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7 おれ
47 ※ 二人 挿入
しおりを挟むおれの体は準備万端だ。
半日近く尻の穴を広げていたんだから、あとは突っ込むだけに決まってる。
決まってるー!
広げたカーペットの上に胡座をかいて座ったディスが、みるみるうちに巨大なイソギンチャクになっていく。
すごい、と声を上げそうになって、やめた。
この世界の人がみんな海洋生物みたいな姿になれるなら、反応しないのが普通だろう。
ディスが変わるところを初めて間近で見たけれど、スペラと違うな。
頭だけ人の形で残ってるから、イソギンチャクに捕食された美少年みたいだ。
二人は似てるけど、似てないんだな。
「ゼン、いつでも来いよ」
円筒形の胴体から伸びて揺れている、半透明オーロラ乳白色の触手の中に、一つだけいきり立っている男性器が見えた。
白銀の色が濃くて長くて太い、ぬめぬめと光っているのがすっごく卑猥だ。
一本だけ形が違うから、見間違いようがない。
ディスの紳士姿を見ても怖さも嫌悪感もない。
期待で、胸がどきどきと音をたてる。
これがディスなのかと思うと、尻の穴が疼く。
紳士スペラの凄さを刻み込まれた体が、紳士ディスもきっと凄いはず!、とうきうきわくわくが止まらない。
来いよと言われても、ディスの胴体?、が大きすぎてよじ登らないと無理だ。
たぶん二メートルくらいある、踏み台とか階段ないときびしいな。
どうしよう、と思っているとスペラの口腕が後ろから伸びてきた。
いつのまにクラゲに?!
「ゼン、持ち上げるよ」
「あ、うん、ぁっ、ぁあああ゛っっっ」
頭を残したクラゲのスペラがおれの体をくるりと反転させて、尻の栓を抜いてから持ち上げて、ディスの上に下ろした。
期待しすぎてたから、頭が真っ白になった。
後ろ向きだから、わくわくと覚悟を決める余裕がなかった。
つるりとした先端の柔らかさが当たったと感じたら、そのままずるずると腹の中に入ってくる。
栓すごい!
本当に緩んでる。
穴が全然痛くない!
栓のせいで穴が緩みきってるのか!
何時間もスペラを受け入れた後のような、尻穴の抵抗力の無さに驚愕した。
抵抗が無いから、スペラが体を支えてくれているだけで力は入れてないのに、ゆっくりとどんどん奥に入ってくる。
腹の中を擦られると声が勝手に出た。
「あっ、ああ、っあ、ああっっ」
太ももと腰にぽかぽかと温もりを感じている。
ディスの触手がおれを受け止めて、自分の上に引き摺り下ろしている。
体内を擦られる感覚が久しぶりで、違和感と痛みがある。
でも、これがすぐに快感に変わる事は知ってる。
張りのある触手が次々とからみついてきて、風呂に入ってるみたいに心地よい。
体の外と中を同時に温められながら、快感まで与えられるなんて最高だ。
足から腰をすっぽりと覆い尽くすディスの触手と粘液の温もりを感じながら、腹の中を削っていく固い熱に酔いしれる。
両足に力が入って突っ張ると、ぬるぬる滑るのも気持ちいー。
これ、これ欲しかった、待ってたやつっ。
「ぁぁあぁあっっこぇすぎぃっぎもぢいぃっ!!」
「ふふっ、たっぷり嬉し泣きさせてやるからな」
耳元に吹き込まれたディスのドS発言に背筋がぞくぞくした。
おれ、そういう属性ないよ!
いぢめないで、でも、きもちいいのはほしい。
夜の闇にぱちぱちと焚き火の音だけがして、森は静まりかえっている。
おれの前にはスペラがいて、背後というか下にはディスがいる。
一人で大騒ぎしてるおれと、守ってくれる二人だけ。
夫二人にすっぽりと包まれて守られているのを実感したら、嬉しくて涙が出た。
「ゼン、大丈夫か?」
おれの上半身を口腕で支えてくれながら、頭部が残っているスペラが心配そうな声で聞いてくる。
頬を撫でられ、もう嬉し泣きしちゃったと言えなくて誤魔化す。
「だいじょぶ、だいじょうぶっっ、うれしいだけっ」
ディスの熱が全部入っていないのは分かってる。
過去のスペラによって、おれの体がもっと奥深くまで開かれていることも、深い場所で達すると気が狂うほど気持ちいいことも覚えてる。
つまり、この先がどうなるかをおれは知ってる。
「そんなに入れて欲しかったのか、甘えん坊だな」
「ほしかった、すき、もっとしてぇ」
「あーもーかわいすぎね?」
「ゼンはボクの妻だ」
「ぼくも夫だと認められてる!」
「ぁあッ、ぁあに゛ゃぁぁあっっっっ!!」
口喧嘩を初めて勢い余ったのか、震えたディスの男性器が一気に深々と滑り込んできた。
「ゼンっ!?」
「ゼンさまっ!」
しばらく頭が真っ白になって、気がついた時にはディスの上で開脚前屈して、下半身は完全に触手の中に埋もれていた。
ぽかぽかと温かい顔の周りでうねうね動く触手がきらきらしてる。
あー、力抜けちゃった。
深く腹の奥で感じる熱がたまらない。
腹の中の熱がどくん、どくん、って響いてくる気がして、すっごいやばい。
少しでも動かれたらすぐ達してしまう。
というか、もう今、達した?
「ゼン、大丈夫か?」
「すまない、ゼン、痛いところはないか?」
ディスとスペラが口々に安否を確認しようとしてくるので、ふわふわとしたまま返事をした。
「ねえ、スペラのちんこはまだ?」
「ゼン、大丈夫なんだな、痛い場所がないか教えてくれ」
「いたくない、もっときもちいーのくれよ」
催促するように尻に力を入れると、ディスが体の下でふるふると揺れた。
「うっ、ゼン待った締めるな、出るからっ」
「だしてくれよぉ、あむ」
「ま、かわぃいなっっでるっっ!」
「あ、あっ、おれも、おれもぉっ」
目の前で揺れていた触手にねだるようにかぷりと齧りつくと、腹の中の熱がぶるっと震えて、じんわりと染み渡るようなぬくもりが広がる。
出されちゃった。
あは、夫がおれで気持ちよくなってる。
すっごい幸せ。
二人に挟まれていても前に触られてないのに、達したような感覚がする。
おれの体、どうなっちゃったんだ。
すごい。
どうしてこんなに心地よいんだろう。
でもまだ足りない、もっともっと欲しい。
「スペラぁ」
「ゼンっっっ」
ディスの触手を咥えたまま、スペラの口腕も持ち上げて口に突っ込んだ。
太さも硬さも違う二本を両手で持って、口の中で転がして、舌と上顎で挟んでねぶって、軽く歯を立てて、ちゅうちゅうと音を立てて吸い上げる。
味はしないけど、歯触りと舌触りはすごく楽しい。
滲むようにあふれる温かい粘液が口から顎をつたって、とろとろと垂れていくだけで、ぞくぞくと気持ち良い。
楽しい。
なんだろう、心まで気持ちいい。
二人が翻弄されてると思うと、おれも捨てたもんじゃないと思える。
「んむぅっ?」
尻の中に収められている男性器がゆっくりと硬さを失う間、口内で触感の違う二本を堪能していたら、頬をつつかれる。
いつの間にか目を閉じて、うっとりしていたようだ。
「ゼン、ボクの舐めてくれる?」
頬を染めたスペラ、かわいい。
「ずるいぞ!」
子供みたいに拗ねるディス、かわいい。
「ゼンの初めてを舐めさせてやっただろ」
「くっそ、それじゃ交代してやる」
「してやる?」
「してください!」
もしかして、前にセックスした時も二人は喧嘩してたのかな。
全身がクラゲとイソギンチャクになってたから声は聞こえなかったけど。
掴んでいた口腕と触手を引っ張って口から抜き、頭を持ち上げる。
脱力してしまってる体が、なんだか軽い。
気持ちよさでふわふわしてるのか?
「ふたりいっしょはいやだった?」
仲間はずれは嫌だと思ってたけど、良くなかったのか。
「いいえ」
「一緒がいいです!」
同時に返事をした二人に、おれは頬が緩むのを止められなかった。
喧嘩するほど仲が良い、ってことで良いんだな?
それじゃ、甘えちゃうぞ?
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