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しおりを挟む「そういえば
アレン様は何処に行ったの?」
「あぁ、アレンは自由だからな。散歩にでも行ってるんだろう」
「そっか、精霊の井戸端会議かな?見てみたいな~」
「…井戸端会議?」
ご飯を作って貰ったので、洗い物は自分がやろうとすると押し問答になり
結局2人で仲良くする事になってしまった。
お皿拭いてるだけかよ、私。
ゲイルは世話焼きだ。
私の女子力が一向に発揮されないではないか。
一応まだ怪我人だから甘やかされている気はするが…
でも、まさかこうして推しと何の変哲もない会話が出来るなんて感無量である。
ゲイルはどんな話しでも興味深そうに聞いてくれるので、お喋り好きな私にとってはとても有難い。
色々話しをしているとこうして脱線してしまう。
が、今日は色々聞かなくてはならない
勿論、井戸端会議の説明はした。
「今日は昨日聞けなかった事を沢山聞こうかなって思ってる。
この家の事も分からないし、何より私が知らないこの国の事が沢山有るだろうから」
「そうだな、まずはその説明からの方が良いか」
片付けが終わり、商会の人は昼頃に来るらしいのでそれまでこちらの事を教わる事にした。
ゲイルはサッとお茶の用意をし、蒸らしている間にリビングを出て紙とペンを持ってきた。
お茶を入れ2人の前に置くと、スラスラと地図を書き出す。
「まずはこの国『カダール王国』。
隣国『ロジアンヌ帝国』と陸続きの大国だ。
隣接している為に何十年と大小の諍いが絶えなかったが、2年前我が国が勝利し終戦を迎え和平が結ばれたので今は平和だ。
良い時に来たな。
ここは王都からは少し離れた『ミレーヌ』という街だ。
『花の都』と呼ばれ1年通して温暖な気候だから、主な名産はその名の通り花。
色んな種類の花々が咲き乱れる美しい所で精霊達が住みやすいので越してきた。
その内街も案内する」
ゲイルは戦争を終わらせるきっかけをつくり国に貢献したが、
爵位やらで国に縛られるのが面倒で一生を暮らせるお金と管理に困っている、と伝で知ったこの家を
褒美として貰いそれ以外は断ってしまったとか
私が見ていた漫画の最後はロジアンヌとの戦争編だ。
漫画での時間軸より数年進んでいるらしい。
そりゃあ、そうだ
あちらは週刊、こちらは日々更新される現実の世界。
平和な世界から来たので、戦争の最中では無くて本当に良かったと心から思った。
女神様チートのお陰で文字は難なく読めるらしい。
教えて貰わないと書けないとは思うので、それも今後教わろう。
後、ゲイルは絵も上手だった
優しくて、料理上手で気遣いも出来る
今の所マイナス面が見つからない
迷子かな?
だが、見つけた所でそれをマイナスと捉えるかは別問題である。
屁理屈では無い。多分。
この後、良く考えてみたら
あの漫画で最後に見た登場から
ゲイルがめちゃくちゃ活躍したのだろう、と推測して作者様の異世界転移を強く熱望したのは内緒だ。
こっちでもきっと人気マンガ家になれるよ。
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