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第5章 六凶編 VS ブラッディマリア・ブルードラグーン
第173話 カンフーバトル 日本VS香港2
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時同じくして、香港に滞在している所長達も新年を迎えた。雑煮代わりに粥を食べ、九龍公園でトレーニング。正月でも、人々は普通に外に出ており、通勤者もいる。中華文化圏では、旧正月(春節)がメインで、この時期は最大で7連休にもなる。カンフーの練習や公園にある器具でトレーニング。
「今日は、カンフーバトルをするからな。」
「はい。」
昨年の海外修行の時に、雅文・美夜子・玲奈VSリー・アグネス・ラムで、カンフーバトルを行った。日本と香港の探偵同士の勝負は、2勝1分で雅文達が勝利。3人はリベンジに燃えている。
「雅文君達は、健闘していたよ。」
「所長である私も、負けられないな。」
「もちろん、ウチも強くなるから。」
皆は熱心にトレーニングに励んだ。
昼食を済ませ、ブレイクタイムを経て、香港島へ移動。北東部の柴湾(チャイワン)の雑居ビルのリングを借りる。ここで3対3の15分1本勝負のカンフーバトルを行う。両軍参加者は、所長・アリス・雫とアグネス・リー・チェン。それぞれの衣装に着替え、ウォーミングアップを済ませた所で行う。審判は、ウォンと陳が行う。手に指出しグローブ、顔にフェイスガードを付ける。15時になった所で開会宣言。
「では、これより国際親善マッチ 日本VS香港を行います。」
対戦順はこうだ。
1本目 雫VSチェン
2本目 アリスVSアグネス
3本目 所長VSリー
1本目 雫VSチェン。衣装は、キョンシーをモチーフにしたもので、下はミニスカートである。雫が青、チェンが赤の衣装。
「9nineの「「キョンシーガール」」みたいや。」
「玲奈ちゃんは強かったけど、雫さんはどうかな?」
陳が審判を行う。
「始め!!」
開始と同時に、チェンが蹴りを仕掛ける。雫は咄嗟にかわし、間合いを詰めて、掌底で攻撃する。
「グーで殴るより、パーの張り手の方がダメージあるで。」
正拳より掌底の方が、面積が広く、ヒットすればダメージは大きい。チェンは雫の掌底を上手く捌き、詠春拳の構えを取る。
「ハイヤ!!」
強烈な横拳(フック)が顔面に入り、よろけた所で腹に肘打ちをした。
「ゲホッ!!中々やるやん。」
「来るがいい。」
雫は連続パンチを放つも、悉く捌かれ、回し蹴りを入れられる。
「痛ぁ!!!」
間合いを詰めて、攻撃をかわしながら近づき、太ももに蹴りを入れた。
「アイヤー!!」
そこから雫が反撃。リングロープで跳ね返り、飛び蹴りを放つ。チェンは鼻血を出したが、怯まずに向かってくる。
「ハイヤー!!」
回し蹴りで雫の蹴りを相殺し、隙を突いて、アッパーをお見舞いした。顎への強烈な一撃、クラクラする雫。だが、踏みとどまり、カマキリのような構えを取る。
「ハァ!!」
スピードを活かし、チェンのパンチを封じ、回し蹴りで攻める。詠春拳VS螳螂拳となり、技の応酬となる。制限時間が近づく。
「残り1分」
互いに弱ってきたが、最後はチェンのアッパーが決まり、チェンが勝利した。
「ハイヤー!!」
「ハァハァ…。チェン、アンタ中々やるやん。」
2本目 アリスVSアグネス。衣装はチャイナドレス。アリスが青、アグネスが赤。
「私も、マレーシアで少し格闘技齧ってたわ。」
「私は、ムエタイを習いました。」
ウォンが審判。
「始め!」
アリスが素早い動きで間合いを詰めて、蹴りを入れる。アグネスもムエタイの身のこなしでかわして、パンチを放つ。
「中々重たいパンチね。」
「鍛えてますから。」
アグネスのパンチの乱打を上手く捌き、徐々に主導権を握る。回し蹴りで足から攻める。ムエタイも蹴り技があり、負けじと応戦。
「やるやん。」
蹴り技の応酬。アリスは集中的にアグネスの足を狙い、それが徐々に聞いてくる。ジワジワとダメージを受けるアグネス。崩れた所で、リングロープを使い、アリスの飛び蹴りが炸裂。アリスの勝利。
「彼らの所長として、当然よ。」
「やりますね。」
1勝1敗で折り返し、最後は大将戦。3本目 所長VSリー。所長は黒、リーは黄色のカンフースーツを着ている。陳が審判。開始と同時にリーが攻める。ブルース・リーさながらの拳法で、所長を追い詰める。
「アチャア!!!」
「私は、元警官だ。格闘技もやっていたよ。」
蹴りで振り払い、回し蹴りを放つ。
「俺は、格闘技だけやってる訳じゃない。シンガポールで、サッカー選手としてプレーしていたんだ。」
「サッカー選手?W杯予選にいたか?」
「代表には、選ばれて無かったんだよぉ!!」
それは聞くな、と言わんばかりに、猛攻を仕掛ける。全て避けた所長。力をためて、渾身の一撃。
「オラァ!!」
「フンッ!!」
自慢の腹筋で耐えたリー。カウンターキックでKO。リーが勝利した。
「ホアチャァ!!!!」
「若者は強いな。」
国際親善マッチは、2勝1敗でウォン達が勝利した。
香港での最後の夜は、庶民的な茶餐店でいただく。香港風焼きそば・春巻き・水餃子などに舌鼓を打つ。
「いやぁ、景満と言ったか。中々やるな。」
「私も、まだまだだな。」
戦いと修行を振り返り、親睦を交わしたようだ。翌朝、ホテルをチェックアウトし、事務所へ挨拶。
「4日間ありがとうございました。」
「あぁ。私達も皆さんに会えて良かった。こうしてパートナーになれた。」
飛行機が出るのは夕方。まだ時間はある。最後に、ウォン達のエピソードを聞く。
「貴方達が、どのように出会って、探偵になったのかは気になるわ。」
「私が探偵になるまでの経緯、陳と出会い、探偵になったこと、アグネス・リー・チェンと出会ったこと、全てをお話しましょう。」
「今日は、カンフーバトルをするからな。」
「はい。」
昨年の海外修行の時に、雅文・美夜子・玲奈VSリー・アグネス・ラムで、カンフーバトルを行った。日本と香港の探偵同士の勝負は、2勝1分で雅文達が勝利。3人はリベンジに燃えている。
「雅文君達は、健闘していたよ。」
「所長である私も、負けられないな。」
「もちろん、ウチも強くなるから。」
皆は熱心にトレーニングに励んだ。
昼食を済ませ、ブレイクタイムを経て、香港島へ移動。北東部の柴湾(チャイワン)の雑居ビルのリングを借りる。ここで3対3の15分1本勝負のカンフーバトルを行う。両軍参加者は、所長・アリス・雫とアグネス・リー・チェン。それぞれの衣装に着替え、ウォーミングアップを済ませた所で行う。審判は、ウォンと陳が行う。手に指出しグローブ、顔にフェイスガードを付ける。15時になった所で開会宣言。
「では、これより国際親善マッチ 日本VS香港を行います。」
対戦順はこうだ。
1本目 雫VSチェン
2本目 アリスVSアグネス
3本目 所長VSリー
1本目 雫VSチェン。衣装は、キョンシーをモチーフにしたもので、下はミニスカートである。雫が青、チェンが赤の衣装。
「9nineの「「キョンシーガール」」みたいや。」
「玲奈ちゃんは強かったけど、雫さんはどうかな?」
陳が審判を行う。
「始め!!」
開始と同時に、チェンが蹴りを仕掛ける。雫は咄嗟にかわし、間合いを詰めて、掌底で攻撃する。
「グーで殴るより、パーの張り手の方がダメージあるで。」
正拳より掌底の方が、面積が広く、ヒットすればダメージは大きい。チェンは雫の掌底を上手く捌き、詠春拳の構えを取る。
「ハイヤ!!」
強烈な横拳(フック)が顔面に入り、よろけた所で腹に肘打ちをした。
「ゲホッ!!中々やるやん。」
「来るがいい。」
雫は連続パンチを放つも、悉く捌かれ、回し蹴りを入れられる。
「痛ぁ!!!」
間合いを詰めて、攻撃をかわしながら近づき、太ももに蹴りを入れた。
「アイヤー!!」
そこから雫が反撃。リングロープで跳ね返り、飛び蹴りを放つ。チェンは鼻血を出したが、怯まずに向かってくる。
「ハイヤー!!」
回し蹴りで雫の蹴りを相殺し、隙を突いて、アッパーをお見舞いした。顎への強烈な一撃、クラクラする雫。だが、踏みとどまり、カマキリのような構えを取る。
「ハァ!!」
スピードを活かし、チェンのパンチを封じ、回し蹴りで攻める。詠春拳VS螳螂拳となり、技の応酬となる。制限時間が近づく。
「残り1分」
互いに弱ってきたが、最後はチェンのアッパーが決まり、チェンが勝利した。
「ハイヤー!!」
「ハァハァ…。チェン、アンタ中々やるやん。」
2本目 アリスVSアグネス。衣装はチャイナドレス。アリスが青、アグネスが赤。
「私も、マレーシアで少し格闘技齧ってたわ。」
「私は、ムエタイを習いました。」
ウォンが審判。
「始め!」
アリスが素早い動きで間合いを詰めて、蹴りを入れる。アグネスもムエタイの身のこなしでかわして、パンチを放つ。
「中々重たいパンチね。」
「鍛えてますから。」
アグネスのパンチの乱打を上手く捌き、徐々に主導権を握る。回し蹴りで足から攻める。ムエタイも蹴り技があり、負けじと応戦。
「やるやん。」
蹴り技の応酬。アリスは集中的にアグネスの足を狙い、それが徐々に聞いてくる。ジワジワとダメージを受けるアグネス。崩れた所で、リングロープを使い、アリスの飛び蹴りが炸裂。アリスの勝利。
「彼らの所長として、当然よ。」
「やりますね。」
1勝1敗で折り返し、最後は大将戦。3本目 所長VSリー。所長は黒、リーは黄色のカンフースーツを着ている。陳が審判。開始と同時にリーが攻める。ブルース・リーさながらの拳法で、所長を追い詰める。
「アチャア!!!」
「私は、元警官だ。格闘技もやっていたよ。」
蹴りで振り払い、回し蹴りを放つ。
「俺は、格闘技だけやってる訳じゃない。シンガポールで、サッカー選手としてプレーしていたんだ。」
「サッカー選手?W杯予選にいたか?」
「代表には、選ばれて無かったんだよぉ!!」
それは聞くな、と言わんばかりに、猛攻を仕掛ける。全て避けた所長。力をためて、渾身の一撃。
「オラァ!!」
「フンッ!!」
自慢の腹筋で耐えたリー。カウンターキックでKO。リーが勝利した。
「ホアチャァ!!!!」
「若者は強いな。」
国際親善マッチは、2勝1敗でウォン達が勝利した。
香港での最後の夜は、庶民的な茶餐店でいただく。香港風焼きそば・春巻き・水餃子などに舌鼓を打つ。
「いやぁ、景満と言ったか。中々やるな。」
「私も、まだまだだな。」
戦いと修行を振り返り、親睦を交わしたようだ。翌朝、ホテルをチェックアウトし、事務所へ挨拶。
「4日間ありがとうございました。」
「あぁ。私達も皆さんに会えて良かった。こうしてパートナーになれた。」
飛行機が出るのは夕方。まだ時間はある。最後に、ウォン達のエピソードを聞く。
「貴方達が、どのように出会って、探偵になったのかは気になるわ。」
「私が探偵になるまでの経緯、陳と出会い、探偵になったこと、アグネス・リー・チェンと出会ったこと、全てをお話しましょう。」
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