22 / 30
外伝)娘が貴方を追いかけて
3.日本円が使えない
しおりを挟む
今日は、この町を見て過ごそうと、まず市場に行ってみる。
見た事のない食材や花が並べられ、行き交う人々も外国人ばかり。
しかも赤や緑とパンクな髪や目の人も多い。
やはりここはおかしい、、日本に居たはずなのに。
信じたくないけど、、、
これって、夢?
「キャー泥棒!」
前方で声が上がった。
花柄の手提げ袋を持った男が横を通り過ぎる時、とっさに足を出した。
ザッザー
男がこけて手に持っていた袋を手放した。
男は袋を諦め、私を睨みつけお決まりの捨て台詞「覚えておけよ!」を言い去って行った。
袋の持ち主の母の年齢位のオバさんは、カバンを拾うと声をかけてきた。
「あんた、ありがとうよ。」
「手提げが戻って良かったですね。」
「私はロッタて言うんだ。お礼をさせておくれよ。」
「いいです、大丈夫ですよ。あっ!」
ロッタさんは遠慮する私をグイグイと引っ張り、やがてロッタさんがオーナーだと言う洋服やアクセサリーの店に到着した。
「さっき市場で買ったおやつだよ。ちょっと座って食べて待ってておくれれ。」
部屋から消えたかと思うと別室から綺麗な布を抱えて戻って来た。
「あんた、女の子だろ?その服からしてこの国の人じゃないね。
これじゃ男の子の服だよ。女の子はちゃんと可愛くしとかなくちゃ。娘のお下がりだけど使っておくれ。」
遠慮をしたけど強引に手慣れた手つきで服を着せてくれた。
「折角の綺麗な髪なんだから服に合わせて髪もセットしようかねぇ。」
鏡を見るとすっかりこの国の人だ。
髪飾りは、これだね。と店の商品を持ってくる。
「見違えったじゃないか。すっかり美人さんだよ。」
自分でもビックリした。ロッタさんの娘さんのセンスが良いのもあるんだろうな。
髪飾りの代金だけでも払おうとサイフを出したら静止された。
「髪飾りもあんたにあげるんだ。お礼なんだからお金はいらないよ。」
「ありがとうございます。助かります!
じゃあ、代わりに久しぶりに母に会うので土産にアクセサリーを買います。」
迷ったけれど青い石の付いた髪飾りに決めた。
「これにします。」
財布からお札を出すとロッタさんが残念な顔をした。
「外国のお金だね。ここでは使えないよ。」
「どうしよう、、」
お金が使えないなんて予想してなかったのでショックだった。
「あのさ、うちは買取もしてるんだ。良かったらあんたの身につけているアクセサリーを現金買取りしてあげるよ。」
「本当に?」
ロッタさんからこの国のお金を受け取ると青い石の髪飾りの代金を渡した。
「ロッタさんのお陰でこの国のお金とお土産も手に出来て良かったわ。」
「困った時はお互い様だよ。
お母さんに会えるといいね。大通りまで送るよ。」
「かえってすいません。道に慣れてなくって。助かります。」
暖かく太っ腹なロッタさんに別れを言い、なんだか暖かい気持ちで寺院へ戻った。
見た事のない食材や花が並べられ、行き交う人々も外国人ばかり。
しかも赤や緑とパンクな髪や目の人も多い。
やはりここはおかしい、、日本に居たはずなのに。
信じたくないけど、、、
これって、夢?
「キャー泥棒!」
前方で声が上がった。
花柄の手提げ袋を持った男が横を通り過ぎる時、とっさに足を出した。
ザッザー
男がこけて手に持っていた袋を手放した。
男は袋を諦め、私を睨みつけお決まりの捨て台詞「覚えておけよ!」を言い去って行った。
袋の持ち主の母の年齢位のオバさんは、カバンを拾うと声をかけてきた。
「あんた、ありがとうよ。」
「手提げが戻って良かったですね。」
「私はロッタて言うんだ。お礼をさせておくれよ。」
「いいです、大丈夫ですよ。あっ!」
ロッタさんは遠慮する私をグイグイと引っ張り、やがてロッタさんがオーナーだと言う洋服やアクセサリーの店に到着した。
「さっき市場で買ったおやつだよ。ちょっと座って食べて待ってておくれれ。」
部屋から消えたかと思うと別室から綺麗な布を抱えて戻って来た。
「あんた、女の子だろ?その服からしてこの国の人じゃないね。
これじゃ男の子の服だよ。女の子はちゃんと可愛くしとかなくちゃ。娘のお下がりだけど使っておくれ。」
遠慮をしたけど強引に手慣れた手つきで服を着せてくれた。
「折角の綺麗な髪なんだから服に合わせて髪もセットしようかねぇ。」
鏡を見るとすっかりこの国の人だ。
髪飾りは、これだね。と店の商品を持ってくる。
「見違えったじゃないか。すっかり美人さんだよ。」
自分でもビックリした。ロッタさんの娘さんのセンスが良いのもあるんだろうな。
髪飾りの代金だけでも払おうとサイフを出したら静止された。
「髪飾りもあんたにあげるんだ。お礼なんだからお金はいらないよ。」
「ありがとうございます。助かります!
じゃあ、代わりに久しぶりに母に会うので土産にアクセサリーを買います。」
迷ったけれど青い石の付いた髪飾りに決めた。
「これにします。」
財布からお札を出すとロッタさんが残念な顔をした。
「外国のお金だね。ここでは使えないよ。」
「どうしよう、、」
お金が使えないなんて予想してなかったのでショックだった。
「あのさ、うちは買取もしてるんだ。良かったらあんたの身につけているアクセサリーを現金買取りしてあげるよ。」
「本当に?」
ロッタさんからこの国のお金を受け取ると青い石の髪飾りの代金を渡した。
「ロッタさんのお陰でこの国のお金とお土産も手に出来て良かったわ。」
「困った時はお互い様だよ。
お母さんに会えるといいね。大通りまで送るよ。」
「かえってすいません。道に慣れてなくって。助かります。」
暖かく太っ腹なロッタさんに別れを言い、なんだか暖かい気持ちで寺院へ戻った。
0
お気に入りに追加
56
あなたにおすすめの小説
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
異世界召喚されたけどヤバい国だったので逃げ出したら、イケメン騎士様に溺愛されました
平山和人
恋愛
平凡なOLの清水恭子は異世界に集団召喚されたが、見るからに怪しい匂いがプンプンしていた。
騎士団長のカイトの出引きで国を脱出することになったが、追っ手に追われる逃亡生活が始まった。
そうした生活を続けていくうちに二人は相思相愛の関係となり、やがて結婚を誓い合うのであった。
帰らなければ良かった
jun
恋愛
ファルコン騎士団のシシリー・フォードが帰宅すると、婚約者で同じファルコン騎士団の副隊長のブライアン・ハワードが、ベッドで寝ていた…女と裸で。
傷付いたシシリーと傷付けたブライアン…
何故ブライアンは溺愛していたシシリーを裏切ったのか。
*性被害、レイプなどの言葉が出てきます。
気になる方はお避け下さい。
・8/1 長編に変更しました。
・8/16 本編完結しました。
W-score
フロイライン
恋愛
男に負けじと人生を仕事に捧げてきた山本 香菜子は、ゆとり世代の代表格のような新入社員である新開 優斗とペアを組まされる。
優斗のあまりのだらしなさと考えの甘さに、閉口する香菜子だったが…
私が美女??美醜逆転世界に転移した私
鍋
恋愛
私の名前は如月美夕。
27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。
私は都内で独り暮らし。
風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。
転移した世界は美醜逆転??
こんな地味な丸顔が絶世の美女。
私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。
このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。
※ゆるゆるな設定です
※ご都合主義
※感想欄はほとんど公開してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる