Pieces of Memory ~記憶の断片の黙示録~

橋本健太

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第4章 六凶編 VS 百鬼夜行之衆・猛毒獣大陸

第164話 曼珠沙華 地獄に咲く花

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 アダルトビデオさながらの過激なエロチズムが混ざった戦いは、玲奈に軍配が上がった。よほど気持ち良かったのか、玲奈は秘部から水鉄砲のように、聖水を出して悦に入っている。
「あんっ、気持ち良かったぁ♥」
雅文達は、あまりにも官能的過ぎて、言葉が出なかった。だが、これにより、百鬼夜行之衆の三妖魔は全滅。敵の勢力は、とうとう妖怪女帝 曼珠沙華だけとなった。
「沙羅魔…。おのれ…。人間の分際で、わらわの仲間達を!!!!」
怒りに震える曼珠沙華、その背後からは凄まじい怨念が渦巻く。ウットリする玲奈、雅文と美鈴が介抱する。
「玲奈ちゃん、パンティ履こか。」
「めっちゃ潮噴いてるやん。」
玲奈の秘部をティッシュで拭き、ビキニの下を履かせる。戦いは、まだ終わっていない。曼珠沙華は鬼火を出して、雅文達を攻撃する。
「貴様ら、まとめて焼き殺してくれるわ!!」
「させるか!!!」
玲奈は、鞭を振り回して鬼火を消した。
「サキュバスになったようじゃな。だが、お主は人間じゃろ?いつまで持つかな?」
「玲奈は、戦えるんやったら戦うで。」

 時刻は22時30分になり、途中から参戦した桐原孝太郎も霊力を使っているので、疲労の色が見えてきた。
(人間の霊力を引き出して、サキュバス化させたことで、妖怪を倒せたのは見事やけん。だが、あれは相当な負荷がかかる。所詮は、一時的なドーピングに過ぎん。やがて、効果が切れる。それまでに、曼珠沙華を弱らせられるか。)
玲奈がサキュバス化してから、30分は経過している。持って後30分。何とか持ち堪えられるか。

サキュバス玲奈VS曼珠沙華
「玲奈は、めっちゃ力漲ってるで♥。女の子はな、SEXすればするほど、色気が増してくるんやで。」
「面白いな、お主。じゃが、わらわの過去を知れば、そのような口を叩くことも出来ん!!」
2人の戦いを見物しながら、霊力の回復に努める孝太郎。曼珠沙華の発言が引っ掛ける。
(曼珠沙華の過去?アイツは、いつの時代から存在していると?)
高速で接近する曼珠沙華、攻撃をかわしながら、玲奈は海外修行で鍛えた中国武術で応戦する。空を飛んで、曼珠沙華を持ち上げ、空中で回転して、ジャーマンスープレックスを決めた。
「おぉ!!」
その強さに、雅文達も驚いて声を挙げた。サキュバス化して、力が漲っている玲奈。だが、徐々に息切れしてくる。
「ハァハァ。何か苦しくなってきた…。」
曼珠沙華も、すぐに立ち上がり、懐から日本刀を取り出した。黒い鞘に入っており、かなり年季が入った業物。その刀からは、禍々しい妖気が漂う。頭から血を流し、怨みに満ちた目で玲奈を睨み付ける。
「わらわを、本気にさせたようじゃな。生きて帰れると思うなかれ。」
紫色の妖気が出て、彼女の背後に無数の怨霊が蠢いているのが見える。
「何やアレ!?」
「死ぬがいい!」
再び高速で接近する曼珠沙華、玲奈は避けきれず、猛攻を受ける。溜まらず逃げようと飛ぶが、妖力で浮上した彼女が刀を抜き、隕石の如く体当たりしてくる。
「妖魔 斬撃!」
「あぁぁ!!!」
空中で斬られた玲奈は、羽を失い、そのまま力なく落下。斬られたことで、腹から血を流して悶え苦しむ。
「ゲホゲホッ、ハァハァ…。痛い、痛いよう…。」
「フフフ、さっきの威勢はどこへ行ったか。」
急降下し、勢いをつけて、玲奈を蹴り飛ばす。弱った玲奈に追い討ちをかけ、自分の黒髪を操って、玲奈を締め上げて何度も地面に叩きつけた。
「フフフ、思い知ったか!人間の分際で。」
玲奈は、血塗れになり、虫の息で横たわる。
「ハァハァ…。痛い…。身体、動かへん…。」
曼珠沙華の背後に宿る無数の怨霊、年季の入った刀、刀からは禍々しい妖気が出ており、何人もの人間を斬り殺し、その怨念が宿った妖刀、孝太郎は曼珠沙華の正体を見破った。
「お主、戦国時代から生きている妖怪やけんね!!」

 孝太郎の指摘に、曼珠沙華は拍手しながら答えた。
「ご名答。わらわは戦国時代に生まれた。わらわの怨念は凄まじきものじゃ。」
怨みに満ちた目で、孝太郎を睨む。一方、血を流し、ボロボロの状態ながらも、玲奈は何とか立ち上がる。
「ハァハァ…。何の話やか知らんけど…。アンタを討ち取ったら終わりや。」
「まだ向かってくるか、雑魚が。」
「行くで!!」
渾身の力で殴りかかるが、軽くかわされ、妖刀で斬られた上に、腹を貫かれた。
「あぁぁ!!!!!」
「玲奈ちゃん!!!」
●サキュバス玲奈VS曼珠沙華○

 命が危ない、と悟った孝太郎は、サキュバス化を解いた。血塗れで横たわる玲奈。雅文は上着を着せ、救急車を呼び、それまで応急処置をする。
「ハァハァ…。雅文さん、玲奈はやりましたよ。」
「分かってる。ようやったよ、玲奈ちゃん。」
止血した後、救急車が来た。美鈴と健介が付き添い、玲奈と共に病院へ向かう。戦いは、最終局面を迎えた。
「この戦いも、もうすぐ終わると。」
「そうじゃな。久しく見ぬ強き者よ。わらわは楽しきぞ。」
怨霊渦巻く妖刀、戦国時代に生まれ、死後に妖怪として復活した曼珠沙華。過去に一体何が?
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