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第5章 六凶編 VS ブラッディマリア・ブルードラグーン
第207話 ブルードラグーン
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夏が終わり、9月になった。雅文達が、神戸で探偵業務に勤しんでいた頃、六凶の一角が動き始めた。沖縄本島から遠く離れた人工の離島。真っ白い建物があちこちにあり、閑静で、どこか不気味な雰囲気が漂う。夜の闇に浮かぶ月を見ながら、教会の部屋に佇む男。白髪交じりの短髪に、白い顎髭を伸ばしている長身痩躯なオジサン。
「ひかりの会か。カルト教団め。まぁ、雅文という探偵が、台湾・香港の探偵と提携して、台湾から追い出せたという点は、胸がスッとしたよ。」
彼の名は、リッキー・リリー 54歳。六凶 ブルードラグーンの教祖。日本とイギリスのハーフで元クリスチャン。2007年に殺人事件で、妻子を亡くしたことがきっかけで、翌年に犯罪被害者の会を設立。だが、その後も凶悪犯罪が起こる社会に絶望し、救済だけではダメだと考え、合法的な範囲での復讐を行うようになった。そのうち、暴力や殺人も辞さない復讐者集団と化し、現在に至る。
十五夜、満月が映える。島の教会で、作戦会議を行っていた。
「今年で、我らブルードラグーン結成15周年を迎える。凶悪犯罪は、こうしている今もなお起こっている。」
テーブルに置かれた燭台に、刺さっている蝋燭の炎が風で揺れる。4人の幹部達は、真摯にリリーの話に耳を傾ける。日本刀を持ち、白いバンダナを頭に巻いた男。鋭い眼光。
「人間なんて信じる者じゃねぇ。荀子も言っていた。「「人間の本性は悪」」だとな。」
彼の名は、冴島遼 36歳。裏社会を生き抜いて来た男で、過去には天才詐欺師として名を馳せた。詐欺師と言う職業と裏社会の闇を見てきたことで、人間不信を極め、自らキングオブ人間不信と自負している。リリーは、ホットミルクを飲み、語気を強めて話す。
「この六凶ゲームと言うバトルロワイヤルが開幕し、昨年の夏に百鬼夜行之衆と猛毒獣大陸が陥落した。妖怪集団の前者はともかく、後者は殺し屋だ。人を殺して飯を食う、悪どい奴らだ。まぁ、奴らを探偵達が滅ぼしてくれたからいい。だが、問題は取って代わるように台頭して来た、ひかりの会と世界T教会と言うカルト教団だ!!」
彼が、被害者の会会長として勤めていた頃、カルト教団の被害者もメンバーにいた。1990年代に日本を震撼させたオウム真理教や、エホバの証人などのカルト教団に苦しめられた者達と接したことがあり、カルト教団を強く憎んでいる。
「教祖様。ひかりの会って、韓国のカルト教団ですよね?教祖は、キム・サンホンとかいうオッサン…。」
白装束に身を包み、肩まで伸ばした黒髪と髑髏の首飾りをしている女性。彼女の名は、輪島由美子 32歳。東京理科大学出身で、薬学を研究していた。かつて性犯罪に遭い、後に加害者の中年男性を、病死を装って殺害した。淋菌・クラミジア菌などを自家培養することが出来、他にもVXガスや炭疽菌を製造している。中高年男性に強い恨みを抱いている。
「そう、そのキムとやらが教祖をしている。私もひかりの会の内情を調べたことがあってね、奴らは朝鮮戦争後に設立されたようだ。かつてのソ連や中国のような社会主義の理想を持ち、自分達の世界を作ろうとしていた。そして、今現在もだ。その分派として、関東に世界T教会がいる。」
リリーの眼光が鋭くなる。彼のカルト教団への恨みは凄まじい。
世界T教会教祖 白木勤 ホーリーネーム ガルガン・ポチェ。彼は、韓国でひかりの会に入信。キム・サンホンに認められ、直々に教祖の名を授かる。東京に世界T教会を設立。関西に支部を設けたが、猛毒獣大陸と雅文達によって潰された。現在は、本部の東京と支部の神奈川・千葉の3ヶ所だけである。
「我々は、ソイツらを壊滅させたら良かですか?」
大柄で、右腕に龍の刺青を彫っている男。彼の名は、高倉豪太郎 40歳。福岡出身の元ヤクザ。幹部を務めたことがある実力者で、パワーファイター。
「その通り。だが、まずは支部からだ。支部を壊滅させて、圧力をかける。そして、ジワジワと追い詰める。すぐに殺してはダメだ。バックには、ひかりの会がいる。報復される危険性があるからな。支部を壊滅させられ、狼狽える本部の人間と教祖の白木の様子を見ながら、殺さないようにジワジワとだ。」
バックのひかりの会には、AI改造兵士やその他実力未知数であり、報復されれば全面戦争になりかねない。リリーとしては、それは避けたい所である。
「支部を壊滅させるんですよね。でも、関東には、ブラッディマリアがいますよ。」
黒髪ボブで、ゴスロリファッションに身を包んだ黒マスクの女子。彼女の名は、神谷祐香 24歳。東京都出身。元パパ活女子で、トー横キッズでもあった。ブラッディマリアを警戒している。
「ブラッディマリアか。フン、女帝気取りのエリカとかいう高飛車な女がボスだな。まぁ、今は全面戦争はしない。戦うとなっても、小競り合い程度に留めておくんだ。」
その後、1時間で話をまとめ、来週に世界T教会の神奈川と千葉の支部を襲撃することにした。会議が終わり、幹部達が引き上げ、リリーは1人で佇む。
「見てろよ。カルト教団共。」
「ひかりの会か。カルト教団め。まぁ、雅文という探偵が、台湾・香港の探偵と提携して、台湾から追い出せたという点は、胸がスッとしたよ。」
彼の名は、リッキー・リリー 54歳。六凶 ブルードラグーンの教祖。日本とイギリスのハーフで元クリスチャン。2007年に殺人事件で、妻子を亡くしたことがきっかけで、翌年に犯罪被害者の会を設立。だが、その後も凶悪犯罪が起こる社会に絶望し、救済だけではダメだと考え、合法的な範囲での復讐を行うようになった。そのうち、暴力や殺人も辞さない復讐者集団と化し、現在に至る。
十五夜、満月が映える。島の教会で、作戦会議を行っていた。
「今年で、我らブルードラグーン結成15周年を迎える。凶悪犯罪は、こうしている今もなお起こっている。」
テーブルに置かれた燭台に、刺さっている蝋燭の炎が風で揺れる。4人の幹部達は、真摯にリリーの話に耳を傾ける。日本刀を持ち、白いバンダナを頭に巻いた男。鋭い眼光。
「人間なんて信じる者じゃねぇ。荀子も言っていた。「「人間の本性は悪」」だとな。」
彼の名は、冴島遼 36歳。裏社会を生き抜いて来た男で、過去には天才詐欺師として名を馳せた。詐欺師と言う職業と裏社会の闇を見てきたことで、人間不信を極め、自らキングオブ人間不信と自負している。リリーは、ホットミルクを飲み、語気を強めて話す。
「この六凶ゲームと言うバトルロワイヤルが開幕し、昨年の夏に百鬼夜行之衆と猛毒獣大陸が陥落した。妖怪集団の前者はともかく、後者は殺し屋だ。人を殺して飯を食う、悪どい奴らだ。まぁ、奴らを探偵達が滅ぼしてくれたからいい。だが、問題は取って代わるように台頭して来た、ひかりの会と世界T教会と言うカルト教団だ!!」
彼が、被害者の会会長として勤めていた頃、カルト教団の被害者もメンバーにいた。1990年代に日本を震撼させたオウム真理教や、エホバの証人などのカルト教団に苦しめられた者達と接したことがあり、カルト教団を強く憎んでいる。
「教祖様。ひかりの会って、韓国のカルト教団ですよね?教祖は、キム・サンホンとかいうオッサン…。」
白装束に身を包み、肩まで伸ばした黒髪と髑髏の首飾りをしている女性。彼女の名は、輪島由美子 32歳。東京理科大学出身で、薬学を研究していた。かつて性犯罪に遭い、後に加害者の中年男性を、病死を装って殺害した。淋菌・クラミジア菌などを自家培養することが出来、他にもVXガスや炭疽菌を製造している。中高年男性に強い恨みを抱いている。
「そう、そのキムとやらが教祖をしている。私もひかりの会の内情を調べたことがあってね、奴らは朝鮮戦争後に設立されたようだ。かつてのソ連や中国のような社会主義の理想を持ち、自分達の世界を作ろうとしていた。そして、今現在もだ。その分派として、関東に世界T教会がいる。」
リリーの眼光が鋭くなる。彼のカルト教団への恨みは凄まじい。
世界T教会教祖 白木勤 ホーリーネーム ガルガン・ポチェ。彼は、韓国でひかりの会に入信。キム・サンホンに認められ、直々に教祖の名を授かる。東京に世界T教会を設立。関西に支部を設けたが、猛毒獣大陸と雅文達によって潰された。現在は、本部の東京と支部の神奈川・千葉の3ヶ所だけである。
「我々は、ソイツらを壊滅させたら良かですか?」
大柄で、右腕に龍の刺青を彫っている男。彼の名は、高倉豪太郎 40歳。福岡出身の元ヤクザ。幹部を務めたことがある実力者で、パワーファイター。
「その通り。だが、まずは支部からだ。支部を壊滅させて、圧力をかける。そして、ジワジワと追い詰める。すぐに殺してはダメだ。バックには、ひかりの会がいる。報復される危険性があるからな。支部を壊滅させられ、狼狽える本部の人間と教祖の白木の様子を見ながら、殺さないようにジワジワとだ。」
バックのひかりの会には、AI改造兵士やその他実力未知数であり、報復されれば全面戦争になりかねない。リリーとしては、それは避けたい所である。
「支部を壊滅させるんですよね。でも、関東には、ブラッディマリアがいますよ。」
黒髪ボブで、ゴスロリファッションに身を包んだ黒マスクの女子。彼女の名は、神谷祐香 24歳。東京都出身。元パパ活女子で、トー横キッズでもあった。ブラッディマリアを警戒している。
「ブラッディマリアか。フン、女帝気取りのエリカとかいう高飛車な女がボスだな。まぁ、今は全面戦争はしない。戦うとなっても、小競り合い程度に留めておくんだ。」
その後、1時間で話をまとめ、来週に世界T教会の神奈川と千葉の支部を襲撃することにした。会議が終わり、幹部達が引き上げ、リリーは1人で佇む。
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