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3 おれ
21 ※ スペラ 挿入
しおりを挟む甘えるような声と共に、尻の穴を撫でられた。
「ゼンさま?」
「うぅ、あうとっ」
今の〝さま〟付け、絶対にわざとだ!!
さま付けの罰でキスをしてやろうとしたら、逆にかぷりと口元に食いつかれた。
呼吸がうまくできずに悶えている間に口の中を舐め回されて、全身がふにゃふにゃになっていくのが分かる。
尻の穴を柔らかいものに撫でられながらされるキスは、なんだかもーとんでもなく最高だった。
全身がふにゃふにゃになるって、こーゆー事なのかと思い知った。
なんでこんなにキスがうまいんだ。
なんで尻の穴を撫でられると気持ち良いんだ。
自分の変態ぶりにがっかりしてしまうが、気持ちいいものは気持ちいい。
すりすり優しくこすられる刺激で腹の中がうずうずして、もっとして欲しいと望んでしまう感覚に戸惑い、やめてほしくないと思って困惑する。
「うっ、ううっ、ひぅっ」
時々穴の縁に引っかかるような感覚から、尻の穴が緩んでしまっていないか不安になる。
気持ちいいと同時に感じている不安と戸惑いが、癖になってしまいそうで怖い。
下半身からぞわぞわと背中を登っていくものは、分かりやすくこの先への期待だった。
もう二回も出した後だから、肉体的には疲れている。
満足しているのに、スペラの甘くて優しい愛撫に反応してしまう。
穴を撫でる動きが優し過ぎてもどかしい。
こんな時に紳士らしさを出すなよ、野獣感はどこに行ったんだ?
反応した場所ばかり重点的に刺激されて、またもや分身が頭を持ち上げてくるが、ひどく遺憾だ。
前に触れてくれない理由は分かっているのに、刺激されないことが気に入らない。
触られたい、もっと気持ちいーの欲しい。
もう大丈夫だと訴えたら、触ってくれるのか?
でも、どんな顔して言えば良いんだよ。
言えない、でも自分の手でスペラの目の前でオナニーするのも恥ずかしい。
触ってと頼んでも、自分で触っても引かれそうだ。
「ぅんんっっっ!」
くにくにと指先で広げるように穴を押されて、腰が揺れる。
もういっそ入れてくれよ。
指じゃないことは分かってる。
クラゲに指があるわけない。
それなら、おれの尻の穴を撫でて揉んで広げようとしているこれはなんなんだ?
「柔らかくなってきた、もう、入っちゃいそうだ」
「ぅん、むーっっ」
スペラがやっと口を離してくれたけれど、歯を食いしばる。
入れてーとか安易に言ってしまいたい気持ちで顔が熱い。
「ゼン、このままだと本当に入っちゃうよ?」
「ううううっっ」
やめろ、そういうのいらん。
会話はしたいが、言葉責めしてくれとか言ってない!
「迎え入れてくれないの?」
「ううっ、ぅぅうっ」
そんなもん許可とらずに入れろよ!、いいや、気遣ってくれてありがとう?
なんて返事したら良いんだよー!
にゅるにゅると尻の穴を撫でられるの気持ち良い。
なんでこんなに気持ち良いんだよぉ
悔しい、もどかしい、気に入らない。
もっと気持ち良いの欲しいぃ、この先の気持ちよさを知ってるから、焦らされんのめちゃつらいぃ。
気がついてくれよぉ。
自分から尻の穴に指みたいなもんを突っ込んでとねだるのは、ハードル高すぎるってぇ!
おれの人生に、尻の穴に突っ込まれんのが気持ちいいとか知る予定なかったんだって。
突っ込まれる側の知識なんかないっての。
元の世界にいる時に、もっと猥談に積極的に参加しておくべきだったのか?
あーでも、ケツいじる話なんて普通はしないよな?
しないよな!?
「ゼン、なに考えてるの?」
「ふぁゃわっっ」
おれが焦って慌ててよそ事を考えていたことに気がついたのか、スペラの声が耳元に落とされる。
はぁ、と落とされた吐息にぞわぞわっとすると同時に、尻の穴になにかが入れられたのを感じて変な声が出た。
穴を広げるようにくりくりと動かされるなにかの動きが、めちゃ気持ちいいぃ。
気持ちいいって感じてることにびびって、パニックを起こしてる。
どうすりゃいいんだ。
嫌がるのはスペラが悲しむから無しだ。
それなら頼めばいいのか?
自分で動くべきなのかっ?
「会話をしたいと言ったのに返事をしてくれないの?」
「ひぃ、ちが、違う、会話ってそーいう意味じゃないっ」
まさか。
おれが言葉責めされたがっている、と誤解してる?
そんなキャラじゃねえよ、待て、待てって、おれマゾじゃないよ、多分。
会話したいって、そーゆーことじゃないからな。
……これ、頭をクラゲに突っ込まれていたほうが、会話ができないから速やかに進めてもらえたのでは?
くそ、おれの考えなしめ。
こんなことになるなんて思いつくわけないだろ。
焦らしプレイとか、えろいこと初心者で二回目にはハードル高すぎる。
どうしよう。
「それなら、どういう意味?」
上等な真珠のように鈍い光沢を持つ瞳に見つめられて、あうあうと言葉を失うこと数秒。
おれのなけなしの矜持は、棒ふ菓子のように簡単に折れた。
正解なんて知らない、考えるだけ無駄だぁ、とさくりぽっきんした。
数百年ぼっちだった頃に戻りたくない。
スペラに呆れられたくない。
「恥ずかしくて許可なんてできないけど、でもっ、ちんこ入れる前に言ってもらわないと、覚悟する時間が必要なんだよぉっ、ふつーの会話してたら恥ずかしさ誤魔化せるって思ったんだよっ」
スペラの顔が見れない。
恥ずかしすぎる。
「……ゼン」
柔らかな声に、明らかな喜色が滲んでいるようで、さらに恥ずかしくなる。
きつく目を閉じて、顔面をスペラのクラゲ傘に押し付ける。
温かくってぬるぬるしてる。
ぺったりと張り付いてしまうと窒息しそうだ。
すぐに息が苦しくなったので、諦めて顔を上げると、ちゅ、と触れるだけのキスをされた。
「~~~~!?!?」
「ゼンの中に入りたい」
「っっ!?」
目と言葉が真っ直ぐすぎて、心臓止まりそう。
覚悟を決める前に息の根を止める気か?
「いや?」
返事が声にならずにいやじゃないと首を振るおれの姿に、ふにゃんと笑み崩れたスペラの顔が、文字通り溶け崩れた。
「ぎゃあっっっ!?」
あっという間に完全なクラゲの姿になってしまったスペラにビビっている間に、尻の穴に違和感を覚えた。
細いなにかが引き抜かれる。
さらに細いなにか数本で、縁を引っ掛けるように広げられた。
広げられた驚きで尻に力が入った時、穴に温かいものが押し当てられた。
あ、これ、入ってくるやつ、と思った時には、太いものが腹の中に押し込まれる感覚に耐えるだけで精一杯になっていた。
「うぐぅぅう~~~っっ」
気持ちよかった記憶があるのに。
ぜんっぜん気持ちよくない。
腹の中に入ってくる感覚が気持ち悪い。
どう好意的に解釈しても、逆流だ。
死にかけてたおれの勘違いだったのか?
苦しい。
腹の中を押し広げられるような感覚が、気持ち悪い。
なんで気持ちよくないんだ?
おれが嫌な顔をしたら、スペラが悲しむんじゃないだろうか。
不安になったけれど、完全なクラゲになってしまったスペラとは会話もできない。
「スペラ、ゆっくり、してっ」
痛くはないから、きっと大丈夫。
ずりずりと腹の中に入ってくるなにかが、おれを痛めつけることはない。
スペラだから、大丈夫。
「ひぁっっ!?」
違和感に必死で耐えていた時、唐突に前が漏れそうな感覚が分身に走った。
「ま、待て、スペラ、これ、待ってっ、な、やめ、まぁっ」
排泄する直前のじんっと痺れるような感覚には、覚えがあった。
やめて、と言ったのに。
「ひゃあっっ、やめ、やだっ、スペラっ、スペラぁああっっ」
ぐり、ぐりと何度も何度もじんじんとする場所を中から擦られる。
同時に外からもごしごしと擦るように刺激される。
対して力が入ってるとは思えないのに、電流でも流されたように体が痙攣した。
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