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7 おれ
44 ※ ディス 拡張プラグ、触手マンところてん
しおりを挟むディスのキスは、しつこかった。
ねちっこかった。
初めて三人でセックスした時も、色々とそうだったと思い出した。
歯を一本ずつ確かめられながら、一往復。
一本舐めるのにカウント三くらいで歯の本数が二十本?、あれは八十歳向けの標語だっけ?
とにかく、長い。
苦しい、と肩を軽く押して口を離した後、今度は舌を襲われた。
伸ばした舌でつつかれて、舌同士を絡まされて、べちょべちょと大きく響く音がひどい。
閉じられない口の端からよだれが垂れてくるのが、ちょっと気持ち悪い。
キスは好きだ。
頭の奥がふわふわと浮かんでいるようになって、すごく気持ちいい。
でもこれはちょっとしんどい。
いつまで続けるんだろう、と荒くなった呼吸を繰り返しながら思う。
服で押さえつけられてる股間が痛い。
キス以上のことはしてくれないのか?
もう、とろっとろだよー。
「ぷ、はっ、はー、はーっ」
苦しい、と顔を離したら、二人の間に唾液が糸を引いた。
本当にこんなんなるんだ。
「ゼンのここが、とても早く動いています」
とん、と胸の中心を指先で押される。
心臓がばくばくしてる、ってことか?
そりゃあ、興奮すればそうなるだろ。
「腹の中は、人と同じですか?」
「え?」
どういう意味?
「試してみましょう」
「えっ、ん、んんっっ」
深く口付けられて、口の中にぬるい液体が流れ込む。
顔を離そうとしても、いつの間にか後頭部を押さえられていて動けない。
柔らかい手つきで鼻を塞がれる。
「ん、んんっっ」
苦しさに負けて、口の中の甘酸っぱい液体を飲みこむと、後頭部を抱え込んでいた手が離された。
「っ、なっ、なにすんだよっ」
「飲んで頂いたのは、滋養強壮の薬湯です。
ちょうど良い機会だと思いましたので、まず試して頂きたいなと考えての一口です」
「滋養強壮……」
栄養ドリンクみたいなもん、をなんで今、ここで飲ませた?
あと不意打ちにする必要ないよな。
普通に出されたら、おれは飲むぞ。
「ゼンさまは以前、ぼくとスペラでお相手をさせて頂いた際に、途中で眠ってしまわれました。
もちろんご無理はさせたくないのですが、いつかはぼくらが満足できるまで頑張って頂けるようになったら嬉しいなと思いまして♪」
ご心配なく、これは穏やかにゆっくり効く薬湯なのでスペラが合流するまでたくさん楽しめますよ、とにっこり笑顔で言われても反応に困る。
えー、ちょっと待って。
もしかしておれ、ピンチ?
今まで我慢してきた分、休みなしででろでろでぐっちょんぐっちょんになるまでやりましょうねー、って事か?
しかも後から乱入が有ると。
初めて三人だった時も頭おかしくなるくらいヤったのに、足りてなかったとか嘘だろーっ!?
「広く普及している安全性の高い薬湯です、効果があると良いのですけど」
ぼくたちも飲んでるんですよと言いながら、ディス本人もいつのまにか手に持っていたカップを呷った。
嚥下に合わせて喉仏が動いて、色っぽい。
「これは精力増進剤です♪」
聞いてないぞ!
ディスの愛撫はねっとりじっとり執拗だった。
下半身が重い。
股間周辺が腫れているような感覚がする。
ディスが何度も出した精液で、おれは全身がどろどろ。
一方、おれ自身は昼過ぎの青緑の空が夕暮れで茶色く染まるまでの間、一度も精液を吐き出す事を許されてない。
「だしたい、これやだっ」
ちなみにディス、自分の股間を一度も触ってない。
それなのに何度も出してる。
おれを触ってるだけで出ちゃうとか、ネタだろ!
精力を増進しちゃったからなのか?!
「駄目ですよ、まだスペラが帰って来てません、ゼンの可愛く仕上がった姿を見せてあげたら、喜びますよ?」
ディスがひどい。
ひどすぎる。
おれはディスと違う、触られないと出せない。
触らないで出すみたいな高等技術持ってないから。
ディスは胸の先端も、ちんこにも触れてくれない。
そこじゃないって場所ばっかりなでなでしてこすこすしてぺろぺろしてくるから、物足りなくて頭がおかしくなる。
「むり、きつい、もうむりっ」
「それでは、もう一つ太いものに変えますね」
「もうそれやだっ!」
「大丈夫です、痛くしませんから」
「そうじゃないっ」
多分、突っ込むための準備だと思うんだけど、尻の穴に短い栓をはめられてる。
太さを変えられても、ぜんっぜん気持ちよくない!!
穴を広げるんじゃなくて動かしてくれよー、穴と中をごりごり擦ってくれよ、奥の痛気持ちいい場所を先端でぐいぐい押し広げてよぉ。
ちんこに触ってぇ。
ごしごしして。
物足りない、出したい、気持ち良いのが足りないぃっ!
尻の栓を交換しやすいようにうつ伏せでカーペットの上に転がっているおれは、情けなく泣きながら頼むことしかできない。
尻に突っ込んで欲しい。
熱くて太くて長いの入れてよぉ。
気持ちいいの欲しいよぉ。
おれが何度も頼んだら、ディスは折れてくれる気になったようだ。
「困りましたねぇ、それじゃ、少しだけですよ?」
「うんっ、あ、ぁ、ひぁあ゛あ゛ぁぁっ!!」
ぬぽ、と栓を抜かれた音が聞こえた。
期待でひくつく穴を見られてる気がする。
うつ伏せで見えないけれど、棒状のものが疼く穴に押し当てられる。
ゆっくりとじれったくねばるような勢いで、ずぷずぶぅっっと捩じ込まれた。
「あ゛ぁあ……しゅごぃ……きもひぃっ……はひぃっ」
ぼた、ぼた、と音を立てながら、勢いなくカーペットに垂れているのが自分の精液だと気がついたのは、入れられただけで達した事を存分に堪能した後だ。
「はぁ、はあ……はぁ……」
全身に力が入って突っ張ったような感覚が、ぐんにゃりと緩んでいく。
すっごい気持ちよかった。
しつこくねっとりは焦らされて苦手だけど、溜め込んだ快感が一気に爆発する感じは好きぃ。
この勢いがないのは射精?
何度も出した後みたいなんだけど、なんでぇ。
「気持ちよくなって頂けて良かった」
ちょっと待て声が遠い、おれは気持ちよかったが、ディスの男性器らしきものは根元まで入ってない。
腰を支えるディスの両手はあるのに、背中に伸し掛かるディスの体温も体重も感じていない。
あれ、これって今、どういう体勢?
「もっと、もっとしてぇ」
もっと奥まで、もっと、もっとぉ、と望むおれの腰は万力に挟まれたように固定されていて、ぴくりとも動かせなかった。
もっとして欲しいとおねだりしたいのに、優しい力加減でしっかりと掴まれている腰が動かせない。
「ディス、もっとぉ」
「ゼン、すいません、これ以上はスペラが本気で泣いてしまいます」
「あうっっ」
ずるんっ、と入れた時のじれじれがなんだったのかと言いたくなる素早さで抜かれた。
抜かれる時に擦られた腹側に快感が走る。
中途半端に突っ込まれて達したせいで、中がひくひくと痙攣している気がする。
全身が期待で震えてる。
ディスは本当にここで終わりにするつもりなのか、精液まみれのおれの体を手際よく拭いた。
んん、手ぇ何本あるんだ?
気がつけば、肌がすっきりして爽やかな香りまでしている。
いつもなら喜べるのに、今は全然嬉しくない。
硬くて熱いのを締め付けながら中を擦られて嬉し泣きしたい。
気持ちいいの欲しい。
欲しいのに、もらえない。
スペラがいないから気持ちよくなれないと思ったら、悲しい。
「うっ、っぅ、っく」
「ああっ!?、ゼン、泣かないで、ごめんなさい、もっと早くスペラが帰ってくると思っていたんです。
あの野郎、どこで道草食ってやがるっ」
慌てているディスに抱き上げられた。
身長の問題で安定しないので、胸元にあるディスの頭に抱きついた。
足元にあったカーペットが片付けられていく。
足で器用なことしてると思ったら、いつのまにかイソギンチャクもどき人間になっていて、触手が働いていた。
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