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外伝)兄、母のキセキをたどる。
4.トンネルの先の世界
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「フッー、やっと森を抜けたか。」
鳥居の下からいきなり真っ暗な穴に転移した時は焦ったがワープか?もしくは魔法の仕掛けがあったのか?
召喚とは違うし、うーん、実在に体感すると変なものだ。
母さんの持ち物リストで山奥の田舎なのかと思ったが、まさか深い森の中だったとは。
ま、地図の通り、湖からの街道への道は一本道だったからな。
地図の感じだと街道から王都へは夕方には着くだろう。
おっ!馬車だ!
馬に乗ってる人もいる。
良かった。道を聞こう。
「あれ?」
目につく人が皆んな西洋人だ。
嘘だろ言葉は通じるのか、、
丁度、ロバに乗った人の良さそうなお爺さんが向かってくる。
「すいません!道を教えて下さい。」
「おや。歩きの人とは珍しいね。
何処へ行くんだい?」
「えっーと、ここです。」
母さんの大まかな地図をお爺さんに見せた。
「ああ。あっちだよ。同じ方向なら乗せてあげたんだけどねぇ。大丈夫かい?明るいうちには着けないよ。」
「えっ?あっ、はい。準備して来てます。」
「若いとはいえ盗賊には気をつけるだよ。」
えっ!盗賊だって?
そんなの聞いてないぞ。
早く行こう。そうだヒッチハイクをしよう!
ダメだ。誰も止まらない。
クソッ、母さん聞いてないよ。
「兄ちゃん、重そうなカバンだな。ここに置いていきな。」
振り向くとガラの悪い男が4人、剣を手にしてニヤニヤしている。
「さあ、早くしな。待たせたらどうなるかわかるだろう?」
「どうぞ~」
その場に置くと慌てて走ってその場を離れた。
こんなに走ったのは学生時代のマラソン大会以来だ。
殺されるかと思ったぞ。こんなに怖い思いは初めてだ。
今からでも引き返すか?
イヤイヤ
アイツらがまだあの辺りに居るかもしれない。
とにかく街を目指して先に行こう。
やばい。薄暗くなって来た。
さっきまでスピードを上げて走っていた馬車の数も殆ど来なくなった。
こんな人も街灯もない薄暗い道で俺、何やってんだろ?
頭に付けたライトをオンにしてトボトボと歩いていると馬が駆ける音が近づいてきた。
「おい!お前!」
またか、、
また剣をかざしている。
もう渡せる物なんてないよ。
「おい!何だその頭の灯りは?何故歩きなんだ?何処の街の者だ?」
「あ、、王都です。これはライトです。」
オンオフを何度かしてみせるといきなり取り上げられた。
「初めて見る物だな。お前知ってるか?」
「いや。凄い光だな。それにこんな時間に街道を歩いてるとはあやしい奴だ。とにかく一緒に来てもらうぞ。乗れ!」
手を縛れると無理矢理に馬に二人乗りをさせられた。
怖い。落ちそうだ。
揺れる。落ちるぞ。
ああ、俺の人生終わったー。
鳥居の下からいきなり真っ暗な穴に転移した時は焦ったがワープか?もしくは魔法の仕掛けがあったのか?
召喚とは違うし、うーん、実在に体感すると変なものだ。
母さんの持ち物リストで山奥の田舎なのかと思ったが、まさか深い森の中だったとは。
ま、地図の通り、湖からの街道への道は一本道だったからな。
地図の感じだと街道から王都へは夕方には着くだろう。
おっ!馬車だ!
馬に乗ってる人もいる。
良かった。道を聞こう。
「あれ?」
目につく人が皆んな西洋人だ。
嘘だろ言葉は通じるのか、、
丁度、ロバに乗った人の良さそうなお爺さんが向かってくる。
「すいません!道を教えて下さい。」
「おや。歩きの人とは珍しいね。
何処へ行くんだい?」
「えっーと、ここです。」
母さんの大まかな地図をお爺さんに見せた。
「ああ。あっちだよ。同じ方向なら乗せてあげたんだけどねぇ。大丈夫かい?明るいうちには着けないよ。」
「えっ?あっ、はい。準備して来てます。」
「若いとはいえ盗賊には気をつけるだよ。」
えっ!盗賊だって?
そんなの聞いてないぞ。
早く行こう。そうだヒッチハイクをしよう!
ダメだ。誰も止まらない。
クソッ、母さん聞いてないよ。
「兄ちゃん、重そうなカバンだな。ここに置いていきな。」
振り向くとガラの悪い男が4人、剣を手にしてニヤニヤしている。
「さあ、早くしな。待たせたらどうなるかわかるだろう?」
「どうぞ~」
その場に置くと慌てて走ってその場を離れた。
こんなに走ったのは学生時代のマラソン大会以来だ。
殺されるかと思ったぞ。こんなに怖い思いは初めてだ。
今からでも引き返すか?
イヤイヤ
アイツらがまだあの辺りに居るかもしれない。
とにかく街を目指して先に行こう。
やばい。薄暗くなって来た。
さっきまでスピードを上げて走っていた馬車の数も殆ど来なくなった。
こんな人も街灯もない薄暗い道で俺、何やってんだろ?
頭に付けたライトをオンにしてトボトボと歩いていると馬が駆ける音が近づいてきた。
「おい!お前!」
またか、、
また剣をかざしている。
もう渡せる物なんてないよ。
「おい!何だその頭の灯りは?何故歩きなんだ?何処の街の者だ?」
「あ、、王都です。これはライトです。」
オンオフを何度かしてみせるといきなり取り上げられた。
「初めて見る物だな。お前知ってるか?」
「いや。凄い光だな。それにこんな時間に街道を歩いてるとはあやしい奴だ。とにかく一緒に来てもらうぞ。乗れ!」
手を縛れると無理矢理に馬に二人乗りをさせられた。
怖い。落ちそうだ。
揺れる。落ちるぞ。
ああ、俺の人生終わったー。
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