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第4章 六凶編 VS 百鬼夜行之衆・猛毒獣大陸
第148話 魑魅魍魎の紅き城
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京都府は、京都市の繁華街から離れた郊外の比叡山に、大きな紅い城が聳え立っていた。ここは地上4階建てで、左右にも棟がある。ここは、妖魔城と呼ばれ、六凶の一角である百鬼夜行之衆の本拠地である。
「世界T教会の、関西にある支部はこれで全て潰されました。」
召使いの妖怪が、女帝の曼珠沙華に報告した。同じく関西に拠点を持つ六凶の猛毒獣大陸は、百鬼夜行之衆を嗾け、宣戦布告するために、傘下の世界T教会の京都・大阪・神戸支部を壊滅させた。支部を壊滅させられたことで、これは宣戦布告であると受け取り、奴らと全面戦争するという動きになっていた。
「フフ、奴らが殺し屋であろうと、わらわは妖怪。人間如きがわらわ達を潰せると、本気で思うておるのか。失笑じゃ。」
不気味に微笑み、その目には恐ろしいものが蠢く。妖怪女帝 曼珠沙華は、本は人間であり、戦国時代に生まれ、女戦士として闘いの日々に明け暮れていた。だが、傘下に入った織田信長が本能寺の変で討ち取られ、主君を失い、路頭に迷った。信長を仕留めた光秀を秀吉が仕留め、今度は豊臣秀吉の傘下に入り、天下統一を果たした。しかし、その豊臣家も大坂の陣で滅び、彼女も徳川家に敗れ、切腹して死んでしまった。彼女の徳川家への怨みと、信長・秀吉が滅ぼされた無念は凄まじく、怨霊から妖怪として蘇り、妖怪達を引き連れ、裏社会で暗躍していた。近代になり、日本が列強の一員になった時も、彼女は先の世界大戦で暴れ回った。その後、京都に拠点を構え、百鬼夜行之衆を結成し、裏社会の人間達も加え、勢力拡大して、現在に至る。
7月中旬、満月の夜。静寂と夜の闇に包まれた比叡山。妖魔城に灯りが燈り、城の天守閣に百鬼夜行之衆の幹部達が集められた。
「一体何の用なのかしらね…。」
フワフワと浮遊する霊姫。笠を被り、日本刀を携える伝蔵、かつてヨーロッパにいたペスト医師が被っていたカラスのようなマスクをした黒装束の闇医者、餓鬼道の亡者を彷彿させる出で立ちの餓鬼丸、ビキニアーマーの妖艶な淫魔香、和服姿の花魁 蛮奇那と癖のスゴい六道魔が集められる程の事態、明らかに只事でない。六道魔よりも上の実力者で、古株の三妖魔と呼ばれる大幹部達がいた。襖を開け、部屋に上がると、三妖魔達がいた。
沙羅魔
淫魔と呼ばれる西洋でいうサキュバス。青い体色で、羽が生えており、露出度の高いアーマーで尻はほぼ丸出しである。淫魔の催眠術で、幻覚を見せて攻撃する。
姦姦蛇螺
上半身は女性、下半身は蛇の妖怪。身体能力は高く、蛇であるが故に猛毒を操る。
羅暴鬼
紅い体色の大鬼。戦闘狂で、興奮度が頂点に達すると目が黄色くなり、我を忘れて、金棒で暴れる。怪力の持ち主で、金棒を振り回して、じわじわと嬲り殺しにする。
サキュバス・蛇女・大鬼と恐ろしい大幹部に、味方ながらも戦々恐々とする六道魔。席に着いた所で、妖怪女帝の曼珠沙華が現れた。
「フフフ、お主らを集めたのは、他でもない。これから猛毒獣大陸と探偵共を巻き込んだ戦を始めようと、思うとるのじゃ。」
軍師としての側面を見せる彼女。戦国時代には、女戦士として、信長・秀吉の傘下に入り、数々の武士達を血祭りに上げてきた。近代の戦争では、大日本帝国に付き、日清戦争から第二次世界大戦まで戦った。
「今回の敵は、猛毒獣大陸と探偵達でしたよね?」
「ワタシにかかれば、みんなまとめて絞め殺してアゲルわ。」
血気盛んな大幹部をなだめ、作戦会議を始める。作戦はこうだ。猛毒獣大陸と探偵達を城に迎え入れ、そこで大乱闘の展開へ持っていく。戦いが始まって1時間後に、曼珠沙華と三妖魔、数体の妖怪達が城から離れる。
「城を離れる?一体なぜですか?」
「戦は、大将が大事。大将が首取られたら、軍はオシャカだ…。」
「その通りじゃ、伝蔵。」
戦国時代からの戦の基本で、大将が討ち取られたら、そこで敗北となる。そのため、兵士は何としても大将を守ろうとする。
「成程。」
「どこへ向かうんですか?曼珠沙華様?」
「壇ノ浦じゃ。聞いたことがあろう…。平家物語を。あの源平合戦の平家の最期の場、そこが壇ノ浦。そこが奴らの墓場じゃ。」
源平合戦の最後、壇ノ浦の戦いで平家は滅んだ。誰もいなくなった船、平家の赤い旗が海に浮かぶ。一族の者が死んでいく様を、目の当たりにし、残された者は安徳天皇と共に海へ身を投げた。
「戦いは8月7日じゃ。ダークウェブとやらで、おびき寄せてやろう…。」
7月下旬、ダークウェブで公開された情報を基に、猛毒獣大陸も作戦会議を始めた。
「百鬼夜行之衆が、全面戦争を宣言した。我々も奴らと戦う時が来た…。」
百鬼夜行之衆のエージェントで、最高ランクの甲クラスが集められ、一同に緊張が走る。
甲クラス エージェント
アライグマ スイセン
茶髪で実験用ゴーグルをかけた黄色い服の男と、黒髪ロングで長身の青いワンピースの女。アライグマは、可愛い見た目とは裏腹の、獰猛な生き物で鋭い爪と牙で攻撃してくる。また、侵略的外来種ワースト100に指定されている有害鳥獣である。スイセンは、ヒガンバナ科の植物で、全体が有毒で食中毒症状と接触性皮膚炎を引き起こす。
ブラックマンバ ジャイアント・ホグウィード
スキンヘッドで細マッチョの黒人男性と、大柄でワンピースを着た白人女性。ブラックマンバは、コブラの一種の毒蛇で、強力な神経毒を持ち、噛まれると全身麻痺に陥って死に至る。ジャイアント・ホグウィードはセリ科の多年生植物で、樹液に毒があり、皮膚に炎症が起こる。消化器系や神経系に作用して中毒症状を起こし、死亡する。
スローロリス ケシ
スキンヘッドでタンクトップを着た肥満体の男と、白いチャイナドレスを着た黒髪の女。スローロリスは、霊長目で唯一の毒を持った猿で、噛みつかれると、その部分が腐ってしまう程。ケシは、種類によって、花が枯れた後の茎の先端に、ケシ坊主と呼ばれる種子がつき、ここからアヘンが採れる。アヘンは麻薬の一種で、神経抑制作用があり、中毒になると、身体が痩せ細り、立てなくなって、やがては廃人になる。
キロネックス トリカブト
背中まで伸ばした黒髪で長身な男と、藍色を基調とした和服の女。キロネックスは、和名 オーストラリアウンバチクラゲと呼ばれる地球上最強の毒クラゲで、刺されると激痛が走り、刺傷箇所の壊死・視力低下・呼吸困難・心肺停止で1~10分で死に至る。トリカブトは、キンポウゲ科トリカブト属の日本三大有毒植物である。誤飲すると、嘔吐・呼吸困難・臓器不全・痙攣を起こし、心肺停止で死に至る。
ホオジロサメ マンチニール
黒髪オールバックの好戦的な男と、不気味な雰囲気があるチャイナドレス風の服の女。ホオジロサメは、「白い死神」と呼ばれる人食い鮫で、鋭い牙を持ち、爆発的なスピードで襲いかかる。マンチニールは、トウダイグサ属の世界最強の有毒植物。木全体が有毒で、樹液に触れただけで激痛が走り、果実は食べると激痛と腫れ物で呼吸困難に陥る。
有毒植物・有毒生物・危険生物がコードネームのエージェント達の中でも、最高ランクの甲クラスには、トップクラスの猛毒&危険動植物の名がついている。
「百鬼夜行之衆は、日程まで言うてる。後は俺らで総攻撃をかけるだけや。」
「フフ、私の開発したあらゆる毒物を、試す機会やな…。」
ボスのホオジロサメは、好戦的で残虐性が高い。ペアのマンチニールは、木全体が有毒なだけに、あらゆる毒物に精通している。
「よし、決まりや。8月7日、京都の比叡山にある妖魔城に乗り込む!!」
「世界T教会の、関西にある支部はこれで全て潰されました。」
召使いの妖怪が、女帝の曼珠沙華に報告した。同じく関西に拠点を持つ六凶の猛毒獣大陸は、百鬼夜行之衆を嗾け、宣戦布告するために、傘下の世界T教会の京都・大阪・神戸支部を壊滅させた。支部を壊滅させられたことで、これは宣戦布告であると受け取り、奴らと全面戦争するという動きになっていた。
「フフ、奴らが殺し屋であろうと、わらわは妖怪。人間如きがわらわ達を潰せると、本気で思うておるのか。失笑じゃ。」
不気味に微笑み、その目には恐ろしいものが蠢く。妖怪女帝 曼珠沙華は、本は人間であり、戦国時代に生まれ、女戦士として闘いの日々に明け暮れていた。だが、傘下に入った織田信長が本能寺の変で討ち取られ、主君を失い、路頭に迷った。信長を仕留めた光秀を秀吉が仕留め、今度は豊臣秀吉の傘下に入り、天下統一を果たした。しかし、その豊臣家も大坂の陣で滅び、彼女も徳川家に敗れ、切腹して死んでしまった。彼女の徳川家への怨みと、信長・秀吉が滅ぼされた無念は凄まじく、怨霊から妖怪として蘇り、妖怪達を引き連れ、裏社会で暗躍していた。近代になり、日本が列強の一員になった時も、彼女は先の世界大戦で暴れ回った。その後、京都に拠点を構え、百鬼夜行之衆を結成し、裏社会の人間達も加え、勢力拡大して、現在に至る。
7月中旬、満月の夜。静寂と夜の闇に包まれた比叡山。妖魔城に灯りが燈り、城の天守閣に百鬼夜行之衆の幹部達が集められた。
「一体何の用なのかしらね…。」
フワフワと浮遊する霊姫。笠を被り、日本刀を携える伝蔵、かつてヨーロッパにいたペスト医師が被っていたカラスのようなマスクをした黒装束の闇医者、餓鬼道の亡者を彷彿させる出で立ちの餓鬼丸、ビキニアーマーの妖艶な淫魔香、和服姿の花魁 蛮奇那と癖のスゴい六道魔が集められる程の事態、明らかに只事でない。六道魔よりも上の実力者で、古株の三妖魔と呼ばれる大幹部達がいた。襖を開け、部屋に上がると、三妖魔達がいた。
沙羅魔
淫魔と呼ばれる西洋でいうサキュバス。青い体色で、羽が生えており、露出度の高いアーマーで尻はほぼ丸出しである。淫魔の催眠術で、幻覚を見せて攻撃する。
姦姦蛇螺
上半身は女性、下半身は蛇の妖怪。身体能力は高く、蛇であるが故に猛毒を操る。
羅暴鬼
紅い体色の大鬼。戦闘狂で、興奮度が頂点に達すると目が黄色くなり、我を忘れて、金棒で暴れる。怪力の持ち主で、金棒を振り回して、じわじわと嬲り殺しにする。
サキュバス・蛇女・大鬼と恐ろしい大幹部に、味方ながらも戦々恐々とする六道魔。席に着いた所で、妖怪女帝の曼珠沙華が現れた。
「フフフ、お主らを集めたのは、他でもない。これから猛毒獣大陸と探偵共を巻き込んだ戦を始めようと、思うとるのじゃ。」
軍師としての側面を見せる彼女。戦国時代には、女戦士として、信長・秀吉の傘下に入り、数々の武士達を血祭りに上げてきた。近代の戦争では、大日本帝国に付き、日清戦争から第二次世界大戦まで戦った。
「今回の敵は、猛毒獣大陸と探偵達でしたよね?」
「ワタシにかかれば、みんなまとめて絞め殺してアゲルわ。」
血気盛んな大幹部をなだめ、作戦会議を始める。作戦はこうだ。猛毒獣大陸と探偵達を城に迎え入れ、そこで大乱闘の展開へ持っていく。戦いが始まって1時間後に、曼珠沙華と三妖魔、数体の妖怪達が城から離れる。
「城を離れる?一体なぜですか?」
「戦は、大将が大事。大将が首取られたら、軍はオシャカだ…。」
「その通りじゃ、伝蔵。」
戦国時代からの戦の基本で、大将が討ち取られたら、そこで敗北となる。そのため、兵士は何としても大将を守ろうとする。
「成程。」
「どこへ向かうんですか?曼珠沙華様?」
「壇ノ浦じゃ。聞いたことがあろう…。平家物語を。あの源平合戦の平家の最期の場、そこが壇ノ浦。そこが奴らの墓場じゃ。」
源平合戦の最後、壇ノ浦の戦いで平家は滅んだ。誰もいなくなった船、平家の赤い旗が海に浮かぶ。一族の者が死んでいく様を、目の当たりにし、残された者は安徳天皇と共に海へ身を投げた。
「戦いは8月7日じゃ。ダークウェブとやらで、おびき寄せてやろう…。」
7月下旬、ダークウェブで公開された情報を基に、猛毒獣大陸も作戦会議を始めた。
「百鬼夜行之衆が、全面戦争を宣言した。我々も奴らと戦う時が来た…。」
百鬼夜行之衆のエージェントで、最高ランクの甲クラスが集められ、一同に緊張が走る。
甲クラス エージェント
アライグマ スイセン
茶髪で実験用ゴーグルをかけた黄色い服の男と、黒髪ロングで長身の青いワンピースの女。アライグマは、可愛い見た目とは裏腹の、獰猛な生き物で鋭い爪と牙で攻撃してくる。また、侵略的外来種ワースト100に指定されている有害鳥獣である。スイセンは、ヒガンバナ科の植物で、全体が有毒で食中毒症状と接触性皮膚炎を引き起こす。
ブラックマンバ ジャイアント・ホグウィード
スキンヘッドで細マッチョの黒人男性と、大柄でワンピースを着た白人女性。ブラックマンバは、コブラの一種の毒蛇で、強力な神経毒を持ち、噛まれると全身麻痺に陥って死に至る。ジャイアント・ホグウィードはセリ科の多年生植物で、樹液に毒があり、皮膚に炎症が起こる。消化器系や神経系に作用して中毒症状を起こし、死亡する。
スローロリス ケシ
スキンヘッドでタンクトップを着た肥満体の男と、白いチャイナドレスを着た黒髪の女。スローロリスは、霊長目で唯一の毒を持った猿で、噛みつかれると、その部分が腐ってしまう程。ケシは、種類によって、花が枯れた後の茎の先端に、ケシ坊主と呼ばれる種子がつき、ここからアヘンが採れる。アヘンは麻薬の一種で、神経抑制作用があり、中毒になると、身体が痩せ細り、立てなくなって、やがては廃人になる。
キロネックス トリカブト
背中まで伸ばした黒髪で長身な男と、藍色を基調とした和服の女。キロネックスは、和名 オーストラリアウンバチクラゲと呼ばれる地球上最強の毒クラゲで、刺されると激痛が走り、刺傷箇所の壊死・視力低下・呼吸困難・心肺停止で1~10分で死に至る。トリカブトは、キンポウゲ科トリカブト属の日本三大有毒植物である。誤飲すると、嘔吐・呼吸困難・臓器不全・痙攣を起こし、心肺停止で死に至る。
ホオジロサメ マンチニール
黒髪オールバックの好戦的な男と、不気味な雰囲気があるチャイナドレス風の服の女。ホオジロサメは、「白い死神」と呼ばれる人食い鮫で、鋭い牙を持ち、爆発的なスピードで襲いかかる。マンチニールは、トウダイグサ属の世界最強の有毒植物。木全体が有毒で、樹液に触れただけで激痛が走り、果実は食べると激痛と腫れ物で呼吸困難に陥る。
有毒植物・有毒生物・危険生物がコードネームのエージェント達の中でも、最高ランクの甲クラスには、トップクラスの猛毒&危険動植物の名がついている。
「百鬼夜行之衆は、日程まで言うてる。後は俺らで総攻撃をかけるだけや。」
「フフ、私の開発したあらゆる毒物を、試す機会やな…。」
ボスのホオジロサメは、好戦的で残虐性が高い。ペアのマンチニールは、木全体が有毒なだけに、あらゆる毒物に精通している。
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