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第1章 旅の途中で

ブサイク戦士とイケメン勇者

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「全く面白くねぇ!」そう呟くのは背も高く筋肉隆々だが顔がブサイクの戦士ハガネと言う男。
ここはブレンデン城下町の酒場。その酒場のマスターが言う。
「俺は分かってたよ、長年色んな冒険者を見てきたからな。あのドラゴンを倒したのはアンタだって事」
「そう言ってくれるのはマスターだけだよ、町の連中も城の王様以下みんなあの兵六玉がドラゴンから町を救ったと本気で思ってやがる!」
「そう言えばあのイケメン勇者さんはどこに行ったんだい?」
「今頃お城の舞踏会でお姫様とダンスでもしてんだろうよ、何でもあのブルードラゴンの首を取った勇者様へのお礼だとさ」そう吐き捨てるように言うとハガネはビールを一気に飲み干した。
「しかし何であの弱い勇者がドラゴンを討ち取った話になってんだい?」それがなぁ
・・・回想・・・今から3日前の事ブレンデンの冒険者ギルドにて
「このドラゴンの討伐とやらはまだ募集してんのかい?」
受け付け嬢「えっ?は、はいでももう行っても遅いかもしれませんよ?」
「どうゆうこっちゃい?」
「知らないのですか?ついさっき勇者様が来てこの依頼を聞いてドラゴンの巣に行きましたからもう今頃行っても遅いのではないでしょうか?」
ハガネは苦虫を噛み潰したような顔で「その勇者ってのは強いのかい?」
「何でもかなりの強さみたいですよ何かお金持ちの馬車からゴブリンの群れを追い払ったらしいですよ」
ハガネは呆れて言った「はあ?ゴブリン?ゴブリンねぇ」ハガネはそう呟くとギルドを後にした。
そしてその足で武器屋に向かった。「いらっしゃいませ」
「この店で1番破壊力のある武器は何だい?」
「それはこれでしょ?」そう言うと武器屋は重そうに巨大な斧を出してきた。
「斧か、しかもこりゃあ巨人の斧じゃねぇか」
「はい、お客様が1番破壊力のある武器とおっしゃったのでお持ちしました」そう言うと武器屋はニヤニヤとして「とは言ってもここ10年この武器を持つことすら出来ない人ばかりですがね」「お客様が1番破壊力のある武器とおっしゃったのでお持ちしたんですよ?だからお持ちした次第です」
するとハガネはあっさりとこう言った。
「分かった!これを買おう!」
「はっ?話聞いてました?」
「聞いてたよ」そう言うとハガネはその武器屋が両手で重そうに持ってきた巨人の斧を片手で軽々と持ち上げさらにまるで家が吹っ飛びそうな勢いで斧を一振りした。
「ひぃぁ!」
「金はここに置いとくぜじゃあな!」そう言うとハガネは巨人の斧を軽々と持ち店を後にした。
「何者だ?あの人・・・」武器屋は唖然としてハガネを見送った。
場所は変わってここはドラゴンの巣。勢いよくここに来た勇者だったがそのブルードラゴンの凄まじい迫力なそのドラゴンに近寄ることも出来ずただふるえて岩陰から見ていた。するとポンっと肩を叩かれた。「ヒェっ!」勇者は思わず言った。
そこにはハガネが立っていた。「アンタが勇者さんかい?何だ?まだドラゴン生きてるじゃねぇか?」
「あ、当たり前だ!あれを見て分からんのか?あんな化け物倒せるものか!」 ハガネは「ふ~ん?」と言うとスタスタとドラゴンに近づいた。 勇者は慌てて「おいっバカか?お前」
するとブルードラゴンは目を覚まして威嚇するように唸り声を上げた。 
勇者「ひぃぃい!と言うと一目散に岩陰に隠れる。
「悪いなお前、大して何の悪さもしてないのにでもよ俺も生きていく為だから許してくれよな」そう言うとハガネは巨人の斧を一振りした。するとまるでチーズでも切るようにスパッとブルードラゴンの首が飛んだ!
そして飛んだ首は岩陰に居た勇者の元へ勇者「ひぃぃぃ!?あれ?」そう言うがはやいか勇者はその首を持って一目散に逃げていった。
「あっおいそれは俺の物!」と言ってももう遅く勇者は脱兎の如く逃げていった。
「くっそ!あの野郎手柄を・・・」そう言うとハガネはドラゴンの巣を見た。大体がガラクタだったがその中で光る玉を見つけた。
「これは如意宝珠か?」そう言うとハガネはその玉を持つとそこを後にした。
そして現在、
「お陰で今回はタダ働きだよ」唯一のお宝がこれか、そう言うとハガネは懐から如意宝珠を取り出した。
マスターは驚いた。「戦士さんこりゃ何でも願いが叶うと言われてる如意宝珠じゃないですかい?こりゃあすげぇ」 
「ふ~むこれなぁ・・・やはりあんな使い方がいいかな?」ハガネはそう考えた。
「じゃあなマスター死ぬなよ」
「どう言う事だい?」
「今に分かる」そう呟くとハガネは酒場を後にするとそのままブレンデンの街を後にすると南へと向かった道中如意宝珠を取り出すとこう言った。
「願いを叶える玉よどうかお城にあるドラゴンを生き返らせたまえ!」如意宝珠が勢いよく輝く!
その頃ブレンデン城ではイケメン勇者がお城の女の子達に囲まれすっかりいい気分だった。「流石勇者様です!あのブルードラゴンをあっさり倒して首を持ち帰るなんて凄い!」
「いやあそれほどでもないさ!」そう言うと満面の笑みを浮かべる。
とそこにいきなりドラゴンの体が現れて首がつながって!
「世の中そう上手くはいかんもんよ」そうハガネは呟くと口笛を吹いてまた次の街へと向かった。
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