雅文達に潰されたことからである。そこから、猛毒獣大陸に関西の支部を全て壊滅させられた。怒りを全て雅文達に向ける。
「確か、あの雅文とか言う探偵は、神戸にいたな?神戸支部にいた聖女 ひかりは、将来有望な娘だった。だが、あの戦いで死んでしまった。奴らが殺したも同然だ!!よし、神戸のポートアイランドに拠点を移すぞ!!」
一方、難波にいたブラッディマリアの3人は高笑いしていた。
「アハハハハ!!!!!私達のことニュースになってるわ!!!」
「まぁ、犯人が誰かなんて分かる訳ねぇ。俺達が手を下した訳じゃねぇからな。」
朝食を済ませ、警察の包囲網が敷かれる前に東京へ帰還する。グリ下キッズと路上生活者、あいりん地区の殺し合いで生き残った3人の労働者、彼ら全員には、既に東京行きの特急券は渡しており、恭也とマリノは先に彼らを引率して、大阪駅へ向かう。里帆と成美、マッチョ軍団は、探偵達に気付かれた場合は戦う。
「探偵達が、向かって来ても、私の武器で倒す…。」
「私達に立ち向かうなんて、身の程知らずね。」
その日の午後、先にマリノ・恭也は彼らを連れて、新大阪から東京へ行き、包囲網が敷かれる前に脱出成功。雅文達が、難波で聞き込み調査をしていた時には、もう逃げられていた。それを知り、雅文達は急いで、なんば駅に戻ろうとしていた。
「ハァハァ、何てこった!!奴らの狙いが今分かったのに!!」
「雅文さん、奴らが大阪から逃げ出す前に、何とかせんと!!」
道頓堀橋に来た時、昨夜のマッチョ軍団と里帆・成美を目撃した。そこに美鈴達も来た。
「あ、美鈴ちゃん!!久しぶりやな!!」
「玲奈ちゃん!!もしかして、貴方達もこの一件を?」
「あぁ、昨夜、道頓堀橋周辺で奴らを目撃した。そして、今、奴らはいた!!!」
雅文が、道頓堀橋にいた奴らを見つけて、宣戦布告をする。
「そこまでや!!」
雅文に気付き、里帆が振り返る。
「何よアンタ?」
「俺は、神田雅文。探偵や。」
「探偵、もしかして、昨夜私達をつけていたのは、アンタ達ね?」
「里帆、アイツら、百鬼夜行之衆と猛毒獣大陸倒した探偵達。」
里帆は、臆することなく、啖呵を切る。
「私達は、六凶ブラッディマリアのメンバー。いわば、裏社会の列強よ!あんなバケモノと殺し屋集団潰したぐらいで、私達に勝てると思ってるの?」
「奴ら、ここで橋ごと沈めて皆殺し…。」
合流した健介と労働者の生き残りが現れ、真相を話す。ボロキレを着た40代のオジサン。彼は真剣な面持ちで、全てを語る。
「皆!!今から俺が話すことを拡散してくれ!!アソコにおる小娘達が、あいりん地区での大虐殺の首謀者や!!!自分からは手を下さんと、俺達をけしかけてやらせたんや!!!そこの赤いリボンの小娘が、こう言ったんや!!!「「この底辺の地獄から抜け出したいのなら、今からここで殺し合いをしない?生き残ったら連れ出してやる。」」ってな!!!コイツらはとんでもない悪魔…。」
遮るように、里帆は彼を銃撃した。
「お黙り!!!」
「ぐわぁ!!!」
辺りは騒然とし、人々が逃げ出す。
「やるよ。」
成美は、辺りに油を撒き、火炎瓶を投げる。瞬く間に橋は炎上し、雅文達は炎の中に閉じ込められた。
奴らが犯人だと確信した雅文。里帆と成美は、マッチョ軍団を前線に送り、自分達は撤退する作戦を取る。
「グリ下キッズと労働者達の生き残りは、どこへやったんや?」
「フフフ、今頃、東京よ。ブラッディマリアの本拠地。歌舞伎町。フフフ、ちゃんと面倒見るから安心しなさい。」
救急車と消防車が駆けつけ、消火と救助活動が行われる。銃撃された証人は、担架に乗せられる前に、里帆に毒づいた。
「何が面倒見るや!!!殺し合いさせといて!!ゲホッ!!ハァハァ…。お前のやってることはな…。」
里帆は威嚇で、空に向かって発砲した。
「黙れ…。殺すわよ…。」
マッチョ軍団が襲いかかり、雅文と健介が応戦する。その隙に、里帆と成美は御堂筋を駆け抜け、包囲網が敷かれる前に、大阪から東京へ逃げ切った。回収された者達は取り戻せず、凄惨な殺人事件が起きてしまい、依頼は失敗。道頓堀の戦いは、雅文達の敗北に終わった。
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