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五、受け入れて、受け入れられて
61 東鬼
しおりを挟む鬼の姿で、タクにキスすんのに慣れてきた。
おれの中ではキスだけど、周りから見りゃ、鬼が人間の男の顔に食らいついてるように見えるんだろうなーって思う。
その気になりゃ、頭から丸かじりできるだけ顎が開くからな。
鬼の顎は獲物に食らいつくために、可動域が広くできてっから、深海魚みてえにガパッと開けられんだよな。
ガキの頃に鏡の前でやって、自分の顔見てアホみたいに笑ってた記憶がある。
あの頃のおれは、一体、何が楽しかったんだろうな?
ぜってえ「気持ち悪い!」って言われっから、タクには見せらんねえけど。
鬼の姿だと牙が生えてるから、ディープなキスすんのは人間の姿の時って決めてる。
きれーなタクの顔に傷を残すのは嫌だからな。
頭を下げて、べろり、と首筋を舐めると、タクが体を震わせた。
「……っう」
普段の冷静な光を失い、とろりと甘く溶けた瞳は、快感に染まってる。
前に叔父に聞いた〝鬼の体液に催淫作用がある〟ってのを、最近は本当かもしんねえって感じてる。
全身を舐め回してやると、あっという間にタクがとろとろになっちまうからだ。
舐めてえ気持ちに歯止めが効かなくて、嫌がるタクを足の爪先から顔まで、全身余す所なく舐めまくってる内に、気がつきゃあ声を我慢して震えるようになっちまってた。
……あれ?舐められただけで、アヘアヘビクビクンッ!てなんのおかしくね?って気がついちまったんだよ。
あれ、これっておれのテクじゃなくね?って気がついたのに、やめらんねえんだよな。
おれがやったわけじゃねえってのが不満だけど、こうなっちまったタクが可愛すぎるもんだからさ。
「タクー?」
「っ、なに?」
ただ全身をべろべろ舐めまくっただけなのに、頬を紅潮させて呼吸を乱すタクはクソエロかった。
「好き」
「俺もすきだ」
ああ、こりゃもう出来上がってんな、と顔が緩む。
こう言う時しか素直に好きって言ってくんねえのが、タクらしいなーって思うわけだ。
タクは快感に弱くねえと思うが、最近はおれに舐められるだけで、欲情しちまうようになった。
あぐらの上で膝立ちのまま、おれの胸板にぎゅっとしがみついてくる姿が、やばい。
「ケツマンほぐして良いか?」
「して、はやくほしい」
珍宝が痛えよ!と思いながら、膝の上のタクの体をひっくり返して、あぐらの上にうつ伏せに乗せる。
腹にくっつく珍宝が出番待ちしすぎて、触ってもねえのにドロッドロになってる。
タクの体勢は、悪さした子供にお尻ペンペンする時の感じだ。
ペンペンしねえで、ヌチョヌチョのグッチョグチョにすんだけどよ。
ローションと時間をたっぷりかけて、ディルドと鉤爪を引っこ抜いたおれの指でほぐしたタクのケツマンは、どろっどろになって、ぽっかりと口を開いている。
鉤爪は明日の昼までには生えるから、快感で溶けてるタクに気がつかれることはねえ。
「……ーっ……ふぅっ」
タクはずっと、痛みに耐える時の呼吸を静かに繰り返してる。
膝の上で震えるタクの体を持ち上げて、背面座位になるように抱き上げる。
小さい子供のしーしーポーズだっていえば分かりやすいか。
一気に落としたりしねえように、しっかりと抱き上げて、でもタクに触れる指には力を入れねえように気をつける。
優しくしねえとな。
可愛いおひいさまなんだからよ。
「タク、いいか?」
「んっ」
鬼の指が四本入るまで広げた、タクのケツマンのエロさに悶えながら、珍宝の先をそっと押し当てる。
まだ根元まで受け入れてもらえてねえし、いきなり全部つっこんだりもしねえ。
そんなことしたら、タクが死んじまう。
おれの珍宝の先端にピトっと吸い付くようにくっつく穴は、筋肉が切れてるわけじゃねえのに、ゆるっゆるだ。
入り口は緩んでても、奥はほぐしたりねえかもしんねえけどよ。
「ん……んん"ん"っっ」
おれを興奮させねえために、って声を我慢するタクだけどよ、逆に声を我慢できなくなるまで責め立てたいって思っちまうんだよな。
無理させんな!って叱られんの分かってっから、言わねえけどよ。
ゆっくりと一番膨らんでる亀頭を押し込む間、タクの苦しそうな声が聞こえる。
どんだけほぐしても、ゆっくり突っ込んでも、苦しいのは変わんねえのかな。
って思ってたらよ。
「ん"んっっ~~~~っっっ!?」
亀頭で膨らんでねえ前立腺辺りを押し込むと同時に、タクの腹の中がぎゅうぎゅうと動いた。
あれ、これ?
もしかして、入れただけでイってね?
「タク?」
「ーーーっっ、あ、っっん、んっ」
おれの言葉に返事しねえで、びく、びく、と震える背中。
絶頂の中にいんのに、声を我慢しないといけねえとでも思ったのか、よく見りゃ口に手の甲を押し当ててた。
「タクー?」
何も言わねえってことは、これ、動いて良いんだよな?
突っ込んだ直後だから、おれにはまだ余裕があった。
これが一度イっちまった後は、頭の中に残んのはタクに種付けすっことだけになる。
これまでの経験から考えて、おれは早漏じゃねえはずだけど、タクが相手だと数打ちになっちまうのはなんでだろうな?
「ーッーーん"っ、んっーーっ」
ゆっくりと小刻みにタクの体を上下させて、少しずつ奥まで入れていくと、その度にタクの腹の中の柔肉が、珍宝をキュ、キュッと締め付けてくる。
まるで好き、好き、って言われてるみてえで、クソみてえに気持ちいい。
おれが体を支えてるから良いものの、何度も軽くイっちまってんのか、タクは首をいやいやと振りながら、声を我慢して呻き続ける。
ぐ、と先端が窄まりに届いたのを感じる。
先端が、無事に真ん中か最奥、どっちかの直腸弁まで届いたらしい。
この先に入れようと思うと、あれ、狭すぎねえ?って感じるから、ここまでが限界だ。
おれが買ってもらった中で一番長くてデカいディルドが二十センチに足りないくれえだから、こんなもんだろう。
普通?の大きさのディルドが、十五センチねえくらいだから、そう思うとおれって本当にタクに無理させてんな、って落ち込む。
鬼の指でも二十センチはねえから、こっから奥は一度も拡張できてねえ。
いつかは根元まで飲み込んでもらいてえけど、おれに金がねえから、必要なもんが買えねえんだよな。
金があったとして、三十センチ近いディルドなんか売ってんのか。
タクに聞いてみる……迷走して本当に買いそうだから逆に言えねえよ。
首を曲げて自分の股間を確認すると、目測であと五センチ以上あるから、強引に突っ込むのはなー。
やっぱ無理だよな。
いつもと同じように、これ以上は入れないと決め、ゆっくりと腰を揺さぶる。
タクの体を動かしちまうと、オナホ使うみてえにしたくなっちまうから、腕は動かさねえ。
あー、気持ちー。
すっげきっついし、やわらけーし、最高。
もう完全におれの形になってるとことか、たまんねえ。
タクに触れてえ、と腰を揺らしながら腕を引き寄せると、肉付きの薄い背中がおれの胸に着くと同時に、びく、びくと腕の中の細い体が震えた。
「ーーーーっっ!、んう"ーっ」
覗き込んだタクの顔は、いつのまにか涙に濡れて、自分の手の甲で口を塞いでいても、絶頂を迎える表情まではやめられねえのか、鮮やかに紅潮していた。
エロっ。
やべっ。
あー、可愛い。
おれの珍宝で、おれのおひいさまが気持ちよく泣いてるとか、なにこれ天国?
時間はたっぷり、とは言えねえけど、とりあえずいつもと同じように、タクが寝落ちっつーかイき落ち?すっまではある。
無理させねえでやりてえけど、タクがイっちまうのはおれには止めらんねえ。
いやいや、むしろイきまくってる姿を見てっと、どんどんたぎってくるからな!
今日は夕飯食ってねえから、適当なところで食わせてやんねえとな、と思いながら、腰を揺さぶるとプシッと聞きなれねえ音が聞こえた。
「?」
「んっあ"あーーっっ!!」
同時にタクの絶叫が聞こえて、腹の中の肉が、うねうねと珍宝を搾り取るように動いた。
ちょっと激しくイきすぎてねえか?と心配になって、見下ろしたタクの体から力が抜けるのを感じる。
慌てて顔を覗き込むと、ひくひくと痙攣しながら白目をむいて気絶してた。
「え、あ?ちょ、これ、どーゆーこった!?」
まだおれ、一回も出してねえんだけど。
もうイき落ちって……今夜はこれで、終わりか?
マジかー。
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