余命一年の転生モブ令嬢のはずが、美貌の侯爵様の執愛に捕らわれています

つゆり 花燈

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第二章

32.【R18】後悔と反省と繰り返し 1

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  潤んだ瞳で見つめられて、ルイスの下半身が熱くなる。

 ルイスは腕の中にある確かな熱を感じながら、再び目の前の唇を自らの唇で塞いだ。
 歯列を割って舌先を口内に滑り込ませ、口蓋を舐る。舌先がわずかに触れ合った時、それを追いかけて、吸い付き絡め取った。

 淫靡な水音が、室内に静かに響く。
角度を変えながら蹂躙したアリシティアの唇から、とてつもなく甘い吐息が漏れる。
ルイスの背筋を滑るアリシティアの指先が、彼女の情欲を伝えてきた。
 彼女に触れられた部分が敏感に熱を感じ取り、下腹に確かな疼きが生まれる。集まった熱が拍動した。



 重なった唇をわずかに離したルイスは、短い吐息を零した。
このまま暴走しないように、必死に自分を抑える。


 アリシティアは子供の頃からルイスがする事に対しては、常に大人しくされるがままだった。一度腕の中に捉えてしまえば、本気で抵抗したり、ましてや拒絶したりする事はまずない。

 とはいえ、彼女が本気で嫌がれば、ルイスの腕など簡単にすり抜ける事ができる筈だった。

 必死に鍛えてようやく『秀』がもらえるレベルの凡人であるルイスとは違い、アリシティアの身体能力は子供の頃からずば抜けていた。それは間違いなく天才的とも言える域だった。

 だが、『できる』からといって、『する』とは限らない。かつて美しく、たおやかな身体を欲望のままに蹂躙した後、ぽろぽろと涙を零す姿を目にした時に思い知った。

 ルイスは指先でアリシティアの頬に触れて、そこに涙の跡がないか確認し、再び深く口付ける。彼女が全身に纏う底しれぬ甘さに、脳が侵蝕されていくのを彼は自覚していた。



 アリシティアの吐息がルイスの耳朶を擽る。ぞくりとした快感が彼の背筋を駆け抜け、肌が泡立った。
 熱が半身に溜まり、集まった血が欲望を痛いほどに膨張させる。

 ルイスはアリシティアの胸に顔を埋めて、舌で固く尖った先端を弄んだ。
そのたびに、彼女の唇からは甘い声が漏れ、男性の欲情を煽る身体が淫らに震えた。

 右手で彼女の内側から溢れた蜜を指先に絡めてから、小さく、けれど確実に硬さを持った花芯を弄ぶ。普段は透き通った鈴音のような彼女の声が、甘い官能を纏った喘ぎに変わった。


 彼女の下腹が何度もピクピクと波打ち、吐息とともに漏れた甘い声に、ルイスの半身が反応する。
 本当はそのまますぐにでも彼自身の情欲の塊を彼女の身体に突き立てて、何度も白濁を吐き出して、抱き潰してしまいたかった。

 だが、感情にまかせて抱く事は出来ない。

 すぐに閉じようとする足を開かせて、止め処なく溢れ出る蜜を何度も指ですくい取り、ルイスは二本の指を彼女の中に差し入れる。

「んんっ」

 小さく身体を震わせたアリシティアは、その喉元を差し出すように反らせた。

 さらなる刺激を待ちかねていたかのように、彼女の膣内は差し込まれた指をあっさりと呑み込む。内壁が指に絡みつくように締め上げ、溢れた蜜がルイスの指を濡らした。

 卑猥な水音が荒い呼吸と嬌声に混ざり始めると、それを恥ずかしがるように、彼女の足に力が入る。
 足を閉じる事が出来ないように、自らの足で絡めて拘束し、彼女の弱いところを容赦なく擦っていく。
 何度も二本の指を出し入れしつつ、固くなった突起を親指の腹で押しつぶし、小刻みに振動を与えながら嬲りつづける。

「や。も…ぅ…無理……」

 アリシティアは限界を訴える言葉を零した。蜜を溢れさせる内壁は、小さな痙攣を何度も繰り返しながらも、体内に迎え入れた指の動きを封じるように締め付ける。

「やっ…エル」

 アリシティアから零れ出る甘い声の所々に、泣き言がまじり始めた。
その姿がとてつもなく可愛い。
 彼女の全身を洗っただけでは満たされなかった感情が満たされていくのを感じる。

「もう限界?」

 甘ったるい笑みを浮かべてアリシティアを見下ろしていたルイスは、彼女の耳元に唇を寄せて囁いた。
 必死に頷く彼女の頬にそのままキスを落とし、ルイスは手を緩めることなく、さらなる刺激を与え続ける。

「お願い…も、やっ……」

 眉根を寄せて、大きすぎる快楽を逃すように、アリシティアは首を左右にふった。上半身を捻り、甘い喘ぎが漏れ出る唇を、自らの手の甲でふさぐ。
 その姿はとてつもなく扇情的で、彼の思考を絡め取るほどの興奮を煽り立てた。

「まだだよ。まだだめ。ね、もう少し頑張って?」

 ルイスは彼女の耳元で囁きながら、狂ったように犯したい欲望を押さえつける。とことんまでアリシティアの身体を快楽で溶かしつくし、彼女の全てで自らを求めさせたかった。



 嫉妬という爛れた感情は、彼女の心だけではなく、身体さえも傷つける事は嫌という程にわかっていた。

 どろどろに溶けるほどに甘やかしたいとも思うのに、泣かせたいとも思う。
 だけど実際に彼女の涙を見てしまうと、どうしようもない程に後悔する。なのに、何度も同じ事を繰り返してしまう。

『どんな極限状態であっても自らをコントロールできるようになるまでは、アリシティアと関わらせることはできない』と、幼い日のルイスに言った叔父は、きっと彼の本質をつかんでいたのだろう。

 ルイスは小さく自嘲した。


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