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崩れていく、何もかも

24話 これは悪夢か

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あくむを みた

ぼくは けんを もっていた

あかくそまった するどいつるぎ

めのまえに たおれているのは きしだんちょう と はるじおん と ぷらんとこうしゃく と ひろいん

ちを ながして ぴくりともうごかない


《おまえのせいだ》
《おまえがころした》


ぼくが……?

なんで………


《おまえがしらなければ》
《おまえがしっていれば》


ぼくが むちで ばかだから……?

ぼくが………


「馬鹿だなぁ、お前は」
「え…?」


うしろから だいすきな こえがした


「そんな風に思わなくていいのにさ」
「うそ……」


ずっと、ずっとずっとずっと ききたかった



「そうやってすぐ自分が悪いって決めつける」
「なんで……」


ぼくに そっくりな かのじょは……



「ま、私が居なくても大丈夫になって欲しいな……」
「い、いやだ……!」





「行かないで!」


必死に手を伸ばした先はよく見知った天蓋だ
嫌な汗と涙で湿った僕は、溺れたように息が出来ない


「お嬢様、うなされてましたが悪夢でも見ましたか?」
「……じ、る?僕…ど、れくらい眠ってた?」
「アスフォデル殿下が離れて数分ですから、それほど眠ってはいません」


またアズに迷惑をかけたかな
……あれ、事件の夜を鮮明に思い出したのに苦しく無い
人を殺して感覚が狂ったのだろうか

それにしても、夢の中にいた彼女は一体だった?
今の僕によく似たアイリスか、前世の僕によく似た前世の姉か
分かったのは僕と似ていたという事
ただ、僕に言い放った言葉を考えると前世の姉だろう
でもなんであんな状況だったのだろうか
なぜあの人たちが夢に出てきて、死んでいたのか
なぜ僕が殺していたのか


「ただの夢、だよね」


僕はベッドから降り、アズに感謝と謝罪を伝えに行った
それと、誰があの刺客達を送ったのかを話そうと
一体誰が何のために僕を殺そうとしたのか
身に覚えがないんじゃ無い
覚えがありすぎてわからないのだ


使用人にアズのいる場所を聞いて、ハルジオンの執務室に向かった
なぜそこにいるのかは分からない
正直ハルジオンの元に行くのは気が引けるけど、それでも王太子妃が狙われたとなればどっちみち話すことにはなるだろう
執務室の前に行くと、アズの叫び声が聞こえた

「どう言う事ですか!兄上!だなんて信じられません!」

……え?
何を、言っているのだろうか
だって僕は騎士団長がくれた剣に救われた
なのに、なぜ……?
恐る恐るドアをノックした


「誰だ」


重たい声
ハルジオンの声だ


「アイリス、です。アズ様がここにいると聞いて……」
「入れ」


やけに重たいドアを開くと、3人の王子が揃っていた
真剣な顔のハルジオン
怒りと戸惑いを浮かべたアズ
口元を手で覆い、青ざめているリージュ
今のこの状況は、完全にゲームからかけ離れていた
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