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15.ジェイクウッドの婚約者候補
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*****
「ちょっと大変よ!さっき城使えしている親族に聞いたのだけど。」
「えっ?そんなに慌ててどうしたんですの?」
「先程、ジェイクウッド殿下が城のお庭で玲奈貴人の肩を抱いていらしたそうよ。」
「んまぁ!」
貴婦人らしからぬ素っ頓狂な声が出た。
「他の婚約者候補の方とは会う時間が無いとお会いして無いのに。お相手が玲奈貴人に決まったと言う事?」
「一大事だわ!早速、夫と一緒に玲奈貴人にご挨拶に伺うわ。」
「そうよ!早くお会いして私くし達の派閥の後ろ立てにするのよ!」
*****
玲奈貴人がジェイクウッド殿下の婚約者内定の噂が瞬く間に広がった。
その頃、王城の温室ではジェイクウッド殿下と婚約者候補のエリザベス公爵令嬢がお茶をしている。
「ジェイク様、最近は特に忙しいのですね。私くしと会う時間もないのですね。」
豊かな波打った金髪をゆるく三つ編みにしてそこに花の飾りを沢山刺して花の妖精の様だ。
「すまない。」
「お手紙のお返事と花のプレゼントだけでは満足できませんわ。貴方は平気ですの?」
「本当にすまない。」
「私くしは、その程度の女だったと言う事ですのね。」
エリザベスは立ち上がりクルリと後ろを向いた。
「わかりました。婚約者候補を降りましょう。ただし!玲奈貴人が、候補に上がることは許せませんから。」
「なぜ玲奈貴人が出てくる?二人の問題だろう?」
「私くし、知っていますのよ。ジェイクウッド様が玲奈貴人に愛称で呼ばせている事を。」
「玲奈貴人は、王族が保護する者。それに私のせいでここに来てしまった。私が責任を持って面倒を見てやらないでどうする?」
「面倒を見なくてもルナに言ってお返しになればよろしいでしょうに。そして新しく男の貴人を招けばよいのです。」
「簡単に返せないのは知っているだろう?ルナは気まぐれなんだ。」
「わかりません!もう、、よいです。失礼します。」
そう告げると走り去った。ジェイクは後を追おうともせずため息を吐いた。
「はぁー、何で婚約者候補の令嬢達は揃いも揃って理解しないのだろう。これで10人全員からだ。」
護衛の近衛騎士も同情を隠せない。
「お気の毒ですが、、皆様名家のご令嬢ですからね。プライドがおありなんですよ。
いっその事、玲奈貴人と婚約されては如何でしょう?」
「それは、、、そうだな!彼女なら性格も良いし貴族間の派閥も気にしなくて良い。何より貴人だ。誰も文句は言わないだろ。早速、父上に提案しよう。」
「ちょっと大変よ!さっき城使えしている親族に聞いたのだけど。」
「えっ?そんなに慌ててどうしたんですの?」
「先程、ジェイクウッド殿下が城のお庭で玲奈貴人の肩を抱いていらしたそうよ。」
「んまぁ!」
貴婦人らしからぬ素っ頓狂な声が出た。
「他の婚約者候補の方とは会う時間が無いとお会いして無いのに。お相手が玲奈貴人に決まったと言う事?」
「一大事だわ!早速、夫と一緒に玲奈貴人にご挨拶に伺うわ。」
「そうよ!早くお会いして私くし達の派閥の後ろ立てにするのよ!」
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玲奈貴人がジェイクウッド殿下の婚約者内定の噂が瞬く間に広がった。
その頃、王城の温室ではジェイクウッド殿下と婚約者候補のエリザベス公爵令嬢がお茶をしている。
「ジェイク様、最近は特に忙しいのですね。私くしと会う時間もないのですね。」
豊かな波打った金髪をゆるく三つ編みにしてそこに花の飾りを沢山刺して花の妖精の様だ。
「すまない。」
「お手紙のお返事と花のプレゼントだけでは満足できませんわ。貴方は平気ですの?」
「本当にすまない。」
「私くしは、その程度の女だったと言う事ですのね。」
エリザベスは立ち上がりクルリと後ろを向いた。
「わかりました。婚約者候補を降りましょう。ただし!玲奈貴人が、候補に上がることは許せませんから。」
「なぜ玲奈貴人が出てくる?二人の問題だろう?」
「私くし、知っていますのよ。ジェイクウッド様が玲奈貴人に愛称で呼ばせている事を。」
「玲奈貴人は、王族が保護する者。それに私のせいでここに来てしまった。私が責任を持って面倒を見てやらないでどうする?」
「面倒を見なくてもルナに言ってお返しになればよろしいでしょうに。そして新しく男の貴人を招けばよいのです。」
「簡単に返せないのは知っているだろう?ルナは気まぐれなんだ。」
「わかりません!もう、、よいです。失礼します。」
そう告げると走り去った。ジェイクは後を追おうともせずため息を吐いた。
「はぁー、何で婚約者候補の令嬢達は揃いも揃って理解しないのだろう。これで10人全員からだ。」
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「お気の毒ですが、、皆様名家のご令嬢ですからね。プライドがおありなんですよ。
いっその事、玲奈貴人と婚約されては如何でしょう?」
「それは、、、そうだな!彼女なら性格も良いし貴族間の派閥も気にしなくて良い。何より貴人だ。誰も文句は言わないだろ。早速、父上に提案しよう。」
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