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再びの異世界

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「聖母様、我らの世界をお救いください。エルドラの子を代理で
産んでいただきたいのです」


 目覚めると私はまた、異世界にいた。
 異世界エルドラの王と神官たちは、私にひれ伏す。
愕然とした。同じことを繰り返すつもりなのか。


「私はあなた方の要求通り、代理で出産しました。もう用はないはずですよね?」
「はい。子供は元気に成長しております。我らの希望です。ですが……
子供がひとりでは寂しすぎますでしょう? 聖母様、どうかこれからも
我らエルドラの赤子を産んでいただきたいのです」


 王と神官たちは、穏やかな微笑を浮かべていた。その笑みが
恐ろしかった。

 私は知らなかったのだ。
初めての代理出産は、全ての始まりにすぎなかったことを。

 私は彼らの希望を叶える尊い存在なのではなく、
エルドラの赤子を無事に世に送り出すための、
道具でしかないことを……。
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