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蟻の巣へ
しおりを挟むギルの片腕に抱えられたまま、蟻の巣に近づいていく。
あれ、蟻ってこんな巣を作るか?と思うような土で作られた高層ビル群に、強すぎる日差しで青白く光る蟻たちがウジャウジャと群がっている。
この世界の蟻はビルを作るのか、あれ、地球でも蟻塚って聞いたことあったな。
もっと動物系のドキュメンタリー番組とか見ておくべきだった。
巣が見えてから数分、近づくにつれて、あれ、なんでそんなに遠くから見えたんだ?とか、なんか縮尺がおかしくないか?と疑問に思う前に、キラキラ光る虹色が突然目の前に現れた。
「ぅひぃっ!?」
「修也、大丈夫だ」
変な悲鳴をあげてギルにしがみついてしまったら、しがみついている毛皮がふるふると震える。
恥ずかしいから笑うな!とギルを睨んでから、恐る恐る虹色を見上げると、それは立っているギルとほとんど同じ高さにある複眼で、蟻の形をした巨大生物だと気がついた。
六本足を地についているのに、約二メートルくらいの虫。
え、もしも二足で立ったら三メートルくらいあるってことか?
異世界すぎる!と悲鳴もあげられずに泣きそうになっている俺を、赤すぎる地面の上に下ろすギル。
蟻の巣まではまだ距離があるのに、なぜここ?と思うが、すぐに足元が木陰になっていることに気がついた。
木陰といっても周囲にあるのは葉っぱのない枯れ木なので、ほとんど強い日差しがそのまま降り注いでいるが、炎天下で熱した鉄板状態の地面と比べれば、座れないこともない。
顎をカチカチと鳴らす青白い蟻と何かを会話していたギルが、ゆっくりと俺の頬に触れる。
いつの間にか、硬く乾いた肉球に優しく触れられるのに慣れてしまって、目のすぐ側に鋭い爪があっても怖いと思わない。
事故はあっても故意に傷つけられることはないと、根拠もないのに思ってしまう。
「ギル?」
「待っていてくれ、修也、すぐに蜂蜜を手に入れてくる!」
「え?!ちょっと待っ……てって、嘘だろ!!」
制止を口に出すよりも前に、ギルは四つ足をついて滑るように走っていってしまい、俺は赤い土煙を呆然と見ながら、すぐ後ろから聞こえるカチカチ音に生きた心地がしなくなった。
意思疎通できない相手しかいない場所に、なんの説明もなく置いていくほど蜂蜜が食いたいのかよ!
ギルのアホー!!
カチカチと背後から聞こえる音に肩がはねてしまうけれど、反射的なものなので止められない。
等身大の虫はなんか怖い!
苦手とかではなく、なんか怖い!
迫ってくる宇宙生物みたいな、意思疎通ができないからこその恐怖とでもいうか。
「~~っ」
口から出そうな叫びを両手で押し込め、視界の端で揺れる長大な触覚から目をそらす。
そらした視線の先にもゆらゆらと揺れる触覚、そしてギザギザと返しだらけの脚が——無理、やっぱり無理!
真っ青になって硬直していると、時間の経過すらゆっくりに思えてくるので不思議だ。
時計があれば、一分間に百回くらい文字盤を見ているだろう。
体感だと一時間くらい待ってる気がするけれど、実際は何分経ったのか。
近くにいる蟻を視界に入れないようにしていると、ふっと日差しが遮られた。
葉のない木の影が極端に動くとは思えないし、空は雲一つない灰色だ。
そうなんだ、この世界の空は青くない。
「?」
顔を上げて、すぐに後悔した。
背後にいる青白い蟻とは違う個体、赤黒く光る凶悪すぎる顎を持った蟻が、いつの間に近くまで来たのかって至近距離から明らかに俺を見ている。
複眼なのに視線を感じるなんて、相当じっとりと見られてるんじゃないだろうか。
そもそも虫の複眼ってのはどう見えているんだ、人みたいに焦点は合うのか?
カッチカチ、カチカチッ、カチカッチッと言葉を紡いでますよ、と言わんばかりに顎を鳴らす凶悪蟻だが、もちろんわからない。
「わ、悪いけど、言葉がわからない」
言ってから、俺がわからないなら蟻も分からないだろ、と気がついたけれど、他にどうしようもない。
そう言えば相手と視線を合わせていいのか聞いてなかった!
何を言いたいんだよ、でかい虫が無理って自分でも知らなかったんだよ!と逆ギレしていると、顎を鳴らしていた蟻が、突然顎をガパリと音がしそうな勢いで開いた。
「ヒィィィいっ!?」
ギル、助けてー!ととっさに頭を抱えて丸めた背中の上で、ギャイン!と金属同士をこすり合わせるような音がした。
背中を馴染みのある暖かい毛皮に包まれて、心の底から安心すると同時に胸がドキドキしてきてしまい、さらに涙まで出てきた。
まずい、イタチに助けられて胸キュンとか、俺はもう男として終わってる。
思わぬ瞬間に解脱の境地に至ってしまい、悟りモードに入りかけてしまったが、背中を包む毛皮の奥の筋肉が張り詰めているので、まだ危険は去っていないのだろうとそのままの姿勢を保つ。
飛行機でやるような対ショック姿勢と土下座を合わせたような、潰れたカエルのような体勢は地味に呼吸が苦しい。
「ギァアアアアアアッッッッ」
聞いたことのない吠え声とともに、俺を包むギルの体から声が直に響いてくる。
ええ、これはギルの声なのか?ギルが蟻に威嚇してる?
鍛錬では聞いたことのない動物のような吠え声に、悟りモードも胸キュンも一気に吹っ飛んだ。
何が起きてるんだよ!?
カチカチカチ、と背後の蟻が顎を鳴らして、しばらくしてギルの体から力が抜けた。
「修也は貴方達の言葉が分からない」
ギルの口からキリッとした王子モードの声が聞こえたので、のろのろと頭を持ち上げると、シュールすぎる寸劇が頭上で繰り広げられていた。
……おい、ギル、お前口の周りがベッタベタだぞ、その間抜け顔で王子モードしてたのかよ。
「修也、怪我はしていないか?」
「……してない」
お前が呑気に蜂蜜を舐めてる間、俺は蟻に怯えていたのに!と王子様ボイスに苛ついていると、ギルが抱えていた強化段ボールのようなものを差し出してくる。
「さあ、修也」
ご機嫌らしいギルが持つ、薄灰色の段ボールには目にも鮮やかな緑色の粘液がつまっていて……ってよく見てみればギルの口の周りのベタベタも緑色なので、これがこの世界の蜂蜜と蜂の巣なのかと驚いた。
メロンソーダそっくりで、一見すると玩具のスライムみたいな蜂蜜か、どんな花からそんなショッキングな色の蜜がとれるんだ?
蜜もそうだが、一見すると分厚い段ボールにしか見えないそれが、蜂の巣と言われるとやっぱり異世界だなとしか言いようがない。
「……ギル、俺さ、戻りたい」
予想外のことが多すぎて疲れた、と座ったままギルを見上げると、黒い小さな瞳が困ったように揺れた。
蜂蜜の味見をするにしても、俺にとって毒になる可能性もあるから、戻ってからルルクルさんに同伴を頼んだ方が良いと思ったんだが、違うんだろうか?
ここでボディボードくらいある段ボール、じゃなかった、蜂の巣を受け取っても自分では持ち帰れない。
形は違うけれど、波状のハニカムの大きさが拳くらいあるように見えて、それだけで背筋がゾワゾワする。
中からこの大きさの蜂の幼虫が出てくるってことだろ?
確か、ギルは前に虫を丸かじりしてたが、ここに来るまでに出会った蜘蛛と蟻はもっと大きい上に、ギルと会話をしていた。
蟻や蜘蛛の知能がどの程度かなど知らないが、自分たちを食う相手と呑気に会話なんてしないと思う。
虫に見えるけれど、虫ではないってことだろうか。
どこまでが会話が通じる知能のある相手で、どこからが動物、昆虫で食用や駆除の扱いなのかが分からない。
「修也、どうしたのだ?」
蜂蜜のことはとりあえず意識の外に置いておいて、ギルを見つめる。
口の周りに蜂蜜がついてるぞ、と言ってやると慌ててペロリと舐めとっていたが、いつものように単純に可愛いと思えなかった。
拗ねていると思われたくないので、何も言わなかったが。
頼んだ通り、崖の穴へ戻ってくれるのかと思ったが、ギルはまっすぐに蟻の巣へと進みはじめた。
抱えられる時に、俺が座っていた場所のすぐ側に赤黒いものが転がっているのが見えたが、すぐにギルの毛皮で視界を遮られてしまった。
片手に大きなダンボールを持ち(突き刺し?)、反対の腕に俺を抱えるギルの歩みはより遅くなったが、降ろしてくれと言えない雰囲気だった。
◆
真上にあった大きすぎる太陽が少しずつ傾きだした頃に、ようやくたどり着いた蟻の巣穴は、遠くから見えた通りに高層ビル顔負けの規模だった。
二メートルはある蟻が暮らす巣なのだから、巨大なのは当たり前だろうが、内部は複雑に通路が入り組んでいる割に綺麗に作られているし、変な臭いなどもしなかった。
乾季だから乾いているのかもしれない。
ギルと一緒に女王蟻?と思われる、三階建ての家くらいある巨大なぶよぶよした何かと対面した、が!あえて語るのはやめておく。
普通の働き蟻が二メートルってことは、女王は当然その何倍も大きい!と思い至らなかった自分が憎い。
ただ、生きた心地がしなかった。
「修也、聞いているか?」
「え、悪い、もう一度頼む」
女王蟻との拝謁だか謁見だかを終え、俺とギルは土を固めた一室へと案内された。
家具など何もない空っぽの部屋なのだが、蟻に家具が必要とは思えないし、ギルに抱っこされて歩き回ったビル群の中はどこも同じようながらんどうの部屋ばかりだった。
もちろん扉もないが、案内された周辺に蟻は近寄らないのか、静まり返っている。
「この区画を私たちの滞在に貸してくれるという話だが、構わないか?」
「しばらく、ここにいるのか?」
「襲われる可能性があるので、修也を屋外で眠らせるわけにはいかない。
対価と引き換えに滞在を頼んであるが、滞在の間は修也への匂い付けをしようと思う」
ギルの話では、フライパンを用意してくれる(と期待できる)相手は、蟻は蟻でもこの巣穴で暮らしている蟻たちではないという。
てっきり目的地に到着しているものだと思っていたのに、まだまだ距離があると聞いて丸一日太陽に炙られたのに、と精神的な疲労が一気にやってきた。
そういうことは、初めに言っておいてくれよ。
ルルクルさんは水の入った袋と、頭に被る布しか渡してくれなかったし、てっきり日帰りだとばかり思ってた。
「修也」
もうその場で寝る、と右を下にして横になった俺に、ギルがゆっくりとのしかかってくる。
朝食べてから何も食べていないので腹が減っているし、体に布を巻いてあっても、土間のように固められた土は冷たい。
壁に空気穴らしい穴がいくつも空いているとはいえ、夕方の日差ししかない室内はほとんど何も見えない。
「ギル?」
戻ってきてからはギルにほぼ毎日、長時間抱きしめられて過ごしたことで、暗闇や顔が見えない状況にも慣れてきているが、どうしても最初の印象が強くて暗闇ではしたくない、と思ってしまう。
怖がっていると思われたくないけれど言い訳も思いつかなくて、簡単に疲れてるから、と言おうとしたが触れているギルの腕に違和感を覚えた。
普段と違ってギルの体に力が入っている。
何に緊張しているのか?と思ってると、頬にギルのヒゲが触れる。
「すまない修也、疲れているのは分かっているが、匂い付けをしておかないと、不届き者が出てくるかもしれない」
耳元に落とされた甘い声には不安が滲み、腰に擦り付けられたギルの股間では、いつのまにかペニスの先が顔を覗かせていた。
匂い付けってさっき聞いたけれど、今からここでヤって、体からギルの精液の臭いをさせておけってことなのか?
この世界に来てから人間らしい存在は見ていないし、動物と昆虫が意思疎通をしているし、これ以上驚くことはそうそうないと思っていたが、巨大蟻の巣で性交をしないといけないなんて。
ギルが初めてって言ってあるのに、変態行為に目覚めさせようってのか。
「私は二度と修也を傷つけられたくない、頼む」
「ギル……二度とって、どういう意味だ?
俺が誰かに傷つけられたことなんてないだろ?毒は口にしたかもしれないけど」
甘えるようにスリスリと頬ずりをされ、思わず流されそうになったが、ギルの言葉の意味がわからずに口を開く。
この世界に来た当初は全身が痣だらけだったが、今では文字通り赤ん坊のように扱われているので、痣ができる箇所も頻度も減ってきた。
それだって相手はギルだけで、他の誰にも乱暴を働かれたことはない。
ギルは口ごもってしばらく悩んでいたようだが、明らかに失言だったのだろう。
夜が近づくにつれて表情が見えなくなっていくが、小さな黒い瞳を困ったように彷徨わせている姿が想像できる。
「もういい……」
「よくない、よくないのだ、全てが終わったら包み隠さずに話す、それまで私を信じて待ってほしい」
乾いた肉球が頬を撫でてくる。
火傷するほど熱くなる大地を歩き続けられるそこは、しっかりと分厚く硬い。
それでも触れてくる手つきからギルの優しさを感じて、胸が苦しくなる。
恥ずかしながら、俺は恋をしている。
白銀の坊ちゃん刈りの黒イタチ、しかも雄に。
「ギル、言いたくないなら言わなくていいし、俺が知らないほうがいいことを聞く気は無い」
「しかし……私は、修也」
これでも二十年近く社会人をしてきたのだ、知らない方がいい、知らないふりをした方がいいこともあると理解している。
好奇心は猫を殺すとはよく言ったものだ。
「信じてるから、そんな声出すなよ」
話している間にギルの顔が見えないほど室内は暗くなり、手探りでギルの頭を探すしかない。
牙に触れないように気をつけながら頬に触れて、鼻先に唇を寄せた。
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