小鳥遊くんちの執事くん

七々虹海

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「悠仁さ~ん!悠仁さ~ん!」

「そんな大きい声出さなくても聞こえるし…って、お前…次郎担いで…とうとうおかしくなったか」

「違いますよ!俺ら両想いになったんです!ジロとはもう恋人同士なんですよ!悠仁さんにはずっと相談に乗ってもらってたので、一番に報告しなきゃと思って!」

「(相談て…お前が勝手に次郎の事語ってただけだろ)とりあえず次郎下ろしてやれよ」

「あっ、そっか」
やっ、やっと下ろされた。地面よこんにちは。
「おい、次郎。お前、こんな変態でいいのか?」

「悠仁さん!ジロね、俺のことね、ジロが」
「おい、総一郎。お前に聞いてんじゃねえから」
「は、はい」
「次郎」

「あの、ぼく…ぼくにこんな格好させたりしなければ素直に好きって言えるのになぁって思ってたんですけど。ちょっと変態でもこうやって一緒にふざけられる、このままの総ちゃんが好きなんだって気づいてしまって…」

「まぁ、傍目から見ても薄々そうかとは思っていたが、自分で気づいちまったか。次郎、あんまりこいつ甘やかして全部言う事聞かなくていいんだからな。恋人だろうと、嫌な時は嫌と…」 

「悠仁さん、説教するお祖父様みたいだ」
「なんだと総一郎!」
「へへっ、報告終わり!行こう、ジロ」
「うん。じゃ、悠仁さん、今言われた事覚えときますね」

「あぁ、本っ当に胸に刻んどけよ。まぁ、仲良くな」



 それからというもの、会社での社会勉強を終えたぼくは、いつも通りお屋敷の仕事に戻った。
 総ちゃんと一緒にいられる時間は減ったけれど、総ちゃんが帰ってくるお屋敷を守るお仕事ってのは案外誇らしいもんだなって思ってたりする。

 恋人になったから。って、夜は添い寝して、抱き枕になってくれる?っていう総ちゃんの可愛いお願いはきいてあげる事にしたんだ。
 ぼくも触れあえるのは嬉しいし、その時くらいしか、恋人らしくいられないからね。




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