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第4章 六凶編 VS 百鬼夜行之衆・猛毒獣大陸

第121話 蝶or蛾?

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    玲奈がキャバクラに体験入店という形で潜入捜査を始め、3日経過した。盗聴器で盗聴した情報によると、飛鳥は自分の舎弟の女子にパパ活をやらせ、その金を貢がせ、見返りに自分がカモにした客を唆して横領させて貢がせた金を渡していたという。この潜入捜査では、慣れない夜の仕事に加え、度数の高いアルコールを連日のように飲むことでストレスが溜まり、出勤した時は30分寝ないと持たなくなっていた。
「玲奈ちゃん、大分、消耗してるんやね。」
「左様、キャバクラは夜の仕事で、金は儲かるが、相当ストレスは溜まるやろう…。上手くフォローできる所はフォローしてやってくれないか。」
「はい、所長。」
玲奈は、美夜子に膝枕してもらって寝ていた。玲奈に代わって、ここまでの情報を整理する美夜子。すると、玲奈が目覚めた。
「あ、美夜子さん。おはようございます…。」
「玲奈ちゃん、おはよう。キャバクラでの潜入捜査、大分キツそうやね。無理はしたらアカンで。」
「はい。」

    昼寝から目覚めた玲奈は、準備をして、ここまでの調査結果を報告書としてまとめた。
(あと2日や。もう少しでアイツの本性が暴ける…。)
酒と珈琲の飲み過ぎの影響により、アルコール×カフェインで目がバキバキになっていた。
(酒飲んで愚痴るより、紅茶飲んでゆったりしたい…。)
調査報告書は、まだ草案の状態であり、依頼人に提出するのは、調査期間が終了してからである。今日で調査4日目。そろそろ限界が近づいてきていた。この日、玲奈は出勤した時に飛鳥のロッカーが半開きになっていることに気づき、こっそりと中を開けると、パパ活や横領の証拠となるものが置いてあった。
(よし、今のうちに全部写真に撮って押さえよう!)
証拠を全て押さえ、何事も無かったかのようにキャバクラで接客した。退勤後、北新地のラーメン屋で夕食を済ませ、飛鳥が出てくるのを待って、張り込みを始める。その後、飛鳥が退勤し、玲奈は気づかれないように尾行して、何とか彼女の家まで辿り着いた。気配を消して、部屋に潜り込み、盗聴器を付けて情報を得る。
(アカン、もう眠たい…。)
眠気と酔いで、玲奈は頭が鈍っていた。身を隠そうとベッドの下に隠れて、息を殺してやり過ごす。シャワーを浴びた後の飛鳥の元に、数人の男女がやってきた。電気を薄暗くし、飛鳥は眠気を忘れて上機嫌になっていた。
「アハハハハハハハハハハ!!!世の中、ホンマに金や、金が全てやなぁ…。」
「そうやな、飛鳥ちゃん。」
バスタオルを巻いた状態で、白ブリーフ1丁のオッサンの背中に乗り、札を数えてにやついた。
「パパ活最高❤貢いでくれるパパ達ありがとう❤今日は金曜日やから、皆で乱交パーティーしよ❤」
バスタオルを外し、裸になった数人の男女は酒池肉林の性欲全開の宴に興じた。玲奈は、盗聴器をつけたまま、ベッドの下で眠ってしまった。

 翌朝、ベッドの下という狭い環境で寝ていた玲奈は、目が覚めると腰の痛みを覚えた。
「腰痛い…。今、何時や?」
腕時計を見ると、時刻は午前8時30分だった。そっとベッドからはい出し、裸で熟睡している飛鳥を尻目に、盗聴器を持って、そっと部屋を出た。
「色んな事は、帰ってからしよう。このDVDは事務所で見よう。」
中之島の自宅に帰り、玲奈は服を脱いでシャワーを浴びる。ベッドの下で過ごす、というのは過去に「水曜日のダウンタウン」で2018年に放送された「クロちゃんのベッドの下、ギリギリ人が住める説」で行われた事がある。
(よう、あんなベッドの下住んだな。しかもクロちゃんやろ?)
昨夜飲んだ酒と珈琲の影響で、尿意が込み上げてきた。
(アカン、オシッコ漏れそう!)
しゃがんで排水溝に向かって、浴槽に掴まり、前のめりになって放尿した。
「ハァ~!我慢してたからめっちゃ出る~!」
酒と珈琲が混じった独特な臭いが、浴室に充満する。
「お酒と珈琲飲みまくったから、めっちゃ変な臭いする…。まだ出るし…。」
ようやく出し終え、ホッと一息ついた。
「ハァ~、スッキリした…。お漏らしせんで良かった…。」
シャワーで秘部を流し、頭と身体を洗い、上がった後は再び勝負下着を身に着けた。今日で調査最終日、ここで全てを明らかにすると息巻いていた。今日の下着の色は黒。
「さて、プロの探偵を本気にさせたら終わりやで。」

    朝食を済ませ、事務所に出た。この日は陳が休み。出勤した時には、所長と雅文は調査に出ていた。
「玲奈ちゃん、おはよう。」
「おはようございます。雫さん。」
「おはよう、玲奈ちゃん。二日酔いは大丈夫かしら?」
「あぁ…。大丈夫です。」
昨夜押さえた証拠として、盗聴器を再生する。

「いつも飛鳥に、お金貢いでくれてありがとう!今日は乱交パーティー🖤飛鳥といっぱいHしよ🖤」
ここからは、艶かしい喘ぎ声と性交の音が響いていた。
「気色悪いわ。」
「キャバ嬢でも、金を横領させるんは犯罪幇助やんね?」
ここで分かったこと。
・飛鳥は、サラリーマンなどに横領させて貢がせていた。
・しもべの女子高生に、パパ活をさせて、金を稼がせ、それを自分に貢がせて、見返りとして横領させて金を渡していた。

「飛鳥って子、腹黒いな…。」
「まるで、朝貢冊封のようね。」

飛鳥が盟主となり、カモと舎弟に金を貢がせ、その見返りを渡す。かつての中国王朝の国際体制である。しかし、この朝貢冊封体制は、近代になって、朝貢国が植民地にされたことで機能しなくなり、最後は中国王朝が内部崩壊して滅んだ。作戦としては、この証拠を提示して、飛鳥を破滅に追い込む。
「玲奈ちゃん。そのDVDは何かしら?」
「これは、一応証拠として押さえたんですけど、何が入ってるか分からないんです。」
「一応見てみる?」
DVDを再生すると、あの日の光景が出てきた。

    そこには、ホテルの一室が映っており、玲奈がパパ活ギャルと、手を組んだ悪徳探偵と弁護士に詰め寄られている場面であった。
「これ、あの時のヤツやん!!」
「玲奈ちゃん、どないしたん?」
パパ活ギャルに責められ、バスタオルを外され、全裸土下座をさせられていた。
「詫びるんや、探偵風情が!詫びろ詫びろ詫びろ詫びろ詫びろ詫びろ詫びろ詫びろー!!!!!」
「半沢直樹か!!」
「誰のセリフ?」
全裸土下座させられた玲奈は、首輪で繋がれ、犬として部屋中引きずり回された。
「早く歩けー!!」
尻を叩かれ、笑い者にされていた。
「酷いことするわね…。」
極めつけは、玲奈をベッドの上に四つん這いにさせ、特大注射器で牛乳浣腸させられた。その間に、悪徳探偵のオッサンが玲奈の顔をペロペロ舐めていた。
「うわぁー!!!!気持ち悪いー!!!」
「無いわ…。気色悪いにも程があるわ。」
最後は、菊門から勢い良く牛乳が噴き出し、噴水のようになり、嘲笑と罵声を浴びせられた。
「もう嫌やって…。こんなん撮るとかクソやん!!!!舐めんな!!!アイツ!!」
玲奈は怒りが込み上げた。
「どうする?玲奈ちゃん。私も手伝おうかしら?」 
「いや、大丈夫です。美夜子さん。玲奈独りでやります…。ハァハァ、キャバ嬢やか知らんけど、玲奈はSM嬢やっとったからな。こっちの流儀で制裁下します…。」
復讐に燃える玲奈。SMクイーンが誘う悦楽と恥辱の魔境へ、飛鳥は誘われる…。
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