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第5章 第0騎士団
第8話 討伐準備
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執務室を後にしたルーズハルトは、自室に戻るとすぐに対応を開始する。
とはいうものの持っていく荷物はさほど多くはなく、隊として動くことにはさほど支障はなかった。
「それにしても冒険者ギルドもやってくれたよ……」
「仕方がありません。当時の事を調べましたが、さほど脅威だとは思わなかったようですね。」
ルーズハルトはただぼやいたつもりだったが、それをイザベルが拾い起こす。
その返答にあまり満足が行っていない様子のルーズハルトに、イザベルからため息が漏れた。
「それにその当時対処していたとしても、結果は変わらなかったと思います。」
「どういうことだ?」
訝しがりながらイザベルに問うルーズハルト。
イザベルも詳しく答える気はなかったようで、ルーズハルトの執務机に置いた資料を指さした。
そこに記載されていたのは各地で目撃されていたモンスターの集団行動に付いての報告書。
以前から上層部から情報は降りてきていたが、ナンバーズが対応する案件ではないと判断され、こうして資料のみが渡されていた。
ルーズハルトもそれほど気にしてはいなく、冒険者ギルドが動けば問題ないだろうと判断していた。
だが蓋を開けてると冒険者ギルドは動いておらず、モンスタースタンピード目前まで差し迫った状況に陥っていた。
「だからと言って変わらなかったって話にはならないだろう?」
「それだけの数が自然発生したとでもお思いですか?それならあなたは相当のお花畑の持ち主だということですね。」
何やら普段に増して棘の多い答えに、一瞬たじろいだルーズハルト。
若干の悔しさを滲ませつつも咳ばらいをして話の先を急がせる。
「離れた距離での観測でしたが、魔力の歪みが確認されました。おそらく転移ゲートが設置されている可能性が高いでしょう。」
「転移ゲートって……魔導具……いや、アーティファクトクラスか……そりゃ騎士団を動かすわけだな。」
納得の表情を浮かべるルーズハルトに、またしてもため息をつくイザベル。
どうやらイザベルとしてはその答えに納得がいっていない様子だった。
ルーズハルトはイザベルの態度に苛立ちを隠せないでいた。
「それだけではありません。騎士団が動けばナンバーズが動く口実が出来るでしょう。そして動いたとしても周囲にばれない。つまりあなたが動きやすくなるってことです。それすら分からないのならば今すぐその命を絶ってください。そして私に神力を返しなさい。」
言いたい放題のイザベルに、ルーズハルトは若干の怒りを覚えたが、ここでこれ以上突っかかっても仕方がないと半ばあきらめて矛を収めた。
イザベルはルーズハルトの見せた表情が気に入ったのか、軽く鼻で笑う。
ルーズハルトはより一層悔しさを滲ませていた。
「で、部隊の準備は大丈夫か?」
「当然できています。第13騎士団所属を経由して、第5騎士団に出向。そこから第3騎士団に応援として出動します。その際は第5騎士団第1大隊第8中隊第1小隊隊長として行動してもらいます。」
まためんどくさいなと感じつつも、隊のバッチをガサゴソと机から探し出すルーズハルト。
その引き出しにはいくつものバッチが収まっており、目当てのバッチがなかなか見つからないことに苛立ちを見せる。
「あったあった。第13と第5の騎士団バッチ……それと小隊長徽章と……この隊服にバッチが増えるのどうにかしてもらいたいな。」
「規則です。」
ツンとした態度を崩さないイザベルに辟易するルーズハルト。
あらかた執務室での準備を完了させたので、第13騎士団の隊舎へ移動することにした。
第13騎士団の隊舎は第0騎士団の隊舎の近くにある。
その騎士団の特性も特殊で、基本的には遊撃部隊に近い物があった。
基本的指揮系統はある物の、中隊単位で独立した指揮権が与えられていた。
それは各騎士団の大隊長に意見し、大隊長もそれを無下には出来ない程の権限。
第1から第12騎士団は総団長及び元帥の指揮下にある。
しかし第13騎士団だけは国王直下の管轄となるからだ。
その為各大隊長からは煙鷹がられる存在でもあった。
しかしその実力は折り紙付きで、切り札とも言える。
今回は調査補給を主任務とした第5騎士団所属として配置されるルーズハルト。
理由として上がれられたのは第3騎士団の存在だった。
彼らはどちらかと言えば貴族派が大多数を占める騎士団で、騎士団長は公爵家の当主でもある。
しかもこの騎士団長は数代前の王弟を先祖としており、今代に至ってもその遺恨を残したままとなっていた。
数代前の王弟が簒奪を企てるも事前にその目をつぶされ、ほぼ権力を持たない公爵家として半ば追放される形となった。
これも当時の国王の最後の情けともいえるもので、殺されるよりはましだろうと考えての事だった。
しかし当時の王弟はそれを逆恨みし、現代にいたっているというわけだった。
「それにしても面倒以外に他ならないな。さっさと終わらせて返ってきたいものだよ。」
「愚痴をこぼしたところで何も変わりません。今度こそは問題を起こさず、速やかに事態解決に励んでください。」
イザベルの棘のある言葉に、ルームメイトは軽く手を振ってこたえる。
理解しているのか不安に駆られるイザベル。
こうして二人はかの戦場へ赴くことになったのだった。
とはいうものの持っていく荷物はさほど多くはなく、隊として動くことにはさほど支障はなかった。
「それにしても冒険者ギルドもやってくれたよ……」
「仕方がありません。当時の事を調べましたが、さほど脅威だとは思わなかったようですね。」
ルーズハルトはただぼやいたつもりだったが、それをイザベルが拾い起こす。
その返答にあまり満足が行っていない様子のルーズハルトに、イザベルからため息が漏れた。
「それにその当時対処していたとしても、結果は変わらなかったと思います。」
「どういうことだ?」
訝しがりながらイザベルに問うルーズハルト。
イザベルも詳しく答える気はなかったようで、ルーズハルトの執務机に置いた資料を指さした。
そこに記載されていたのは各地で目撃されていたモンスターの集団行動に付いての報告書。
以前から上層部から情報は降りてきていたが、ナンバーズが対応する案件ではないと判断され、こうして資料のみが渡されていた。
ルーズハルトもそれほど気にしてはいなく、冒険者ギルドが動けば問題ないだろうと判断していた。
だが蓋を開けてると冒険者ギルドは動いておらず、モンスタースタンピード目前まで差し迫った状況に陥っていた。
「だからと言って変わらなかったって話にはならないだろう?」
「それだけの数が自然発生したとでもお思いですか?それならあなたは相当のお花畑の持ち主だということですね。」
何やら普段に増して棘の多い答えに、一瞬たじろいだルーズハルト。
若干の悔しさを滲ませつつも咳ばらいをして話の先を急がせる。
「離れた距離での観測でしたが、魔力の歪みが確認されました。おそらく転移ゲートが設置されている可能性が高いでしょう。」
「転移ゲートって……魔導具……いや、アーティファクトクラスか……そりゃ騎士団を動かすわけだな。」
納得の表情を浮かべるルーズハルトに、またしてもため息をつくイザベル。
どうやらイザベルとしてはその答えに納得がいっていない様子だった。
ルーズハルトはイザベルの態度に苛立ちを隠せないでいた。
「それだけではありません。騎士団が動けばナンバーズが動く口実が出来るでしょう。そして動いたとしても周囲にばれない。つまりあなたが動きやすくなるってことです。それすら分からないのならば今すぐその命を絶ってください。そして私に神力を返しなさい。」
言いたい放題のイザベルに、ルーズハルトは若干の怒りを覚えたが、ここでこれ以上突っかかっても仕方がないと半ばあきらめて矛を収めた。
イザベルはルーズハルトの見せた表情が気に入ったのか、軽く鼻で笑う。
ルーズハルトはより一層悔しさを滲ませていた。
「で、部隊の準備は大丈夫か?」
「当然できています。第13騎士団所属を経由して、第5騎士団に出向。そこから第3騎士団に応援として出動します。その際は第5騎士団第1大隊第8中隊第1小隊隊長として行動してもらいます。」
まためんどくさいなと感じつつも、隊のバッチをガサゴソと机から探し出すルーズハルト。
その引き出しにはいくつものバッチが収まっており、目当てのバッチがなかなか見つからないことに苛立ちを見せる。
「あったあった。第13と第5の騎士団バッチ……それと小隊長徽章と……この隊服にバッチが増えるのどうにかしてもらいたいな。」
「規則です。」
ツンとした態度を崩さないイザベルに辟易するルーズハルト。
あらかた執務室での準備を完了させたので、第13騎士団の隊舎へ移動することにした。
第13騎士団の隊舎は第0騎士団の隊舎の近くにある。
その騎士団の特性も特殊で、基本的には遊撃部隊に近い物があった。
基本的指揮系統はある物の、中隊単位で独立した指揮権が与えられていた。
それは各騎士団の大隊長に意見し、大隊長もそれを無下には出来ない程の権限。
第1から第12騎士団は総団長及び元帥の指揮下にある。
しかし第13騎士団だけは国王直下の管轄となるからだ。
その為各大隊長からは煙鷹がられる存在でもあった。
しかしその実力は折り紙付きで、切り札とも言える。
今回は調査補給を主任務とした第5騎士団所属として配置されるルーズハルト。
理由として上がれられたのは第3騎士団の存在だった。
彼らはどちらかと言えば貴族派が大多数を占める騎士団で、騎士団長は公爵家の当主でもある。
しかもこの騎士団長は数代前の王弟を先祖としており、今代に至ってもその遺恨を残したままとなっていた。
数代前の王弟が簒奪を企てるも事前にその目をつぶされ、ほぼ権力を持たない公爵家として半ば追放される形となった。
これも当時の国王の最後の情けともいえるもので、殺されるよりはましだろうと考えての事だった。
しかし当時の王弟はそれを逆恨みし、現代にいたっているというわけだった。
「それにしても面倒以外に他ならないな。さっさと終わらせて返ってきたいものだよ。」
「愚痴をこぼしたところで何も変わりません。今度こそは問題を起こさず、速やかに事態解決に励んでください。」
イザベルの棘のある言葉に、ルームメイトは軽く手を振ってこたえる。
理解しているのか不安に駆られるイザベル。
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