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再会の始まり

顔射2

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| 藤堂 京介


 学校を休んだ僕が目を覚ましたとき、時計の針は11時を指していた。


 うーん…気怠いなあ。

 ゴロゴローゴロゴロー

 なんとなくベッドでゴロゴロしてみる。うーん。なんとなくだけどまだ激ってるな。

 心のうちに燻っている何かがある。眠りの浅いのもそのせいかも。魔王にとどめを刺せなかったからかな。僕が刺されたからかな。どっちもか。

 ゴロゴローゴロゴロー

 うーん…よし、やっぱり風呂だ。風呂。

 昨日のオチは酷かった。あともう少しで満たされる前に起きた事故。これによってかは知らないけど、何かスッキリしないんだよな。

 違うスッキリはしたんだけど。

 すぐさまお湯を張る。


「『お湯張りをします』」


 現代の科学とハモッちまったぜ。ハモるのは攻撃魔法の重ねがけ以来のご無沙汰だ! なんだ昨日じゃん。ティアクロィエとじゃん。裏切られたじゃん…

 テンションの上げ下げがおかしいけど仕方ない。いそいそと入浴の準備をする。

 未羽は学校だし、誰もいない。


「ふー」


 やっぱり気が張っていたんだな。

 五年も経てば他人感が半端ない。何せ元々が義妹だ。中学一年の時だから元世界はわずか三年ほどだ。異世界より短くなってしまった。

 もう義妹とは思えない。

 妹キャラ口説くみたいだな…

 他人と一つ屋根の下に居ればそりゃ気が滅入るか。こっちに命の危険は無いとはいえ、ひょんな事からあっちの命が危険になるかも知れないし。

 ソワソワして仕方なかった。

 それよか風呂だ、風呂。確かここに…


「あった」


 入浴剤~。一人で使うのは勿体ないし、未羽は嫌いだったからあんまり使ってなかったんだよな。昨日はそんな事思い出す余裕もなかったな。


「ふん、ふ、ふーん」


 お湯を魔法で混ぜ混ぜする。なんだか妖精の泉みたいな色になった。良いね。なんか楽しくなってきた。そりゃ鼻歌も出るよ。

 あんなに苦労して辿り着いた妖精の泉に、こんな簡単に出会えるなんて… なんということでしょう。

 いや効能全然違うんだけどな。

 武器とか防具とか強化出来ないしな。

 まあいい。

 さあ、さっぱりするぞ!


「京介、行きまぁす」





| 成瀬 愛香


「もう11時…」

 あれから呆気に取られて、気づけば京ちゃんのお家の前で立ち尽くしていた。

 それから徐にハンカチを嗅いだ。

 頭が真っ白になるくらい圧倒的で濃密で官能的な情報の渦だった。

 わたしは往来で果ててはいけないと、勝手知ったる京ちゃん家の門を何とかくぐり、気づけば京ちゃんのお家の玄関の扉にもたれかかってトリップしていた。

 あ~京ちゃんの匂いだ~おくにいる~あははは…はは…は

 嫉妬と性欲は私にとって鬼門だった。ただ、今回の嫉妬は私から未羽ちゃんに対してだった。だからだろうか。なんか急に冷めた。

 なんであんなことしてたんだろ…わたし。ははは…はは。


「京ちゃん…」


 学校はどうしよっか。これじゃ無断欠席だ。もうどうでも良っか。京ちゃんはこんな最低なわたしなんか、もうどうでもいいだろうし。

 でも、未羽ちゃんとそんな仲だなんて。酷いよ。いや……それまでは多分私が懸念していた事は無かったんだ。

 もしあったら未羽ちゃんが今日みたいに言ってこないわけないもの。昨日の一件は京ちゃんにとっての分水嶺だったんだ。

 だから未羽と、一線を、超えた。私にとうとう愛想を尽かして…


「ぐすっ…」


 なんで失くしてから気づくんだろう。
 なんであんな事してたんだろう。


「やだょぉ…京ちゃん、やだよ……」


 お別れしたくないよ…京ちゃんの誕生日には告白して、私の16歳の誕生日には婚姻届を渡して、これからもっとずっとずっと楽しい高校生活になるはずだったのに……


「…?」


 なんか良い匂いがする。昔嗅いだことのある…入浴剤? どこから…京ちゃんのおうちの…お風呂場からだ。湯気も出てる。


「あ、ぁぃい、あ…」

「……?」


 苦しそうな…京ちゃんの声?


「!!」


 私はすぐに玄関に戻り、戸を開けた。鍵は掛かって無かった。
 未羽ちゃんは、京ちゃんは先に行ったって言ってた。でもお風呂からはたしかに京ちゃんの声がした。もしかしたら行ってなかったかもしれない。

 そうだ! あんなに暴行を受けていたんだ。安静にして寝てて、汗をかいたからお風呂。この推理、ある!

 それに未羽ちゃんの立場だったら、わたしと京ちゃんを二人っきりで会わせたくないはず。だから印象付けたんだ。

 先に行ったなんて嘘ついて! きっとそうだ!

 そしてお風呂で痛みがぶり返したのかも知れない! 溺れちゃうかも! やだよ! 京ちゃん! 京ちゃんが死んじゃうっ!





「あー死んじゃうー」


 あー良い湯だなー草津だっけか。
 名湯だな。行ったことないけど。

 はー茹る。

 そういえば異世界ではサウナみたいな風呂が多かったな。だいたいは暑くなったら外に出て、冷めたら入るのを繰り返していた。あれはあれで良かった。

 サウナのように何回かに分けて浸かろうか。身体は昨日洗ったし…身体と言えば…昨日は驚きのあまりそれ以上触れなかったけど…


「検証してみるか」


 なんて、気恥ずかしいので建前を口にしてみた。湯船を出てムニムニと触る。

 お、おう。やっぱり15歳は凄い。バチぃとお腹に当たるくらい立ち上がりのスピードが半端ない。一瞬じゃん…

 なんかそれはそれで恥ずいな。一人なのになんか照れる。娼館のお姉さま方も微笑ましかったのかも知れない。通い出した頃、ニコニコして、まあっ素敵っ! なんて言ってたし。


「よし。では…」


 うわっ! やっぱり全然違う。気持ちいい。

 異世界で人魚三回転だーなんて言ってはしゃいでいた、この僕が。

 他の戦士たちと娼館借り切って大人数で致していた、この僕が。

 こんなにも無様な声が出るなんて。


「あ、ぁぃい、あ…」


 アイシャさん、ごめんなさい! あんなにも早打ちを治すためにいろんな手を施してくれたのに…


「あ、あああ、あっ!っぁあ…」


 リアスさん、ごめんなさい! 旦那より上手くなったよ、なんて言って、いろんな技で鍛えてくれたのに…

 あ、これ、だめだ。すぐイきます。あ、イッ


「京ちゃん、死んじゃやだっ!」

「ッくぅ!」


急に浴室の扉が開いた! あえ!? 今度は愛香!? やあ五年ぶりっ! ただいまー! からのまた顔にっ!?


「……」

「…」


 白くてまんまるなほっぺも、ピンクのちいさなハート型の唇も、赤いタイも、淡いブルーのシャツもチャコールグレーのスカートも、ドロドロにしていく。

 まるで思い出を塗り潰すように…

 そんな風にビチャビチャと制服も汚していく。急には止めらんないよ。走り出したバジリスクみたいなもんさ。ははっ。


「っまだ、ぅくっ!」

「!!」


 最後はスカートから覗く、白くて細いのにムチっとした足に掛かってしまった。というか昨日も思ったけど、この量なんなのいったい。


「……」

「……」


 愛香は信じられないとばかりの呆気にとられた表情だった。多分僕もそうなってる。反射、仕事しろよ…

 そうして愛香は呆けたまま、頬についた僕の放った精液を指で拭って……鼻ですんすんしてから……口に……含んだ。

 お前もかーい。

 昨日と違い、二度目な分、心に余裕があった。勇者に同じ技は通じない。違うか。違うな。

 ただ賢者タイムのせいでツッコミにも力が入らない。

 なんでこう簡単に精飲出来るの? 異世界すぎるんだけど。JKってみんなこうなの?

 もしかしたら貞操逆転世界なのかもしれない。なんてアートリリィが妄想してた事あったな…

 あ、いや、愛香はもう経験者かも知れないか。というか、人の彼女にぶっかけとかやばいよな。

 舐める方もどうかと思うけど。

 いや、ほんとどうしよう。


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