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第11話
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「殿下方、到着しました」
馬車の外から御者がそう言った。殿下はその声でハッとした表情になり、私から距離をとった。しかし、殿下の顔は暗いままで、しょんぼりとしている。その雰囲気は大切な人を失った寡夫のようだ。
御者のおかげで助かった気分ですわ……。殿下には申し訳ないですけど、なんて良いタイミングなの。
殿下は馬車の扉を開けて先に降りる。その後に続いて殿下に差し出された手を取り私も馬車を降りた。
その間ずっと殿下の先の発言について考えていた。腕を捧げられたところで私は人体に興味はないし、それを受け取って喜ぶような狂人ではない。帯剣している殿下が馬車の中で本当に腕を切り落としたりしないかひやひやしましたわ。
エミリーの言う通りね。私自分が大事、自分が可愛いんですわ。自分が怖い想いをするのが嫌、傷つくのが嫌。でも、同時に殿下のことも好きなんだと分かりましたわ。
「腕は要りませんわ。エミリーにも好きな殿方がいるようですし、私が嫉妬しただけですわ」
殿下の化けの皮……いや、本性が最近よく見え隠れしているように感じますわ。思えば殿下が私の執務室に訪れたあたりかしら。何かした覚えもありませんけど……。
「嫉妬……?ローゼが?誰に?僕に?」
ぷつりぷつりと呟くたびに殿下の顔が明るくなっていく。目が星屑のようにキラキラと輝いた。
「はい。私が殿下に、です」
私は頷いた。殿下はニコニコと先ほどとは打って変わって雰囲気が朗らかになった。
「そっか、嬉しいな」
「ところでここは?」
私たちは王室御用達の小さな看板がぶら下がる店の前に来た。
「僕たちが使う仕立て屋だよ」
「始めて来ましたわ。殿下の服を身繕いに来たのですね」
「違うよ」
殿下はそれ以上何も言わずに私の手を引いて仕立て屋へと入った。
入れば店員の顔が緊張感に満ち溢れ、応接間のような綺麗な部屋に通された。
店員は私と殿下が一緒にいることには驚きもしなかった。さすが王室御用達と言う感じだ。口の堅そうな人ばかりだ。
「この女性に合いそうなドレスを持ってきてくれ」
殿下は私の肩に手を置きそう言った。
「かしこまりました」
そう頭を下げて店員は店の奥へと消えていった。
私はだらだらと汗が出てきた。
「ちょ、ちょっと待ってください。私のドレスですか?私も自分のがありますので」
私は殿下の両腕を掴んでくってかかった。
王室御用達ということはかなり値が張るものばかりだ。私だって身につけているものに気を遣っているとは言え、ここまで高価なものを日常的に買って使おうとは思わない。
殿下は焦る私を不思議そうに見つめる。
「近々、公爵家主催のパーティーがあるのでそれに私のパートナーとして出てもらいたいのです」
「リンクコーデと言うことですか」
公爵と言うことは国王の親類なわけですから、もちろんベルも招待されているはずね。私になんの知らせもないということはベルはマリアンヌと行くわけね。
いいわ、アイザック殿下の力を借りて闘ってやりますわ!
「もちろん同行させてもらいますわ。ですけど……」
「気にしないで、ローゼ。僕が払いますから」
そう言われて流れるように採寸したり、試着をさせてもらった。
試着するたびに殿下に囁かれる甘い言葉が恥ずかしくてたまらなかった。殿下はやはり愛おしそうな目で私を見ては満足そうにする。
殿下はパーティーに着て行く私のドレスを吟味しながら、顔を赤くしたり青ざめたり百面相になっていた。
パーティーに着て行くドレスや、普段使いできるような洋服までたくさん買ってもらってしまった。私の知らない服も殿下は買ったようで、かなりの量のため翌日家に直接送ってもらうことになった。
私たちは再び馬車に揺られながら王城へ戻る。殿下とは向かい合わせに座った。お互いに足が触れないように配慮して。
「殿下、あんなに買ってもよかったのでしょうか……」
「気にすることは無いよ。全部僕が贈りたくてローゼにあげるんだ」
「私、殿下に贈り物があるんです」
殿下は首を傾げる。そうでしょうね、何も持っていない手ぶらの私から渡せるものなんて限られていますもの。
私は殿下の秀麗な顔に近づいて、鼻がぶつからないように、唇カサカサじゃないかしらと考えながら殿下の口にキスをした。
「お返し?というか、私の返事……です」
思ったより恥ずかしいですわ……。顔が熱い。
殿下は目を丸くしたまま、綺麗な指先で自身の唇をなぞった。
カサカサだったかしら。
「……嬉しいです」
私と殿下は隣に座り、手をずっと繋いでいた。
「僕がローゼを好きになったのは、パーティーで居づらくて庭園にの奥に逃げ出した時でした」
殿下は目を閉じながら思い耽っている。
「先日昼食を食べた辺りで初めてローゼに会いました。今でも鮮明に思い出せます。ローゼと昼食を食べた所でした」
確かあのパーティーは屋外で行われていたのよね。あの庭園で広々と開放感のあるパーティーだった記憶がありますわ。天気も良くて、アイザック殿下と昼食を食べた日みたいに澄んだ空が広がっていましたわ。初めてのパーティーで舞い上がっていた記憶が鮮明に蘇ってきた。
あんな場所に行った記憶と殿下とそこで話した記憶は思い出せなかった。そのあとしばらく後をついて回られたのは覚えているけれど。
「僕を見るみんなの目が怖くて逃げてたんです。でも、ローゼは僕のことを側室の子、爵位のない母から生まれた子ではなく一人の子どもとして対等に接してくれたのが嬉しかった。いっぱいお話ししたんですけど、きっと覚えてないですよね」
「覚えてないです、すみません」
「いえ。……僕と遊んだ後すぐに兄上と会って記憶が兄上に全て取られてしまったのかもしれないです」
恥ずかしそうに、淋しそうに殿下ははにかんだ。
「お恥ずかしい限りです」
「その時から僕はローゼ一筋です」
は、恥ずかしい。そんなふうに思われていたことも、それに長年気づかなかったことも含めて恥ずかしい。
でもそれにしてはアイザック殿下は私の前に姿を現すことが少なかったような気がしますわ。
「そしたらもっとアプローチしてくださっても良かったのでは?」
殿下は頬を掻きながら苦笑いをする。
「本当に今ではそう思います。……自分の立場が恥ずかしかったのと、兄上と並んで笑っているローゼを見たくなかったのが一番ですかね」
ちょっと前の私みたいだわ。ベルがマリアンヌと笑い合って楽しそうにしているのを見ると胸が苦しくなって消えたくなる。
そんな感情を懐かしんでいると、殿下が殿下に握られている私の手の甲にキスをした。
「今は幸せです……とっても」
「私も幸せですわ」
でも私は自分の中にある想いを口には出さなかった。それは殿下も同じで、この戦友という関係が終わるまではきっと告げることはないだろう。
馬車の外から御者がそう言った。殿下はその声でハッとした表情になり、私から距離をとった。しかし、殿下の顔は暗いままで、しょんぼりとしている。その雰囲気は大切な人を失った寡夫のようだ。
御者のおかげで助かった気分ですわ……。殿下には申し訳ないですけど、なんて良いタイミングなの。
殿下は馬車の扉を開けて先に降りる。その後に続いて殿下に差し出された手を取り私も馬車を降りた。
その間ずっと殿下の先の発言について考えていた。腕を捧げられたところで私は人体に興味はないし、それを受け取って喜ぶような狂人ではない。帯剣している殿下が馬車の中で本当に腕を切り落としたりしないかひやひやしましたわ。
エミリーの言う通りね。私自分が大事、自分が可愛いんですわ。自分が怖い想いをするのが嫌、傷つくのが嫌。でも、同時に殿下のことも好きなんだと分かりましたわ。
「腕は要りませんわ。エミリーにも好きな殿方がいるようですし、私が嫉妬しただけですわ」
殿下の化けの皮……いや、本性が最近よく見え隠れしているように感じますわ。思えば殿下が私の執務室に訪れたあたりかしら。何かした覚えもありませんけど……。
「嫉妬……?ローゼが?誰に?僕に?」
ぷつりぷつりと呟くたびに殿下の顔が明るくなっていく。目が星屑のようにキラキラと輝いた。
「はい。私が殿下に、です」
私は頷いた。殿下はニコニコと先ほどとは打って変わって雰囲気が朗らかになった。
「そっか、嬉しいな」
「ところでここは?」
私たちは王室御用達の小さな看板がぶら下がる店の前に来た。
「僕たちが使う仕立て屋だよ」
「始めて来ましたわ。殿下の服を身繕いに来たのですね」
「違うよ」
殿下はそれ以上何も言わずに私の手を引いて仕立て屋へと入った。
入れば店員の顔が緊張感に満ち溢れ、応接間のような綺麗な部屋に通された。
店員は私と殿下が一緒にいることには驚きもしなかった。さすが王室御用達と言う感じだ。口の堅そうな人ばかりだ。
「この女性に合いそうなドレスを持ってきてくれ」
殿下は私の肩に手を置きそう言った。
「かしこまりました」
そう頭を下げて店員は店の奥へと消えていった。
私はだらだらと汗が出てきた。
「ちょ、ちょっと待ってください。私のドレスですか?私も自分のがありますので」
私は殿下の両腕を掴んでくってかかった。
王室御用達ということはかなり値が張るものばかりだ。私だって身につけているものに気を遣っているとは言え、ここまで高価なものを日常的に買って使おうとは思わない。
殿下は焦る私を不思議そうに見つめる。
「近々、公爵家主催のパーティーがあるのでそれに私のパートナーとして出てもらいたいのです」
「リンクコーデと言うことですか」
公爵と言うことは国王の親類なわけですから、もちろんベルも招待されているはずね。私になんの知らせもないということはベルはマリアンヌと行くわけね。
いいわ、アイザック殿下の力を借りて闘ってやりますわ!
「もちろん同行させてもらいますわ。ですけど……」
「気にしないで、ローゼ。僕が払いますから」
そう言われて流れるように採寸したり、試着をさせてもらった。
試着するたびに殿下に囁かれる甘い言葉が恥ずかしくてたまらなかった。殿下はやはり愛おしそうな目で私を見ては満足そうにする。
殿下はパーティーに着て行く私のドレスを吟味しながら、顔を赤くしたり青ざめたり百面相になっていた。
パーティーに着て行くドレスや、普段使いできるような洋服までたくさん買ってもらってしまった。私の知らない服も殿下は買ったようで、かなりの量のため翌日家に直接送ってもらうことになった。
私たちは再び馬車に揺られながら王城へ戻る。殿下とは向かい合わせに座った。お互いに足が触れないように配慮して。
「殿下、あんなに買ってもよかったのでしょうか……」
「気にすることは無いよ。全部僕が贈りたくてローゼにあげるんだ」
「私、殿下に贈り物があるんです」
殿下は首を傾げる。そうでしょうね、何も持っていない手ぶらの私から渡せるものなんて限られていますもの。
私は殿下の秀麗な顔に近づいて、鼻がぶつからないように、唇カサカサじゃないかしらと考えながら殿下の口にキスをした。
「お返し?というか、私の返事……です」
思ったより恥ずかしいですわ……。顔が熱い。
殿下は目を丸くしたまま、綺麗な指先で自身の唇をなぞった。
カサカサだったかしら。
「……嬉しいです」
私と殿下は隣に座り、手をずっと繋いでいた。
「僕がローゼを好きになったのは、パーティーで居づらくて庭園にの奥に逃げ出した時でした」
殿下は目を閉じながら思い耽っている。
「先日昼食を食べた辺りで初めてローゼに会いました。今でも鮮明に思い出せます。ローゼと昼食を食べた所でした」
確かあのパーティーは屋外で行われていたのよね。あの庭園で広々と開放感のあるパーティーだった記憶がありますわ。天気も良くて、アイザック殿下と昼食を食べた日みたいに澄んだ空が広がっていましたわ。初めてのパーティーで舞い上がっていた記憶が鮮明に蘇ってきた。
あんな場所に行った記憶と殿下とそこで話した記憶は思い出せなかった。そのあとしばらく後をついて回られたのは覚えているけれど。
「僕を見るみんなの目が怖くて逃げてたんです。でも、ローゼは僕のことを側室の子、爵位のない母から生まれた子ではなく一人の子どもとして対等に接してくれたのが嬉しかった。いっぱいお話ししたんですけど、きっと覚えてないですよね」
「覚えてないです、すみません」
「いえ。……僕と遊んだ後すぐに兄上と会って記憶が兄上に全て取られてしまったのかもしれないです」
恥ずかしそうに、淋しそうに殿下ははにかんだ。
「お恥ずかしい限りです」
「その時から僕はローゼ一筋です」
は、恥ずかしい。そんなふうに思われていたことも、それに長年気づかなかったことも含めて恥ずかしい。
でもそれにしてはアイザック殿下は私の前に姿を現すことが少なかったような気がしますわ。
「そしたらもっとアプローチしてくださっても良かったのでは?」
殿下は頬を掻きながら苦笑いをする。
「本当に今ではそう思います。……自分の立場が恥ずかしかったのと、兄上と並んで笑っているローゼを見たくなかったのが一番ですかね」
ちょっと前の私みたいだわ。ベルがマリアンヌと笑い合って楽しそうにしているのを見ると胸が苦しくなって消えたくなる。
そんな感情を懐かしんでいると、殿下が殿下に握られている私の手の甲にキスをした。
「今は幸せです……とっても」
「私も幸せですわ」
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