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第4章 六凶編 VS 百鬼夜行之衆・猛毒獣大陸

第150話 戦 ~いくさ~

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   今か今かと待ち望んでいる探偵事務所連合軍。猛毒獣大陸の甲乙クラスエージェント達も、作戦を立て、それぞれの配置についている。日が傾き、ひぐらしの鳴く声が響く。紅き妖魔城は、まるで血の滴る地獄の伏魔殿のようである。
「あと1分じゃ…。フフ、わらわ達を倒せるものなら、倒してみるがよい…。」
そして19時になり、両軍が妖魔城に突入した。連合軍は三手に分かれて、それぞれのエリアに攻め込む。

西嶋サイド
城の左側から入り、西嶋を先頭に進んでいく。1階には、行く手を阻むかのように、妖怪と手下達が現れた。

妖怪
・べとべとさん
・草団子
・枯れ木お化け
・四時ババア

べとべとさんは、大きな丸い頭に口と足がついている。草団子は食べ残された団子の怨念から生まれた妖怪で、笠に緑色の和服を着て、大きな串団子を持っている。枯れ木お化けは、枯れ木で首吊り自殺した者の怨念が乗り移った妖怪で、身体が枯れ木で出来ている。四時ババアは、学校の怪談の妖怪で「何色が好き?」と聞かれると、「四時ババア色と肌色」と言わないと殺される。
「妖怪達がおるんか。」
そこに、猛毒獣大陸の手下達も現れ、八方塞がりとなった。
「へへへ、探偵共。お前ら皆殺しや!」
そんな状況の中、西嶋は動じることなく、懐から紙を取り出した。
「お前達、妖怪の弱点や!」
妖怪封じのお札で、妖怪と半妖怪の手下達を封じ、他の者達も手下達を一蹴して、2階へ上がった。警察には通報しており、撃破した者から順番に逮捕してもらう。

山本サイド
城の右側から入り、進んでいくが、猛毒獣大陸の乙クラスエージェントが行く手を阻んだ。
「フフフ、探偵風情が、我々に歯向かいおって、殺してしんぜよう。」
「妖怪達の餌食になる前に、ここで死になさい!」

乙クラス エージェント
カツオノエボシ・キョウチクトウ

カツオノエボシの袴の後ろから、高電圧が出るコードが出ており、近づくのは困難である。
「邪魔をするな、雑魚共!」
百鬼夜行之衆の半妖怪の手下達が、高電圧の攻撃で次々と黒焦げになっていく。その傍らで、小豆磨ぎが小豆を磨いでいた。
「小豆磨ごうか、人取って食おか、ショリショリ。」
他のメンバー達も、手下達と応戦。カツオノエボシの前に、所長の山本が立ちはだかる。
「平安貴族の格好をして、いつの時代からタイムスリップしたのかしらね?」
「貴様、探偵事務所の所長か?ならば、殺してくれよう。電気クラゲ!」
高電圧コードで攻撃してきたが、それを難なく回避して、得意の2丁拳銃でコードを破壊した。
「ぬおぉ!電気クラゲの触手を!」
「貴方のトリック見破ったわ。腰につけてるバッテリーから発電してるんやね…。」
「キョウチクトウ!奴を殺せ!」
キョウチクトウが襲ってきたが、メンバーの中原優子が転倒させ、難なく取り押さえた。
「これで終わりや!」
拳銃でバッテリーを破壊、高電圧装置が発火し、カツオノエボシは火だるまになった。
「ウギャアァァァァァァ!!!!熱い熱い~!!」
キョウチクトウは、警官によって逮捕された。

カツオノエボシ・キョウチクトウ 脱落

中村サイド
中央の天守閣のある城郭から、正面突破を試みる。1階の妖怪と手下達を一蹴しながら突き進む。
「お前らに、三種の神器は勿体無ぇ!鉛の銃弾に沈めぇ!」
「貴方達のような雑兵の、相手をしている時間は無いわ!斬り捨て御免!」
武器を奪うことに成功した雅文と美夜子は、得意の銃と刀を駆使しながら、先陣斬って2階へ駆け上がる。その様子に所長達は頼もしさを感じた。
「フフ、雅文と美夜子、私の見ない間に成長しとるな!!」
2階に辿り着いた一同、そこには猛毒獣大陸のエージェントが待ち構えていた。

乙クラスエージェント
ツキノワグマ・ドクゼリ

クマの被り物の大男と黒いボンテージの女。
「お前か、雅文ってのは…。抹殺リストにおったな。」
「あの子が美夜子ね。ここで消してやりましょう…。」
後ろから所長達が追い付いてきた。
「雅文、美夜子、私も手を貸そう!」
「所長!」
カッターシャツの袖をまくり、臨戦態勢となる所長。元警察官で武術に長け、日頃から鍛えているため、いざという時に頼りになる。所長の頼もしい背中に、雫はトキめいた。
「所長カッコいい~!!」
「雫!真帆と京子を連れて、3階へ行ってくれ!私が責任もって2人を送るから!」
「はい!」
雫は2人を連れて、3階へ向かった。3対2で対峙する。外から湿った蒸し暑い空気が流れてくる。

   相対する一同、ツキノワグマがカキヅメで襲い掛かる。
「まとめて死ねぇ!」
攻撃を軽くかわし、二手に分かれて攻撃する。美夜子はドクゼリと戦う。ナイフ二刀流で素早い動きで仕掛けてくるドクゼリに、苦戦を強いられる。
(何とか間合いを…。)
「切り刻んでアゲル。」
ツキノワグマは大柄な故に、動きが鈍く、徐々に雅文と所長が機動力で圧倒する。
「ハァハァ…。すばしっこいな…。」
「行くで!」
冷凍銃で、カキヅメを凍らせて破壊した。その隙に、所長がヒグマの足に集中的に蹴りを入れる。
「痛ぇ!!」
躓いた所で、顔面に蹴りを入れ、息つく間もなく、窓際へ追い詰めた。
「やるわね。所長…。」
「余所見するな!」
ドクゼリの強烈な蹴りが、美夜子の脇腹に入った。
「うぅ…。」
「そのまま死になさい!」
咄嗟に攻撃をかわし、みね打ちで攻撃。そこから中国拳法の蹴りの連打で、最後は飛び蹴りで窓ガラスを突き破り、2階から落とした。
「よし、よくやった!」
割れた窓ガラスの所から、所長がヒグマを一本背負いで投げ落とした。2人は待ち構えていた警官達に逮捕された。

ツキノワグマ・ドクゼリ 脱落

 戦いが始まり、30分経過。両軍3階に辿り着いた。天守閣から見物していた曼珠沙華は、重い腰を上げて、ようやく動き出した。
「思ったより、やりおるな…。」
六道魔達を送り込み、戦闘許可を出した。
「ハハハ、やっと獲物を仕留められる!」
「斬り捨て御免で、しんぜよう。」
不気味にほくそ笑む曼珠沙華。
「さて、六道魔に勝てるかな?」
六道魔が、両軍に牙を向く!!!
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