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第3章 back to school 青春の甘い楽園
第42話 GAME OVER
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髑髏城3番支部の奴らは、東門街にいると聞き、2人は本拠地を目指して走った。
「アイツらは、友梨亜ちゃんを狙ってるんや…。」
「店の前に張り込むか、直接、通勤中の彼女を連れ去るという感じになりそうやね。」
奴らの狙いが、友梨亜ちゃんだとすると、早めに先手を打たなければマズい。しばらく走っていると、ドクロTシャツを着たシルクハットの大男が目の前に立ちはだかった。
「グハハハハ!!ここを通りたけりゃあ、この俺を倒してから行くんやな!」
「髑髏城の一派やな?」
美夜子は目の前の男越しに、友梨亜を確認した。この日は出勤日で、三宮駅を通っている。恐らく奴らの作戦は、目の前の雑魚を使って時間稼ぎをし、その隙に友梨亜を誘拐するというものであろう。雅文はその狙いを読み、友梨亜を注意深く観察する。
その頃、友梨亜はのんびりとLoft101へ向かっていた。今日の彼女の服装はグレーのTシャツに青いパンツで太もも丸出しであった。
「さて、今日もお客さんにナデナデしてもらいたいなー。」
そこに謎の黒い車が接近、徐々に距離を詰めて、停車し、後部座席からドクロTシャツの手下が現れた。
「友梨亜ちゃん、見っけ!!」
「何?!またストーカー!!キモいって!!」
「さぁ、来い!」
友梨亜の腕を掴んで、無理矢理引きずり込む。
「止めてください!誰か~!!」
すると、助手席から出てきた男が
「黙れ!!」
と、左頬にストレートを食らわした。そして、頭を掴んでみぞおちに膝蹴りを入れ、車内に放り込んだ。車はすぐに発車した。
「ゲホゲホっ!何なん、一体…。」
「ハッハッハッ!!友梨亜ちゃ~ん、もう逃げられへんで~!!」
「どこに向かうんよ!?」
「この近くや。」
目の前で、友梨亜が連れていかれ、雅文は急いで救出に向かおうとした。
「友梨亜!」
「チェアァ!!」
ドクロTシャツの男が、サバイバルナイフを振り回して襲ってきた。
「くっ!完全にお前らグルやろ!」
「グハハハハ!!そうやで~!!俺は髑髏城3番支部のリッキー吉川様や~!!グハハハハ!!」
「リッキー吉川って…。貴方みたいな名前の1発屋芸人が昔おったわ…。」
それは、白ブリーフを何重にも重ね履きし、「ハイ!好き?嫌い?好き?嫌い?好き?嫌い?嫌いじゃないけど、嫌いじゃないけど、嫌いじゃないけど、嫌いじゃないけど、生理的にムリ~!!」
というネタをやっていた芸人の芸名とほぼ似ていた。
「グハハハハ!!ヒッキー北風やろ?あんな変態野郎と一緒にすんな~!!」
「貴方は、ただのクズ野郎がお似合いよ!」
「何やと、小娘が!!」
美夜子めがけてサバイバルナイフを投げつけたが、雅文が間一髪でキャッチした。
「美夜子は俺の相棒、傷つける奴は消えてもらおうか…。」
「グハハハハ!!美夜子か。上玉やな。美夜子ちゃーん、俺のこと…。」
言いかけたところで、おもむろに尻を向け、ヒッキー北風のマネをしたが、ケツ毛まみれの尻とズボンが交互に出てくるという気持ち悪い光景となった。
「汚いわね…。気持ち悪いわ!」
「好き?嫌い?好き?嫌い?好き?嫌い?嫌いじゃないけど、嫌いじゃないけど、嫌いじゃないけど、嫌いじゃないけど、生理的にム」
「フンッ!」
横腹目掛けて、蹴りをお見舞いした。
「リヴァプゥゥル!!!」
尻を出した状態で、倒れ込んで悶絶した。
「かはっ…。いきなり横腹蹴るか、フツー…。」
「遊びに付き合ってる暇は、無いんよ…。友梨亜ちゃんをどこへ連れていったのか、教えなさい…。」
彼は立ち上がり、ズボンを履いた。
「ハァハァ、東門街の奥にある廃ビルや。グハハハハ!!俺は一足先に戻るぜ!」
そう言って、バイクで走り去っていった。
「東門街やな。行こうか!」
「雅文。一応、所長と玲奈ちゃんに連絡を入れておくわ。」
「ありがとう。」
2人も彼の後を追いかけた。
その頃、探偵事務所では、連絡を受けた所長と玲奈が作戦を立てていた。
「髑髏城か、アイツらは神戸一円に勢力圏を広げとるからな。ここは慎重に行くで…。」
「はい。」
「玲奈ちゃん、行こうか。」
2人は車で、東門街へ向かった。東門街は夜のお店などが建ち並び、サンキタ通りとは少し雰囲気が異なる。飲食店もあり、更に北上したら、異人館街に辿り着く。そんな町外れにある廃墟のビル。地上3階と小さな所。そこに黒い車が到着。
「戻りましたよ。リーダー。」
「ようやった。よし、2階へ連れてこい。」
降りてきたドクロTシャツの男達は、乱暴に友梨亜を引っ張り出し、2階へ上がる。
「連れてきました。」
そこにいたのは、黒いハットを被った細身の男。彼らの兵長か、3番支部の幹部なのかは定かでは無いが、実力者の雰囲気が漂う。
「ようやった。さて、その娘を椅子に座らせてくれ。」
手下は友梨亜を椅子に座らせ、紐で手足を縛る。
「何やの?!私をどないする気?」
「ほう、威勢のいい小娘やな…。」
まじまじと友梨亜を見つめ、顎を掴んで、じぃーっと観察する。
(触るな…。んっ?手に持ってるんは…。)
彼が持っているものを見て、青ざめた。それは業物の日本刀であった。
「目的は何なん?」
「目的、それはな。ストーカーがおったやろ?ソイツは当初、お前をストーカーして捕まえてボスに引き渡すつもりやったんや。」
「ボス?引き渡してどうするつもりやったん?」
「いい質問やな、どないするか。それは、お前を奴隷にして、凌辱バニーに調教し、如何わしい所へ売り飛ばすんや!それと、ボスはかつてメキシコやコロンビアで麻薬を売り捌いて、麻薬王と呼ばれた男や。その経験を活かして、麻薬を数々、調合し、強力なエクストラ・ドラッグとして販売し、巨大な犯罪シンジゲートを築き上げ、行く行くは関西の裏社会を制圧するんが、彼の野望。そのエクストラ・ドラッグには、実験が必要や。そこで、お前を実験台にするよう、ボスに頼まれたんや!!」
恐るべき計画を聞き、友梨亜は震え上がった。背中から冷や汗が止まらない。
「実験台?!私を薬漬けにして、挙げ句に奴隷にするやと!!何を考えとるんや!!あんたら!!」
「ハァ?!誰に口聞いとるんや!!」
彼は、友梨亜の顔面に蹴りを入れた。
「痛…。」
「フンッ。まぁ、反抗的な奴は嫌いやない。お前を助けに来る奴らに、賭けてみるか?」
「えっ…。」
この廃ビルを特定した2人が辿り着いた。
「ここやな。」
「誘拐・監禁するには、ちょうどいい場所ね。」
そこに所長と玲奈も到着した。
「ここか。」
「はい。」
全員で行くと、最悪ミイラ取りがミイラになってしまう。そこで、雅文と美夜子が乗り込み、友梨亜を救出。所長と玲奈が、友梨亜を乗せて逃走。後は2人で何とかするという作戦で行く。雅文と美夜子はさっき拝借した武器を持っている。木刀と拳銃で応戦する。時刻は19:00。辺りが暗くなり始めた。そこに黒スーツの男が血相変えて走ってきた。
「ハァハァ…。ここか…。」
「貴方は?」
「「「Loft101」」の店長です。友梨亜の携帯から連絡がありました。髑髏城という奴らが、友梨亜を誘拐してると。」
「店長さんね。貴方はどうするんですか?」
「もちろん、店長やから、友梨亜を救出します。従業員も守れないのは、店長として名が廃る。」
「決まりやな…。行くで…。」
3人は急いで、救出に向かった。
友梨亜はドクロTシャツの手下に囲まれ、幹部らしき男に責められていた。
「これが、お前を隠し撮りした写真や。」
「白いレオタードか、グハハハハ!!エロいわ~!!」
「こりゃあ、奴隷にしたら上玉やな!」
責められて、赤面する友梨亜。
「あんたら、キモいって!!変態!ゴミ!死にさらせ!!!」
「あぁ?!殺されたいんか…。」
彼は刀を抜いて、首筋に近づけた。
「うっ…。」
「フンッ、首飛ばすで…。んっ?何や騒がしいな?」
何やら手下が騒いでいるが、次第にバタバタと倒されていった。
「ぐわっ!!」
「何や!!」
そこに雅文・美夜子・店長が現れた。
「お前ら、ウチの看板娘の友梨亜を傷つけたな!!」
「女の子を監禁するやなんて、ケダモノね、貴方達…。」
「そんな悪い奴らは、掃除したるわ。」
手下達は、臨戦態勢となる。
「掃除って、「「HUNTER×HUNTER」」か!」
「いや、「「BLACK CAT」」や!」
相手の兵力は8人。2人が手下を相手にし、その隙に店長が友梨亜を救出する。乱闘となり、手下と2人が戦う。
「雅文さん強いな…。」
店長はこっそりと友梨亜の元に行き、後ろから紐をほどく。
「大丈夫か?」
「店長、ありがとうございます。」
「ここは2人に任せて、早く逃げよう。」
そこに幹部が立ちはだかった。
「オイ、誰が逃げていいと言った?店長、テメェを殺せば、店は俺たちのモンやなぁ!!」
日本刀で斬りかかろうとした時、美夜子が木刀で防いだ。
「ぬぅ!」
「早く逃げて!」
「ありがとう!」
2人は階段を駆け降り、所長に車で送ってもらった。警察に通報し、上手く時間を稼ぐ。目的を果たした雅文と美夜子は、警察に通報したことを知り、後は逃げ切ることを考えた。
「さて、後はここを出るだけやな。」
「そうね、でも、それが1番難しいのよね。」
階段に向かう所は、髑髏城の手下が封鎖している。
「好き放題暴れよって、逃げ切れると思うな!」
「グハハハハ!!逃げられへんで~!!これでも食らえ!」
ブーメランのように、謎の筒を投げてきた。かわすと、それは爆発した。
「ダイナマイト?!」
「グハハハハ!!貴様ら吹き飛ばすで~!!」
2人はそれを避けながら、ドアを目指すが、逆に奴らは人海戦術で壁を作って前進してきたので、逆に窓際に追い詰められた。
「くっ…。」
「何とか、美夜子だけでも逃がすわ…。」
雅文は窓を開けて、外を確認する。所長が戻ってきたので、合図を送る。
「追い詰められたんやな…。よし、やるで!」
美夜子をお姫様抱っこし、窓際に近づく。
「オイ、逃げられると思うな!」
手下が雅文に発砲。雅文は盾になって美夜子を守る。
「ハァハァ、美夜子…。ここから逃がす…。」
「雅文、生きて帰ってね。」
美夜子を窓の外に投げ、それを所長がキャッチした。警察も駆けつけ、雅文の救出と髑髏城一派の逮捕のため、廃ビルの中に突入する。
「警察来たで…。お前ら終わりや…。」
口から血を流し、息も絶え絶えの状態で毒づく。警察が駆けつけ、手下達を逮捕する。
「くっ…。余計なマネを…。」
すると、リッキー吉川が背後に回り、雅文の後頭部目掛けてハンマーで殴った。
「食らえ!びっくりハンマー!!!」
「うっ!」
頭から血が流れ、雅文は倒れ込む。そこに幹部が拳銃で2発、雅文を撃った。血を流して倒れる雅文。
(ハァハァ、クソォ…。ここまでか…。)
薄れゆく意識の中、雅文はこの戦いの敗北を悟った。血が流れ、内臓がズキズキと痛む。
「じゃあな。」
「探偵風情が、死ねぇ!!」
窓から投げ捨てられ、雅文は全身を打撲した。
(ハァハァ…。痛い…。血の臭いが…。うぅ、吐きそう…。ハァハァ…。スゲェ、気持ち悪ぃ…。内臓が…。もうあれか…。粥しか啜られへんのか…。)
「雅文!救急車や!」
10分後、警察によって髑髏城の手下は逮捕されたが、幹部とリッキーだけ逃げた。救急車で雅文は救急搬送された。
「美夜子、玲奈ちゃん。もう上がってていいよ。後は私が責任もって雅文を看るから。」
意識が混濁し、血塗れで搬送される雅文。
(痛い…。内臓が…。気持ち悪い…。粥しか啜られへんのか…。味の無い粥…。白湯みたいなヤツ…。)
「アイツらは、友梨亜ちゃんを狙ってるんや…。」
「店の前に張り込むか、直接、通勤中の彼女を連れ去るという感じになりそうやね。」
奴らの狙いが、友梨亜ちゃんだとすると、早めに先手を打たなければマズい。しばらく走っていると、ドクロTシャツを着たシルクハットの大男が目の前に立ちはだかった。
「グハハハハ!!ここを通りたけりゃあ、この俺を倒してから行くんやな!」
「髑髏城の一派やな?」
美夜子は目の前の男越しに、友梨亜を確認した。この日は出勤日で、三宮駅を通っている。恐らく奴らの作戦は、目の前の雑魚を使って時間稼ぎをし、その隙に友梨亜を誘拐するというものであろう。雅文はその狙いを読み、友梨亜を注意深く観察する。
その頃、友梨亜はのんびりとLoft101へ向かっていた。今日の彼女の服装はグレーのTシャツに青いパンツで太もも丸出しであった。
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そこに謎の黒い車が接近、徐々に距離を詰めて、停車し、後部座席からドクロTシャツの手下が現れた。
「友梨亜ちゃん、見っけ!!」
「何?!またストーカー!!キモいって!!」
「さぁ、来い!」
友梨亜の腕を掴んで、無理矢理引きずり込む。
「止めてください!誰か~!!」
すると、助手席から出てきた男が
「黙れ!!」
と、左頬にストレートを食らわした。そして、頭を掴んでみぞおちに膝蹴りを入れ、車内に放り込んだ。車はすぐに発車した。
「ゲホゲホっ!何なん、一体…。」
「ハッハッハッ!!友梨亜ちゃ~ん、もう逃げられへんで~!!」
「どこに向かうんよ!?」
「この近くや。」
目の前で、友梨亜が連れていかれ、雅文は急いで救出に向かおうとした。
「友梨亜!」
「チェアァ!!」
ドクロTシャツの男が、サバイバルナイフを振り回して襲ってきた。
「くっ!完全にお前らグルやろ!」
「グハハハハ!!そうやで~!!俺は髑髏城3番支部のリッキー吉川様や~!!グハハハハ!!」
「リッキー吉川って…。貴方みたいな名前の1発屋芸人が昔おったわ…。」
それは、白ブリーフを何重にも重ね履きし、「ハイ!好き?嫌い?好き?嫌い?好き?嫌い?嫌いじゃないけど、嫌いじゃないけど、嫌いじゃないけど、嫌いじゃないけど、生理的にムリ~!!」
というネタをやっていた芸人の芸名とほぼ似ていた。
「グハハハハ!!ヒッキー北風やろ?あんな変態野郎と一緒にすんな~!!」
「貴方は、ただのクズ野郎がお似合いよ!」
「何やと、小娘が!!」
美夜子めがけてサバイバルナイフを投げつけたが、雅文が間一髪でキャッチした。
「美夜子は俺の相棒、傷つける奴は消えてもらおうか…。」
「グハハハハ!!美夜子か。上玉やな。美夜子ちゃーん、俺のこと…。」
言いかけたところで、おもむろに尻を向け、ヒッキー北風のマネをしたが、ケツ毛まみれの尻とズボンが交互に出てくるという気持ち悪い光景となった。
「汚いわね…。気持ち悪いわ!」
「好き?嫌い?好き?嫌い?好き?嫌い?嫌いじゃないけど、嫌いじゃないけど、嫌いじゃないけど、嫌いじゃないけど、生理的にム」
「フンッ!」
横腹目掛けて、蹴りをお見舞いした。
「リヴァプゥゥル!!!」
尻を出した状態で、倒れ込んで悶絶した。
「かはっ…。いきなり横腹蹴るか、フツー…。」
「遊びに付き合ってる暇は、無いんよ…。友梨亜ちゃんをどこへ連れていったのか、教えなさい…。」
彼は立ち上がり、ズボンを履いた。
「ハァハァ、東門街の奥にある廃ビルや。グハハハハ!!俺は一足先に戻るぜ!」
そう言って、バイクで走り去っていった。
「東門街やな。行こうか!」
「雅文。一応、所長と玲奈ちゃんに連絡を入れておくわ。」
「ありがとう。」
2人も彼の後を追いかけた。
その頃、探偵事務所では、連絡を受けた所長と玲奈が作戦を立てていた。
「髑髏城か、アイツらは神戸一円に勢力圏を広げとるからな。ここは慎重に行くで…。」
「はい。」
「玲奈ちゃん、行こうか。」
2人は車で、東門街へ向かった。東門街は夜のお店などが建ち並び、サンキタ通りとは少し雰囲気が異なる。飲食店もあり、更に北上したら、異人館街に辿り着く。そんな町外れにある廃墟のビル。地上3階と小さな所。そこに黒い車が到着。
「戻りましたよ。リーダー。」
「ようやった。よし、2階へ連れてこい。」
降りてきたドクロTシャツの男達は、乱暴に友梨亜を引っ張り出し、2階へ上がる。
「連れてきました。」
そこにいたのは、黒いハットを被った細身の男。彼らの兵長か、3番支部の幹部なのかは定かでは無いが、実力者の雰囲気が漂う。
「ようやった。さて、その娘を椅子に座らせてくれ。」
手下は友梨亜を椅子に座らせ、紐で手足を縛る。
「何やの?!私をどないする気?」
「ほう、威勢のいい小娘やな…。」
まじまじと友梨亜を見つめ、顎を掴んで、じぃーっと観察する。
(触るな…。んっ?手に持ってるんは…。)
彼が持っているものを見て、青ざめた。それは業物の日本刀であった。
「目的は何なん?」
「目的、それはな。ストーカーがおったやろ?ソイツは当初、お前をストーカーして捕まえてボスに引き渡すつもりやったんや。」
「ボス?引き渡してどうするつもりやったん?」
「いい質問やな、どないするか。それは、お前を奴隷にして、凌辱バニーに調教し、如何わしい所へ売り飛ばすんや!それと、ボスはかつてメキシコやコロンビアで麻薬を売り捌いて、麻薬王と呼ばれた男や。その経験を活かして、麻薬を数々、調合し、強力なエクストラ・ドラッグとして販売し、巨大な犯罪シンジゲートを築き上げ、行く行くは関西の裏社会を制圧するんが、彼の野望。そのエクストラ・ドラッグには、実験が必要や。そこで、お前を実験台にするよう、ボスに頼まれたんや!!」
恐るべき計画を聞き、友梨亜は震え上がった。背中から冷や汗が止まらない。
「実験台?!私を薬漬けにして、挙げ句に奴隷にするやと!!何を考えとるんや!!あんたら!!」
「ハァ?!誰に口聞いとるんや!!」
彼は、友梨亜の顔面に蹴りを入れた。
「痛…。」
「フンッ。まぁ、反抗的な奴は嫌いやない。お前を助けに来る奴らに、賭けてみるか?」
「えっ…。」
この廃ビルを特定した2人が辿り着いた。
「ここやな。」
「誘拐・監禁するには、ちょうどいい場所ね。」
そこに所長と玲奈も到着した。
「ここか。」
「はい。」
全員で行くと、最悪ミイラ取りがミイラになってしまう。そこで、雅文と美夜子が乗り込み、友梨亜を救出。所長と玲奈が、友梨亜を乗せて逃走。後は2人で何とかするという作戦で行く。雅文と美夜子はさっき拝借した武器を持っている。木刀と拳銃で応戦する。時刻は19:00。辺りが暗くなり始めた。そこに黒スーツの男が血相変えて走ってきた。
「ハァハァ…。ここか…。」
「貴方は?」
「「「Loft101」」の店長です。友梨亜の携帯から連絡がありました。髑髏城という奴らが、友梨亜を誘拐してると。」
「店長さんね。貴方はどうするんですか?」
「もちろん、店長やから、友梨亜を救出します。従業員も守れないのは、店長として名が廃る。」
「決まりやな…。行くで…。」
3人は急いで、救出に向かった。
友梨亜はドクロTシャツの手下に囲まれ、幹部らしき男に責められていた。
「これが、お前を隠し撮りした写真や。」
「白いレオタードか、グハハハハ!!エロいわ~!!」
「こりゃあ、奴隷にしたら上玉やな!」
責められて、赤面する友梨亜。
「あんたら、キモいって!!変態!ゴミ!死にさらせ!!!」
「あぁ?!殺されたいんか…。」
彼は刀を抜いて、首筋に近づけた。
「うっ…。」
「フンッ、首飛ばすで…。んっ?何や騒がしいな?」
何やら手下が騒いでいるが、次第にバタバタと倒されていった。
「ぐわっ!!」
「何や!!」
そこに雅文・美夜子・店長が現れた。
「お前ら、ウチの看板娘の友梨亜を傷つけたな!!」
「女の子を監禁するやなんて、ケダモノね、貴方達…。」
「そんな悪い奴らは、掃除したるわ。」
手下達は、臨戦態勢となる。
「掃除って、「「HUNTER×HUNTER」」か!」
「いや、「「BLACK CAT」」や!」
相手の兵力は8人。2人が手下を相手にし、その隙に店長が友梨亜を救出する。乱闘となり、手下と2人が戦う。
「雅文さん強いな…。」
店長はこっそりと友梨亜の元に行き、後ろから紐をほどく。
「大丈夫か?」
「店長、ありがとうございます。」
「ここは2人に任せて、早く逃げよう。」
そこに幹部が立ちはだかった。
「オイ、誰が逃げていいと言った?店長、テメェを殺せば、店は俺たちのモンやなぁ!!」
日本刀で斬りかかろうとした時、美夜子が木刀で防いだ。
「ぬぅ!」
「早く逃げて!」
「ありがとう!」
2人は階段を駆け降り、所長に車で送ってもらった。警察に通報し、上手く時間を稼ぐ。目的を果たした雅文と美夜子は、警察に通報したことを知り、後は逃げ切ることを考えた。
「さて、後はここを出るだけやな。」
「そうね、でも、それが1番難しいのよね。」
階段に向かう所は、髑髏城の手下が封鎖している。
「好き放題暴れよって、逃げ切れると思うな!」
「グハハハハ!!逃げられへんで~!!これでも食らえ!」
ブーメランのように、謎の筒を投げてきた。かわすと、それは爆発した。
「ダイナマイト?!」
「グハハハハ!!貴様ら吹き飛ばすで~!!」
2人はそれを避けながら、ドアを目指すが、逆に奴らは人海戦術で壁を作って前進してきたので、逆に窓際に追い詰められた。
「くっ…。」
「何とか、美夜子だけでも逃がすわ…。」
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「追い詰められたんやな…。よし、やるで!」
美夜子をお姫様抱っこし、窓際に近づく。
「オイ、逃げられると思うな!」
手下が雅文に発砲。雅文は盾になって美夜子を守る。
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「雅文、生きて帰ってね。」
美夜子を窓の外に投げ、それを所長がキャッチした。警察も駆けつけ、雅文の救出と髑髏城一派の逮捕のため、廃ビルの中に突入する。
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口から血を流し、息も絶え絶えの状態で毒づく。警察が駆けつけ、手下達を逮捕する。
「くっ…。余計なマネを…。」
すると、リッキー吉川が背後に回り、雅文の後頭部目掛けてハンマーで殴った。
「食らえ!びっくりハンマー!!!」
「うっ!」
頭から血が流れ、雅文は倒れ込む。そこに幹部が拳銃で2発、雅文を撃った。血を流して倒れる雅文。
(ハァハァ、クソォ…。ここまでか…。)
薄れゆく意識の中、雅文はこの戦いの敗北を悟った。血が流れ、内臓がズキズキと痛む。
「じゃあな。」
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(ハァハァ…。痛い…。血の臭いが…。うぅ、吐きそう…。ハァハァ…。スゲェ、気持ち悪ぃ…。内臓が…。もうあれか…。粥しか啜られへんのか…。)
「雅文!救急車や!」
10分後、警察によって髑髏城の手下は逮捕されたが、幹部とリッキーだけ逃げた。救急車で雅文は救急搬送された。
「美夜子、玲奈ちゃん。もう上がってていいよ。後は私が責任もって雅文を看るから。」
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